FF16小ネタ集

男(人)としての価値とは—?

・16男性陣

クライヴ「ちゃんとその人を見つめているか、だな」
ジョシュア「気遣いだね。上に立つ者としての務めだ」

フーゴ「甲斐性だな。王の隣に立つ女の為にな」

ディオン「竜騎士としての誇りだ。民の為にも前に立つ」
テランス「事実ディオン様の薙ぎ払いと舞いは素晴らしいものです」

シド「真実への探求。そしてそれを受け入れる覚悟があるか、だ」

バルナバス「業だ。人である以上常にそれがつきまとう」







トルガル(強い魔物の骨を嚙み砕ける顎‥‥🦴)
ネクタール(武勇伝クポ…)


・16女性陣

女(人)の価値とはー?

ジル「大切な人や大切なものへ大好きよと伝えることかしら」
ミド「ちゃんと託せるようにやり通す。あと向かい風だったとしてもへこたれないよ」

ベネディクタ「…誰かに、本当の意味で愛されることかしら」

ヴィヴィアン「教え子たちに胸を張れるような教え手でありたい。感情とは厄介なものでなく、向き合うべきものだ」
タルヤ「師の教えを忘れることなく、そして自ら生き方を決める。選択の連続だけどそれが私を形作る」

ヨーテ「主に仕える者としてお傍にてお役に立てるように。
…離れてしまったとしてもお言葉ひとつひとつの意味を考えています」

キエル「私の薬、効いたでしょ?必要な人が居るって分かっているから。だから声をかけ続ける。そうして見つける」

エッダ「産まれてくる子は…人の歴史の始まりだとここに来て皆さんがおっしゃって下さいました。生まれて来た意味をちゃんと伝えられる母でいます」


アンブロシア(離れてしまっても、忘れない…🐥)




・まなざし

望郷組

父のそのまなざしから、フェニックスを宿しているから公主になるのだと幼い頃から分かっていた。
兄さんにその事を話すと肩に優しく手を置いてくれて。目の前でひざまずき目を合わせて俺とお前の使命それぞれを果して行こうとそう言ってくれた。
兄さんは出来損ないなんかじゃない。さっきから父さんもウェイドやタイラーを含めてロザリアの兵達はずっと。兄さんのことを話しているのに。
そう言葉にしたかったけれど。兄さんも僕もこの現実は変えられない。
月が満ちたあの日の夜に同じ青い瞳を見つめて。静かに頷いた。

来た時からあの人がクライヴへ向けるまなざしは軽蔑、だった。
私はお母さんの思い出がほとんどない。だけど、あの人がクライヴへ向けるそれが、彼にはどうにもならない現実をさらに冷たく刺す。
彼の傍でじっとその青い瞳を見つめた。
あなたがここにいる、いてくれる。ちゃんとそのことに意味があるの。
刺すような冷たいまなざし。
そうならないようにとちゃんと願っていたはずだった。
笑うことなく、目の前の相手をー氷の魔法とレイピアで刺し通すのと同じ様に冷たい目線で捉え…終わった後は拘束されたまま檻へと放り込まれる日々だった。
あなたとまた会えて—…生きてくれていたから。あなたが生きている意味はあるのだと語りながらその青い瞳をまた見つめた。
月が満ち、赤い星であるメティアが瞬く夜だった。その瞳は戸惑い揺らめき。私が伝えたことを受け入れようとしている。
帰る場所をまた失った後もそのまなざしを受け止めていた。受け入れるのは、出来なかった。

目に前にいる弟をまっすぐに己の瞳にて捉えた。そのまなざしを。力強く抱きしめる。
ずっと、目覚めてからずっと。俺が知らなかった時にも同じ様に。
会いたいと想ってくれていたんだな。

捕らえられていた君へ顔を埋めるかのように力強く抱きしめた。
表情(かお)は見えない。だけどお互いの鼓動と、そのまなざしがどこに向けられているかは、分かるのだ。

真っ暗な夜。月がこの日も満ちていた。俺の手を取った君のまなざしを揺らぐことなく映す。
すべてを受け入れる。
涙を流しながら君もそうしてくれた。絡まる互いのまなざしから愛を伝える。


