メモと小ネタ帳

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  • 世界観で(FFナンバリングタイトルやSIE,インディーゲーム)

    20241025(金)20:52
    好きなナンバリングタイトルを思い返すと1・2・8・12・13(14もセリフ集や設定資料集を読んだ限りではかなり好きな感じがします)・16が好きなのだとここ最近思い返したりしています。3や5はその時代に流行っていたライトノベルの影響かしら。もしくはジブリか(笑)
    7はあの時代のアニメーション(笑)
    4はバトルシステムから好きになったのでATB好きな私が進化系のひとつである16に嵌るわけです(笑)まだPSソフト手元にあるのに結局買ってしまいそうピクセルリマスターの4。
    ディオフィールドクロニクルやフォームスターズの世界観も好きですね。フォースポークンはアート性が。
    SIEファーストスタジオ作品ではHorizonの世界観が好きです。
    インディーゲームではここ数年ゲームを再開した身としてはKenaがぶっちぎりであります。本当に素晴らしい作品。
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    CSゲーム関係

  • 手と手(クライヴとジル)

    20241025(金)00:09
    よく手を取り合うように、彼の手の甲にそっと重ねるようになった。
    誰かに言われた訳ではない。シドの前で誓いを立てたあの日を除いたら
    ふたりきりの時にそうすることが多くなった。

    小さい時はとても寂しそうな小さな背中を見せていた君の手を取って連れて行くことに戸惑いはなかった。
    成長するにつれてきょうだいの間柄とはいえジョシュアと違い血が繋がっていない。馴れ馴れしくするものではない。
    今日の稽古を見届けてくれたことに感謝を伝えてからなるべく俺たちの気持ちが沈まないように明るく前向きになれるように話を続けようとして。もう今日は遅いから休んだ方が良いと促がした。
    ジルはおやすみクライヴとどこか寂しそうに微笑んで去っていく。
    おやすみと、心の中で返した。

    直接ではなかったとはいえ、剣を取り魔法を使って多くの命を奪った。
    心の悲鳴を、悲しみを、謝ることも、痛みさえ押し殺しながら。
    そうでないと誰かの命が奪われる。私はもう誰かの手を取れない。誰も私の手を取らないと。逃げ出したりも出来ないのだからせめてここで死のうとそれだけを考えていた。
    あなたが生きていて。お互いに何があったか現実を知ってからは受け止めると手を重ねた。
    彼もまた、望まない命令を果たす日々でそこから解かれたばかりなのに。
    向き合わなければならない現実が押し寄せていた。

    マザークリスタルが人を幸せにしていないヴァリスゼア大陸。
    大部分の人たちは手を取り合わず、目の前にいるのは人なのに手を差し伸べることもなくただクリスタルにすがりつづけていた。
    ずっとそれがこの大陸の“認識”であった。それを変えようとしているのだ。あちこちで戦争が起きていて、それでいて彼らは戦争をしに来た訳ではなかったはずだ。
    痛みと苦しみは同時に起こっている。石化が広がった―同時に因縁を断ったのだからこれからは人として立ち上がる戦いだ。
    そうした時だからこそまた手を重ねた。きゅっと。
    想いが伝わる。想いを伝える。あなたと私の―。


    ガブから声がかかり、ふと我に返った。己の手を握りしめ、その温かさは。君が人らしくなろうとしているという証。
    まだ俺たちは歩み続けなければならない。俺たちの因縁の相手も残っている。


    この手が行なってきたことは、あいつらの手の平でしかなかった。
    それでも君は俺の手を取る。



    あなたの手を取る。あなたは昔からなにひとつ変わらないでいてくれるのだと。
    あなたが人だから、あなただから。
    いつだってだれかに目を向けて守って救おうとしていたから…だからこそ私も人でいたい、そう思っていた。
    君の白い手を取る。感謝と、敬愛と、愛おしさを込めて。
    他でもない君だけなのだと。こうして俺の手を取ってくれるのも、手を取りたいと俺自身が願うのも。
    その手に口づけを送ると一瞬戸惑ったようでその意味を受け入れていき。涙と共に溢れてくる想いがそこにある。
    そしてしっかりと俺の背中へ両手を回してお互いの温かさを確かめ合う。

    手と手を取り合ってそこから伝わる愛を注ぐ。
    そうして、満たされていく。







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    FF16

  • 頭の良い人(FF主人公たち)

