メモと小ネタ帳

月を(クライヴとジョシュア)

2024/11/16 22:43
FF16
ジョシュアからフェニックスの祝福を送られてから青空を見上げ、誓いと弟からの信頼を己の中に落とし込んでいると。弟自ら兄の手を取り、そうして引いていった。
あの日の夜はふたりで月を見上げたーもうあれが最後なのかと再会出来るまではそう思っていた。

特段意識をクライヴはした訳ではない。対するようにジルにとってはあの日は忘れがたい日だった。共に月を見上げたあの日。
再会し、インビンシブルという拠点が出来てからはふたりで月をよく彼の私室から見上げていた。

ジョシュア、月を眺めないか。
青空は覆われたままのヴァリスゼア。それでも月だけははっきりと見えるので夜が存在していて昼という時刻も空自体も失われた訳でないとはっきりと分かる。
兄の私室から繋がるバルコニー。そこでジルと共にお前が来るまでも月をよく見ていたと話してくれた。
僕で良いのと弟が尋ねるものだから、何やら含みのある物言いだな。その日にあったことを頭の中で整理するにはちょうど良い場所と時間だったんだとクライヴは答えた。

ーまだ、ロザリアに居た時は兄さんと離れることはなく今みたいな時をずっと共に過ごしていくんだとそう思っていたよ。
ーお前を通して俺も誓った。
お前はお前の使命を。俺は俺の使命を果たしながら生きていくのだと…。
仮にあの運命の日に強制的に目覚めさせられなくても。
遅かれ早かれ逃げ出すことは出来ずに離れ離れとなったであろう。

すべてが壊され、引き離された。それでもお互いに生きている。
何かを考える時も、離れている時も月を見ていたと弟も語ってくれた。
ヴァリスゼアの人々も俺たちと同じく月を見上げているのだろうと兄が語る。

…そうだね、メティアに祈っている。
…いつか、そう。遠くない先で。月をこうして見上げるのは。

ヴァリスゼアの人々が人として生きていて。その日にあったことを人らしく生そのものを感じながら、語って。穏やかに眠りに就けるような世界だと…そう願っている。

兄さんはメティアには願わない。僕も祈るつもりは無い。
…それで良いんだ。

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可