名称と考察メモ
・クライヴとオイゲンさん
国家の支配者たるは国家の益を図ってうそを語ることが許されるであろう。そのように語ったのはプラトン。
オイゲンさん(ダルメキアにある5つの協議会の内の一人)は終盤でクライヴが自ら私は罪に問われるでしょうと語った時、誤魔化しをしない真実を語る姿勢に随分と興味を抱いた様子でした。
このサイドクエストがクライヴが自身の誓いにジョシュアを通して忠節であった終盤のイヴェント以降に描かれているのが実に興味深いのです。
フーゴ(あらゆる権力や富を得た存在)ークプカ卿が傲慢とも取れる仕方で物事を動かし(中盤からはほぼシドとクライヴとの因縁に目を向けるフーゴですが故国への支援や部下たちが一代でのし上がったその姿勢に惚れている辺り一面では語れない彼の性質が興味深く面白いです)同盟国であるウォールード王国は不気味なほどの静観。腹の内は全く見せない訳ですから。
鉄王国とも対峙し3国同盟が崩れ皇国領内へと入ったロザリアへの関心はさほどなかったというのもオイゲンさんが興味を大きく抱いた理由のひとつ。クライヴとジョシュアが上に立つ人物像として描かれながら魔窟とも呼べる政治に関わらなかったのもまた大きな要因とも言えます。
ヴァリスゼアは問題は山積みではありますが、そうした人の本質へ手を差し伸べていて目を向けていた人物に目を留めた他国の人がまた自国を見捨てずに立ち上がるというのも世界観を押し出した16ならではの描き方なのだと。
・ディオンとバルナバスを量るには
ディオンとバルナバスに関して
ディオンとバルナバスの人物像を捉える為には、ディオンはまず本人の性格が非常に分かりやすい、父親の捉え方によって変わる・バルナバスはストーリーライン“上”だけでは本人の性質は見えづらいという所から始まります。
16のテーマのひとつにそれぞれの正義が掲げられていますが、公式サイトでは私怨や復讐のことも内容として紹介されていたので必ずしも彼らを推し量るには正義の面だけでは量れないものがあります。そもそもクライヴが復讐の道を選んだのもそれしか残ったもの縋るものがなかったからと人によって捉える訳ですから。幕開けにてビアレスの死から回想シーンに繋がる辺りで根底は他者の命を深く想っているのだと描かれてもいます。弟に生かされたからこそ、自分はそう簡単に死ぬ訳にはいかないのだとも。
ディオンの視点ですと彼自身はまっすぐで常に愛情に飢えており孤独感を抱えている、そして衝動的な所があると彼自身の行動や性格の描かれ方で分かります。正直テランスとの仲も衝動的な判断だったのではと思います、ディオンが押し切る形になったので。結末としてはこうなるのだとジョシュアが姿を見せ協力を求めそのことを受け入れた時点で、アナベラに反旗を起こし“これから余の行なうことを罪と問うか?”と語ったあの時からお互いに別れを決めていたのではないかと。
父親である神皇シルヴェストルをどう捉えるかによって彼が行なったことが大きく見方が変わる。アナベラを妃として迎え入れーその前から同盟国であるロザリアを裏切る算段に組みしていた時点で神皇を悪とみなすか(アナベラの熱望に応えドミナントの血筋に拘っていたとすればシルヴェストルに似ているティアマットは息子なのでしょう)賢人たちに民のことを考えていない、民の為に自治領のクリスタルに手を出せばよいと(それとアナベラは賢人たちを利用してそそのかしてもいる)限りある資源を貴族だけでなく民にも謳歌させ差し伸べようとしていた為政者として捉えるか。
ディオンは後者に目を留めていましたが。自身に対して微笑んでくれた父親は彼自身が描き出した幻想でしかなかったのだとしたら。最後の戦いで自らを確立させることを選んだのもそうした意味も含まれているのでしょうか。
バルナバスはドミナントを含め真実を知る側であり、生死を掛けるほどの戦いにおいてのみ、生を感じられていたと本人の告白から。国ひとつだけではなく世界全体を混乱に陥れていく業の道を選んでいた彼は、それが救いだと語ってきます。
灰の大陸の情報を得る手段がなくクライヴが節目に知ったのは自分が視たものと戦った時と、彼と理が語ったわずかなものだけ。
母を求め、母の教えーマリアス教に傾倒していたバルナバス。
彼自身の全てではなかった・このことに納得をしていない(ロアによると母の姿を見せる理に全てを捧げたとありますが、本当にそれだけなら戦いにおいてあれほどに執着を見せない、スレイプニルも主であるオーディン・バルナバスの性格をよく反映している)カットシーン各所において不気味なほどの静観をしている姿勢からそれがよく分かります。
諦めと俯瞰の姿勢で感情のまま動く存在になっているのに、感情が動いていないバルナバス。
シドの“お前が狂わせたのか”のひと言と、オーク族と灰の大陸全体を治めた戦の歴史、このふたつが本当の意味でバルナバスを知る手掛かりなのですが、それもまた遠い未来ではクリスタルと共に失われた過去の遺産となりました。
