テキスト(他CSゲーム)
第7章 到達と始まり
※暗躍する影
アイゼレア「ワルターに次いでイスカもいなくなるなんて……。
最初の頃に戻っちゃったみたいだね。」
アンドリアズ「ああ、だが立ち止まるわけにはいかない。」
アイゼレア「そうだよね……。ねえ、ボク達のやってることって……
……いや、ごめん。やっぱりなんでもない。」
アンドリアズ「アイゼ……?」
アイゼレア「リアズの味方だって言ったから。
ボクは信じるよ。」
アンドリアズ「……すまない。」
アイゼレア「フレダのこと、ちゃんと引っ張ってあげてよね!
次の任務の作戦会議も頼んだよ!」
アンドリアズ「ああ、わかってる。」
ユーマリダ「やりましたね。
このまま、いければ……。」
研究員「王家直属の騎士団なのですから、もう少し予算が出るものかと思ったのですが……。」
開発担当員「まだ帝国の奴等がうろついていたって?
そんなもん、一捻りしてやれ!」
食堂員「さあ、もうひと頑張りだ。食え。」
ドノヴァール「我らは王国を守れたのだな……。」
店員「残党狩りなんて楽勝だろ?手柄を立ててこいよ!」
リッケンバック「帝国も連合もやっつけたし、もう平和になるよね?
アタシ達やったんだね!」
カトリーヌ「私達の献身が報われたのですね。
あとは国内の混乱をいかに治めるか、でしょうか。」
エスターテ「俺達の活躍が王国を守ったってことだよな?
ははっ、凄いぞ……!」
傭兵「俺達、国を救ったんだな!これからはブルーフォックスの時代だぜ!」
※古巣からの刺客
キャスターヴ「参ったな……。」
アンドリアズ「キャスターヴ。異国の兵士達が、この周辺を嗅ぎまわっているぞ。
お前がどこかで新しい火種を持ち込んだんじゃないだろうな?」
キャスターヴ「違う。いや……
そうとも言い切れないのかもしれない。」
アンドリアズ「さっさと話せ。」
キャスターヴ「きっとヴェルマ連邦ダルマ―ツィオの私兵だ。
俺を探しているんだ。奴らが企てているのは、恐らく前に一度失敗した俺の暗殺だ……。」
アンドリアズ「新たな火種だろ。」
キャスターヴ「いや違う。俺を入団させる時からあった火種だ。」
アンドリアズ「どちらでもいい。」
キャスターヴ「おいおい、だったら俺をつまみ出すって言うのか?」
アンドリアズ「逆だ。お前の力はブルーフォックスでも重用している。
連合の逃走兵であることは承知の上でこの団に入れた。だから、お前と敵対する者はこの団にとっても敵だ。」
キャスターヴ「アンドリアズ……!」
アンドリアズ「作戦を練る。状況を話せ。」
キャスターヴ「ああ。」
ミッション故郷からの刺客
キャスターヴ「おい、アンドリアズ。お前が欲しがりそうな文献を手に入れた。
古代魔術と近代魔術の違いについて、科学的に論じている書物だ。
本来大陸でしか手に入らないものだが、俺の伝手を使って手に入れたんだ。」
アンドリアズ「……?どういう風の吹き回しだ?」
キャスターヴ「要らないのか?」
アンドリアズ「興味はあるが、お前から理由もなく贈り物をされるというのが、気色悪い。」
キャスターヴ「はは、そう邪見にするな。俺はただこの前のヴェルマの私兵との戦いを感謝しているだけだ。」
アンドリアズ「礼ということか……。ならばもらっておこう。」
キャスターヴ「ああ、これからもよろしく頼む。アンドリアズ。」
キャスターヴ「ダルマ―ツィオは死んだか……。
まあ、自業自得なんだが、少し虚しいね。」
シーヴァット「相変わらず慌ただしいな。落ち着いて酒を飲む暇もない。」
アンドリアズ「不満か?」
シーヴァット「別に不満はないさ。
俺がどれだけ修羅場をくぐってきたと思っているんだ?」
アンドリアズ「お前は情勢をよく見ている。いてくれると助かる。」
シーヴァット「アンドリアズ……
あんたが他人をそこまで言うなんて珍しくないか?」
アンドリアズ「そうか?」
シーヴァット「まぁいい。だがどうもきな臭いな。
大陸の奴らを倒したか思いきや、今度は内地に潜入していた敵兵の駆除か。
