メモと小ネタ帳

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  • 神話の中での断片

    20240728(日)22:29
    ※フーゴとベネディクタ

    “風”とやらはひどく無分別で、残酷な面があると彼はそう認識している。
    そして、見逃すべきでない美学のようなものがある。
    “大地”はすべてを飲み込もうとする。島ごと揺らす破壊の力。
    後には何も残らない。
    —・・・“何も”、は語弊を生み出す物言いだ。
    彼は彼女にあるものを見出した。誰にも辿り着けないものを。
    それが破滅に至るとしても“大地”はそれすら呑み込んでしまえ、と声を上げるのだろう。

    ※ディオン

    この国の民は—いや、これからの時代の人々はいい加減なものや露骨なものに対して抵抗を示し続けるだろう。秘められていて隠されているものに対して明かせよ、と声を上げて反抗の行動を起こし騒ぎ出すだろう。日々押し寄せてくる重荷に押しつぶされそうになる。
    ディオン、今日はもう休めと命令を下して来た父の言葉も頭に反復しつづけている。果たして疎まれないように期待に応えられているのだろうか。
    テランスに槍を預け、寝所へ向かう。鉄格子の窓から見上げる月が美しかった。
    幼い頃父と見上げた満天の星々の中でひときわ美しく際立つ満月の光。隣に沿う赤い星。
    祈るよりも、動くべきだ。民を思う父のあの日の言葉を思い出し彼は重たかった足取りを再び早めた。

    ※クライヴ

    “時”は残酷だ。向こうは永遠で悠久に流れているにもかかわらず、こちらの都合は全くというほど考慮はしない。“今”だけとか“それだけで良い”などという都合はどこにも存在していない。楽しかった時“過去”を思い出してさえいれば、それで良いという訳でもない。
    事実俺はずっと止まっていた。ひとりになってからは現実からひたすら目を背けて逃げ続けていた。逃げ出すことは出来ない、命令には逆らえない、目を合わせることもない。そうした環境を盾に弟の仇を、と残ったそれだけに縋っていた。時間は溜め込むことは出来ないが、費やすことは出来る。
    弟に生かされた意味。君が言ってくれた俺が生きている意味。シドが話してくれた通りこの世界は未来を考えるとしてもあまりにも幼かった。
    夢、と語るにはあまりにも多くのもの―罪と業を背負って行くことになったがそれでも歩みは止めない。
    俺は生きているし、それが人として生きている証なのだろう。
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    FF16

  • まっすぐに(クライヴ・ジョシュア・ジル)

    20240727(土)23:33
    エッダが語るアルケーの空へと変わってから空は覆われているものの変わらず月は煌めきメティアは赤く光っている。


    混沌とした情勢と疲弊した心が黄昏から終息へと向かうのだとヴァリスゼアの人々が怯えている夜の刻。パチパチと火の粉がはぜる焚火は3人の姿と一匹の狼と一匹の馬(チョコボ)の姿を照らし出す。

    焚火をぼんやりと眺めるクライヴの傍で右側に弟のジョシュア、左側にはつい最近彼と恋人と呼べる仲となった幼馴染のジルが寄り添っていた。
    ルサージュ卿に協力を求めようとクリスタルロードを通りながらヨ―テと語った時を思い出すよ、あの時から僕らが引き起こすのが混沌であっても自分の意思で得ようとする不確実な世界だろうかと考えていたとジョシュアが語る。
    クライヴはその想いの背後にあるものも受け入れながら頷くと共に、正式にナイトになってから3人で出ていった青空の日を思い出していた。
    夜ともなれば魔物が危険を増す。そうなる前に戻ろう。それまではトルガルも喜んでいるし、ジョシュアの身体を気遣いながら少し遺跡を見て回ろう。夜にロザリスから出るとするなら自分がもっと大人になって激しい戦いに赴く時だ。弟を守るのだという誓いをこの胸に抱えながら。ある意味では今もそうである。
    ジルは彼の左肩に頭を乗せ、兄弟ふたりの語らいに静かに耳を傾けている。ふとしたことでも気遣って彼らと血がつながっていなくても家族の様に傍にいて支えるのが自分の役目だとそう思っていたからと。
    メティアに視線を向け、心の中でまた祈りを捧げる。
    彼らと一緒にいられる大切なこの時がとって何よりの―…。

