FF16小ネタ集


・もふもふ成分(マスコット組)


拠点に戻ったクライヴ。モブハントの依頼を担当しているネクタールがテーブルの上でぐったり横たわっているのを発見する。

クライヴ「どうしたんだ、ネクタール…」
ネクタール「トルガルがいないとふかふかだ~と子どもたちがモグのところに一斉に押し寄せるクポ…。ポンポンだけはダメと必死に抵抗したクポ…」
クライヴ「そうか…ジャッキンがグツの傍で飛んでくる生き物にはたくさん関心を示しているがここで飼っている訳ではないからな…」

ジョシュアとジルに相談を持ち掛けてみる。
ジョシュア「縄張り意識があるからロストウィングにいるような犬の種類は難しいね」
ジル「そうすると、猫になるのかしら」
ジョシュア「猫は習性として放っておくのが良いと本に書いてあったよ」
クライヴ「なかなか難しいな」
ジル「命を預かるものね」
ジョシュア「本来は種として気性が荒いのに兄さんを大切にしてくれているアンブロシアやトルガルが希有なんだろうね」
クライヴ「そうだな。ふたりにも感謝している」
ジョシュア「僕は屋敷から出られるようになってから雛チョコボを初めて目にして…こんなに小さくてふわふわしているんだ、と驚いたよ。アンブロシアも同じだったと兄さん言っていたね」
クライヴ「あれほど小さかったのに見る見るうちにな。トルガルと再会しすぐに父上が大物になるぞと語られたことも思い出した」
(小さく笑って)ジル「私はふたりと一緒に過ごして…ふたりともどんどん大きくなっていくのね…そんな風に感じてた。トルガルと再会出来た時も驚いたわ。あ、良い事思いついた!
飼うのは難しいからジャッキんの所へ生き物が来る度にあの子が詳しくなっているでしょう。
他の子どもたちと一緒に本で調べてもらって教室で発表し合うのはどう?」
クライヴ「良い考えだ」
ジョシュア「僕らはアンブロシア含めて馬(チョコボ)に乗って目的地まで向かうからね。トルガルの習性のことも含めて今度話しておこうか」



・馬(スレイプニル)


ロストウィングの村人たちはベレヌス戦役のことを話題にしており。
シドとジルとムーアと呼ばれる集落にて落ち合う手はずとなっていたクライヴはノースリーチに向かう関所が通れるようになった道中、彼らの話にも耳を傾けていた。
彼らは恐怖と共に吐き出す、あれは“災厄”以外の何物でもないと。
フェニックスゲートにおいて心からの叫びを出しているのにも関わらず身体が全くといっていいほど言う事を利かないあの日の惨劇、また2度目のガルーダとの戦いにおいても全くと言っていいほどのコントロールは効かず。意識が完全に飛んだ中で気が付くとシドの拠点にて横たわっていた。
一度は死なせてくれと逃げようとしたこの身ではあるがガブが未だにそんな俺の為に動いてくれていて。
シドとジルがいてくれたからこそ。
己がイフリートであると受け入れられた。
またシドの語るように何かがおかしい。この世界の現実もマーサを通して知った。真実を知りたいと告げるとシドはそれでいいと受け入れ、ジルはシドと誓ったクライヴを支えようと彼の手を取りお互いに強く握り合った。
シドの活動に加わりと正式に拠点の一員となった以上最後までやり通す決意を胸に秘めて。
もちろんそれは行動へと結びついてこそ意味がある。マザークリスタル破壊ともなるとドミナントとベアラーの状況はさらに厳しくなる。動ける時に情報を仕入れて置くに越したことはない。
トルガルもすぐ後ろにて彼らの会話に興味を示している。
「バハムートのドミナントに関してはここに来てすぐの頃に吟遊詩人が歌っていたな。オーディンのドミナントについて何か噂されていないか」
ウォールード王国の王様だ。
シドはそれ以上何も言わなかった。
「ウォールード王国の王、灰の大陸を統一したということぐらいだな。オーク族をも制圧したとか。
こっちにはほとんど向こうの情報がない。マスターも知らんだろうよ」
オーディンの一撃はそれこそ一刀両断、バハムートが放つメガフレアと呼ばれる強力なエネルギーの塊をさえ断ち切る。もっとも断ち切られたメガフレアもそのまま消滅とはならず周囲の地形を向こう何十年の変えるほどの凄まじさだ。バハムート自身もオーディンの一撃を先手で読みその巨体に一撃も加えさせようとはしない。
戦場において優雅にそれでいて威厳と高貴そして他を寄せつかない力強い姿である巨体な竜―バハムートの素早さに追いつく様にスレイプニルと呼ばれる馬を戦地において駆け巡らせている。
再び顕現化する時が訪れたとして―。
彼らのそうした威力を断ち切ることは出来るのだろうか。
それと同時にどこかで予感がする、彼らと戦う時が来るのではと。
「それにしても馬か。チョコボとは違う生き物ではあるが…」
「言われて見るとウォールード王国の国旗でしか見たことがないな。戦地ともなれば駆り出されるのは馬(チョコボ)たちだしな…」
「オーディンの魔法の力で素早い、のかもな。馬(チョコボ)だって人が上手く扱わないとすぐ振り落としてくるしよ」
「確かにその可能性はある。念頭に置こう。助かった、行くぞトルガル」