聞いている分にはすぐに終わる任務のようだが……
嫌な予感がする。面倒事にならなければいいが。」
アンドリアズ「……何か起きた時にこそ、お前の力が発揮できる。
そうやって生きてきたはずだ。」
シーヴァット「それにも限度がある。ま、程々にやるさ。
俺もむざむざ死ぬ気はないからな。」
シーヴァット「ヤバそうなら逃げるからな?」
アイゼレア「最近、フレダが王様らしくなっちゃったね。良い事、なのかなぁ……。」
王政府高官「帝国軍の残党を追い詰める作戦の為の物資は既に手配しております。
王国から帝国軍を殲滅いたしましょう。」
フレドレット「これで我が覇道を阻む者はない……!俺達の夢が叶うぞ、リアズ!」
ゾルアック「気を緩めるな。勝ったと思った時にこそ、魔は潜む。」
ロレイン「帝国の残党は想定よりも大きそうです。油断無きよう、お願いします。」
※実家について
トレミナ「……………………。」
アンドリアズ「トレミナ、何かあったのか?」
トレミナ「別に何でもないわ。」
アンドリアズ「そうか。」
トレミナ「…………………。
ねえ。このブルーフォックスに仕事を依頼したいという話が来ているのだけれど。」
アンドリアズ「内容は?」
トレミナ「アンブルト家というサウスフィールドの商人が行商中、
賊に度々襲われるらしいの。狙われているのは明白という話よ。護衛として雇えない?」
アンドリアズ「アンブルト?お前の家だろう?」
トレミナ「余計な詮索はしないで。この仕事請けられるの?」
アンドリアズ「報酬次第だ。」
トレミナ「じゃあお願い。詳細は後日話すわ。」
・ミッション血は水より濃い
トレミナ「…………………。」
アンドリアズ「今度は家からの手紙か?」
トレミナ「どうしてそれを!?」
アンドリアズ「ただの予想だ。」
トレミナ「賊を退治したこと……感謝されたわ。私が手を回したこと、気づかれていたみたいで。」
アンドリアズ「そうか。」
トレミナ「まさか……貴方が勝手にアンブルト家に知らせたわけじゃないわよね!?」
アンドリアズ「そんなことはしない。
人伝に伝わることなど幾らでもあるだろう。」
トレミナ「そ、そうよね……。でもこの機会に一度家に帰ってみようかしら。」
アンドリアズ「次の任務までに戻ってこなければ、お前が帰ってくる場所はないぞ。」
トレミナ「わかっているわ。」
トレミナ「王国の平和が見えたのはいいけど、フレドレットの最近の振る舞いは不安だわ。
イスカ、私はどうしたらいいの……?」
※いずれ訪れる平和
アンドリアズ「ヘーザリア王女、任務です。
同行していただけるでしょうか?」
ヘーザリア「はい……ですが。」
アンドリアズ「…………………。」
ヘーザリア「ベゼルの塔を出てまだ日も浅い中で、毎日戦いの連続……。
人と人の殺し合いは一体いつ終わるのでしょうか?」
アンドリアズ「私達は殺し合いを終わらせるため、日々殺し合いをしています。」
ヘーザリア「…………………。その言葉、おかしくありませんか?」
アンドリアズ「すぐにわかってもらえるとは思いません。
ですが今回の敵は人間ではなく亜人です。イーストフィールドの沼地に亜人が出現したという情報が入りました。人間相手よりは多少マシでしょう。」
ヘーザリア「亜人……ですか。ジェイドを体内に取り込んだという異形の怪物ですね。
元々は人間だったと言われていますが。」
アンドリアズ「実際にその姿を見てみるといいでしょう。人間だとはとても思えないでしょうから。今は出陣の準備をお願いします。」
ヘーザリア「はい……。」
ミッション平和をもたらすもの
アンドリアズ「ヘーザリア王女、貴方の古代魔術の威力が格段に上がっているような気がしました。」
ヘーザリア「はい。亜人達との戦いを経験したことが私の中で活きています。
古代魔術の詠唱中、魔力を集中させる際の意識……いえ、感覚を少し変えてみました。」
アンドリアズ「亜人の行動が魔術向上の参考になったと。」
ヘーザリア「ええ、不明瞭な話になってしまったでしょうか?