    20241023(水)22:07
    成績とか教育をまともに受けていたと考えるのであれば。

    セシル・クラウド・スコール・ライトニング・クライヴといった感じなのでしょうね。ティーダもあてはまりますね。彼を抜くと皆軍人寄りと言いますが早い段階で戦地に向かっていた。
    クラウドとクライヴは青春時代から抜け落ちていますが、それまでは真面目に教育や訓練を受けていましたね。
    違いがあるとすればクラウドは村の少年らしくセフィロスに憧れて。
    クライヴの場合は生まれた時からの逆境で必要に駆られてといったところ。セシルもみなしごでカインと同じく陛下の元にいたから、スコールも引き取ってくれる人がいなかったからSeeDを目指していた。
    クラウドとライトニングは少年少女時代に幼なじみか本人のかの違いはあるのですが母の存在が亡くなり、自分のイメージする強さを求めて。
    ティーダは求めるのでなく父への反発を。
    残る3人は憧れそのものを少年時代に抱くことはなく、必要だったから、それしかないとある意味では縛られていた世界観という共通点があって興味深いです。4の青き星はまだ未熟で。8はタイムループ。16が神話の舞台とそれぞれ違いがありますが。


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  • 20241023(水)18:53
    インディーゲームのNevaの記事を表のブログに上げていて。
    おじいさんと記憶の旅でもああした様式の橋が出て来ていましたね。
    FF16では水道橋として。
    建築物もまた世界観を訴えてくれる素晴らしいものだとそう思います。

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    CSゲーム関係

  • スキを

    20241022(火)07:24
    日曜日に来て下さり押してくださった方々ありがとうございます。
    タイミング的にクライヴとジルのこばなしでしょうか。語りも含めて見ていただけたのならとても嬉しいです。まだまだ書いていく予定ですのでお気軽にみてくださいね。

    見に来て下さるだけでもとても嬉しいです、皆さまありがとうございます。
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    スキをありがとうございます。

  • それぞれのロマン(16男性陣)

    20241021(月)23:30
    ・ロマン系も多いヴァリスゼア大陸


    ザンブレク皇国兵A「大砲はロマンだよな…」
    ザンブレク皇国兵B「我々の軍に海兵隊はないからな。地上戦となると聖竜騎士団がジャンプで幅を利かせる。ならばクリスタル採掘場…つまりは地下でこの武器を思う存分振るうとしよう」
    ザンブレク皇国C「殴っても良し、エーテルを用いた弾を打てば火だけでなく氷や雷も起こせる。さっそく武器開発部門に相談を持ち掛けるか」

    ※大砲抱えた兵への私の感想。危ないって、こんな狭い場所じゃ自爆だ自爆(特にロストウィングの地下倉庫)

    ダルメキア兵A「フーゴ様の己の肉体を用いた戦い方はロマンだよな…」
    ダルメキア兵B「己の拳にて大地を割り、叩きつける。痺れるよな」
    ダルメキア兵C「タイタンの力だろうなどと失礼なことを言う輩もいるが…それを制してこそのドミナント。フーゴ様は頭も良い。協議会も逆らえないわけだ」

    ※フーゴさんの部下たちは彼が生きている間はフーゴ武勇伝を日々語ってそう。亡くなってからはタボールまで行く道で出会った部下がフーゴ寄りの見方が正しかったのか疑問を浮かばせる姿が興味深いです。

    スレイプニル「バルナバス様の魔力によりこの私が分身出来る限度は…」
    バルナバス「そんなことに拘ってどうする」
    スレイプニル「なにをおっしゃいますか。魔法生物とはそうたやすく作り出せるものではない。これが上手くいけばオーク族の軍隊をミュトス歓迎に回せるではありませんか。
    一騎当千というのも憧れますがね、相手をこちらのペースに完全に引き込み翻弄するというのも面白いものですよ」
    理「ふむ。ミュトスの成長を促すというのであればこちらから眷属たちをもっと遣わすか」
    バルナバス「あれらの中には姿をくらませそして死角へ回り込めるものもいます。“あちらの次元”と関わりがあるのですか」
    理「行方をくらませ。そしてあちらの世界から思いもよらない方向から姿を見せる。愚かな人には理解が出来ない生命体だ」
    スレイプニル「ロマンですねぇ…」
    バルナバス「‥‥」
    理「何より。ミュトスが器に相応しくなるのであちらの世界との接触も重要だ。行き来をするわけだからな。今は我(We)が引き込んでいるが眷属たちの魔法を直接はくらわずともその目にし切り込んでいくのであれば思考と身体に影響を及ぼすであろう?」
    バルナバス(計画通りに事を運ぶと)「一応、考えてはおられると」
    理「一応とは何だ」
    スレイプニル「バルナバス様、本音と建前が逆です」