    ジョシュアがジルのその様子に気づき、彼女が願いのことで苦しい想いをしない為にもおとぎ話に関連して話題を差し出した。
    「ロザリアではフェニックスに関するおとぎ話がたくさんあったね」
    その内の幾つかが拠点の図書室に置いてあるので子どもたちによく質問されたものだ。
    「…ジル、北部地方にもそうしたものはあったのか」
    トルガルの目覚めを思い出しながらクライヴが尋ねると。
    「寒い地方だから暮らしに関係したものを偶に口ずさんでいたわ。針子をしながら、私に出来ることをずっと探していた…」
    ぽつぽつと静かにそう語る。
    「…私が来た頃にはふたり共もう書物に随分と親しんでいたわね。ジョシュアは特に才能があるのだと周囲の皆から言われていて。兄弟揃えば文武両道だとマードック将軍も語っていた…」
    ジルはクライヴの肩越しにジョシュアを、そしてクライヴ自身へ視線を投げる。
    「私は北部での暮らしや何か物語を語るより、ふたりの力になりたい。あなたたちの背中を見送る度にまっすぐにそう思っていた」
    「…ありがとう、ジル」
    「…今も変わらないな」
    トルガルがジルの方へと寄っていく。ジルがトルガルを優しく撫で。
    「トルガル、あなたも…うん。一目見てからクライヴにすぐに懐いていたものね」
    アンブロシアはジョシュアの方へ寄って来た。
    ジョシュアもアンブロシアを見つめ礼を告げる。
    「雛の時から決めていたんだね、兄さんの役に立つと」
    「…ふたりとも、まっすぐだったな」
    「…兄さんだって」
    「…あなたも」

    おとぎ話は時に紆余曲折する。だからこそこのヴァリスゼアの舞台にはあまたの神話が生まれたのだ。
    悲劇や痛み、混沌が避けられないとしても誓いに対してまっすぐに最後までやり遂げると決めたひとりの男の決意。


    最後の物語としてこの風の大陸と灰の大陸に残るものを見届けたいとジルは願う。
    あの場所には自分は行けない。だからこそ彼らが帰って来て語ってくれることを祈るのだ。

    真実を知りたい。
    その為にも辛くて悲しくも厳しい現実と戦う。
    シドの前で彼女とそう誓った。

    …各地を見て回っていた。ハルポクラテスとモースの書物に限らず幾つか見聞きしたものの語らいをしたよ。
    …俺もジルと共にヴァリスゼア各地を回っていた。
    ふたりで必ずあなたに会いに行くと、そう心に秘めながらね。


    僕が書物を記す時にはそれを書いて、いいかな。



    クライヴは黙って目を伏せてから少し考え事をした後に弟をまっすぐに見つめ。
    静かに頷いた。
    ジルは彼の傍らにまた寄り添いながら微笑んだ。

    ジョシュアもまっすぐに兄とジルを見つめ返した。僕が人として生きている証にしたいんだと口元を少し緩めながら。







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    FF16

  • 条件(理とスレイプニル)