わかりにくいようでしたら、申し訳ありません。」
アンドリアズ「いえ、王女は聖痕を持つオルティナ王国の王族。
魔術的素養も常人離れしている。そういった成長もありえるのでしょうね。」
ヘーザリア「貴方が前に言った言葉、少しは理解できた気がします。
殺し合いを終わらせるため、殺し合いをする……。
亜人の魂すらも私の力を高めて糧になるのなら、それらの屍を踏み越えて、戦うしかない……。アンドリアズはそういう道を選んだということですね。」
アンドリアズ「どうでしょう?」
ヘーザリア「答えをすぐに提示してもらえないのなら、わかるまで私も戦い続けます。」
ヘーザリア「終わった、のでしょうか……?私には、そう思えません。」
絡みつく謀略
研究員「嫌な予感がしますねぇ……。気をつけた方がよろしいかと。」
店員「また出張することになるとはね。まあ、これが最後だと思えば我慢できるさ。」
開発担当員「総攻撃を仕掛けるんだろ?良い武器を装備していけよ。」
食堂員「気を抜くなよ。ちゃんと食べろ。」
ヘーザリア「次に向かう場所……お兄様には思うところがあるようです。」
アンドリアズ「あの地はレヴァンティア王子が幼少期を過ごした場所です。
思い入れのある懐かしい土地だけに早く帝国兵から取り戻したいと考えているのでしょう。」
ヘーザリア「………………。」
アンドリアズ「何ですか?」
ヘーザリア「貴方もそう考えているのでは?」
アンドリアズ「いや、俺は別に。」
ヘーザリア「そうですか、私の勘違いだったようですね。
少しは人の機敏がわかるようになったかと思ったのですが……。」
アンドリアズ「…………………。」
ヘーザリア「いずれにしても、早く取り戻さなければなりませんね。」
アンドリアズ「はい、作戦会議はこの後行う予定です。」
ヘーザリア「では、行きましょうか。」
ヘーザリア「まだまだ、学ぶ事が多いようです……。」
フレドレット「くそっ……帝国軍はこちらの動きを完全に掌握していたのか……。
どうしてこんなことに……。」
アンドリアズ「今更悔いたところで状況は変わらない。お前は、どうするべきだと思っている?」
フレドレット「決まっている!国王として、帝国に屈服するなどありえない……
最後まで足掻いてやるつもりだ。」
アンドリアズ「……そうか。なら、足掻いてみせろ。」
フレドレット「なに?」
アンドリアズ「最後の手段だ。お前が囮となり、敵の将、ゼ―ヴァティアンを誘き出せ。」
フレドレット「リアズお前……。」
アンドリアズ「ゼ―ヴァティアンを倒せば一時的に統率力が失われる。
その際に、残っている兵力で一気に畳みかける。捨て身の作戦だ。」
フレドレット「……それしか方法はないのか。」
アンドリアズ「状況はひっ迫している。選択できるのは国王である……お前だけだ。」
フレドレット「……これも王の務めということだな。
わかった、それで行こう。」
※暗躍する影
アイゼレア「ワルターに次いでイスカもいなくなるなんて……。
最初の頃に戻っちゃったみたいだね。」
アンドリアズ「ああ、だが立ち止まるわけにはいかない。」
アイゼレア「そうだよね……。ねえ、ボク達のやってることって……
……いや、ごめん。やっぱりなんでもない。」
アンドリアズ「アイゼ……?」
アイゼレア「リアズの味方だって言ったから。
ボクは信じるよ。」
アンドリアズ「……すまない。」
アイゼレア「フレダのこと、ちゃんと引っ張ってあげてよね!
