望郷組(クライヴ・ジョシュア・ジル)
母にジルともあまり親しくしないようにと釘を刺された。
「ジルはきょうだいです」
そうきっぱりと答えた。
これまでこの人の期待に応えようと大抵のことは抑えて従ってきた。
この時はそう答えなければと動かされたのだ。
父上からこれからは彼女もロザリアの一員だとはっきりと告げられた。
ずっと寂しそうな君を放っておけず。このままにしておけないとあの日気が付いたら連れ出していた。マードック将軍を含め怒られると結果は分かっていたのに動かされたのだ。
“3人はどんな関係だったの”
ジョシュアが目覚めてからインビンシブル内で幾人かにそう聞かれた。なんてことは無い世間話のつもりだったのだろう。
“宝物なの。大切なものをしまい込んでなくて良いとふたりが教えてくれた”
彼女のその言葉に兄と弟は顔を見合わせる。
“きょうだいで―”“兄さんとジルは今は違うだろう?”
“…特別な人、だ”
“大切な人だね。僕も兄さんも出会えて嬉しいんだ”