    20240725(木)22:01
    ウォールード王国。不気味なほど城内は静まっている。

    スレイプニル「ところで、貴方様の器に相応しいミュトスのことなのですが」
    理「どうした」
    スレイプニル「その条件についてお伺いしても宜しいでしょうか」
    理「魔法が使えるという他に…すべてのドミナントが必要となる。召喚獣も属性も人さえ全て我から生まれた」
    スレイプニル「バルナバス様も…」
    理「あれは承知の上だ。愚かな人間が我(We)に勝負を挑んだゆえにこのヴァリスゼアは死へ向かう。マザークリスタルは本来黒の一帯をもたらさない程度にエーテルを吸収するはずだった。滅びの代償は人からだ」
    スレイプニル「既にミュトスに倒されていますが…ティフォーンも当時はそうなり得る可能性もあったのでは。ラムウに止めを刺せるほどなら吸収も可能だったのではと思いまして」
    理「我はあれを拒んだ」
    スレイプニル「…ほう?なるほど、ミュトスの条件はそれほどまでに。
    これは貴方様が施した糧を得ていくミュトスがどれほど強くなるのか愉しみになってきましたよ」
    理「…我は不細工は好まぬ」
    スレイプニル「‥‥‥はい?」
    理「考えてもみろ。我の器になる存在だぞ。器量が良くなくては話にならん」
    スレイプニル(バルナバス様が私をこの姿で生み出した理由ももしや…)
    理「ついでにミュトスに吸収される側もどうせなら器量が良い方が完璧な器となるからな。今正にだ」
    スレイプニル「…仰せにままに。あ、少々愉しませてもらっても宜しいでしょうか」
    理「どの道お前はバルナバスが存在する限り消えん。それまで好きにするが良い」
    スレイプニル「ありがたき幸せ」


    ドミナントメンバー揃っているイラストを眺めていたら皆やはり美形だなあと感心してしまったので(笑)理自体も美形な造りではあるのですよね。

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    FF16

  • その背中(クライヴとジル)

    20240724(水)21:15
    ジルは桶に入れた少し熱めのお湯と洗濯したばかりのダルメキアで購入した綿花の布をそれで濡らし半裸のクライヴの大きな背中をインビンシブル内船底にて拭いていた。

    「わざわざ…」
    「こうしたいの」

    動物の脂で作った石鹸は洗濯用に。
    オリーブ油があり、ヨ―テの依頼からジョシュアの薬の素を探しにいくこともなった植物系の魔物が多いロザリアでは灰汁から石鹸を作りそれで身体を洗う。
    水だけでは疲れが取れにくいからと彼女は白いふんわりとした布でクライヴの大きな背中を優しく拭っているのだ。

    「今の私に出来ること、たくさんしたい…」
    「正直…嬉しいよ」
    「トルガルもこれくらい大人しくしていてくれたら良いのにね」
    「小さい頃から水浴びさせようとする度に、逃げ出していたな」

    トルガルと再会して。笑みを浮かべる、という感覚はまだあったのだと思い出せた。幼体の頃からよくクライヴの後に付いて来たこの狼は撫でてやると嬉しいと全身で喜びを表わしてくれた。良かった、とそう思った。
    今の自分が目を覚ましたばかりの君に会う資格があるのだろうか。戸惑っているとオットーたちが会いに行ってやれよ、とそう後押しをしてくれて。
    再会の喜びの笑顔を見せてくれた途端、想いが溢れて強く抱きしめた。
    もう会えないのだろうか…。ああ本当に会いたかったんだと。
    ジルがクライヴの背中を拭きながら傷跡にそっと優しく触れた。
    戦いに赴く度に彼が背負っていくものを。

    「…痛みを知れて良かったと思う」
    「…クライヴ」
    「厳密には君の涙を見て…君だと分かって心が痛んだ。思い出せたんだ。失いたくない、と」
    力尽きていくフェニックス。意識の中では抵抗しているのに、それが出来なかったあの時と同じ―…。

    「命令には逆らえないと言い聞かせられながら、心のどこかでこれだけはと反発して。
    でもあの時は心からそう思った。その直後にシドと出会った」

    真実と現実を知って。受け入れると決めた。もう逃げ出さない。前に進むと。上手くいかなくても、出来ることに限りがあり、誰かが傷ついたり何かを失うことがまた続いたとしても。
    それすら受け入れてそうして誰かを愛し、誰かの為に優しく出来るのだとそう生きてきた。
    彼の傷ついた背中は痛みも受け入れて来た証でもある。
    心を凍らせていた自分とは異なるー…。
    「クライヴ、あなたが生きていて…そうしてここに居る皆が…ううん、ヴァリスゼアの人々も少しずつでも、気づいている。人が人として生きることの意味を」

    私はーあなたと出会う為に生まれた。あなたと生きていく為に生きているの。
    凍り付いていた心が踏み込んでくれた彼によって溶かされて。
    彼女はそれを心から確信したのだ。

