遅れたクリスマス
空閑君を初めて見たのは、きっとピカピカと夜空に照らされながら私の前をバイクで突っ切っていったあのスポットライトが照らされていた夜の思い出だと思う。もう彼は隣にいるのに私しか覚えてないあの記憶を何度も何度も反芻する。
「寒いのか?」
空閑君が吐いた息は白くなり暗闇にすぐ溶ける。無意識に強く握った手はいつのまにか指先が赤く染まっていて、手袋を忘れた事を後悔した。
「大丈夫です」、とマフラーに顔を埋めながら少し強がる。ん、と少し強引に繋がれた手はすっぽりと空閑君のポケットに入る。自分の顔が熱くなっていくのが分かって繋がれた手から目を反らす。
私より一回り大きい空閑君の手はごつごつとしていて、当たり前だけど男の人なんだなとまた再確認する。
ふふっと寒さで赤くなった鼻を震わせる。
「機嫌良いな」
「いつもいいです」
一オクターブ高い自分の声は浮かれている事がバレバレで恥ずかしくなった。「そうだな」と小さく笑いながら言う空閑君はとてもかわいい。
普段はバイクで移動することが多いけれど、こうやって夜の道を歩くのも悪くないなと私達の伸びる影をみる。
もう年が明けたというのに街灯はとてもキラキラしていて季節外れのクリスマスみたいだった。
「寒いのか?」
空閑君が吐いた息は白くなり暗闇にすぐ溶ける。無意識に強く握った手はいつのまにか指先が赤く染まっていて、手袋を忘れた事を後悔した。
「大丈夫です」、とマフラーに顔を埋めながら少し強がる。ん、と少し強引に繋がれた手はすっぽりと空閑君のポケットに入る。自分の顔が熱くなっていくのが分かって繋がれた手から目を反らす。
私より一回り大きい空閑君の手はごつごつとしていて、当たり前だけど男の人なんだなとまた再確認する。
ふふっと寒さで赤くなった鼻を震わせる。
「機嫌良いな」
「いつもいいです」
一オクターブ高い自分の声は浮かれている事がバレバレで恥ずかしくなった。「そうだな」と小さく笑いながら言う空閑君はとてもかわいい。
普段はバイクで移動することが多いけれど、こうやって夜の道を歩くのも悪くないなと私達の伸びる影をみる。
もう年が明けたというのに街灯はとてもキラキラしていて季節外れのクリスマスみたいだった。
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