テキスト(他CSゲーム)
※傭兵の証
アンドリアズ「アイゼ、任務だ。」
アイゼレア「わかったよ。どこに行くの?」
アンドリアズ「セントラル西方にある魔獣の生息地だ。」
アイゼレア「了解!
でもそんな場所がセントラルにもあるんだね。」
アンドリアズ「傭兵が一人前になれたかを試すため、試練の場所としても使われてきたそうだ。ゾルアックも若い頃に行ったらしい。」
アイゼレア「ちょっと待って、もしかしてボクが一人前になれたのかを試すためにそこに行くの?そんな必要はないと思うけどな。」
アンドリアズ「いや、ちょうどその周辺で魔獣が増え始めて、被害が出ているという報告が入ったからだ。」
アイゼレア「そういうことなら行かなくちゃ!先にそれを言ってよ!」
アンドリアズ「動機が違うだけで、やる気まで変わってくるのか?」
アイゼレア「もちろん!困っている人がいるなら放っておけないよ!」
アンドリアズ「そうか、行くぞ。」
※
アンドリアズ「アイゼ。魔獣討伐した件だが、近隣の住民から感謝の手紙が届いているらしい。」
アイゼレア「そっか。それは嬉しいね。大変だったけど頑張った甲斐があったよ。」
アンドリアズ「だがゾルアックから小言を言われた。傭兵達が修行するための場所が失われたってな。」
アイゼレア「魔獣の生息地をそんな風に使うのがそもそも間違いだよ、もう!」
アンドリアズ「あともう一つ。魔獣たちの勢力が増したあの地で戦い抜けたのだとしたら、アイゼも傭兵としては立派に大成したな、と言っていた。」
アイゼリア「えっ……?」
アンドリアズ「これは本人には言うなと言われたんだが。」
アイゼリア「えへへっ、そっか~!嬉しいな。
父さんがそんなことを……!リアズも教えてくれて、ありがと!」
アンドリアズ「いや、俺が教えたこと、ゾルアックには言うなよ。」
アイゼレア「もちろん!」
※報復の苦み
アンドリアズ「ゾルアック。」
ゾルアック「なんだ?」
アンドリアズ「お前は以前、その足の怪我は騎士との戦いが原因だと言っていたが、お前に傷を負わせたというその騎士。一体どんな人物だったんだ?」
ゾルアック「よくは知らん……が、風体はよく覚えている。忘れることはないだろう。
顔の両頬に大きな傷跡を持つ、大男だ。俺が傭兵として、国王の近衛兵に帯同していた時、その騎士は数名の仲間と共に襲ってきた……。国王を殺すつもりだったようだな。」
アンドリアズ「騎士でありながら国王を殺そうとする、か。動機はなんだ?」
ゾルアック「さあな。で、そんな話をするために俺に声をかけたのか?」
アンドリアズ「いや、任務だ。イーストフィールドのある貴族領で金品の強奪事件が起きたらしい。俺達にも召集がかかるかもしれないという話だ。準備だけはしておいてくれ。」
ゾルアック「了解だ。」
※ミッション古傷
アンドリアズ「ゾルアック。先日捕えたお前と因縁があった、あの男だが。」
ゾルアック「…………………。」
アンドリアズ「確かに尋問は無駄だった。アイツはただ戦いたかっただけだ。」
ゾルアック「つまり戦いを求めて国王暗殺を企て、強盗を行っていただけだと……?」
アンドリアズ「ああ。傭兵界隈にもおかしな連中はいる。似たようなものだ。」
ゾルアック「鎧を身にまとい、戦いに身を委ねていると、時折悦楽のような感覚に襲われることはある……。相手の血を見る愉悦、勝利する快感……。騎士でありながらあの男はそれを求め、狂戦士さながらの強さを身に付けたというのか……」
アンドリアズ「ゾルアック?」
ゾルアック「問題ない。俺はあのように堕ちた戦士にはならない。」
アンドリアズ「別に心配などしていない。」
ゾルアック「そうか。」
ゾルアック「ここのところ忙しくしているようだな。手が足りないなら声をかけろ。」
ロレイン「ふぅ……あっ、申し訳ありません。少し事務手続きが立て込んでおりまして。
団に王位継承者が在籍している、というのは色々と面倒な事が多いのです。」
イスカリオン「ニコデーモさんを利用するような事はしたくなかったんだけど……。
我らが王が是非にと言うので断れなかったよ。やはり王ともなると物言いが違うね。」
トレミナ「アンドリアズ、イスカの様子を気にしてあげて。
フレドレットじゃ……駄目だと思う。」
エスターテ「帝国は随分と大人しかったよな?まあ、助かったけどさ。」
カトリーヌ「聖教の求心力が弱まった今だからこそ、神を信じる心を説きたいと考えています。」
王政府高官「この作戦には王政府も期待しています。
フレダ皇太子の実績にもなるでしょう。」
フレドレット「連合との共闘が実現すれば、帝国軍を我が国から排除できるはずだ……
正念場だぞ。」
店員「道中、気をつけてな。」
研究員「半島には珍しい植物が多く分布しております。
どれか持ち帰っていただけませんかね……?」
開発担当員「魔獣相手なら、対球面には気を配らないとな。」
食堂員「長時間の移動があるなら体力をつけろ。飯だ。」
傭兵「所属がブルーフォックスってだけで王都ではモテて仕方ないぜ。へへっ。」
ドノヴァール「連合と、か……。これも時代か。」
シーヴァット「南の方から色々と情報が流れてきているよ。面白いことになりそうだな?」
リッケンバック「南区の辺境を通っていくんだって?それならアタシに任せてよ。
そういうの得意なの!あ、今、田舎者って思ったでしょ!?」
※連合と帝国
キャスターヴ「アンドリアズ、随分ときな臭くなってきたな。」
アンドリアズ「それはオルティナ王国の内外、どちらの話だ?」
キャスターヴ「どちらもだ。ま、国内の情勢はお前も十分理解しているだろうし、今は俺の情報網を駆使して手に入れた大陸の戦況を教えてやろう。」
アンドリアズ「それだけの前置きがあるのなら、よほどの事なんだろうな。」
キャスターヴ「ああ……近々帝国軍は連合軍の主力部隊に総攻撃をかけるらしい。
連合もその情報を聞きつけ、対策を講じているようだが、恐らく間に合わない。
既に、勝敗は決したようなもの……連合に所属する国家の大半が、帝国に下るだろうな。」
アンドリアズ「帝国が大陸の覇者となる未来に、揺るぎはないというところか。」
キャスターヴ「そうだな。帝国が行ってきた侵略戦争の数々……
そのほとんどが勝利に終わった要因は、やはりあの男が起因している。ゼ―ヴァティアン・シュガルだ。帝国においては、確実な勝利をもたらす英雄。そして、戦いに固執する危険な男でもある……。連合の人間は奴の姿を見るだけで、震えてその場に立ち尽くしてきた。」
アンドリアズ「辛酸を舐めたのはこの国の人間も同じだ。テガリア軍港での敗戦を知らぬ者はいない。」
キャスターヴ「もし、あの男が再びこの島に上陸し、宣戦布告してきたら……
俺達はどうする?」
アンドリアズ「戦う。今度は奴の息の根を止めて、確実に勝利する。」
キャスターヴ「ふっ、その言葉が聞けて良かったぜ。」
キャスターヴ「連合と手を結ぶ、かぁ……正直お勧めはできないが、他に手が無いのも事実なんだよなぁ。あぁ、面倒くさい。」
※救われるべき者の元へ
アンドリアズ「チャップルマン、一つ聞いておきたかった。」
チャップルマン「はい、なんでしょう?」
アンドリアズ「どうしてこのディオフィールドの地で福音教の布教活動をしようとした?」
チャップルマン「私の唱えるネイサン福音教の起源は、ロウテイル大陸で発祥した原理教であり、この地で多数の民が入信しているグランベル聖教のと同じ一つの宗教から派生したものではありますが、今となっては思想の違いは大きく、おっしゃるようにそう簡単にはこの国の民は享受できないでしょうね。」
アンドリアズ「そこまでわかっているのに、何故だ?」
チャップルマン「この国の民が他国からの軍事的圧力によって、心乱れていることを知ったからです。救いを求める声があるのなら、思想の違いなどは些事。私はその声に応えたいと思っただけです。」
アンドリアズ「人は心乱れるほど、新たな偶像に縋りつきたくなるもの。
その心理を逆手に取っただけだとも言えるがな。」
チャップルマン「はは、考えすぎですよ、アンドリアズ。
ですが、たとえそう思われたとしても、この国の人々が救われるのであれば私は満足です。」
