メモと小ネタ帳
ふっくら(クライヴとジル+トルガル)
2024/10/20 16:49FF16
※ほのぼのちょとしたコメディ調
新しい拠点の生活にすっかり慣れてからクライヴだけでなく、子どもたちが食べ残しをすると怒られるので残ったパンくずをこっそり上げて。ちょっとしたときに石の剣のメンバーにおやつをもらうようになったトルガル。
(※実際に犬種にパンを与えるのは身体に悪いのでやめましょうね。)
(父上の言われた通り再会出来たときには大物になったとは思ったのだが…ここの所は…)
ハルポクラテスの所から自分の私室へ戻ろうとサロンを歩きながらカローンの傍でのんびりと過ごしているトルガルが視界に入り。クライヴがひとりごちる。
「(トルガルが)ここ最近ふっくらしてきたな…」
同じ時にサロン内で一緒にお茶をしていたジルとミド。
「…」
「ん?ジルどうかした?」
「ううん、なんでもないの」
少ししてからー。ミドの大工房の依頼からブラックソーンに部品を頼んだ後、次の買い物に関して私室にて打ち合わせをし。部屋に戻ろうとする彼女に声を掛けた。
「ジル。ここ数日、君があまり食べたがらないと皆が心配している。何か悩んでいることがあったら教えて欲しい」
もしかしたら女性特有のものもあるだろうから、デリケートなことには触れない程度に彼が優しく尋ねると。
「いいえ…。あのね、クライヴ」
「どうかしたのか」
「あなたも…その、綺麗な人の方が良いわね」
目を伏せながらそうぽつりとつぶやかれた。
「‥‥」
どういった意図でそう尋ねてきたのか一瞬掴めず。どうやら彼女は己がどう彼女を見ているかとても気にしているのだとそう気づいた。
「…目が覚めて仕度を整えるとすぐに君が駆けつけてくれる。ここではそれが日課のようになっているな」
「‥‥」
彼のその返しに彼女が顔を上げた。
どう答えるべきか少し思い巡らしてから発したものを彼は続けていく。
「再会出来てからずっとそうだった。すごく感謝している。俺に合わせるように君が動いてくれて、それはものすごく大変なことなのに君は俺にそれを感じさせようとしないで。今でこそ俺も顕現は出来るが君に負担ばかりかけていた。ひと言では言い表せないな…」
「うん…」
ジルの表情が明るくなっていく。
「だからこそ、なのかもしれない。君に何かあったと聞くとどうにも落ち着かなくなる…」
「私だって…フーゴとの決着へあなたが向かった時…戻ってくるまでずっと辛かった」
待っているだけでは辛いからと鉄王国にて因縁を断ってから一時期ははっきりと彼に対して想いを告げる兆しを見せていた彼女だったが。
ロザリスにてあの男に捕えられて結局クライヴの足手まといになってしまったと感じてからはジルはまたどこか抑え込むような傾向へと戻った。
加えて顕現出来るようになってからここの最近クライヴ自身もミドの計画が終われば次はマザークリスタルドレイクテイルークリスタル自治領に向かうことになるがひとりでモブハントや他の用事を出来る限り済ませようと拠点にいなかったのだ。だからなのかもしれない。
彼女を引き寄せそっと頭を撫でる。5年前にも抱えて連れ出そうとし。目を覚ましたばかりの彼女を抱きしめた時と同じだ。
繊細なつくりの君に負担をかけていることも辛い想いをさせていることも申し訳なくなる。人でありたいと語ってくれたあの時からなおさら人であって欲しいとその願いが沸き起こるのだ。
「すまない…それにしても君は華奢だな…」
「…そう、なの?」
「誰が見てもそう答えるさ」
「それじゃ、この間あなたがふっくらしたと言っていたのは」
彼女が目を少し丸くしながらそう言ったものだから、彼は少し瞬きして。
「…?ああ、トルガルのことか。トルガルもいつも俺に呼吸を合わせてくれる。が、どうにも丸くなってきているからな。次のモブハントではオベリスクに頼らずアンブロシアと一緒に思いっきり走らせようかと」
「あら、良いわね。馬(チョコボ)はまっすぐ走ると風を切らせて気持ち良いのよね。私も行くわ」
翌日―。
変わらずクライヴを先導しようと元気に走るトルガルの姿と。
その狼の後を風を切らせて2頭の馬(チョコボ)を走らせる一組の男女の姿がドラゴニエール平原にて聖なる手にとどまったままのダルメキアの商人たちの目に飛び込んで来た―。