次の任務の作戦会議も頼んだよ!」
アンドリアズ「ああ、わかってる。」
ユーマリダ「やりましたね。
このまま、いければ……。」
研究員「王家直属の騎士団なのですから、もう少し予算が出るものかと思ったのですが……。」
開発担当員「まだ帝国の奴等がうろついていたって?
そんなもん、一捻りしてやれ!」
食堂員「さあ、もうひと頑張りだ。食え。」
ドノヴァール「我らは王国を守れたのだな……。」
店員「残党狩りなんて楽勝だろ?手柄を立ててこいよ!」
リッケンバック「帝国も連合もやっつけたし、もう平和になるよね?
アタシ達やったんだね!」
カトリーヌ「私達の献身が報われたのですね。
あとは国内の混乱をいかに治めるか、でしょうか。」
エスターテ「俺達の活躍が王国を守ったってことだよな?
ははっ、凄いぞ……!」
傭兵「俺達、国を救ったんだな!これからはブルーフォックスの時代だぜ!」
※古巣からの刺客
キャスターヴ「参ったな……。」
アンドリアズ「キャスターヴ。異国の兵士達が、この周辺を嗅ぎまわっているぞ。
お前がどこかで新しい火種を持ち込んだんじゃないだろうな?」
キャスターヴ「違う。いや……
そうとも言い切れないのかもしれない。」
アンドリアズ「さっさと話せ。」
キャスターヴ「きっとヴェルマ連邦ダルマ―ツィオの私兵だ。
俺を探しているんだ。奴らが企てているのは、恐らく前に一度失敗した俺の暗殺だ……。」
アンドリアズ「新たな火種だろ。」
キャスターヴ「いや違う。俺を入団させる時からあった火種だ。」
アンドリアズ「どちらでもいい。」
キャスターヴ「おいおい、だったら俺をつまみ出すって言うのか?」
アンドリアズ「逆だ。お前の力はブルーフォックスでも重用している。
連合の逃走兵であることは承知の上でこの団に入れた。だから、お前と敵対する者はこの団にとっても敵だ。」
キャスターヴ「アンドリアズ……!」
アンドリアズ「作戦を練る。状況を話せ。」
キャスターヴ「ああ。」
ミッション故郷からの刺客
キャスターヴ「おい、アンドリアズ。お前が欲しがりそうな文献を手に入れた。
古代魔術と近代魔術の違いについて、科学的に論じている書物だ。
本来大陸でしか手に入らないものだが、俺の伝手を使って手に入れたんだ。」
アンドリアズ「……?どういう風の吹き回しだ?」
キャスターヴ「要らないのか?」
アンドリアズ「興味はあるが、お前から理由もなく贈り物をされるというのが、気色悪い。」
キャスターヴ「はは、そう邪見にするな。俺はただこの前のヴェルマの私兵との戦いを感謝しているだけだ。」
アンドリアズ「礼ということか……。ならばもらっておこう。」
キャスターヴ「ああ、これからもよろしく頼む。アンドリアズ。」
キャスターヴ「ダルマ―ツィオは死んだか……。
まあ、自業自得なんだが、少し虚しいね。」
シーヴァット「相変わらず慌ただしいな。落ち着いて酒を飲む暇もない。」
アンドリアズ「不満か?」
シーヴァット「別に不満はないさ。
俺がどれだけ修羅場をくぐってきたと思っているんだ?」
アンドリアズ「お前は情勢をよく見ている。いてくれると助かる。」
シーヴァット「アンドリアズ……
あんたが他人をそこまで言うなんて珍しくないか?」
アンドリアズ「そうか?」
シーヴァット「まぁいい。だがどうもきな臭いな。
大陸の奴らを倒したか思いきや、今度は内地に潜入していた敵兵の駆除か。
聞いている分にはすぐに終わる任務のようだが……
嫌な予感がする。面倒事にならなければいいが。」
アンドリアズ「……何か起きた時にこそ、お前の力が発揮できる。
そうやって生きてきたはずだ。」
シーヴァット「それにも限度がある。ま、程々にやるさ。