・ふたりと、3人で

望郷組

騎士の兄、公主の弟。
産まれてからすぐに弟の方が覚醒すると、ほどなくして兄の方は公子から位は落ちることになってもその道を選んだ。身体が弱い弟は書物を開き始めた。ほどなくしてその頭角を顕わにしていく。兄の方も元から王侯貴族として与えられる責務を引き受ける為に勉学に励んでいた。
第一王子に対する母親の冷遇もあり、第二王子とは剣の稽古を始めると距離が置かれた。とはいえ弟の方もなかなかどうして賢い。上手く取り巻きの貴族たちの目をすっとかいくぐり。王妃のその対応に君主であり父であるエルウィン大公のさりげない手助けもあり、兄の部屋で宝探しや本をふたりで遊んだり読んだりするのは楽しかった。

上が齢9つ。下が4つとなると6つになったばかりの北部地方において首領である白銀公の娘が和平の証としてロザリアに差し出された。一見こじんまりしているようですっと上げた顔からはここに来た意味を一生懸命に受け止めているように見えた。
幾人かの貴族たちや兵士たちそして役人たちが大広間にごった返している。王妃はその少女に対しても冷たい視線を送っていたが兄弟ふたりがそこから守るように彼女にあてがわれた部屋へ案内をすることにした。

「ここだ」
「荷物はだいじょうぶ?必要なものがあったら兄さんでも良いし、近くの侍女たちに言ってね」
僕に、とジョシュアが言わないのはすでに自分の立場を弁えなければならないと教えられてきたからだ。
「…ありがとう」
大きくはないが決して聞こえないほど小さくもない、まだ戸惑いも感じるが彼女はきちんと礼を述べてくれた。
「落ち着いたら、不死鳥の庭園を見に行こう」
クライヴがそう勧めると少女―ジルはそっと彼を見つめた。
「あ、そうだね。いままで僕と兄さんだけだったけど。これからは3人だ」
「3人で…」
きょうだいがいなかったからだろう。ひとりから急に3人で動き回るという経験はないからか。どう返して良いのか分からないらしい。
「すぐに慣れるさ。緊張しなくて良い。ここに居て良いんだ」
「もっと、大きくなったら。いっしょに旅をしたいね」
貴族として到底叶わない願いではあっても。素直にそう話している弟の願いをそっと心の中に秘めた。


少しの休息の為にこの右手にナイトとして誓い祝福をうけたあの日からずっと宿っているフェニックスの祝福から炎を灯らせ火を起こす。
右側には弟が。左側には彼女が。ちょっとだけ離れたところに相棒も。
彼に寄り添いそうして焚き火からお互いに温まる。心の方も。
“遊びに来た訳じゃないんだぞ”
ようやく再会出来て。行動を共にするようになってからそれほど経った訳でもない。辛い現実にずっと抗う日々を重ねて来た。
それでもそれを願っていた弟は変わっていなかったから3人で旅が出来て嬉しいよと言葉にしてくれて。本当は叶えてやりたい、今はまだ成し遂げた訳じゃないと返したものの実のところ自身も心からそれを願っていると改めて認識した。
隣で肩に頭を乗せ寄り掛かる愛おしい彼女のほっとした吐息が耳に心地よい。ふたりでどれほど時間が掛かったとしても外の大陸へ青空を取り戻してから必ず行く。
幼子の時から頭角を見せていた弟は目覚めてから兄を守ろうと強い絆と共に才を顕わにした。ハルポクラテスとインビンシブルでよく語り合っている。モースのように書物を記すと教えてくれた。兄さんと僕らドミナントの生き様を記したいと。魔法が消え人の歴史が始まったずっとずっと後の世界で。誰かが見出せるように。
兄と弟のふたり、彼と彼女のふたり。そして3人でこのヴァリスゼアを行く先を見届けながらトルガルとまた青空の下で旅をするのだ。

ふたりと、そして3人にとって。
このヴァリスゼアの舞台を変えるその時は間近に迫っている。




変わったこと
(ほのぼのクラジル)