    ※バルナバスの剣も結構ロマンだと思うのですが。


    バイロン「兄上。北部地方の遠征も大変お疲れ様です。
    して、その子狼は―?」
    エルウィン「狼の群れに敵意を持って囲まれてな。退けたが散り散りになった中ではぐれたのだ。クライヴなら懐くかと思い連れて帰る」
    バイロン「もう馬(チョコボ)で狩りに出ているとこの間屋敷に来てくれた時に聞きました。いずれはクライヴとこちらも共に狩りに出て行くのですな」


    それから19年後―。
    ハルポクラテスとクライヴからトルガルの正体についても聞いたバイロン叔父さん。


    バイロン(兄上はとんでもない置き土産をされたものだ…)「それにしてもその群れに打ち勝つとは。兄上もなかなかのロマンじゃな…」


    ※エルウィンさんて若い頃はけっこうバイロンさんやマードック将軍と無茶していた印象あるのですが(笑)バイロンさんが武器に興味を示すのって兄上の影響も大きそうな印象。
    実際は統治を支えるためですよね。




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    FF16

  • 個人的な愛(クライヴ→ジル)/本質から惹かれた女性(ジル→クライヴ)

    20241020(日)21:06
    ・クライヴの精神世界

    少女のジルに父親であるエルウィン大公と共に否定されるのですが。
    ジルが大人の姿では否定していないのには意味があるのでしょうか。
    もっともクライヴにとって影の海岸にてうれし涙を流しながらも笑顔を浮かべていたジルの表情は少女時代の彼女と同じで彼もそれに気づいていたので大きな違いはないのかもしれません。どちらも彼女そのものであると。
    彼女そのものには否定されても、弟は少年姿でも青年姿でも兄の名を呼び確立させているのでやはりクライヴの核となっているのはそこなのだと。
    あくまで彼が彼女へ向ける愛は彼そのものが人を人として目を向けるという本質を別にすれば個人的な愛情なのでしょうね。

    ・本質から惹かれた女性

    ジルの場合はクライヴの本質、自分を含めてそのひとそのものへ目を向けてくれるのだとそこに惹かれているのが良く分かります。彼女は怒っている時もあるのでしょうがそれを飲み込んでも彼の傍にいたいと願う。
    自分を見失わないでいられるという意味でも。彼女のターニングポイントは幾つかあってカットシーンに出ている本編の筋からですとイーストプールでの語り合い、鉄王国突入辺りとジョシュアとの再会、影の海岸辺りになりますでしょうか。それらが印象深いと思われます。
    それとは別にタイタン戦の後の待っているだけは辛いからとぽつりと彼女は告げますよね。私はここが重要なのだとそう考えています(世界観のことを合わせると今作NPCの台詞はかなり重要ですね)。
    ジルがすぐ我慢してしまうことは終盤サイドクエスト白銀の君にて兄弟のやり取りにも出て来ます。
    因縁を断ってからジルはクライヴへの恋愛感情もはっきり自覚し。一緒にロザリスについていくと啖呵を切った矢先フーゴに捕らえられ結局足を引っ張るかたちとなってしまったのでまた引っ込める姿勢になった訳です。
    下手に自分が感情を露わにして動こうとすると彼の役に立てないのだと。
    クライヴは傍にいてくれるだけでなくどんな形であれ彼女が支えてくれること自体に感謝しているのですが。
    彼女自身がそれだけでは納得できないのだと。
    人らしくなってから好きになれば好きになるほど不安は募る。本編では大きく描かれていませんが力の差も開いていくので。
    その決定打はバルナバスに捕らえられた時。もうこれ以上は傍にいても役には立てないと。
    それでもクライヴが、彼本人が変わらないでそして自分に対しての愛は大きく変わっていったのだと受け入れる選択を最終的に取って行ったのでしょうね。
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    FF16

  • 人間の外見は

    20241020(日)17:50
    1年も経つと食べたものや環境によって98%は別のものに作り替えられているとのことです。
    テロメアの分裂と合わせて本来は生きられるようには創られてはいるのでしょう。

