他CSゲーム小ネタ集①
StellarBlade自体は知られていても、前日譚コミックは知らない方もいらっしゃるかと思い。
ちょっとそれを元に書いてみました。
揺り籠と墓場(StellarBlade)
StellarBladeの前日譚コミックから。
イヴとタキ。
空挺部隊としてもうすぐ母星(地球)に戻る。
宇宙(そら)に浮かぶコロニーの中がイヴにとって世界の全てであり。
母星とタキが語る意味は正直分からない。
実感がないのだ。それがデータとして知識そのものを処理出来るものであっても。
イヴの腕は未だタキを追い越せない。
彼女は実戦がこんなものではない、もっと厳しいわよ。
ネイティブは殺戮のための軍団(レギオン)だとしっかりと認識しておきなさいと冷淡ではないが厳格な口調でそう教え込んでくれる。
“失敗したら、この身もデータとして還るだけ”
タキはそうはっきりと述べた。
あそこで、とイヴが地球を見下ろしながら尋ねると。
どうせならこの宇宙で還りたいわね。
母星と言われても…私たちはあそこで産まれたわけではないのだからと醒めているというよりは彼女の願いそのものを乗せているかのような詩を紡ぐ雰囲気で告げる。
死というものもイヴには実感がない。
ただ帰ってこなかった事実を考えるならそれは消滅であり、二度と会えないということなのだとデータとして処理をした。
“どうせならあなたの腕の中で亡くなりたい”
タキはそう凛とした横顔で語った。
“タキー…”
データとして、知識として処理は出来る答え方をするべきか。
けれどそれとは違う感覚がこの機械の身体を行き巡る。
降り立つわよ。
ここに帰ってくるの。それとも私たちはあそこに帰るの。
さあ。生き残れば分かるんじゃない。
母なる星。
そこがイヴの全てを壊す存在であったと彼女は心から知るのだ。
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