アンドリアズ「勝手にしろ。」
チャップルマン「交渉事でお役に立てず申し訳ありません。
連合とは色々ありましてね……。」
※誘う微笑み
ヘーザリア「…………………。」
アンドリアズ「ヘーザリア王女、体調が優れませんか?」
ヘーザリア「どうしてそう思うのですか?」
アンドリアズ「外を眺めて物思いに耽るような表情をされていました。
貴方に何かあれば、フレダがうるさいので。」
ヘーザリア「いえ、外の世界に出られた喜びを嚙みしめていました。」
アンドリアズ「そうは見えませんでしたが。」
ヘーザリア「お兄様とはとても仲が良いのですね。」
アンドリアズ「幼い頃から長い時を過ごしています。」
ヘーザリア「そうですか。長い時を共に過ごすとそういう感情になるのですか。
私の旧知の者と言えば、数年間に死んだ母と侍女達……
後は時折訪ねてくるヴィクトルお兄様だけでしたから。」
アンドリアズ「ヴィクトル・シェイファムは、聖痕を持つ貴方を疎ましく思っていたのではないのですか?」
ヘーザリア「それは表向きの話……。
彼は私を傀儡の王とする考えもあったようです。」
アンドリアズ「その時が来たとして、貴方は受け入れる覚悟だったのですか?」
ヘーザリア「はい……貴方はきっと、拒む力があるのに、それをしなかった愚かな姫と笑うのでしょうね。」
アンドリアズ「ふっ……。」
ヘーザリア「貴方が笑うのを初めてみました。」
アンドリアズ「俺も久しぶりに笑いましたよ。」
ヘーザリア「ブルーフォックス、私の新しい居場所……。
束縛の形、私の形……。」
フレドレット「連合の軍事総司令官ダルマーツィオか。」
ダルマ―ツィオ「いかにも。この辺境の島国で新たに王位へ就いた者とはお前のことか?」
フレドレット「そうだ。俺はまわりくどい問答は苦手なので単刀直入に言う。
今回連合の海軍には東の海域から貿易港へ攻め込んでもらいたい。
決行は、“―白の月を迎える日だ”。」
ダルマ―ツィオ「いいだろう。こちらは日の出と共に動く、足並みを揃えろ。」
フレドレット「了解した。そちらの侵攻を確認後、我々は港の北側から攻め込んで、一気に帝国の中枢を叩く。」
ダルマ―ツィオ「そんなことより、成功した暁には相応の対価を頂くぞ。
第一にダガーランド貿易港の自由貿易件。
第二にはサウスフィールドにあるジェイド鉱山の租借だ。どうだ若き王よ?」
フレドレット「……背に腹は代えられない。」
アンドリアズ「いいんだな、フレダ。」
フレドレット「今は作戦の成功が最優先だ。」
ダルマーツィオ「ははっ、同盟成立だな。」
フレドレット「しくじるなよ。」
ダルマ―ツィオ「ふん。」
イスカリオン「相変わらず、フレダは無鉄砲に国事を進めていくようだね。
一体どれだけの影響があるのか、彼は本当に理解しているのかな?」
アンドリアズ「勿論、その件に関しては考えがある。」
イスカリオン「……その考えってのは、誰かの犠牲が伴うものか?」
アンドリアズ「……………………。」
イスカリオン「キミはそこまで見据えたうえで、フレダの言動を黙認しているんだね……。
変わってしまったな、この傭兵団……。いや……キミ達は。」
アンドリアズ「イスカ、この傭兵団にはお前が必要だ。トレミナやリッカもお前を必要としている。」
イスカリオン「……卑怯だね、キミは。」
アンドリアズ「……作戦室で待っている。」
キャスターヴ「やあ、アンドリアズ。この団は本当に居心地が良いな。」
アンドリアズ「これからお前が元いた所の上司と共闘する。何か文句の一つでも言ってやればいい。」
キャスターヴ「殺されそうになったあの場所に未練などないさ。出来れば顔を合わせたくないね。それよりもこのブルーフォックスの今後に、俺は期待が膨らんで仕方ない。」
アンドリアズ「………………。」
キャスターヴ「フレドレットが新国王になる日も近く、アンドリアズはそれを参謀として冷静に支えてくれる。そしてイスカリオンは立ち回りに秀でた調整役だ。
お前達はうまく組織を回している。」
アンドリアズ「……何が言いたい?」
キャスターヴ「だからこそこれ以上、仲違いしたり離反したりするのは避けてほしいかな。」
アンドリアズ「ワルターのことを言っているのか?」
キャスターヴ「あの子は美しかったね。まぁ誰かさんに手を付けられた後だったようだが……。だが、今そう考えている者が他にもいるんじゃないかな?」
アンドリアズ「………………。」
キャスターヴ「長話をしてしまったね。」
※罪には罰を
アンドリアズ「フレダ、お前には言うか迷ったんだが……」
フレドレット「どうしたんだ?」
アンドリアズ「ウェストフィールドで、以前ヴィクトル王子が秘密裏に組織していた特殊部隊のアジトが見つかった。」
フレドレット「……!」
アンドリアズ「もうそれほど機能していない。ヴィクトル王子やキンブル公の派閥は凋落したからな。奴らはウェストフィールドで裏の仕事を請け負った。つまりは、そういうことだ。
どうする?」
フレドレット「それは……仇を討つかどうか、という話だな。」
アンドリアズ「ああ。だが、その者達の中にはもう裏稼業からは退き普通に生活している者もいるらしい。」
フレドレット「…………………。準備しろ。」
アンドリアズ「分かった。」
※ミッション許されざる行為
アンドリアズ「先日手を下した村だが、野党に滅ぼされたということにしておいた。」
フレドレット「…………………。」
アンドリアズ「奴らの家族を含め、生き残った者はいない。ブルーフォックスが行ったと気づく者はいないだろう。」
フレドレット「別に裏工作をしておく必要もない。奴らはそれだけのことをした。」
アンドリアズ「後味が悪いと言っている団員もいた。綺麗事ばかり言ってはいられないと言っておいたが。」
フレドレット「言わせておけ。私怨ではあるが……これは俺達の正義だ。」
アンドリアズ「人それぞれだ。」
フレドレット「もうその話はいい、次の任務の話をするぞ。」
アンドリアズ「ああ。」
フレドレット「いよいよだな。リアズ、しくじるなよ。」
※密偵の処遇
ユーマリダ「アンドリアズ、よろしいですか?」
アンドリアズ「なんだ?」
ユーマリダ「人目に付きやすいここでなく、どこか別の場所でお話ししたいのですが……。」
アンドリアズ「その方が逆に不審がられる。いいからここで話せ。」
ユーマリダ「はい……実はどこかの密偵のような輩達が、エルムの周辺を嗅ぎまわっているようなのです。」
アンドリアズ「大陸の手の者か?」
ユーマリダ「恐らくは……。」
アンドリアズ「わかった、俺の方でも探りを入れておく。」
ユーマリダ「お願いします。」
※ミッション 暗殺者は忍び寄る
ユーマリダ「あの、アンドリアズ。」
アンドリアズ「なんだ?」
ユーマリダ「先日捕縛した帝国の密偵はどうなったでしょうか?」
アンドリアズ「奴らは尖兵に過ぎなかった。特段貴重な情報は得られなかったな。」
ユーマリダ「そうですか。その、処遇はどうなるのでしょうか?」
アンドリアズ「捕らえたままにしておく。いつか人質として役立つこともあるかもしれない。」
ユーマリダ「それは……安心しました。」
アンドリアズ「戦時における人質は貴重な交渉材料だ。」
ユーマリダ「そうですね。」
アンドリアズ「もういい。行け。」
ユーマリダ「はい。」
ユーマリダ「策は成りました。あとは我々が実行するだけです。」
食堂員「帝国と戦うなら、力をつけていけ。食え。」
シーヴァット「これでいいのかい?まあ、今更だがね。」
チャップルマン「……あぁ、申し訳ありません。
布教の方法について、考えておりました。」
アイゼレア「連合と共闘する話は纏まったんだよね?これで、帝国に勝てるかな?」
傭兵「なんだか、慌ただしいけど、なにかあるのか?」
王政府高官「物資の追加発注がありましたので、対応しましたが、
なにか特別な作戦があるのでしょうか?」
ヘーザリア「また、殺し合うのですね。」
ロレイン「作戦開始が迫っています。準備を怠らないようにしてください。」
ゾルアック「老兵の力を見せてくれよう。存分に使え。」
トレミナ「慌ただしいけど、こういう時こそ足元に注意するべきじゃない?