    FF16の世界観では理はそもそも人が最初から死ぬように(子孫から目当ての存在が生まれるように)創っていて最終的には自我がない存在に返る(生まれ変わらせる?)予定でしたが遺伝子レヴェルで植え込んだものに関しての描写はSFよりやはりハイファンタジーなのですよね。
    あの世界観でトルガルのことも含めてですが神話となる場所はどれほどあったのかモースの書物に関してもっと設定資料集に載るのでしょうか。
    男性プレイヤーが気にしている執行人も。
    アルティマニアと違い時間を掛けて(13シリーズや15からそこがさらに進んだなと思います。あと大昔6をPS版でやってムービーの絵コンテでほんとはナルシェのガーターは斧だけど銃の方が様になるから的なコメントに昔のゲームにあったとりあえず驚く展開あればまあ世界観設定はテキトーに流していいか🌟的なノリもなくなった)出してくれるのですごくそれが嬉しいです。

    まあ広い定義で言えばSFもハイファンタジーには含まれますが(笑)
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    FF16

  • ふっくら(クライヴとジル+トルガル)

    20241020(日)16:49
    ※ほのぼのちょとしたコメディ調


    新しい拠点の生活にすっかり慣れてからクライヴだけでなく、子どもたちが食べ残しをすると怒られるので残ったパンくずをこっそり上げて。ちょっとしたときに石の剣のメンバーにおやつをもらうようになったトルガル。
    (※実際に犬種にパンを与えるのは身体に悪いのでやめましょうね。)

    (父上の言われた通り再会出来たときには大物になったとは思ったのだが…ここの所は…)
    ハルポクラテスの所から自分の私室へ戻ろうとサロンを歩きながらカローンの傍でのんびりと過ごしているトルガルが視界に入り。クライヴがひとりごちる。
    「(トルガルが)ここ最近ふっくらしてきたな…」
    同じ時にサロン内で一緒にお茶をしていたジルとミド。
    「…」
    「ん?ジルどうかした?」
    「ううん、なんでもないの」

    少ししてからー。ミドの大工房の依頼からブラックソーンに部品を頼んだ後、次の買い物に関して私室にて打ち合わせをし。部屋に戻ろうとする彼女に声を掛けた。
    「ジル。ここ数日、君があまり食べたがらないと皆が心配している。何か悩んでいることがあったら教えて欲しい」
    もしかしたら女性特有のものもあるだろうから、デリケートなことには触れない程度に彼が優しく尋ねると。
    「いいえ…。あのね、クライヴ」
    「どうかしたのか」
    「あなたも…その、綺麗な人の方が良いわね」
    目を伏せながらそうぽつりとつぶやかれた。
    「‥‥」
    どういった意図でそう尋ねてきたのか一瞬掴めず。どうやら彼女は己がどう彼女を見ているかとても気にしているのだとそう気づいた。
    「…目が覚めて仕度を整えるとすぐに君が駆けつけてくれる。ここではそれが日課のようになっているな」
    「‥‥」
    彼のその返しに彼女が顔を上げた。
    どう答えるべきか少し思い巡らしてから発したものを彼は続けていく。
    「再会出来てからずっとそうだった。すごく感謝している。俺に合わせるように君が動いてくれて、それはものすごく大変なことなのに君は俺にそれを感じさせようとしないで。今でこそ俺も顕現は出来るが君に負担ばかりかけていた。ひと言では言い表せないな…」
    「うん…」
    ジルの表情が明るくなっていく。
    「だからこそ、なのかもしれない。君に何かあったと聞くとどうにも落ち着かなくなる…」
    「私だって…フーゴとの決着へあなたが向かった時…戻ってくるまでずっと辛かった」
    待っているだけでは辛いからと鉄王国にて因縁を断ってから一時期ははっきりと彼に対して想いを告げる兆しを見せていた彼女だったが。
    ロザリスにてあの男に捕えられて結局クライヴの足手まといになってしまったと感じてからはジルはまたどこか抑え込むような傾向へと戻った。
    加えて顕現出来るようになってからここの最近クライヴ自身もミドの計画が終われば次はマザークリスタルドレイクテイルークリスタル自治領に向かうことになるがひとりでモブハントや他の用事を出来る限り済ませようと拠点にいなかったのだ。だからなのかもしれない。
    彼女を引き寄せそっと頭を撫でる。5年前にも抱えて連れ出そうとし。目を覚ましたばかりの彼女を抱きしめた時と同じだ。
    繊細なつくりの君に負担をかけていることも辛い想いをさせていることも申し訳なくなる。人でありたいと語ってくれたあの時からなおさら人であって欲しいとその願いが沸き起こるのだ。
    「すまない…それにしても君は華奢だな…」
    「…そう、なの?」
    「誰が見てもそう答えるさ」
    「それじゃ、この間あなたがふっくらしたと言っていたのは」
    彼女が目を少し丸くしながらそう言ったものだから、彼は少し瞬きして。
    「…?ああ、トルガルのことか。トルガルもいつも俺に呼吸を合わせてくれる。が、どうにも丸くなってきているからな。次のモブハントではオベリスクに頼らずアンブロシアと一緒に思いっきり走らせようかと」
    「あら、良いわね。馬(チョコボ)はまっすぐ走ると風を切らせて気持ち良いのよね。私も行くわ」