俺もむざむざ死ぬ気はないからな。」
シーヴァット「ヤバそうなら逃げるからな?」
アイゼレア「最近、フレダが王様らしくなっちゃったね。良い事、なのかなぁ……。」
王政府高官「帝国軍の残党を追い詰める作戦の為の物資は既に手配しております。
王国から帝国軍を殲滅いたしましょう。」
フレドレット「これで我が覇道を阻む者はない……!俺達の夢が叶うぞ、リアズ!」
ゾルアック「気を緩めるな。勝ったと思った時にこそ、魔は潜む。」
ロレイン「帝国の残党は想定よりも大きそうです。油断無きよう、お願いします。」
※実家について
トレミナ「……………………。」
アンドリアズ「トレミナ、何かあったのか?」
トレミナ「別に何でもないわ。」
アンドリアズ「そうか。」
トレミナ「…………………。
ねえ。このブルーフォックスに仕事を依頼したいという話が来ているのだけれど。」
アンドリアズ「内容は?」
トレミナ「アンブルト家というサウスフィールドの商人が行商中、
賊に度々襲われるらしいの。狙われているのは明白という話よ。護衛として雇えない?」
アンドリアズ「アンブルト?お前の家だろう?」
トレミナ「余計な詮索はしないで。この仕事請けられるの?」
アンドリアズ「報酬次第だ。」
トレミナ「じゃあお願い。詳細は後日話すわ。」
・ミッション血は水より濃い
トレミナ「…………………。」
アンドリアズ「今度は家からの手紙か?」
トレミナ「どうしてそれを!?」
アンドリアズ「ただの予想だ。」
トレミナ「賊を退治したこと……感謝されたわ。私が手を回したこと、気づかれていたみたいで。」
アンドリアズ「そうか。」
トレミナ「まさか……貴方が勝手にアンブルト家に知らせたわけじゃないわよね!?」
アンドリアズ「そんなことはしない。
人伝に伝わることなど幾らでもあるだろう。」
トレミナ「そ、そうよね……。でもこの機会に一度家に帰ってみようかしら。」
アンドリアズ「次の任務までに戻ってこなければ、お前が帰ってくる場所はないぞ。」
トレミナ「わかっているわ。」
トレミナ「王国の平和が見えたのはいいけど、フレドレットの最近の振る舞いは不安だわ。
イスカ、私はどうしたらいいの……?」
※いずれ訪れる平和
アンドリアズ「ヘーザリア王女、任務です。
同行していただけるでしょうか?」
ヘーザリア「はい……ですが。」
アンドリアズ「…………………。」
ヘーザリア「ベゼルの塔を出てまだ日も浅い中で、毎日戦いの連続……。
人と人の殺し合いは一体いつ終わるのでしょうか?」
アンドリアズ「私達は殺し合いを終わらせるため、日々殺し合いをしています。」
ヘーザリア「…………………。その言葉、おかしくありませんか?」
アンドリアズ「すぐにわかってもらえるとは思いません。
ですが今回の敵は人間ではなく亜人です。イーストフィールドの沼地に亜人が出現したという情報が入りました。人間相手よりは多少マシでしょう。」
ヘーザリア「亜人……ですか。ジェイドを体内に取り込んだという異形の怪物ですね。
元々は人間だったと言われていますが。」
アンドリアズ「実際にその姿を見てみるといいでしょう。人間だとはとても思えないでしょうから。今は出陣の準備をお願いします。」
ヘーザリア「はい……。」
ミッション平和をもたらすもの
アンドリアズ「ヘーザリア王女、貴方の古代魔術の威力が格段に上がっているような気がしました。」
ヘーザリア「はい。亜人達との戦いを経験したことが私の中で活きています。
古代魔術の詠唱中、魔力を集中させる際の意識……いえ、感覚を少し変えてみました。」
アンドリアズ「亜人の行動が魔術向上の参考になったと。」
ヘーザリア「ええ、不明瞭な話になってしまったでしょうか?