その頃、ウォールード王国―。


城内、バルナバスの寝室にて。
スレイプニル「「「「「ここは右に」」」」」
スレイプニル「「「「「「そして左右に」」」」」」

バルナバス「‥‥何をしている」
分裂していたスレイプニル、一体に戻ってからー。
スレイプニル「あ、バルナバス様。いえ、ミュトスがバルナバス様の力に関心を示しているとあの御方から教えてもらいましたので。それがどれほどのものか、いざ対決する時が来たらたっぷりと味わってもらおうと」
バルナバス「‥‥好きにしろ」
スレイプニル「まあ、まだ覚醒したばかりで半顕現化段階ですからねえ。
でもこうして戦う時が来ると頭の中で考えるだけで楽しいものですよ。
この前のバハムートのドミナントも悪くなかったですし。あれは援軍が来ないと勝てない聖竜騎士団に問題がある」
バルナバス「…眠る」
スレイプニル「はい。久し振りにバルナバス様の本気が見られると思ったんですがね。残念です」


・3人寄れば(バイロン叔父さん)

インビンシブル内、ハルポクラテスに頼まれ図書館へ本を返しにいくお手伝いをしているテトとクロ

テト「3人が良かったかなあ」
クロ「図書館行くしハイデマリーに声を掛けてみようか」

バイロン「おお、重たそうな本だな。大丈夫か」

テト「あ、クライヴのおじさん」
クロ「シドのおじさん」

テト「おじさんはきょうだい何人?」
バイロン「…兄がおったのだがな…。何故そのことを?」
クロ「あ、じゃあふたりなんだ。この間そこのテーブルにジルとミドとせんせい(ヴィヴィアン)でおちゃかいって言っていたかな、それをしていたら男の人たちがちらちらとここを通るたびに見ていて」
テト「みんなにこにこしていたんだ」
バイロン「‥‥ふむ」
クロ「びじんが3人そろうといいなってだれか言ってた」

テト「クライヴとジョシュアと、りゅうきしのおうじさま(ディオン)もおんなじだったね」
クロ「そこのハッチ、ってミドが言ってた近くにおうじさまよくいるから」
テト「ふたりが近づいて3人でおはなししていたら女の人たちも同じようにながめてにこにこしていた」
クロ「3人がそろうといいわねって。だれのよこがおがすき?とかそう言ってた。みんな3人が良いんだなあってそう思ったの」
バイロン「なるほど…」


ベアラーであることが発覚したルボルを助けようとインビンシブルから出発の準備をしているクライヴー。
バイロン「クライヴよ、ひとりで行くのか」
クライヴ「トルガルも一緒です。アカシアのこともありますが、こちらから石の剣を割くより奴らに対抗出来るようルボルならダリミルを纏められるはずだ。
今回俺は手助けに回る方が良い」
バイロン「癪に障る若造ではあるが、賢いとは思っておる。
留守の間はふたりのことはわしに任せなさい。虫がつかないようにしておくぞ」