    翌日―。
    変わらずクライヴを先導しようと元気に走るトルガルの姿と。
    その狼の後を風を切らせて2頭の馬(チョコボ)を走らせる一組の男女の姿がドラゴニエール平原にて聖なる手にとどまったままのダルメキアの商人たちの目に飛び込んで来た―。

    ちなみにカローンの提案でトルガルのおやつは回数が決められるようになったとか。






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    FF16

  • 綺麗(アンブロシアとジル)

    20241020(日)11:29
    ※テキストにある覚えているのクライヴとジルのその後。
    ちょっとした補足的な小話ですが単体でも読めます。

    それはふと視線を向ければ目に入ってくるので迷うことなく言葉にする。
    「毛艶が良いな、綺麗だ。今日も頼むぞアンブロシア」
    空が覆われて透き通った青空が見えなくなり少し日にちが経った。ようやくジョシュアも目を覚まして、実に18年振りに3人でいられるようになったのだ。
    フェニックスを降ろして苦しんでいるお前が目の前にいるのにナイトとして誓っておきながら。
    何も出来ない自分が嫌で飛び出そうと炎と崩れていく瓦礫からアンブロシアが俺を守ってくれたのだとそう伝えると。
    ジョシュアも両手で彼女の顔を優しく包み込み、じっとその傷ついた瞳を見つめる。


    気高くそれでいて兄さんの為に自分の瞳が傷ついても構わなかったのか…。
    忘れないでいてくれて…感謝している。トルガルにも、な。
    ロザリアの宝と呼ばれていたんだね。アンブロシアに相応しいね。
    白い馬(チョコボ)はひときわ目を引く。群れを率いて彼らを守っていたからなおさらその生き様が目に焼き付いたんだろう。


    狩りに出ていく兄をジルと共に見送っていた少年時代を思い出した。
    気性の激しさは兄がまたがり森や荒野であっても大地をしっかりと踏みしめそして相手が魔物であっても強烈な蹴りをお見舞いする姿から変わっていないのだとよく分かる。
    荒々しくも気高い。アンブロシアはそうした気質であり、兄も弟も綺麗だとそう語る。

    2,3歩ほど離れたところでジルが兄弟のそのやり取りを眺めていた。少女だった時は厳しくも稽古を欠かさないクライヴをひとりで、そしてジョシュアが屋敷の外に出られるようになってからふたりでよく見届けていた。アンブロシアにまたがり狩りに出て行くその姿も。
    その時は自身も馬(チョコボ)にまたがって彼に付いていくなどとは思ってもいなかったがすっかりと慣れた。
    「さて、のんびりしている時間はあまりない。急ぐぞ」
    狩りに出ていた時と同じく颯爽とクライヴが乗り込み。
    「クレシダだったね」
    ジョシュアが借りて来た1頭に。
    「バーナードの家族の墓がある。奥で徘徊している遺物に壊されてしまう前に退治しておこう」
    「かつて戦った遺物たちは妙な剣を持っていたわ。範囲は広いでしょう、私は外から魔法で援護するわね」
    「ああ、頼む」
    ジルももう1頭に乗り込んで目的地へと向かう。