仲間のこと、とかね……。」
イスカリオン「この作戦が成功すれば、フレダの立場は盤石になる訳だね。
民の為にもなると、自分に言い聞かせてきたが、今のブルーフォックスは……
いや、なんでもないよ。」
リッケンバック「ちょっと実家に仕送りをしようとしたらさ、
最近物騒だから北区へは送れないって言われたの!
もー信じられないよ!南区と北区は関係ないのに!」
店員「南区を追い出して港を取り返してくれ、頼むぜ。」
ドノヴァール「王都の治安の悪化が気になるな。
帝国を倒した後の事も考えておかなければならぬ。」
開発担当員「いよいよ帝国から港を取り返すんだな。装備のことなら任せろ!」
研究員「さあ、ワタクシの研究の成果が試される時です!……ですよね?」
※聖なる火の粉
アンドリアズ「エスターテ。今日の夜、戦いの備えをしておけ。」
エスターテ「えっ、任務か?どこかに出かけるのか?」
アンドリアズ「いや、暗殺者達がここを強襲してくるはずだ。狙いはお前だ。」
エスターテ「な、なに!?なんでおれが……!?」
アンドリアズ「聖教側が手を回しているようだな。
お前はやはり組織の裏側を知り過ぎたとして、口封じされるということなのだろう。」
エスターテ「くっ……!」
アンドリアズ「その情報は斥候によって知り得た。準備ができればどうということはない。
お前を餌に誘き出して、むしろこちらが罠に掛けるだけだ。」
エスターテ「おれが、餌なのかよ……。」
ミッション振り払う火の粉
アンドリアズ「エスターテ、暗殺者の尋問は終わった。」
エスターテ「…………………。」
アンドリアズ「やはり標的はお前だった。聖教は組織から出て行った者達の動向を調べ、
聖教側に害をもたらしそうな危険があると思った者達を、次々と始末していたようだな。」
エスターテ「えっ、じゃあ……!」
アンドリアズ「ああ、候補にはカトリーヌも挙がっていたようだ。だが向こうも武装している人員は多くはない。今回倒した者達が人員のほぼ全て。奴らの暗殺計画はこれで頓挫するはずだ。」
エスターテ「そ、そうか……。おれ、結果的にカトリーヌも救えたのか。」
アンドリアズ「そういうことだ。」
エスターテ「………………。」
※人を救い、己を救う
カトリーヌ「アンドリアズ、わたくしからブルーフォックスへ依頼があります。
団員からの依頼というのは受けていただけるものでしょうか?」
アンドリアズ「報酬次第だ。」
カトリーヌ「ノーザンフィールドの僻地で子供狩りが行われているとのことです。
年端も行かない子供達が野党に誘拐され、人身売買の商品にされていると……。」
アンドリアズ「オルティナ王国内で買い手が付くのか?そんな商売が表立って成立するとは思えない。」
カトリーヌ「はい、流石に王国内では不可能です。
子供達は大陸に向けて売られていると……。」
アンドリアズ「場所を教えろ。」
カトリーヌ「あの、報酬はどれくらいで……。」
アンドリアズ「その話は後でいい。」
カトリーヌ「はい!」
ミッション人命の値段
アンドリアズ「カトリーヌ。ノーザンフィールドでの賊退治の件だが、お前は子供狩りが行われていることを、どうやって知った?」
カトリーヌ「以前テンプルナイツにいた際、
親交があった孤児院の方々から噂を聞きました。」
アンドリアズ「そうか。これからもこの話題を聞くことがあれば、逐一俺に報告をしろ。
組織を根絶やしにできたわけではない。足取りを探すことがこれからも必要だ。」
カトリーヌ「アンドリアズ……やはり貴方は今回の事件を解決したいという意気込みが大きいようですね。」
アンドリアズ「だからそんなことはないと言っているだろう。しつこいぞ。」
カトリーヌ「否定されていても、わたくしにはわかります。
貴方のその強い志をとても心強く感じます。」
アンドリアズ「勝手にしろ。」
カトリーヌ「どこにでも参りましょう。この国の、平和の為です……。」
・王として
ロレイン「アンドリアズ、聞きたいことがあります。」
アンドリアズ「イスカリオンのことか。」
ロレイン「彼の様子が少しおかしかったのは知っています。何か思い詰めているような節がありました。まさか貴方はあの人を……?」
アンドリアズ「勘違いするな、一人で抜けていっただけだ。」
ロレイン「そ、そうですか。私はもしかしてと思い……。」
アンドリアズ「イスカリオンは自分の意思でここを抜けた。やり方は違えど行く末は同じだ。」
ロレイン「えっ?」
アンドリアズ「いや、何でもない。」
ロレイン「はい……ですが、あの。」
アンドリアズ「なんだ、まだ何かあるのか?」
ロレイン「貴方らしくないと。」
アンドリアズ「……そうかもな。」
ロレイン「それで、連合軍の件はいかがしますか?」
アンドリアズ「安心しろ、手は打ってある。」
ロレイン「そこは抜かりないのですね。わかりました。準備ができたら作戦会議を開きましょう。」
ロレイン「……………。」
※南区開放作戦
※離反について
トレミナ「…………………。」
アンドリアズ「トレミナ、そんな様子では次の作戦にお前は出せそうにもないな。」
トレミナ「私がどうしてこんな顔をしているか……。
どうせわかっているのでしょう?」
アンドリアズ「さあな。」
トレミナ「貴方のせいよ。貴方のせいでイスカリオンはここから出て行った!」
アンドリアズ「あいつは自分の意志でブルーフォックスを辞めた。俺は止めなかった。
それだけだ。」
トレミナ「どうして引き止めてくれなかったの!?」
アンドリアズ「イスカリオンは何よりも自分の意志を、生き方を重んじる男だ。
どこかで袂を分かつことになるとは思っていた。」
トレミナ「折り合いは付けられなかったの!?