ちなみにカローンの提案でトルガルのおやつは回数が決められるようになったとか。
新しい拠点の生活にすっかり慣れてからクライヴだけでなく、子どもたちが食べ残しをすると怒られるので残ったパンくずをこっそり上げて。ちょっとしたときに石の剣のメンバーにおやつをもらうようになったトルガル。
(※実際に犬種にパンを与えるのは身体に悪いのでやめましょうね。)
(父上の言われた通り再会出来たときには大物になったとは思ったのだが…ここの所は…)
ハルポクラテスの所から自分の私室へ戻ろうとサロンを歩きながらカローンの傍でのんびりと過ごしているトルガルが視界に入り。クライヴがひとりごちる。
「(トルガルが)ここ最近ふっくらしてきたな…」
同じ時にサロン内で一緒にお茶をしていたジルとミド。
「…」
「ん?ジルどうかした?」
「ううん、なんでもないの」
少ししてからー。ミドの大工房の依頼からブラックソーンに部品を頼んだ後、次の買い物に関して私室にて打ち合わせをし。部屋に戻ろうとする彼女に声を掛けた。
「ジル。ここ数日、君があまり食べたがらないと皆が心配している。何か悩んでいることがあったら教えて欲しい」
もしかしたら女性特有のものもあるだろうから、デリケートなことには触れない程度に彼が優しく尋ねると。
「いいえ…。あのね、クライヴ」
「どうかしたのか」
「あなたも…その、綺麗な人の方が良いわね」
目を伏せながらそうぽつりとつぶやかれた。
「‥‥」
どういった意図でそう尋ねてきたのか一瞬掴めず。どうやら彼女は己がどう彼女を見ているかとても気にしているのだとそう気づいた。
「…目が覚めて仕度を整えるとすぐに君が駆けつけてくれる。ここではそれが日課のようになっているな」
「‥‥」
彼のその返しに彼女が顔を上げた。
どう答えるべきか少し思い巡らしてから発したものを彼は続けていく。
「再会出来てからずっとそうだった。すごく感謝している。俺に合わせるように君が動いてくれて、それはものすごく大変なことなのに君は俺にそれを感じさせようとしないで。今でこそ俺も顕現は出来るが君に負担ばかりかけていた。ひと言では言い表せないな…」
「うん…」
ジルの表情が明るくなっていく。
「だからこそ、なのかもしれない。君に何かあったと聞くとどうにも落ち着かなくなる…」
「私だって…フーゴとの決着へあなたが向かった時…戻ってくるまでずっと辛かった」
待っているだけでは辛いからと鉄王国にて因縁を断ってから一時期ははっきりと彼に対して想いを告げる兆しを見せていた彼女だったが。
ロザリスにてあの男に捕えられて結局クライヴの足手まといになってしまったと感じてからはジルはまたどこか抑え込むような傾向へと戻った。
加えて顕現出来るようになってからここの最近クライヴ自身もミドの計画が終われば次はマザークリスタルドレイクテイルークリスタル自治領に向かうことになるがひとりでモブハントや他の用事を出来る限り済ませようと拠点にいなかったのだ。だからなのかもしれない。
彼女を引き寄せそっと頭を撫でる。5年前にも抱えて連れ出そうとし。目を覚ましたばかりの彼女を抱きしめた時と同じだ。
繊細なつくりの君に負担をかけていることも辛い想いをさせていることも申し訳なくなる。人でありたいと語ってくれたあの時からなおさら人であって欲しいとその願いが沸き起こるのだ。
「すまない…それにしても君は華奢だな…」
「…そう、なの?」
「誰が見てもそう答えるさ」
「それじゃ、この間あなたがふっくらしたと言っていたのは」
彼女が目を少し丸くしながらそう言ったものだから、彼は少し瞬きして。
「…?ああ、トルガルのことか。トルガルもいつも俺に呼吸を合わせてくれる。が、どうにも丸くなってきているからな。次のモブハントではオベリスクに頼らずアンブロシアと一緒に思いっきり走らせようかと」
「あら、良いわね。馬(チョコボ)はまっすぐ走ると風を切らせて気持ち良いのよね。私も行くわ」
翌日―。
変わらずクライヴを先導しようと元気に走るトルガルの姿と。
その狼の後を風を切らせて2頭の馬(チョコボ)を走らせる一組の男女の姿がドラゴニエール平原にて聖なる手にとどまったままのダルメキアの商人たちの目に飛び込んで来た―。
ちなみにカローンの提案でトルガルのおやつは回数が決められるようになったとか。