クライヴ「?」

※バイロン叔父さんが色々保護者をしていると私が嬉しいです(笑)



・演技力(クライヴ・ジル・ジョシュアとルボル)

・ダリミルにて―。
アカシアやエーテル溜まり、マザークリスタルがなくなったことも含めて街の皆の結束を固めようとルボルの協力の元、クライヴとジルは別人になりすましコンラートやナターリアと話をつけようとしていた。

ナターリア「…ルボルが言っていることは本当なの、アンダーヒルさん?」
アンダーヒル(?)「あ、ああ。本当だ」

ルボル(おいおい、あの叔父さん自分の屋敷でクライヴと毎回演技を楽しんでいたのだぞ!どうだ参ったかと喚いていたんだがなあ)

コンラート「ルボルが言っていることは本当かい、お嬢さん」
ジェーン(?)「え、ええ。うちの傭兵団もついこの間ロザリア7大家族にね…」

ルボル(こっちはまあまあだな…)


それからしばらくして―。

ルボル「コンラートとナターリアにまた話をつけに行きたいんだが、クライヴとジルはもう面が割れちまっているしな…」
ジョシュア「ならここは僕が」
ルボル「兄貴の方はまあ本人にも言ってやったけどもう少し演技力をつけた方が良い。お前はどうなんだ、ジョシュア」
ジョシュア「演技力とは違うかも知れないが…長い間偽名でヴァリスゼアを見て回っていた実績ならある。誰も疑ったりはしなかった」
ルボル「ほう?そりゃ期待出来る。兄貴の方はすぐ顔に出るのにな」
ジョシュア「兄さんは昔からまっすぐだったから。僕に対しても、ジルに対しても。人として優しく接してくれていた」
ルボル「俺もそこが気に入っているさ。そういうことなら、お前はある意味やり手なのかもな。タボールに教団の連中が潜伏しているのは知っている。商い以外では深入りしないさ」
ジョシュア「ルボルのそうした所も大したものだと思うよ」


・別れの予感(エルとテオ)


ボグラド市場にて新たな協力者、エルとテオの協力を得たクライヴとジル。

テオ「お前の乗っている馬(チョコボ)のことなんだが」
クライヴ「アンブロシアか?どうかしたのか」
テオ「ゴブリン族の依頼の時と同じでそっちもメスなんだよな。同じく群れを率いていたと。いや、ここの馬(チョコボ)たちはオスが多いから…」
ゴブリンプリンスと呼ばれる集落を形成している女王のことを思い出す。
そこで友好関係を結んだ男のことも。
魔物が黒の一帯の影響で人々が暮らしている村や街にも被害が起きていると各地でも問題にはよく上がる。魔物たちも生きる為に必死なのだ。
馬(チョコボ)で駆け巡ると人にすぐ敵対心を向けるものも居ればそうではないものも存在していると気配で分かる。
そうした被害を収める為にも黒の一帯―それを引き起こしている元凶であるマザークリスタルの破壊は急がなければならない。
クライヴ「…引き合わせたいのか」
テオ「いますぐどうこうしようって訳じゃないさ。ここで働かせる以外にしっかりと他の世話もしてやらないとな。それが馬(チョコボ)を預かる者の務めでもある」
クライヴ「自治領へ向かうにはまだ少し猶予はある」
テオ「お前の馬(チョコボ)ならお前がいるとそっちに気が向くんじゃないか。ここは姉貴に頼んで―」
ジル「そういうことなら、私もエルと行くわ」
クライヴ「ジル、頼む」
一頭のオスチョコボを連れて行くエルとジルの後ろ姿を見送りながら—。
テオ「ここの馬(チョコボ)たちは入り口付近で世話している奴のところで生まれた。言ってしまえば家族だ。他の行商人にも買われて、それぞれ貰われて行ったのもいる。
きょうだいでも、別れは必ず来るんだよな…」
クライヴ「‥‥‥」


・噂(クライヴ・シド・ジル+ディオン)