    「助かったよ。バーナードにはふたりがここに来たばかりの頃に橋を直してもらった礼もあったからね」
    空の異変が起きたままとはいえ、夜は闇に包まれる。
    そうした中で月だけははっきり明るく見えヴァリスゼアの人々は隣に赤く輝くメティアと共に見上げるのだ。世話代としてギルを支払った宿の外にて馬(チョコボ)を世話している男はこれがそうなのかとまじまじとアンブロシアを見つめている。隣にはおやつをもらって丸まったトルガルの姿も。クライヴが少し待っていてくれるかとトルガルの頭とアンブロシアの首をぽんぽんと優しく撫でたので大人しくなっているのだが、実際に彼らが駆けていく姿を目にしたらさらに度肝を抜かれるであろう。
    マーサの宿にても報告を終え、せっかくなので豆と野菜の入ったスープくらいは作り立てだし食べていきなよとカウンター席で招かれたのでありがたく頂くことにした。ニンジンをさりげなく残そうとしている弟の様子に子どもの頃からこうだったんだとクライヴが語るものだから。
    ジョシュア様もお変わりないようでとマーサもからかうのではなくほっとした様子でああエルウィン様の魂はやはり残っているのだとそうじんわりと実感した。
    パンの方はほんのり酸っぱい味わいがした。
    ジルがそのことについて尋ねると、ドレイクヘッド破壊後のことはカンタンから聞いていますよね、小麦の収穫が厳しくなったので向こうから売りに出せないワインを分けてもらって長持ちさせるために入れているんですよと彼女は周囲に聞こえないようにそっと告げてくれた。
    ジルがモリーにも話しておくわねとほほ笑んだので宜しく伝えてやってとマーサもインビジブルにいつか顔を出すような含みで元気に答えた。
    食事が終わり次の作戦について打ち合わせをしようと2階で空いている部屋はあるかと立ち上がった兄弟に対しジルは針と糸を借れないかとマーサに持ち掛けた。先ほどのアトモスとの激闘でほつれてしまった箇所を話し込んでいる間に直そうとそう思ったのだ。
    すぐに持っていくから2階の一番奥の部屋へどうぞと案内され、3人で足を早める。
    大人が3人上ると若干狭くはある宿内、先に進んでいたクライヴが扉を開きジョシュアとジルに中に入るように促す。
    ジョシュアが入り、そしてジルが進もうとするとクライヴがそっと耳元で今日も助かった、ジル。帰りにノースリーチに寄ろうと思うとそうささやいた。彼女が振り返ると。いつも丁寧にそのリボンで髪を纏めているだろう。市場ではまだ布を取り扱っている商人がいるから新しいのを君に贈りたいとそう優しい瞳と共にそう語ってくれた。

    “綺麗だ”
    彼は特段彼女に対してはそう言葉にはしない。ずっと会いたくてもう会えないのだろうと思っていた彼女は戦いを覚え兵器としてずっと過ごしていた。望まないまま剣と魔法を扱い。変わったのだと自ら彼に告げて。
    人でいたいと、涙を流しながらただ傍にいるだけでない、本当の意味で彼と居たいとようやく告げたのはついこないだのことだ。
    彼女の容姿だけ見ればあまりもう思い出したくはないのだがフーゴたちの部下が下品な品定めしていたように男にとってはそうした意味でも価値があるのだろう。

    彼にとって彼女はそうした人でない。もっとずっと中にあるもの。
    彼女が大切にしたいと願っている心の奥底にあるもの。
    凛として毅然とした姿も、本当は心の奥にしまいこんだ大切なものを動かしたいという必死で抗うその歩み方そのものが。
    彼を強烈に惹きつけているのだ。だからこそ彼は彼女を尊び敬愛する。言葉ではなく行ないでそれを示す。そうでなければ彼女に伝わらない。彼自ら進み出ていくのだ。前に進むと決めたあの時から。その中に君も共に含まれているのだと優しい瞳でそう訴えてくる。
    瞬き程のほんの数秒。それでいて彼の想いを彼女は受け取り。
    「ええ、行きましょう」
    ゆっくりとほんのり微笑んだ。少し頬が上記しているのは気のせいではない、確かに暖かくなったと感じて。
    「良かった」
    さあ次だな、と彼も部屋へ入って行く。
    「兄さん。その前に相談したいことがある」
    弟が持ち掛けた内容から再び抗なければならない事態に3人で意識を向けた。

    人から離れながらも人であることを貫こうとした彼と。
    人に戻りたいと願いながら彼への想いをずっと募らせつづけた彼女の。
    これは想いの繋がりを重ねてきた中でのある一瞬のやり取り。
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    FF16