◇第１8話　黄砂の街　【スキット】◇

＊　砂漠について　＊

リタ
「・・・まだ、砂漠の端っこにある街だってのに、こうも暑いと頭がくらくらするわ」

レイヴン
「若いもんがだらしないねえ」

リタ
「・・・はあ」

カロル
「あれ、リタが反論しない」

リリーティア
「リタ？」

リタ

「・・・暑い、まじで暑いわ」

エステル
「暑さのせいで聞こえてなかったみたいですね」





＊　オアシスの結界　＊

ユーリ

「せっかくの結界なのになんでこんな住みにくい場所に設置したんだ？」

リリーティア
「設置したんじゃなくて、元々オアシスの底で発見されたのをそのまま使ってるんだ」

エステル
「結界魔導器（シルトブラスティア）はとても大きくて移動するなんてこと出来ないですから」

ジュディス
「それに、そもそも底に沈んでいるんじゃ移動させられないわね」

リタ
「誰だって、こんな暑苦しい場所に好き好んで結界張ったりしないわよ」

ユーリ
「なるほどね、何事にも理由ってのがあんだな」





＊　子どもたちのために　＊

エステル
「どうしたんです？ユーリ」

ユーリ
「・・・いや、キュモールはまた何を企んでるんだろうなってな。フェローを探したりしてさ。ま、＜帝国＞としては姫様を狙う化け物はほっとけないんだろうけど」

カロル
「とにかく、まずはゴゴール砂漠でしょ？」

ジュディス
「そうね。この街のことを調べるにしても帰ってきてからね」

リリーティア
「ええ。少しでも早くあの子どもたちの両親を助けないと命の危険もある」

レイヴン
「砂漠に放り出されたりでもしていたら、この暑さでぶっ倒れちまうわな」

リタ
「でも、探すっていってもそんな簡単じゃないわよ」

ユーリ
「それでも探し出すのがオレたちの仕事だ」

カロル
「うん。必ず見つけ出そう」





第１8話　黄砂の街　【スキット】　-終-