    「…この戦いで全てが変わる訳じゃない。ひとつ確実に言えるのはー」

    俺は最後まで人として生きていく。君といっしょに。

    「…うん」
    とんとんと布で叩いてジルがこれで終わりねと背中を拭き終えた。
    ありがとうジルとクライヴが立ち上がり。
    ノースリーチ付近でアカシア討伐に向かいその後イサベラの所に寄ると予定を伝えると。
    ちょっとむっとした雰囲気を彼女は醸し出して。
    「あら、どうしてかしら」
    彼にそう詰め寄った。
    「おうクライヴ、ここにいたのか…あ。」
    タイミングが良いのか悪いのか探しに来たガブがばったりとこの場面に出くわす。
    「…‥‥いや、俺が悪かった。すまん、続きを終えてから来てくれ」
    来たかと思えば慌てて戻っていったガブとは対照的に特に慌てることもなくクライヴはジルに向き合い。
    「依頼の礼に没薬と乳香を受け取る運びになっているんだ。君と拠点の女性たちへ普段からの礼として」
    普段の彼と何ら変わらない調子で答えた。
    「成程、ね。私も付いていくわ。しっかりと目利きをさせてもらうから」
    気取らない少し挑戦的な彼女に対し。
    「お手柔らかに頼むよ」
    彼は笑みを浮かべてそう応じる。




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    FF16

  • 授ける(クライヴとジョシュア)

    20240723(火)23:37
    疑いの矛先はすぐに兄に向かった。あの場にいたのは殺された父上、炎に巻き込まれたマードック将軍、中には助けを呼んだにも関わらずザンブレク皇国兵に手を掛けられた者を含め亡くなったロザリアの兵士たち。行方不明になったウェイドとトルガル、アンブロシアを除いたら僕たちを裏切った母様に連れていかれた兄のみだったのだから、当然だ。

    ザンブレクの暗殺部隊にフェニックスの力を用いる雑兵がいる―。
    瞬く間に教団の彼らは処分をどうするのか話し合っていた。

    そのことを告げられあの日をすぐに思い出した。兄さんにフェニックスの祝福を送った―正式に兄がナイトへとなった日を。

    手を取る時はなるべく右手を取った。剣を握る手がそちらだからだ。
    腕を握る時も僕の右手で兄の右手を取って。真正面から向き合うよう姿勢を向ける。

    兄さんの決意と僕からの信頼。それがいつもそこにあった。


    「…すぐに会えないと分かっていても変わらなかったよ」
    夜遅く、マーサの宿にてジルは2階の寝室でトルガルとアンブロシアは外の馬(チョコボ)小屋に先に眠りについてもらってから兄弟ふたりでマーサが特別に出してくれた酒を少しずつ口に含めながら語り合っていた。
    「…ひとりでずっと抗ってくれていたのか」
    「ひとりじゃなかった。あなたの意思でフェニックスに手を掛けた訳じゃない。それに兄さんは僕の仇を取ろうとそれまでずっと、ずっと耐えてくれていた…そう考えて動いていたから」
    「買い被り過ぎだ…俺はお前もジルにももう会えないんだ、ひとりなんだと…せめてそれだけは…そんな風に考えていただけだ」
    「そうかな。率先して誰かを守ろうとしていたの、変わっていないと僕はあなたを目にしてすぐに分かったよ。シドはそれが失われていないと気づいていたから兄さんに託した。
    僕も同じだよ。一緒にはまだいられなくても。あの日と同じー…今度はフェニックスの尾を授けることにしたんだ」
    懐からフェニックスの尾を取り出す。
    神々しいまでの炎を宿す度にジョシュアの声が聞こえていた。

    クライヴ、と。

    それは遠い遠い過去から繋がっている炎の民の血筋であり。ロズフィールド家の長男であり。
    5つ下の弟、ジョシュア・ロズフィールドの兄でもあり、ナイトでもある。
    そしてー。
    目の前に存在している同じ血を分けた男がもっとも信頼を寄せる存在であり誓いそのもの。