長い時間を共に戦った仲間だったのでしょう!?」
アンドリアズ「仲間か。あいつはどう思っていたんだろうな。
イスカリオンの脱退を認めたのは、例外中の例外。今後そういった事例は一切認めるつもりはないし、もしあの男が今後俺の前に立ちはだかることがあればその時は容赦しない。」
トレミナ「ど、どういうこと?」
アンドリアズ「お前にはわかるまい。」
トレミナ「待ちなさい!」
アンドリアズ「…………………。」
トレミナ「私はここに残るわ。ここで、彼と思い描いた理想の国を作る為に戦う。
その理想に立ちはだかる者は容赦しないわ。たとえ貴方であっても!」
アンドリアズ「好きにしろ。」
トレミナ「どうして、イスカ……。」
※ジェイドを我が手に
アンドリアズ「シーヴァット、どこへ出かけるつもりだ?」
シーヴァット「……!?……アンドリアズか。まったく、どうしたらそこまで気配を消せるんだ……。全く恐ろしい男だ。」
アンドリアズ「質問に答えろよ。」
シーヴァット「ジェイド蒐集家のことを知っているか?」
アンドリアズ「使用や商売を目的としてジェイドを集める者か。」
シーヴァット「ああ、趣味で集めている変わり者達だ。特にサウスフィールドの貴族には変わった趣味嗜好の奴らが多い。」
アンドリアズ「知っている、それがどうした?」
シーヴァット「奴らが集めている代物の中には、古代魔術の力を秘めたジェイドも多いとされている。まさに宝の持ち腐れだ。
そのジェイドを一つ拝んでみたいと考えているんだが……構わないよな。」
アンドリアズ「貴族の屋敷に忍び込み、あわよくば盗むつもりか?元・盗賊のシーヴァット。」
シーヴァット「ご名答。どうせ碌な方法で集めたものじゃない。」
アンドリアズ「お前一人では心もとないな。俺も興味がある。」
シーヴァット「あんたはなんでもありだな。」
ミッション盗賊らしい成果
アンドリアズ「先日の貴族への強制捜査の結果、ジェイドは全て王政府へと押収された。」
シーヴァット「もったいないことをしたものだ。」
アンドリアズ「そうでもない。今回の証拠を提出したのはブルーフォックスだ。
正当な報酬が近々与えられる予定だ。それで新たな軍備を進めればいい。
団員への給料も上がるはずだ。」
シーヴァット「なるほど、それは楽しみだな。だがあれだけの珍しいジェイドだ。
魔術兵としては一つくらい試してみたかったが。」
アンドリアズ「実際の所、少しくすねていたんじゃないのか?」
シーヴァット「さあて。」
アンドリアズ「まあ、いい。誰にも気づかれるなよ。」
シーヴァット「はは。」
シーヴァット「連合の奴ら、好き勝手やってるようだな。まったく……帝国の方がマシだったんじゃないか?……失言だったかい?」
ユーマリダ「連合との決戦に向けて、準備を進めています。
問題ありません。」
食堂員「飯を食べていれば負けない。」
開発担当員「連合ってのは随分やり方が汚いな。曲がった性根を叩いてやれ。」
研究員「ふむ、落ち着く間もありませんな。」
店員「今度は連合とか……忙しいな。
負けるなよ。」
※死すれば救えぬ
アンドリアズ「チャップルマン。」
チャップルマン「何でしょう、アンドリアズ。」
アンドリアズ「お前は今命を狙われている。理由はわかるか?」
チャップルマン「私が……?」
アンドリアズ「脅迫紛いの封書が届いた。今夜指定の場所にお前の首を寄越さなければ、
エルムを強襲するという脅しだ。誰かがお前を狙う理由は、正直あり過ぎる。」
チャップルマン「申し訳ありません。確かに私がこれまで辿った道を考えれば、そう思うのは仕方ないこと。異国では兵士として帝国に潜入した経緯を持ち、今は宣教師として異教の布教を行う者……。帝国からも恨まれているでしょうし、今となっては連合軍からも注視されているはずです。」
アンドリアズ「この国の主教であるグランベル聖教側も、お前のことを快く思っていないだろうしな。」
チャップルマン「もし私がブルーフォックスの皆を危険に晒しているというなら、大人しくここから去ります。」
アンドリアズ「お前の実力は団の誰もが認めている。不明瞭な敵に抵抗もせず、手放すのは惜しい。」
チャップルマン「ありがとうございます……で、どうされるおつもりですか?」
アンドリアズ「指定の場所へ行く。ただし小隊を組んで、だ。」
ミッション剣と信仰の行く先
チャップルマン「アンドリアズ。先日の戦い、真相はわかりましたか?」
アンドリアズ「ああ。敵はやはり大陸の手の者だった。」
チャップルマン「となると、帝国軍か連合軍のどちらかですか?」
アンドリアズ「いや、この国の傭兵を雇い、お前を殺そうとしたのは、ネイサル福音教だ。」
チャップルマン「なっ!?」
アンドリアズ「滑稽な話だ。他国で布教活動するために派遣された者が、いつの間にか主となる母体から殺されそうになっているとはな。」
チャップルマン「……そうでしたか。」
アンドリアズ「理由はわかるか?」
チャップルマン「恐らくブルーフォックスに入団したことでしょう。
福音教を辞め、王国の軍門に下ったと思われたか……」
アンドリアズ「いずれにしてもお前に帰る場所はない。無論お前が布教活動する必要もなくなった。」
チャップルマン「いえ、私は私の信じる神を人々に伝え続けます。
それは主教から裏切られようとも変わりません。」
アンドリアズ「ならば好きにしろ。戦いで役割を果たしてくれれば、それでいい。」
チャップルマン「はい。」
チャップルマン「皆さんの様子を見ていると、イスカリオンがどれ程大きな存在であったのかがわかります。」
王政府高官「ふう……最近、物資の発注が多くて大変ですよ。」
研究員「ふむ、落ち着く間もありませんな。」
開発担当員「連合ってのは随分やり方が汚いな。曲がった性根叩いてやれ。」
ドノヴァール「連合め、獅子身中の虫となったか。恥知らずな奴らめ……!」
店員「今度は連合とか……忙しいな。負けるなよ。」
フレドレット「イスカリオン……!王国の命運を決める局面に、なにを考えている!」
カトリーヌ「イスカリオン……お世話になっていましたのに、お別れのご挨拶もできませんでした。」
エスターテ「イスカリオンが退団したことは残念だけど、そこまで騒ぐことなのか?
元々傭兵団なんだから、そういう事もあるだろ?」
リッケンバック「イスカって辞めちゃったの?どうして?……なにか、あったの?」
傭兵「ブルーフォックスは勝ち馬だっていうのに、イスカリオンはなんで抜けたんだろうな?」
キャスターヴ「やっぱりこうなったか。色々と切ないねぇ……。」
※味わう日常
ヘーザリア「アンドリアズ。
今朝食べたパン、いつもと味が違いました……」
アンドリアズ「あれはアルージュ特産小麦で作られたパンです。
サウスフィールドから仕入れたようです。」
ヘーザリア「一緒に出てきた魚の料理は?」
アンドリアズ「イーストフィールドの漁港で捕れたものを新鮮なまま運んで、調理したと聞きました。」
ヘーザリア「…………………。」
アンドリアズ「お口に合いませんでしたか?」
ヘーザリア「いえ……では玄関に飾られていた黄色の花は何というのでしょう?」
アンドリアズ「あれも大陸から輸入したものと聞きましたが。」
ヘーザリア「……そうですか。世界は広いのですね。
へゼルの塔を出て、まだそれほど経っていないのに毎日新しい発見が沢山あります。
私はこれまでどれほど無知であったか、思い知らされます……。」
アンドリアズ「それもすぐに慣れます。」
ヘーザリア「慣れ……ですか。確かに驚きはありますが、不思議と嫌ではありません。
できるなら、いつまでも感じていたい……そう思ってしまいます。
あっ、失礼しました。意味のわからないことを言ってしまいましたね。」
アンドリアズ「いえ。」
ヘーザリア「強い、意志があったのね、イスカリオン。
……羨ましい、かもしれません。」
アイゼレア「リアズ、大丈夫?……なんだか、イスカの事、
気にしてそうだなって感じたんだ。気のせいだったら、いいんだけど。」
ゾルアック「欠員が出たのなら、代わりを探すべきだな。
冷たいようだが……そういうものだ。」
アンドリアズ「アイゼ、任務だ。」
アイゼレア「わかったよ。どこに行くの?」
アンドリアズ「セントラル西方にある魔獣の生息地だ。」
アイゼレア「了解!