わかりにくいようでしたら、申し訳ありません。」
アンドリアズ「いえ、王女は聖痕を持つオルティナ王国の王族。
魔術的素養も常人離れしている。そういった成長もありえるのでしょうね。」
ヘーザリア「貴方が前に言った言葉、少しは理解できた気がします。
殺し合いを終わらせるため、殺し合いをする……。
亜人の魂すらも私の力を高めて糧になるのなら、それらの屍を踏み越えて、戦うしかない……。アンドリアズはそういう道を選んだということですね。」
アンドリアズ「どうでしょう?」
ヘーザリア「答えをすぐに提示してもらえないのなら、わかるまで私も戦い続けます。」
ヘーザリア「終わった、のでしょうか……?私には、そう思えません。」
絡みつく謀略
研究員「嫌な予感がしますねぇ……。気をつけた方がよろしいかと。」
店員「また出張することになるとはね。まあ、これが最後だと思えば我慢できるさ。」
開発担当員「総攻撃を仕掛けるんだろ?良い武器を装備していけよ。」
食堂員「気を抜くなよ。ちゃんと食べろ。」
ヘーザリア「次に向かう場所……お兄様には思うところがあるようです。」
アンドリアズ「あの地はレヴァンティア王子が幼少期を過ごした場所です。
思い入れのある懐かしい土地だけに早く帝国兵から取り戻したいと考えているのでしょう。」
ヘーザリア「………………。」
アンドリアズ「何ですか?」
ヘーザリア「貴方もそう考えているのでは?」
アンドリアズ「いや、俺は別に。」
ヘーザリア「そうですか、私の勘違いだったようですね。
少しは人の機敏がわかるようになったかと思ったのですが……。」
アンドリアズ「…………………。」
ヘーザリア「いずれにしても、早く取り戻さなければなりませんね。」
アンドリアズ「はい、作戦会議はこの後行う予定です。」
ヘーザリア「では、行きましょうか。」
ヘーザリア「まだまだ、学ぶ事が多いようです……。」
フレドレット「くそっ……帝国軍はこちらの動きを完全に掌握していたのか……。
どうしてこんなことに……。」
アンドリアズ「今更悔いたところで状況は変わらない。お前は、どうするべきだと思っている?」
フレドレット「決まっている!国王として、帝国に屈服するなどありえない……
最後まで足掻いてやるつもりだ。」
アンドリアズ「……そうか。なら、足掻いてみせろ。」
フレドレット「なに?」
アンドリアズ「最後の手段だ。お前が囮となり、敵の将、ゼ―ヴァティアンを誘き出せ。」
フレドレット「リアズお前……。」
アンドリアズ「ゼ―ヴァティアンを倒せば一時的に統率力が失われる。
その際に、残っている兵力で一気に畳みかける。捨て身の作戦だ。」
フレドレット「……それしか方法はないのか。」
アンドリアズ「状況はひっ迫している。選択できるのは国王である……お前だけだ。」
フレドレット「……これも王の務めということだな。
わかった、それで行こう。」
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