すでに継ぐ者もおらず。
黄昏行くのだとロザリス城と城下街を見送った後ー。
具合を崩したジルの見舞い途中ー。
ジル「・・・・」
鉄王国から戻ってからこの医務室で彼女が先に手を重ねてくれたこともあり。今度はクライヴが彼女の前でしゃがみ優しく先に手を取った。
クライヴ「今は休むことだけ考えてくれ。叔父さんが協力してくれる。
準備が出来次第、俺とトルガルと共にここを出る」
ジル(…一緒に行けない)

モリー「失礼するよ。具合が悪いならとにかく体を冷やさないことさ。
りんごをすりおろして花の蜜を混ぜてお湯で溶いた。さあ、飲みなさい」
クライヴ「助かる、モリー」
モリー「タルヤとロドリグにはお茶だね。クライヴ、あんたにはカウンターでメイヴが待っている」
クライヴ「…久しぶりに皆にエールを振舞うか」

ふたりが医務室から去ってからー。
ジル「・・・・・」
タルヤ「助けてもらったと言っていたね。ジル、あなたの具合が落ち着くまでクライヴはここの外で落ち着きがなかった。
・・・変わったんだね」
ジルがゆっくりとタルヤに顔を向ける。
タルヤ「シドに協力するって決めてから、ここ。インビンシブルを見つけて落ち着くまで。そしてようやく二つ目のマザークリスタルドレイクブレスを破壊するまで。ずっとあなたとクライヴの間にどこかわだかまりがあった。それが変わったって戻ってから分かった」
あなたはクライヴの足手まといになってしまったと後悔ばかりしているかも知れないけれど。
タルヤ「シドの所で目を覚ましてからずっとあなたのこと大切にしていた。それが変わってもっと大切な…特別な人になった。それだけのことよ」
ジル「…その時から受け止めると決めたから」
(ふうっと息を吐いて)タルヤ「整理出来ない事なんてこのヴァリスゼアではたくさんあるわ。だからこそ、見失わないで」
ジル「…待っているだけでは、辛いの」
タルヤ「…それは私達も、よ」
今度怪我をしてそのままベアラーたちの為に飛び出そうものならこのベッドに縛り付けておこうかと思うくらいに、ね。
それとは別に、ジルもそうちゃんと言えるようになったのはやはり変わったのだととそうタルヤは考えている。
タルヤ「だから、頼むわ。クライヴがダルメキアから帰って来たら、ちゃんとそのことを話して」
ジルは言葉には出さず。
それでいて瞳を閉じてゆっくりと頷いた。



・変わったこと※おまけ

ドリスとコール。合流地点で先に焚火に当たるロズフィールド兄弟と幼馴染のジルの様子を遠くから眺めながら—。
3人ともぴったりとくっついて仲良く話し合っている。
コール「ものすごく距離が近いような感じがするのですが・・・」
ドリス「昔からこうだったと何事もないように御三方とも声を揃えてそうおっしゃるのです」
コール「・・・クライヴ様とジルさんが恋人同士になったとインビンシブル内では女性たちの話題としてもちきりでしたよね…」
ドリス「ある意味ジョシュア様だから許されるのでしょう…」


その背

(クライヴ→ジル寄りのクラジル)

思い出の始まりとして君の後ろ姿。その背から浮かぶのはふたりで—俺が君の手を取り話すことはなく抜け出してあの丘へと辿り着いたあの日。
それまでずっと迷い戸惑い。居場所がないのだと寂しさを感じていたその後姿はしゃがみこみその花をひとつひとつ摘んで。花冠が完成する頃には歓喜に溢れていた。
立ち上がり右腕に花冠を通し。左手でスカートについた葉を丁寧に落として。
そうしてすらりと立った君の表情は朗らかで青空と日が優しく射す光の下でとても可愛らしかった。