国家の支配者たるは国家の益を図ってうそを語ることが許されるであろう。そのように語ったのはプラトン。
オイゲンさん(ダルメキアにある5つの協議会の内の一人)は終盤でクライヴが自ら私は罪に問われるでしょうと語った時、誤魔化しをしない真実を語る姿勢に随分と興味を抱いた様子でした。
このサイドクエストがクライヴが自身の誓いにジョシュアを通して忠節であった終盤のイヴェント以降に描かれているのが実に興味深いのです。
フーゴ(あらゆる権力や富を得た存在)ークプカ卿が傲慢とも取れる仕方で物事を動かし(中盤からはほぼシドとクライヴとの因縁に目を向けるフーゴですが故国への支援や部下たちが一代でのし上がったその姿勢に惚れている辺り一面では語れない彼の性質が興味深く面白いです)同盟国であるウォールード王国は不気味なほどの静観。腹の内は全く見せない訳ですから。
鉄王国とも対峙し3国同盟が崩れ皇国領内へと入ったロザリアへの関心はさほどなかったというのもオイゲンさんが興味を大きく抱いた理由のひとつ。クライヴとジョシュアが上に立つ人物像として描かれながら魔窟とも呼べる政治に関わらなかったのもまた大きな要因とも言えます。
ヴァリスゼアは問題は山積みではありますが、そうした人の本質へ手を差し伸べていて目を向けていた人物に目を留めた他国の人がまた自国を見捨てずに立ち上がるというのも世界観を押し出した16ならではの描き方なのだと。
・ディオンとバルナバスを量るには
ディオンとバルナバスに関して
ディオンとバルナバスの人物像を捉える為には、ディオンはまず本人の性格が非常に分かりやすい、父親の捉え方によって変わる・バルナバスはストーリーライン“上”だけでは本人の性質は見えづらいという所から始まります。
16のテーマのひとつにそれぞれの正義が掲げられていますが、公式サイトでは私怨や復讐のことも内容として紹介されていたので必ずしも彼らを推し量るには正義の面だけでは量れないものがあります。そもそもクライヴが復讐の道を選んだのもそれしか残ったもの縋るものがなかったからと人によって捉える訳ですから。幕開けにてビアレスの死から回想シーンに繋がる辺りで根底は他者の命を深く想っているのだと描かれてもいます。弟に生かされたからこそ、自分はそう簡単に死ぬ訳にはいかないのだとも。
ディオンの視点ですと彼自身はまっすぐで常に愛情に飢えており孤独感を抱えている、そして衝動的な所があると彼自身の行動や性格の描かれ方で分かります。正直テランスとの仲も衝動的な判断だったのではと思います、ディオンが押し切る形になったので。結末としてはこうなるのだとジョシュアが姿を見せ協力を求めそのことを受け入れた時点で、アナベラに反旗を起こし“これから余の行なうことを罪と問うか?”と語ったあの時からお互いに別れを決めていたのではないかと。
父親である神皇シルヴェストルをどう捉えるかによって彼が行なったことが大きく見方が変わる。アナベラを妃として迎え入れーその前から同盟国であるロザリアを裏切る算段に組みしていた時点で神皇を悪とみなすか(アナベラの熱望に応えドミナントの血筋に拘っていたとすればシルヴェストルに似ているティアマットは息子なのでしょう)賢人たちに民のことを考えていない、民の為に自治領のクリスタルに手を出せばよいと(それとアナベラは賢人たちを利用してそそのかしてもいる)限りある資源を貴族だけでなく民にも謳歌させ差し伸べようとしていた為政者として捉えるか。
ディオンは後者に目を留めていましたが。自身に対して微笑んでくれた父親は彼自身が描き出した幻想でしかなかったのだとしたら。最後の戦いで自らを確立させることを選んだのもそうした意味も含まれているのでしょうか。
バルナバスはドミナントを含め真実を知る側であり、生死を掛けるほどの戦いにおいてのみ、生を感じられていたと本人の告白から。国ひとつだけではなく世界全体を混乱に陥れていく業の道を選んでいた彼は、それが救いだと語ってきます。
灰の大陸の情報を得る手段がなくクライヴが節目に知ったのは自分が視たものと戦った時と、彼と理が語ったわずかなものだけ。
母を求め、母の教えーマリアス教に傾倒していたバルナバス。
彼自身の全てではなかった・このことに納得をしていない(ロアによると母の姿を見せる理に全てを捧げたとありますが、本当にそれだけなら戦いにおいてあれほどに執着を見せない、スレイプニルも主であるオーディン・バルナバスの性格をよく反映している)カットシーン各所において不気味なほどの静観をしている姿勢からそれがよく分かります。
諦めと俯瞰の姿勢で感情のまま動く存在になっているのに、感情が動いていないバルナバス。
シドの“お前が狂わせたのか”のひと言と、オーク族と灰の大陸全体を治めた戦の歴史、このふたつが本当の意味でバルナバスを知る手掛かりなのですが、それもまた遠い未来ではクリスタルと共に失われた過去の遺産となりました。