本編
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季節は、初冬くらい。毎朝起きるのがつらくなって、わたしはこの日も布団から出たがらなかった。小十郎さんが「朝餉冷めちまうだろーが!」とズカズカ入ってきても、「あとで食べます~」と手をひらひら振って追い返す。すると小十郎さんが無言で近付いてきた。
「ううん、駄目ですよう小十郎さん・・・わたしの寝込みを襲うなんて・・・。お気持ちは嬉しいですけどわたしには政宗さんが」
「その気色わりィ妄想癖をいい加減直せェェェェ!!」
「えっうわっギャアアァァァァァ!!!!!」
布団ごと(正確には敷き布団ごと)わたしを持ち上げた小十郎さんは、それを頭上まで持ってくると、「うらァァァ!」と回しはじめた。たちまち景色が360度、高速で移り変わっていく。あああ朝からこれはききき、きつい!
「すすすすすみませんでしたーーー! ばっちりさっぱり目覚めたので! ありがとうございましたごめんなさい大好きです小十郎さんンン!! だから降ろしてーーーー!」
絶叫マシーンより絶叫したわたしは、そのまま荒々しく畳に叩きつけられ(げふ! 布団があってよかった)しばらく呼吸を整えることで必死でした。そして今回の教訓は、「小十郎さんに逆らうのは、やめよう」でいこうかな・・・!
食堂に行くとみんながいっせいに「ななし姐さんお早うごぜェやす!」と挨拶してくれた。それに機嫌よく返して、政宗さんの隣にいそいそと座る。政宗さんはすでにご飯を米一粒残さずたいらげていた。
「早いですよ政宗さん、食事は愛しいハニーが来るまで待つものでしょ!」
「その愛しいハニーに原因があんだよ。寝坊したのは誰だオイ」
あの小十郎に起こされたらしいな、とニヤニヤ笑う政宗さんは、きっとわたしがどんな目にあったのか知っているに違いない・・・!! あっていうか今政宗さんわたしのこと「愛しいハニー」って言ったよね! ワオ、ついに政宗さんからハニー宣言受けちゃった!
「政宗さん今わたしのことハブァ!!」
「ハブだあ? アンタハブが好きなのかそうなのか、おい小十郎今度ハブ酒でも作ってやれや」
「しかしハブは奥州には生息していませんぞ」
「じゃあななし自身に捕り行かせるか」
「ハブ」と発言させた犯人が話勝手に展開させてるよ。ああもう、政宗さんたら照れ屋にもほどがあるっての。そんな旦那に はたかれた片頬をさすりつつ、わたしは(やっと)朝食に手をつけたのだった。
「Hey,それ食ったらハブ捕りに行けよ」
「・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・マジですか。
えっちょっ、待て!
代わりに「一週間早起き令」が下されました。