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小さな天の川

私のとなりで眠る朝日に照らされた虎石君の髪は、さらさらと水みたいに流れていて天の川みたいだと輪郭をなぞる。
その無防備な寝顔をみるのは、彼女の特権だと思う。きっと今まで何人ものお姫様に寝顔を見せていたとしても。


珍しく早くに起きてしまった、ぽかぽかとした陽気は冬が終わっていくのを感じて寂しい。今日は何をしようかと考えると同時に、もういっそのこと1日ベッドの上で過ごしてもバチは当たらないのでは、と彼のまつげの本数を数えながら考えてしまう。ちゅっとおでこに子供じみたキスをする。


「あ、」

キスを落とした瞬間ぱっちりと目が開く。ニヤリとした微笑みと同時に唇を奪われて、子供じみたキスをからかうようなくちづけに頭がくらくらした。


「やらし~の」


「やらしいのは虎石君でしょ」


はいはいと言いたげな目線と、まだ眠そうなあくび、朝日を眩しそうに顔をしかめる。虎石君は全部全部かっこいい。


「見とれてんの?」


「見てないし」


冷たいな~、と言いながら強引に後ろから抱きしめられる。拗ねんなよ、と耳元で囁いてくる虎石君は確信犯だ。背中から伝わる鼓動と体温はとても心地よく全てがどうでも良くなってしまう。


虎石君重いよと笑う私に、俺の愛の重さだって、とくだらないことを言い合う。まだ寝てよーぜと、押し倒しされる私はずいぶんと彼氏様に堕落させられたなとベッドに倒れる。


今日はシーツにいくつシワを刻むだろうと考えながら彼にくちずけた。
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