ザンブレク皇国、オリフレム地下―。
マザークリスタルドレイクヘッド目前、神殿付近にてー。

上層階に空いた大穴を3人とトルガルは眺めながら。


シド「バハムートのドミナントとかち合ってよ。あそこに大穴開けて逃げ切ったんだ」
クライヴ「召喚獣同士に力の差はほとんどないと言われているが…良く逃げ切れたな」
シド「ザンブレクは竜を崇拝の対象として掲げる。女神グエリゴールの影響なのか竜騎士団は殆ど槍だ。中には魔法や剣の奴もいるが…向こうが長物で穴に引っかかって手間取った隙になんとかな。戦場では信頼出来る部下に槍を預け受け取ってから出陣をすることが多い。そうした習わしでは想定外の事態で穴の大きさが咄嗟に頭の計算に入らなかったんだろう」
クライヴ「成程。ロザリアでは剣を突き立て敬礼を行なうから他者に預けたりはしない。ウォールードにも何かあるのか」
シド「さあ…これと言ったものはな」
クライヴ「…ああ、ジルすまない。先を急ごう」
ジル「…ううん」
クライヴ「‥‥?」
シド(さっきこいつが俺を助けた時もちょっと柔らかくなっていたな…)
「さて、バハムートのドミナントほどではないが、これから先は厄介なお相手が続くぞ。ふたりとも、いいな」



その頃、オリフレムから自治領へ軍を仕掛けようとする竜騎士団と皇国兵の中―。
ディオン「…っ」(小さいくしゃみを抑える)
テランス「寒いのですか、ディオン様」
ディオン「いや、余…よりも何やらバハムートのことで噂されているような」
テランス「オリフレムに残った皇国民でしょうか。
戦地から戻られたディオン様が皇都からすぐに姿を消し―…今は我々と共に自治領へと向かっておられる…」
ディオン「生まれ故郷を離れていくのも離れられないのも、どのような心境なのだろうな…」
テランス「私はどこへでもお供致します」
頷くディオン。
ディオン(この槍を預けるのもそう遠くない日に終わりがくる…)
「噂自体は別に悪い事ではない。誰かの記憶に留まっている」
テランス「根も葉もない悪意でしかないのであれば、傍に居る私が真実を語ります」
ディオン「テランス、感謝する」



マザークリスタルドレイクヘッド。コアの部分を眺める3者とトルガル。

シド「これからやることは噂では収まらねえ。歴史、だな」
ジル「名を残すのね。大罪人と呼ばれても」
シド「悪くない人生だろ、お前はどう思う」
クライヴ「言ったはずだ。信じるさ」


・背中合わせ(クライヴとジル)


身を覆うものもなく。子どもの頃にメティアに祈った日と同じ様に月が輝いていて。
背中合わせにお互いの体温を感じているのに。同じものを見ていない。あなたが…あなたの心がどこかへ行ってしまいそうで。
沢山失ってその度に確かめ合って。精一杯抗ってきたはずなのに相手の思い通りでしかなかったのだ。
そしてあいつらにとって彼はもはや人とは呼べない存在なのだとはっきりと言い放ってきた。止まることは出来ないのに、手遅れだとあなたは語る。

(それとも、頼りない―?
そうじゃない…。)

いつも、ひとり。ひとりになってしまう。
シドが教えてくれた通り、あなたは自分を救わなければいけないのに。
大きな背中に寄り添い。あなたの手を取った。あなたをひとりにしない為にも私があなたを守ると。
彼は私の手の甲に誓いの口づけをしてくれて。
そうして向き合ってくれた瞬間―。力が抜けていった。
私が先に人へと戻されていく。
「どうして―…」
バルナバスが見抜いていた通りのことを彼が自らの意思で起こした。
私の罪を背負っても生きると。
あなたは…そう、本当に昔から変わっていない。自分の救いよりもいつも誰かを守る為に生きているのだ。
(私は変わったわ―…。だからこそ、わかり合える)
あの頃のままでは、戻るだけでは一緒にいられない。だからそう答えた。
あなたが変わっていないと分かっていたから。
その誰かに私も含まれている…あなたにとって特別なのだと伝わって来た。
背中合わせでは分からなかったこと。向き合ってからは…我慢をした。
それでもあなたの想いを受け入れられたから。

私もあなたによって満たされていく。





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