でもそんな場所がセントラルにもあるんだね。」
アンドリアズ「傭兵が一人前になれたかを試すため、試練の場所としても使われてきたそうだ。ゾルアックも若い頃に行ったらしい。」
アイゼレア「ちょっと待って、もしかしてボクが一人前になれたのかを試すためにそこに行くの?そんな必要はないと思うけどな。」
アンドリアズ「いや、ちょうどその周辺で魔獣が増え始めて、被害が出ているという報告が入ったからだ。」
アイゼレア「そういうことなら行かなくちゃ!先にそれを言ってよ!」
アンドリアズ「動機が違うだけで、やる気まで変わってくるのか?」
アイゼレア「もちろん!困っている人がいるなら放っておけないよ!」
アンドリアズ「そうか、行くぞ。」
※
アンドリアズ「アイゼ。魔獣討伐した件だが、近隣の住民から感謝の手紙が届いているらしい。」
アイゼレア「そっか。それは嬉しいね。大変だったけど頑張った甲斐があったよ。」
アンドリアズ「だがゾルアックから小言を言われた。傭兵達が修行するための場所が失われたってな。」
アイゼレア「魔獣の生息地をそんな風に使うのがそもそも間違いだよ、もう!」
アンドリアズ「あともう一つ。魔獣たちの勢力が増したあの地で戦い抜けたのだとしたら、アイゼも傭兵としては立派に大成したな、と言っていた。」
アイゼリア「えっ……?」
アンドリアズ「これは本人には言うなと言われたんだが。」
アイゼリア「えへへっ、そっか~!嬉しいな。
父さんがそんなことを……!リアズも教えてくれて、ありがと!」
アンドリアズ「いや、俺が教えたこと、ゾルアックには言うなよ。」
アイゼレア「もちろん!」
※報復の苦み
アンドリアズ「ゾルアック。」
ゾルアック「なんだ?」
アンドリアズ「お前は以前、その足の怪我は騎士との戦いが原因だと言っていたが、お前に傷を負わせたというその騎士。一体どんな人物だったんだ?」
ゾルアック「よくは知らん……が、風体はよく覚えている。忘れることはないだろう。
顔の両頬に大きな傷跡を持つ、大男だ。俺が傭兵として、国王の近衛兵に帯同していた時、その騎士は数名の仲間と共に襲ってきた……。国王を殺すつもりだったようだな。」
アンドリアズ「騎士でありながら国王を殺そうとする、か。動機はなんだ?」
ゾルアック「さあな。で、そんな話をするために俺に声をかけたのか?」
アンドリアズ「いや、任務だ。イーストフィールドのある貴族領で金品の強奪事件が起きたらしい。俺達にも召集がかかるかもしれないという話だ。準備だけはしておいてくれ。」
ゾルアック「了解だ。」
※ミッション古傷
アンドリアズ「ゾルアック。先日捕えたお前と因縁があった、あの男だが。」
ゾルアック「…………………。」
アンドリアズ「確かに尋問は無駄だった。アイツはただ戦いたかっただけだ。」
ゾルアック「つまり戦いを求めて国王暗殺を企て、強盗を行っていただけだと……?」
アンドリアズ「ああ。傭兵界隈にもおかしな連中はいる。似たようなものだ。」
ゾルアック「鎧を身にまとい、戦いに身を委ねていると、時折悦楽のような感覚に襲われることはある……。相手の血を見る愉悦、勝利する快感……。騎士でありながらあの男はそれを求め、狂戦士さながらの強さを身に付けたというのか……」
アンドリアズ「ゾルアック?」
ゾルアック「問題ない。俺はあのように堕ちた戦士にはならない。」
アンドリアズ「別に心配などしていない。」
ゾルアック「そうか。」
ゾルアック「ここのところ忙しくしているようだな。手が足りないなら声をかけろ。」
ロレイン「ふぅ……あっ、申し訳ありません。少し事務手続きが立て込んでおりまして。
団に王位継承者が在籍している、というのは色々と面倒な事が多いのです。」
イスカリオン「ニコデーモさんを利用するような事はしたくなかったんだけど……。
我らが王が是非にと言うので断れなかったよ。やはり王ともなると物言いが違うね。」
トレミナ「アンドリアズ、イスカの様子を気にしてあげて。
フレドレットじゃ……駄目だと思う。」
エスターテ「帝国は随分と大人しかったよな?まあ、助かったけどさ。」
カトリーヌ「聖教の求心力が弱まった今だからこそ、神を信じる心を説きたいと考えています。」
王政府高官「この作戦には王政府も期待しています。
フレダ皇太子の実績にもなるでしょう。」
フレドレット「連合との共闘が実現すれば、帝国軍を我が国から排除できるはずだ……
正念場だぞ。」
店員「道中、気をつけてな。」
研究員「半島には珍しい植物が多く分布しております。
どれか持ち帰っていただけませんかね……?」
開発担当員「魔獣相手なら、対球面には気を配らないとな。」
食堂員「長時間の移動があるなら体力をつけろ。飯だ。」
傭兵「所属がブルーフォックスってだけで王都ではモテて仕方ないぜ。へへっ。」
ドノヴァール「連合と、か……。これも時代か。」
シーヴァット「南の方から色々と情報が流れてきているよ。面白いことになりそうだな?」
リッケンバック「南区の辺境を通っていくんだって?それならアタシに任せてよ。
そういうの得意なの!あ、今、田舎者って思ったでしょ!?」
※連合と帝国
キャスターヴ「アンドリアズ、随分ときな臭くなってきたな。」
アンドリアズ「それはオルティナ王国の内外、どちらの話だ?」
キャスターヴ「どちらもだ。ま、国内の情勢はお前も十分理解しているだろうし、今は俺の情報網を駆使して手に入れた大陸の戦況を教えてやろう。」
アンドリアズ「それだけの前置きがあるのなら、よほどの事なんだろうな。」
キャスターヴ「ああ……近々帝国軍は連合軍の主力部隊に総攻撃をかけるらしい。
連合もその情報を聞きつけ、対策を講じているようだが、恐らく間に合わない。
既に、勝敗は決したようなもの……連合に所属する国家の大半が、帝国に下るだろうな。」
アンドリアズ「帝国が大陸の覇者となる未来に、揺るぎはないというところか。」
キャスターヴ「そうだな。帝国が行ってきた侵略戦争の数々……
そのほとんどが勝利に終わった要因は、やはりあの男が起因している。ゼ―ヴァティアン・シュガルだ。帝国においては、確実な勝利をもたらす英雄。そして、戦いに固執する危険な男でもある……。連合の人間は奴の姿を見るだけで、震えてその場に立ち尽くしてきた。」
アンドリアズ「辛酸を舐めたのはこの国の人間も同じだ。テガリア軍港での敗戦を知らぬ者はいない。」
キャスターヴ「もし、あの男が再びこの島に上陸し、宣戦布告してきたら……
俺達はどうする?」
アンドリアズ「戦う。今度は奴の息の根を止めて、確実に勝利する。」
キャスターヴ「ふっ、その言葉が聞けて良かったぜ。」
キャスターヴ「連合と手を結ぶ、かぁ……正直お勧めはできないが、他に手が無いのも事実なんだよなぁ。あぁ、面倒くさい。」
※救われるべき者の元へ
アンドリアズ「チャップルマン、一つ聞いておきたかった。」
チャップルマン「はい、なんでしょう?」
アンドリアズ「どうしてこのディオフィールドの地で福音教の布教活動をしようとした?」
チャップルマン「私の唱えるネイサン福音教の起源は、ロウテイル大陸で発祥した原理教であり、この地で多数の民が入信しているグランベル聖教のと同じ一つの宗教から派生したものではありますが、今となっては思想の違いは大きく、おっしゃるようにそう簡単にはこの国の民は享受できないでしょうね。」
アンドリアズ「そこまでわかっているのに、何故だ?」
チャップルマン「この国の民が他国からの軍事的圧力によって、心乱れていることを知ったからです。救いを求める声があるのなら、思想の違いなどは些事。私はその声に応えたいと思っただけです。」
アンドリアズ「人は心乱れるほど、新たな偶像に縋りつきたくなるもの。
その心理を逆手に取っただけだとも言えるがな。」
チャップルマン「はは、考えすぎですよ、アンドリアズ。
ですが、たとえそう思われたとしても、この国の人々が救われるのであれば私は満足です。」
アンドリアズ「勝手にしろ。」
チャップルマン「交渉事でお役に立てず申し訳ありません。
