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単発物(ジャンル問わず)

昔、遠い異国にあった哀しい物語り。
その国にはとても仲の良い兄妹がいました。
兄妹と言っても本当の兄妹ではありません。兄のお母さんは兄を産んで直ぐに亡くなり、妹はそんな兄の為にと新しく迎えた王妃の連れ子だったからです。
暫くはとても幸せな日々を過ごしていました。兄に、妹に、婚礼の話が出てくる迄は。

愛する妹が違う男のものになる、その事実に直面した瞬間……兄王子は自分の本心に気付いてしまったのです。
嗚呼、私は彼女を、妹姫を一人の女性として愛しているのだと。

気付いてしまったからには自分の気持ちに嘘は吐けません。
彼は王様と王妃様に言いました。

「私は妹姫を愛しています。だから私の妻は彼女以外に考えられません」

この言葉に激しい怒りを露わにしたのは王様です。

「国の父となるべきお前が、血は繋がらぬとは言え妹を愛するとは何事か!」
「妹とでは国の繁栄と存続は出来ぬ、妹を罪人として捕らえ処刑せよ!!」

と、そう兵士達に告げたのです。

哀れな妹姫は罪人として捕らえられる事になってしまったのです。王様は妹姫が兄王子を誑かした忌わしき罪人である、と考えたのでしょう。
愛する妹姫を自分のせいで処刑されてなるものかと、兄王子は妹姫の手を取り国を逃げ出しました。

其れから長きに渡り、追っ手から逃げ続けながら二人は少しづつ愛を育んでいったのでした。
兄王子も妹姫も、共に夫婦となるのはお互いしかいないとそう思っていたのです。

しかし、そんな二人の気持ちを王様は決して許しませんでした。
緑溢れる国にも、水に囲まれた国にも、戦乱と混沌に満ちた国にも、土地枯れた国にまでも兵士を派遣し、二人を捕らえるべく追い続けたのです。

やがて深い深い森に包まれた土地へと二人は辿り着きました。
其処で二人は四方を王様の兵で囲まれている事を知るのです。別れが近付いている事を二人は悟りました。

「父王様の言う通りの相手と結婚します。父王様には決して逆らいません。ですからせめて妹姫の命だけはお助け下さい」

「私はどうなっても構いません。せめて兄様だけはお許し下さいませ」

お互いの事を想い合う二人の言葉を聞き、王様は決断しました。
兄王子は最初から決めていた他国の姫と婚儀を執り行い、妹姫は兄王子の知らぬ間に絞首刑にしてしまえと。
王様は妹姫の事だけは決して許さないと言いました。妹姫は父王にこう願います。

「分かりました、私は此処で命を絶ちましょう。ですが兄様には私が処刑されて死んだ事実をお隠し下さいませ。父王様が亡くなられた後も、兄様が亡くなられた後も、決して真実を暴かれる事の無い様に…」

妹姫は自分が処刑される事で、兄王子の心が傷付き妹姫に縛られてしまう事を何よりも恐れていたのでした。

「神様は忘却という贈り物を私達に与えて下さるでしょう。兄様もきっと忘れて下さります、父王様もお母様にも……ですので真実を暴かれる事の無い様に、ずっとずっとお隠し下さいませ」

王様は涙ながらに訴える妹姫の最期の願いだけは聞き届ける事にしました。
真実だけは隠し、妹姫は深い深い森の麓にある村の男に預けたと兄王子に伝えたのです。
するとまるで憑き物が去ったかの様に、穏やかな愛情を他国の姫と育む兄王子の姿を見て、王様も漸く穏やかな気持ちになるのでした。

そんな彼等を哀しい気持ちで見ていたのは、娘である妹姫を喪った王妃様です。
妹姫の名前すら口に出すのも許されない国の中で、王妃様は亡くなる直前までただ心の中でのみ妹姫の冥福を祈り続けたのでした。

深い深い森の中、誰も足を踏み入れない場所に、心優しい姫様のお墓がひっそりと作られました。
誰が作ったのか、誰がこの話を残したのか、今となっては誰も分かりません。
ただ深い森の中で迷う旅人が眠る時、旅人の夢の中でこの哀しい物語りを唄う声が聞こえて来る事があるそうです。

忘却を願う姫様の何処までも優しい歌声が、疲れた旅人の心を癒してくれているかの様に。



………とまあ、こんな夢を見ました。
よく色んな夢を見ますが、此処までしっかりとした夢かつ覚えている夢は久し振りだなって(⌒-⌒; )
ですので色々と思う所は有るのですが、取り敢えず夢の話だけでも先にアップ。
此れを元に何か話が書けそうな気がします。百神とかでwww
と言うか、姫様の扱いとか王妃様の扱いが酷いよなあ……王様も兄王子の扱いもどうよ?
と思うけど。
本当に変な夢を見たもんだ。
此処まで見たままかつ手直ししないで書いたの久し振り~\(^o^)/


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