    彼は他の召喚獣の力をフェニックスを除いてすべて吸収していた。
    それでいて彼自身が授けられたのだと考えているのはフェニックスの祝福のみである。

    自身が器である運命から抗い逸脱するのと同じ様に弟ももしかしたらー。
    選ばされた器だとしても授け、信頼を示したのは彼自身の意思なのだと。
    最後の戦いにおいて証明する決意を固めているのだろう。

    ―クライヴ、騎士としての道を歩む気はあるかー?
    公子として位は下がるとしても父が授けてくれた別の道。
    弟が授けてくれた守る為の力。不死鳥の盾。


    「休むか。明日も早いぞ」
    「子どもの頃は夜遅くまで宝探しをしていたね」
    「…宝探しとは違うが、ネクタールから詳細不明のモブハントの依頼があったな。探し当てに一緒に行くか」
    「誰に向かって言っているんだい、兄さん」
    「怖気づいたりはしない、と。昔から負けず嫌いだったしな」
    「あなたの弟だからね」



    ※分け与えられるのがフェニックスのみだということから。
    ジョシュアからのその都度その都度の信頼を注がれる意味と、最後の最後で相手側の思惑では奪うだけだったクライヴが弟から授けられた力で分け与える意味について。




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    FF16

  • 濃い体感、それ故に

    20240723(火)22:44
    FF16の挑戦のひとつに表現からくる語らない姿勢があります。
    これほどまで説明しないと分かってもらえない風潮がある中でこの姿勢をエピローグまで貫いたことは勇気のある挑戦だと初プレイの時からずっと感じておりまして。
    ギミック色の強いゲームでは起こらず映画を観ているだけでも得られない濃いゲーム体感は自らの中に呼び起こされたものから感動を引き起こすもの。
    それ故にリアリティを追求された。

    それはふと来るコントローラーの振動だったり、プレイヤー目線で飛び込んでくる世界観の美しさだったり、体感ありきの音楽と効果音、登場人物たちの視線のみのやり取り、戦闘に置いて見るだけでは決して味わえないボタンを押す時に分かる感情を乗せたバトルシステムであったり。

    ひとつひとつの要素が極限まで引き上げられ全てが一体化しているからこそ得られる凄まじい作品としての体験。
    PS5のプラットフォームで気づいた、他にはないエンターテインメントと作品の合間にある特別なひととき。
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    CSゲーム関係

  • 性別は不明でも(バルナバス&理+スレイプニル)

    20240722(月)23:16
    バルナバス、幼少時。外大陸にて。
    マリアス教の偶像を眺めながら。

    幼少バルナバス「母様、我らが主は手が6本あるのにどうして人には2本しかないの」
    バルナバスの母「人間が誇り高ぶることがないようによ。
    私たちの祖先はそれを分かろうとすらせずに愚かだった。私たちから罪と罰は消えない。ミュトスはまだ生まれていない。私も不完全なまま死ぬのよ、バルナバス」
    幼少バルナバス「母様…」
    バルナバスの母「あなたを残して死ぬの。あなたの生きている間にミュトスが現れるように祈っているわ。愛しているわ、私の息子…」


    時が経ちウォールード王国―
    ジョシュアが生まれた直後。

    理「フェニックスを宿すドミナントが生まれた」
    バルナバス「…貴方が…」

    23年後ー。
    ウォールード王国に人々が押し寄せる姿を窓から眺めるバルナバス。

    理「バルナバスよ、その剣にはどのような意図がある」
    バルナバス「精神を断ち切る為に。アカシアになれば自我も不要となる」
    理「我(We)が人を生み出した時代に戻るのか。ミュトスを見つけ覚醒を促がした。我が刻印(リミッター)を外さない限りミュトスは自らイフリートにはなれん。マザークリスタルを破壊しようとするなら好都合。こちらの世界へ連れ出して戦ってもらおう。バルナバス、時が来たらお前はそれで事を運べ」
    バルナバス「はっ。遺物たちやアレテストーンの解放も…」
    理「全てがミュトスの糧だ」
    バルナバス「遺物たちに持たせているあの剣も貴方の力…」

    理「ん?様になっているだろう?」

    バルナバス「‥‥」
    理「ミュトスに限らずこの大陸のものたちはあのような形状の武器で戦うからな。早々倒されてしまっては糧ともならず、第一面白くないではないか」
    ぬっとスレイプニルが姿を現してー。
    スレイプニル「あ~分かります、退屈しのぎに遊び心はあった方がいいですよねぇ」
    理「その通りだ」