次に思い出せるのは俺自身が初めて戦いに向かう鉄と火の国としてマザークリスタルドレイクブレスの所有権が属しているあの国へと。
因縁があるとすれば、何も知らないまま。運命の下に覚醒するのが遅ければ。俺だったはずだ。
ロザリアと北部地方から故国に住まう彼らの為にと奪還すると父上や将軍と共に決意を固めていたからだ。何も知らず、クリスタルは祝福であり生き残る為の唯一の救いなのだと考えていた—…そう、大陸歴から来る歴史から教えられてきたからだ。
現実は人を幸せにせず、支配に置くためだった。俺も君も逆らえない命令の下、考えることも心さえ押し殺して。己の手でたくさんの命を奪った。人であることを、捨てていた。
そうするしかなかったのだと君のその背から…今は俺と共に。もう心を凍らせたままいたくないと。人でありたいと…君の心が“俺が支える”とその背に手をやり、そっと引き寄せて傍でお互いを確かめ合うと涙と共に伝わる、感じる。

お互いの想いに気づいてから君は俺をそれまでもしてきてくれたように—・・・シドとの誓いだけでなく。
俺自身への想いを大切に抱えながらトルガルとアンブロシアを先に駆け巡らせ前に進む俺の後を必死に付いて来て時には隣に立つ。
大切であり、君が好きなのだとそう幾度も感じていた。


真っ暗な夜、真っ黒な海と大地。
背中合わせなのは何をどう話して良いのか。これからどうすれば良いのか見えてこないからだ。エーテルの絶えたこの海岸と同じく。
月を見上げ君は語る。再会してから5年間の間も。今までもずっとしてきたこと。
その背から直接伝わるあたたかさから君がずっと俺を見つめてくれていたことを思う。
だからこそ、自分が怖くなる。
“君は俺が怖くないのか”
人でありたいと、人らしく過ごせているかしらとそれを願い話してくれた君の目の前にいるのはもはや人ですらない俺なのに。
君は俺に寄り添い—あなたはずっと変わらない—・・・小さい頃からずっと誰かを助けようとしていたとそう伝えてくれた。俺を守るために生きると。


ジョシュアとふたりであの花を再び見つけた。
あの日と同じ様に君を連れ出すと。君は語り出した。北部では部族の代表たちが首領である彼女の父親に娘の利用価値についてどうするのかと話し合っていたと。
誰にも何をしたいとか、どうしたいのか。どうすれば良いのか、ずっと言えないまま。
ただ言われた通りに静かに頷いてロザリアに来たのだと。
ロザリアに来てからもずっと…何もできず何にもなれない自分がただぽつんとそこにいるのだとそう感じていたのだと。
“あの日に、あの丘で。それがすべての始まりだったの”
その背から氷の民が受け継いできた氷の召喚獣の力を失い。
人に戻ってから出来ることがないとインビンシブルでも後ろ姿から感じていた。
「私にできることはもうこれくらいしかないけれど」
あの日と同じ花冠を手にして香りから思い出すあの時。
「俺には出来ないことさ」
満たしてくれる、愛する人へと変わってから。その背からだけでない。
まっすぐに俺と向き合う君から伝わる愛をしっかり抱き合うと共に受け入れて。
そうしてふたりでまた歩んでいく。


・外から
ジルとヨーテ

髪をとかすといっても髪質は異なるので男性たちと女性たちでは櫛を使い分けていた。
ミドの髪を丁寧にジルが梳かしたり、ハイデマリーの髪をドリスが梳かしたりして。

あなたのもするわとジルがクライヴに伝えると。
ジルやミドほど柔らかくはないぞと彼は返す。
ジル「そう思ってね、ロザリアでも大きなホーン種がいるでしょう。倒した時に手に入れた牙を加工してもらってあなた用に作ってもらったの」
そこまでしてもらって好意を受け取らない訳にはいかない。
自分でするさと言うつもりだったが嬉しそうな彼女の様子に大人しくサロンの席に腰掛けた。
楽しそうなジルの様子と皆の視線を受けながらも微笑むクライヴの姿。

医務室以外にサロンでも皆の様子を観察すると良いとジョシュアから勧められたヨーテはふたりの様子を眺め。
翌朝早く出発前にジルへジョシュア様へも贈り物としてお綺麗な金髪に合う櫛を差し上げたいのですが…と相談を受けた。
ジル「ジョシュアなら木質が良いわね。後はお手入れとしてオリーブのオイルを。どちらもロザリアで手に入るから…」
ヨーテ「助かります。お代は…」
ジル「私とクライヴが払うわ。そうしたいの。あなたの想いがつまっていると伝えるから」
ヨーテ「以前にあの方へストナ草を依頼致しました。頼ってばかりで申し訳ありません…」
ジル「ううん。あなたがずっとジョシュアの傍にいてくれたから。これはあなたへのお礼でもあるの」
ようやく再会して。兄弟ふたりで固い絆を確認し合った後に。
ふたりはこみ上げて来た涙を流す彼らの幼なじみをしっかりと見つめた。