連合とは色々ありましてね……。」
※誘う微笑み
ヘーザリア「…………………。」
アンドリアズ「ヘーザリア王女、体調が優れませんか?」
ヘーザリア「どうしてそう思うのですか?」
アンドリアズ「外を眺めて物思いに耽るような表情をされていました。
貴方に何かあれば、フレダがうるさいので。」
ヘーザリア「いえ、外の世界に出られた喜びを嚙みしめていました。」
アンドリアズ「そうは見えませんでしたが。」
ヘーザリア「お兄様とはとても仲が良いのですね。」
アンドリアズ「幼い頃から長い時を過ごしています。」
ヘーザリア「そうですか。長い時を共に過ごすとそういう感情になるのですか。
私の旧知の者と言えば、数年間に死んだ母と侍女達……
後は時折訪ねてくるヴィクトルお兄様だけでしたから。」
アンドリアズ「ヴィクトル・シェイファムは、聖痕を持つ貴方を疎ましく思っていたのではないのですか?」
ヘーザリア「それは表向きの話……。
彼は私を傀儡の王とする考えもあったようです。」
アンドリアズ「その時が来たとして、貴方は受け入れる覚悟だったのですか?」
ヘーザリア「はい……貴方はきっと、拒む力があるのに、それをしなかった愚かな姫と笑うのでしょうね。」
アンドリアズ「ふっ……。」
ヘーザリア「貴方が笑うのを初めてみました。」
アンドリアズ「俺も久しぶりに笑いましたよ。」
ヘーザリア「ブルーフォックス、私の新しい居場所……。
束縛の形、私の形……。」
フレドレット「連合の軍事総司令官ダルマーツィオか。」
ダルマ―ツィオ「いかにも。この辺境の島国で新たに王位へ就いた者とはお前のことか?」
フレドレット「そうだ。俺はまわりくどい問答は苦手なので単刀直入に言う。
今回連合の海軍には東の海域から貿易港へ攻め込んでもらいたい。
決行は、“―白の月を迎える日だ”。」
ダルマ―ツィオ「いいだろう。こちらは日の出と共に動く、足並みを揃えろ。」
フレドレット「了解した。そちらの侵攻を確認後、我々は港の北側から攻め込んで、一気に帝国の中枢を叩く。」
ダルマ―ツィオ「そんなことより、成功した暁には相応の対価を頂くぞ。
第一にダガーランド貿易港の自由貿易件。
第二にはサウスフィールドにあるジェイド鉱山の租借だ。どうだ若き王よ?」
フレドレット「……背に腹は代えられない。」
アンドリアズ「いいんだな、フレダ。」
フレドレット「今は作戦の成功が最優先だ。」
ダルマーツィオ「ははっ、同盟成立だな。」
フレドレット「しくじるなよ。」
ダルマ―ツィオ「ふん。」
イスカリオン「相変わらず、フレダは無鉄砲に国事を進めていくようだね。
一体どれだけの影響があるのか、彼は本当に理解しているのかな?」
アンドリアズ「勿論、その件に関しては考えがある。」
イスカリオン「……その考えってのは、誰かの犠牲が伴うものか?」
アンドリアズ「……………………。」
イスカリオン「キミはそこまで見据えたうえで、フレダの言動を黙認しているんだね……。
変わってしまったな、この傭兵団……。いや……キミ達は。」
アンドリアズ「イスカ、この傭兵団にはお前が必要だ。トレミナやリッカもお前を必要としている。」
イスカリオン「……卑怯だね、キミは。」
アンドリアズ「……作戦室で待っている。」
キャスターヴ「やあ、アンドリアズ。この団は本当に居心地が良いな。」
アンドリアズ「これからお前が元いた所の上司と共闘する。何か文句の一つでも言ってやればいい。」
キャスターヴ「殺されそうになったあの場所に未練などないさ。出来れば顔を合わせたくないね。それよりもこのブルーフォックスの今後に、俺は期待が膨らんで仕方ない。」
アンドリアズ「………………。」
キャスターヴ「フレドレットが新国王になる日も近く、アンドリアズはそれを参謀として冷静に支えてくれる。そしてイスカリオンは立ち回りに秀でた調整役だ。
お前達はうまく組織を回している。」
アンドリアズ「……何が言いたい?」
キャスターヴ「だからこそこれ以上、仲違いしたり離反したりするのは避けてほしいかな。」
アンドリアズ「ワルターのことを言っているのか?」
キャスターヴ「あの子は美しかったね。まぁ誰かさんに手を付けられた後だったようだが……。だが、今そう考えている者が他にもいるんじゃないかな?」
アンドリアズ「………………。」
キャスターヴ「長話をしてしまったね。」
※罪には罰を
アンドリアズ「フレダ、お前には言うか迷ったんだが……」
フレドレット「どうしたんだ?」
アンドリアズ「ウェストフィールドで、以前ヴィクトル王子が秘密裏に組織していた特殊部隊のアジトが見つかった。」
フレドレット「……!」
アンドリアズ「もうそれほど機能していない。ヴィクトル王子やキンブル公の派閥は凋落したからな。奴らはウェストフィールドで裏の仕事を請け負った。つまりは、そういうことだ。
どうする?」
フレドレット「それは……仇を討つかどうか、という話だな。」
アンドリアズ「ああ。だが、その者達の中にはもう裏稼業からは退き普通に生活している者もいるらしい。」
フレドレット「…………………。準備しろ。」
アンドリアズ「分かった。」
※ミッション許されざる行為
アンドリアズ「先日手を下した村だが、野党に滅ぼされたということにしておいた。」
フレドレット「…………………。」
アンドリアズ「奴らの家族を含め、生き残った者はいない。ブルーフォックスが行ったと気づく者はいないだろう。」
フレドレット「別に裏工作をしておく必要もない。奴らはそれだけのことをした。」
アンドリアズ「後味が悪いと言っている団員もいた。綺麗事ばかり言ってはいられないと言っておいたが。」
フレドレット「言わせておけ。私怨ではあるが……これは俺達の正義だ。」
アンドリアズ「人それぞれだ。」
フレドレット「もうその話はいい、次の任務の話をするぞ。」
アンドリアズ「ああ。」
フレドレット「いよいよだな。リアズ、しくじるなよ。」
※密偵の処遇
ユーマリダ「アンドリアズ、よろしいですか?」
アンドリアズ「なんだ?」
ユーマリダ「人目に付きやすいここでなく、どこか別の場所でお話ししたいのですが……。」
アンドリアズ「その方が逆に不審がられる。いいからここで話せ。」
ユーマリダ「はい……実はどこかの密偵のような輩達が、エルムの周辺を嗅ぎまわっているようなのです。」
アンドリアズ「大陸の手の者か?」
ユーマリダ「恐らくは……。」
アンドリアズ「わかった、俺の方でも探りを入れておく。」
ユーマリダ「お願いします。」
※ミッション 暗殺者は忍び寄る
ユーマリダ「あの、アンドリアズ。」
アンドリアズ「なんだ?」
ユーマリダ「先日捕縛した帝国の密偵はどうなったでしょうか?」
アンドリアズ「奴らは尖兵に過ぎなかった。特段貴重な情報は得られなかったな。」
ユーマリダ「そうですか。その、処遇はどうなるのでしょうか?」
アンドリアズ「捕らえたままにしておく。いつか人質として役立つこともあるかもしれない。」
ユーマリダ「それは……安心しました。」
アンドリアズ「戦時における人質は貴重な交渉材料だ。」
ユーマリダ「そうですね。」
アンドリアズ「もういい。行け。」
ユーマリダ「はい。」
ユーマリダ「策は成りました。あとは我々が実行するだけです。」
食堂員「帝国と戦うなら、力をつけていけ。食え。」
シーヴァット「これでいいのかい?まあ、今更だがね。」
チャップルマン「……あぁ、申し訳ありません。
布教の方法について、考えておりました。」
アイゼレア「連合と共闘する話は纏まったんだよね?これで、帝国に勝てるかな?」
傭兵「なんだか、慌ただしいけど、なにかあるのか?」
王政府高官「物資の追加発注がありましたので、対応しましたが、
なにか特別な作戦があるのでしょうか?」
ヘーザリア「また、殺し合うのですね。」
ロレイン「作戦開始が迫っています。準備を怠らないようにしてください。」
ゾルアック「老兵の力を見せてくれよう。存分に使え。」
トレミナ「慌ただしいけど、こういう時こそ足元に注意するべきじゃない?