    バルナバス「…戦果を上げた兵たちの様子を見に行きます」
    スレイプニル「バルナバス様、刺激はあった方がいいんですよ」


    理「退屈なのか?バルナバス」
    スレイプニル「ミュトスが貴方様の器に相応しくなる頃にはあのお方も愉しくなりますよ。オーディンに選ばれた方なのだから」



    ※遺物にビームサーベル剣やらビーム発射って理は性別不明な割にはロマン溢れているなあと思っていたりします(笑)
    それはともかくこの3人(人?)のトリオってなかなか面白いバランス取れている感じがします(笑)
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    FF16

  • ファスケスの斧

    20240721(日)23:12
    鉄王国の国旗を最初に公式サイトで見た時にファシズムの語源となったファスケスの斧を思い起こしました
    (リンクは自ブログのもの。公式サイトが一番最初にでた頃にかいた記事ですので本編と内容は随分異なっています)→https://doublemoon-45.jugem.jp/?eid=87

    マリアス教とクリスタル国教は似通ったものですが崇拝を行なう対象以外に排除的な認識はフェニックス教団にも通じるものがあると感じます。
    ジョシュアがいいやドミナントだとはっきりと言い切ったのは幼い頃に兄から伝えられた使命の意味が半分。
    運命の支配下は別としてもう半分は自分がいる(受け入れてその立場をとった組織において)教団の物差しというものを俯瞰的にも理解して上に立つ人物として動いていたという理由なのだと。
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    FF16

  • Cuz

    20240720(土)21:52
    だが。
    それは。
    何故ならば。
    上手い言い訳などひとつも思い浮かばない。

    何故なのか、と敢えてお前が問うならば。


    ふと振り向いてジョシュアと視線が合ったのでどちらともなく頷き合う。行うべきこととどのように動くのかは決めているからだ。
    負担が日々増しつつある以上あまり連れ回したくはないのが本音ではある―現実はというと残っているドミナント同士、戦力として確かなのは弟だからだ。
    ジョシュアとジルが一緒にいてくれる。このことを当たり前なのだと思ったことは一度もない。


    ちょっとしたクライヴの心境メモの切れ端。クライヴにとってはジルがシヴァの力を失っても一緒にいてくれる人という認識で、大切なものを護るという核となるものを授けてくれた弟はウォールード王国以降は頼っても良いのだと支えを強く感じているような印象を受けています。
    今作リップシンクがリアルよりに創り込まれている為、ブリティッシュEnglishな口の動きとなっています。
    タイトルのcuz=becauseの略でネイティブが使うのですがテストでは勿論減点対象になる。
    作中でこうした言い回しがあるのかと思っていたのですがそもそも“だけど”と言い訳がましいことを発信するキャラクターがいなかったですね。

    皆上手くいかない時も飲み込んだり受け止めながらそれでも前に進もうとしていた。
    実際起きている事柄にああだこうだいうのはちょっと精神が子どものように思われる。
    ずっと堪えたり耐えたり悩んだりしながらそれでも生きていかなければならない状況の方が多い。
    その辺りも大人向けと表現されたことのひとつなのだと。

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    FF16

  • (神話の)舞台は終わる、人生(人の生)は続く

    20240719(金)23:22
    FF16のエピローグを通して改めて感じること。

    あの舞台はあの本の中で終わらせて欲しい。


    例え歴史として知りたいと思ってもその時代の彼らはそれを望まないであろう。
    “彼”の視点で書かれたものである以上それらすべては真実でもなく、歴史のすべての事実ともなり得ない。

    悲しみと苦しみがあの後も続いたことを“彼”はまた現実として目の辺りにしていったのだ。
    だからこそ英雄譚ですらない。彼はそれを望まない。

    神話の舞台は幕を閉じた。
    そうしてあれから人の生が本当の意味で始まった。
    彼らの願いは叶ったのだとそれがはっきりといちプレイヤーとして体感できたのだから。



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    FF16