拠点にてしばらく眠りに伏し。目を覚ましたジョシュアは真っ直ぐにジルを見つめ“ずっと兄さんの傍にいて支えてくれてありがとう”と微笑んで言ってくれた。

(あなたが生まれて来て…あなたがいてくれたから。クライヴは生きていた。
そしてあなたが生きていると知ってふたりでここまで来たの)

彼の核となっている人が誰なのか本当はもう、少女だった頃からずっと。
分かってはいるのだ。
それでもジョシュアは認めてくれて。大切にしたい内なるものを言葉にしてくれた。
ヨーテも本当は気づいているのだろう。
“おふたりが…あの方がそうして下さるなら心強いです”
そう答えてくれた。

例え外からでも。
内なるところになれなくても。
支えて、守りたい。
彼らは出会えて嬉しい大切な宝物なのだから。

・ささやかに
(ジョシュアとヨーテ)
ジョシュア「兄さん」
クライヴ「どうした、ジョシュア」
ジョシュア「ヨーテにちょっとしたものでも良いからお礼をしたいのだけど」
クライヴ(ジョシュアの具合のことでストナ草のことも教えてくれたな)
「俺もそうしたい。必要なものならジルやタルヤを通して聞けるが…」
ジョシュア「そこなんだよね。僕や兄さんではヨーテは遠慮するだろうし…」
通りかかった作家を目指しているエディータがふたりに声を掛ける。
エディータ「ごめんなさい、盗み聞きをしたわけじゃなくて聞こえてしまったの。
なら、こうするのはどうかしら—・・・」

タルヤの医務室にて—。
ジョシュア「ヨーテ。少し良いかな」
ヨーテ「はい、ジョシュア様」
ジョシュア「インビンシブルの教室で子どもたちと読む書きを一緒に学んでいる女性がいるのは知っているよね。彼女は授業の後、ヴァリスゼアのあちこちを見て回っている兄さんとジルを含めてここの皆の経験談から子どもたちと語り合っている。君も僕と共に各地を回ってくれて事細かに書き記していたね。そのことを彼女に教えて上げて欲しいんだ」
ヨーテ「分かりました」
ぽつりぽつりだったがヨーテは授業の後集まり合っている彼らの元でその日々のことを話す。エディータは頷きながらオウム返しに内容を繰り返し。子供たちにちゃんと語りながらヨーテの様子をよく見ていた。
その夜。サロンにてダヴアンドクラウンのカウンター席にて話し合っているクライヴとジョシュアの元へエディータが駆けつける。
エディータ「彼女はロザリアの‥‥ジョシュア、あなたが語った過去の場所と。それとクリスタルロードを通った時にあなたは月を見上げていたそうね。そのことがよく印象に残っているみたい」
クライヴ「月か…」
ジョシュア「いつだって僕をよく気遣ってくれている」
エディータ「あと、馬(チョコボ)の世話もよくしていたのね。メイヴがここでクライヴ、あなたと語り合っていたのとは別に大変な時もあったのでしょうけれど。ちょっと楽しそうだったわ」
ジョシュア「馬(チョコボ)もふたりで乗れるようになるまでに結構時間が掛かったからね…。うん、こうしよう」
クライヴ「良い案が浮かんだみたいだな」
ジョシュア「兄さん、明日またここを出る時に僕とジルの馬(チョコボ)も借りるよね。厨舎の彼らに抜けた羽を少しもらえないかお願いしてみて。子どもたちとここで飾りを作るよ」
兄に託しているフェニックスの尾とは別に。お守りというよりこれまでの旅路を彼女が大切に抱いているであろう思い出そのものとして。ありがとうと共に。
クライヴ「良いな。俺からの感謝も乗せてくれ」
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