仲間のこと、とかね……。」
イスカリオン「この作戦が成功すれば、フレダの立場は盤石になる訳だね。
民の為にもなると、自分に言い聞かせてきたが、今のブルーフォックスは……
いや、なんでもないよ。」
リッケンバック「ちょっと実家に仕送りをしようとしたらさ、
最近物騒だから北区へは送れないって言われたの!
もー信じられないよ!南区と北区は関係ないのに!」
店員「南区を追い出して港を取り返してくれ、頼むぜ。」
ドノヴァール「王都の治安の悪化が気になるな。
帝国を倒した後の事も考えておかなければならぬ。」
開発担当員「いよいよ帝国から港を取り返すんだな。装備のことなら任せろ!」
研究員「さあ、ワタクシの研究の成果が試される時です!……ですよね?」
※聖なる火の粉
アンドリアズ「エスターテ。今日の夜、戦いの備えをしておけ。」
エスターテ「えっ、任務か?どこかに出かけるのか?」
アンドリアズ「いや、暗殺者達がここを強襲してくるはずだ。狙いはお前だ。」
エスターテ「な、なに!?なんでおれが……!?」
アンドリアズ「聖教側が手を回しているようだな。
お前はやはり組織の裏側を知り過ぎたとして、口封じされるということなのだろう。」
エスターテ「くっ……!」
アンドリアズ「その情報は斥候によって知り得た。準備ができればどうということはない。
お前を餌に誘き出して、むしろこちらが罠に掛けるだけだ。」
エスターテ「おれが、餌なのかよ……。」
ミッション振り払う火の粉
アンドリアズ「エスターテ、暗殺者の尋問は終わった。」
エスターテ「…………………。」
アンドリアズ「やはり標的はお前だった。聖教は組織から出て行った者達の動向を調べ、
聖教側に害をもたらしそうな危険があると思った者達を、次々と始末していたようだな。」
エスターテ「えっ、じゃあ……!」
アンドリアズ「ああ、候補にはカトリーヌも挙がっていたようだ。だが向こうも武装している人員は多くはない。今回倒した者達が人員のほぼ全て。奴らの暗殺計画はこれで頓挫するはずだ。」
エスターテ「そ、そうか……。おれ、結果的にカトリーヌも救えたのか。」
アンドリアズ「そういうことだ。」
エスターテ「………………。」
※人を救い、己を救う
カトリーヌ「アンドリアズ、わたくしからブルーフォックスへ依頼があります。
団員からの依頼というのは受けていただけるものでしょうか?」
アンドリアズ「報酬次第だ。」
カトリーヌ「ノーザンフィールドの僻地で子供狩りが行われているとのことです。
年端も行かない子供達が野党に誘拐され、人身売買の商品にされていると……。」
アンドリアズ「オルティナ王国内で買い手が付くのか?そんな商売が表立って成立するとは思えない。」
カトリーヌ「はい、流石に王国内では不可能です。
子供達は大陸に向けて売られていると……。」
アンドリアズ「場所を教えろ。」
カトリーヌ「あの、報酬はどれくらいで……。」
アンドリアズ「その話は後でいい。」
カトリーヌ「はい!」
ミッション人命の値段
アンドリアズ「カトリーヌ。ノーザンフィールドでの賊退治の件だが、お前は子供狩りが行われていることを、どうやって知った?」
カトリーヌ「以前テンプルナイツにいた際、
親交があった孤児院の方々から噂を聞きました。」
アンドリアズ「そうか。これからもこの話題を聞くことがあれば、逐一俺に報告をしろ。
組織を根絶やしにできたわけではない。足取りを探すことがこれからも必要だ。」
カトリーヌ「アンドリアズ……やはり貴方は今回の事件を解決したいという意気込みが大きいようですね。」
アンドリアズ「だからそんなことはないと言っているだろう。しつこいぞ。」
カトリーヌ「否定されていても、わたくしにはわかります。
貴方のその強い志をとても心強く感じます。」
アンドリアズ「勝手にしろ。」
カトリーヌ「どこにでも参りましょう。この国の、平和の為です……。」
・王として
ロレイン「アンドリアズ、聞きたいことがあります。」
アンドリアズ「イスカリオンのことか。」
ロレイン「彼の様子が少しおかしかったのは知っています。何か思い詰めているような節がありました。まさか貴方はあの人を……?」
アンドリアズ「勘違いするな、一人で抜けていっただけだ。」
ロレイン「そ、そうですか。私はもしかしてと思い……。」
アンドリアズ「イスカリオンは自分の意思でここを抜けた。やり方は違えど行く末は同じだ。」
ロレイン「えっ?」
アンドリアズ「いや、何でもない。」
ロレイン「はい……ですが、あの。」
アンドリアズ「なんだ、まだ何かあるのか?」
ロレイン「貴方らしくないと。」
アンドリアズ「……そうかもな。」
ロレイン「それで、連合軍の件はいかがしますか?」
アンドリアズ「安心しろ、手は打ってある。」
ロレイン「そこは抜かりないのですね。わかりました。準備ができたら作戦会議を開きましょう。」
ロレイン「……………。」
※南区開放作戦
※離反について
トレミナ「…………………。」
アンドリアズ「トレミナ、そんな様子では次の作戦にお前は出せそうにもないな。」
トレミナ「私がどうしてこんな顔をしているか……。
どうせわかっているのでしょう?」
アンドリアズ「さあな。」
トレミナ「貴方のせいよ。貴方のせいでイスカリオンはここから出て行った!」
アンドリアズ「あいつは自分の意志でブルーフォックスを辞めた。俺は止めなかった。
それだけだ。」
トレミナ「どうして引き止めてくれなかったの!?」
アンドリアズ「イスカリオンは何よりも自分の意志を、生き方を重んじる男だ。
どこかで袂を分かつことになるとは思っていた。」
トレミナ「折り合いは付けられなかったの!?
長い時間を共に戦った仲間だったのでしょう!?」
アンドリアズ「仲間か。あいつはどう思っていたんだろうな。
イスカリオンの脱退を認めたのは、例外中の例外。今後そういった事例は一切認めるつもりはないし、もしあの男が今後俺の前に立ちはだかることがあればその時は容赦しない。」
トレミナ「ど、どういうこと?」
アンドリアズ「お前にはわかるまい。」
トレミナ「待ちなさい!」
アンドリアズ「…………………。」
トレミナ「私はここに残るわ。ここで、彼と思い描いた理想の国を作る為に戦う。
その理想に立ちはだかる者は容赦しないわ。たとえ貴方であっても!」
アンドリアズ「好きにしろ。」
トレミナ「どうして、イスカ……。」
※ジェイドを我が手に
アンドリアズ「シーヴァット、どこへ出かけるつもりだ?」
シーヴァット「……!?……アンドリアズか。まったく、どうしたらそこまで気配を消せるんだ……。全く恐ろしい男だ。」
アンドリアズ「質問に答えろよ。」
シーヴァット「ジェイド蒐集家のことを知っているか?」
アンドリアズ「使用や商売を目的としてジェイドを集める者か。」
シーヴァット「ああ、趣味で集めている変わり者達だ。特にサウスフィールドの貴族には変わった趣味嗜好の奴らが多い。」
アンドリアズ「知っている、それがどうした?」
シーヴァット「奴らが集めている代物の中には、古代魔術の力を秘めたジェイドも多いとされている。まさに宝の持ち腐れだ。
そのジェイドを一つ拝んでみたいと考えているんだが……構わないよな。」
アンドリアズ「貴族の屋敷に忍び込み、あわよくば盗むつもりか?元・盗賊のシーヴァット。」
シーヴァット「ご名答。どうせ碌な方法で集めたものじゃない。」
アンドリアズ「お前一人では心もとないな。俺も興味がある。」
シーヴァット「あんたはなんでもありだな。」
ミッション盗賊らしい成果
アンドリアズ「先日の貴族への強制捜査の結果、ジェイドは全て王政府へと押収された。」
シーヴァット「もったいないことをしたものだ。」
アンドリアズ「そうでもない。今回の証拠を提出したのはブルーフォックスだ。
正当な報酬が近々与えられる予定だ。それで新たな軍備を進めればいい。
団員への給料も上がるはずだ。」
シーヴァット「なるほど、それは楽しみだな。だがあれだけの珍しいジェイドだ。
魔術兵としては一つくらい試してみたかったが。」
アンドリアズ「実際の所、少しくすねていたんじゃないのか?」
シーヴァット「さあて。」
アンドリアズ「まあ、いい。誰にも気づかれるなよ。」
シーヴァット「はは。」
シーヴァット「連合の奴ら、好き勝手やってるようだな。まったく……帝国の方がマシだったんじゃないか?……失言だったかい?」
ユーマリダ「連合との決戦に向けて、準備を進めています。
問題ありません。」
食堂員「飯を食べていれば負けない。」
開発担当員「連合ってのは随分やり方が汚いな。曲がった性根を叩いてやれ。」
研究員「ふむ、落ち着く間もありませんな。」
店員「今度は連合とか……忙しいな。
負けるなよ。」
※死すれば救えぬ
アンドリアズ「チャップルマン。」
チャップルマン「何でしょう、アンドリアズ。」
アンドリアズ「お前は今命を狙われている。理由はわかるか?」
チャップルマン「私が……?」
アンドリアズ「脅迫紛いの封書が届いた。今夜指定の場所にお前の首を寄越さなければ、
エルムを強襲するという脅しだ。誰かがお前を狙う理由は、正直あり過ぎる。」
チャップルマン「申し訳ありません。確かに私がこれまで辿った道を考えれば、そう思うのは仕方ないこと。異国では兵士として帝国に潜入した経緯を持ち、今は宣教師として異教の布教を行う者……。帝国からも恨まれているでしょうし、今となっては連合軍からも注視されているはずです。」
アンドリアズ「この国の主教であるグランベル聖教側も、お前のことを快く思っていないだろうしな。」
チャップルマン「もし私がブルーフォックスの皆を危険に晒しているというなら、大人しくここから去ります。」
アンドリアズ「お前の実力は団の誰もが認めている。不明瞭な敵に抵抗もせず、手放すのは惜しい。」
チャップルマン「ありがとうございます……で、どうされるおつもりですか?」
アンドリアズ「指定の場所へ行く。ただし小隊を組んで、だ。」
ミッション剣と信仰の行く先
チャップルマン「アンドリアズ。先日の戦い、真相はわかりましたか?」
アンドリアズ「ああ。敵はやはり大陸の手の者だった。」
チャップルマン「となると、帝国軍か連合軍のどちらかですか?」
アンドリアズ「いや、この国の傭兵を雇い、お前を殺そうとしたのは、ネイサル福音教だ。」
チャップルマン「なっ!?」
アンドリアズ「滑稽な話だ。他国で布教活動するために派遣された者が、いつの間にか主となる母体から殺されそうになっているとはな。」
チャップルマン「……そうでしたか。」
アンドリアズ「理由はわかるか?」
チャップルマン「恐らくブルーフォックスに入団したことでしょう。
福音教を辞め、王国の軍門に下ったと思われたか……」
アンドリアズ「いずれにしてもお前に帰る場所はない。無論お前が布教活動する必要もなくなった。」
チャップルマン「いえ、私は私の信じる神を人々に伝え続けます。
それは主教から裏切られようとも変わりません。」
アンドリアズ「ならば好きにしろ。戦いで役割を果たしてくれれば、それでいい。」
チャップルマン「はい。」
チャップルマン「皆さんの様子を見ていると、イスカリオンがどれ程大きな存在であったのかがわかります。」
王政府高官「ふう……最近、物資の発注が多くて大変ですよ。」
研究員「ふむ、落ち着く間もありませんな。」
開発担当員「連合ってのは随分やり方が汚いな。曲がった性根叩いてやれ。」
ドノヴァール「連合め、獅子身中の虫となったか。恥知らずな奴らめ……!」
店員「今度は連合とか……忙しいな。負けるなよ。」
フレドレット「イスカリオン……!王国の命運を決める局面に、なにを考えている!」
カトリーヌ「イスカリオン……お世話になっていましたのに、お別れのご挨拶もできませんでした。」
エスターテ「イスカリオンが退団したことは残念だけど、そこまで騒ぐことなのか?
元々傭兵団なんだから、そういう事もあるだろ?」
リッケンバック「イスカって辞めちゃったの?どうして?……なにか、あったの?」
傭兵「ブルーフォックスは勝ち馬だっていうのに、イスカリオンはなんで抜けたんだろうな?」
キャスターヴ「やっぱりこうなったか。色々と切ないねぇ……。」
※味わう日常
ヘーザリア「アンドリアズ。
今朝食べたパン、いつもと味が違いました……」
アンドリアズ「あれはアルージュ特産小麦で作られたパンです。
サウスフィールドから仕入れたようです。」
ヘーザリア「一緒に出てきた魚の料理は?」
アンドリアズ「イーストフィールドの漁港で捕れたものを新鮮なまま運んで、調理したと聞きました。」
ヘーザリア「…………………。」
アンドリアズ「お口に合いませんでしたか?」
ヘーザリア「いえ……では玄関に飾られていた黄色の花は何というのでしょう?」
アンドリアズ「あれも大陸から輸入したものと聞きましたが。」
ヘーザリア「……そうですか。世界は広いのですね。
へゼルの塔を出て、まだそれほど経っていないのに毎日新しい発見が沢山あります。
私はこれまでどれほど無知であったか、思い知らされます……。」
アンドリアズ「それもすぐに慣れます。」
ヘーザリア「慣れ……ですか。確かに驚きはありますが、不思議と嫌ではありません。
できるなら、いつまでも感じていたい……そう思ってしまいます。
あっ、失礼しました。意味のわからないことを言ってしまいましたね。」
アンドリアズ「いえ。」
ヘーザリア「強い、意志があったのね、イスカリオン。
……羨ましい、かもしれません。」
アイゼレア「リアズ、大丈夫?……なんだか、イスカの事、
気にしてそうだなって感じたんだ。気のせいだったら、いいんだけど。」
ゾルアック「欠員が出たのなら、代わりを探すべきだな。
冷たいようだが……そういうものだ。」
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