第17話 闘技場
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
◇第17話 闘技場 【スキット】◇
* ベリウスについて *
リリーティア
「あの、『戦士の殿堂(パレストラーレ)』の統領(ドゥーチェ)はいったいどんな方なんですか?」
レイヴン
「名前だけはよく耳にするけど、会ったこともなければ見たこともないんで俺様も知らないのよ」
エステル
「カロルは知らないんです?」
カロル
「ボクも活動はずっとダングレストだったから、ノードポリカのギルドのことはちょっと」
ユーリ
「ドンみたいなじいさんがもうひとり出てきたらたまんねえな」
レイヴン
「ははっ、そら言えてるわ。あんなじいさんはひとりで十分よね」
カロル
「ベリウスに会うの楽しみだね」
* どんな風に見える? *
ユーリ
「闘技場の街というだけあってここにいるやつらの顔ぶれはさまざまだな」
ジュディス
「そうね、目的はばらばらだもの。戦う人もいれば、見物客もいる」
リタ
「あたしらみたいなものね」
エステル
「わたしたちは周囲の人たちにどんな風に見られているんでしょう?」
ジュディス
「う~ん?戦いの目的じゃないかしら?」
リタ
「あんたとユーリはそうでしょうけど、エステルはどう見たって見物客でしょ」
カロル
「なら、ボクは?」
リタ
「迷子の子どもじゃない?」
カロル
「そんな、ひどい!」
レイヴン
「じゃあ、俺・・・あ、やっぱりいいわ。なんか予想できたんで」
エステル
「じゃあ、リリーティアはどう見られてると思います?」
リタ
「ぱっと見た感じは見物客に見えるけど」
ジュディス
「戦いの目的っていうのも納得できるわね」
エステル
「どっちにも見えるってことですね」
カロル
「ん~、でもボクから見るとなんか違うような気がするなぁ」
エステル
「どういうことです?」
カロル
「リリーティアはなんていうかさ・・・ん~、どう言えばいいのかなぁ・・・・」
レイヴン
「あれじゃない、こうみえても闘技場のチャンピオンですって感じ」
カロル
「あ、それだ!ボクからすると闘技場にいるリリーティアってそんな感じ」
ユーリ
「はは、確かにリリィっぽい気がするな」
ジュディス
「そうね、リリーティアらしいわね」
リリーティア
「?・・・・・・私ってみんなからどんな風に見られてるの?」
エステル
「ふふ、リリーティアは意外性があるってことですね」
リリーティア
「??」
* 五大ギルドの後ひとつ *
エステル
「『天を射る矢(アルトスク)』、『幸福の市場(ギルド・ド・マルシ
ェ)』、 それに『遺構の門(ルーインズゲート』と『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』、・・・・・・やっぱり、ひとつ足りませんね」
ユーリ
「そりゃいったい何の話だ?」
エステル
「ユニオンの五大ギルドですよ。これまで四つとは関わりましたけど、あとひとつが・・・」
ユーリ
「・・・あ、そういや名前も聞いたことねえ気がするな」
リリーティア
「そのひとつなら、鍛冶ギルドである『魂の鉄槌(スミス・ザ・ソウル)』のことだね」
ユーリ
「鍛冶ギルドか。へえ、そんなギルドもあったんだな」
カロル
「たぶん、ユーリも『魂の鉄槌(スミス・ザ・ソウル)』が作った剣とか知らずに使ってるはずだよ。 鉄槌のギルドマークが入った武器とか、道具とか、見たことない?」
ユーリ
「ああ、下宿先の女将さんが使ってた包丁にもそういや刻まれてたな」
* アイフリード *
エステル
「パティ、大丈夫でしょうか・・・」
ジュディス
「強い子ですもの。そのうちまたひょっこり顔を出すわ」
カロル
「パティがアイフリードの孫って、本当に本当なのかな」
エステル
「本当だとしてもあんな仕打ちひどいです!パティは何も悪いことしてないのに・・・」
ジュディス
「ギルドの信用はともかく、事件の怒りや悲しみの矛先がパティに向くのは無理もないのかもしれない。憎むべきアイフリードがいなんですもの」
カロル
「・・・だけど、パティを責めていいわけでも、ないよね」
ジュディス
「当然よ」
エステル
「パティ・・・あんなことに慣れちゃ駄目です」
リリーティア
「(・・・憎むべき、相手か・・・)」
* 紅の小箱を盗まれて *
ユーリ
「闘技場で悪党ぶっ飛ばすだけだったはずなんだがな。いろいろごちゃごちゃ出てきやがって」
エステル
「フレンまでいるとは思いませんでした」
カロル
「それに、あのザギっていうのも」
リタ
「逃げたラーギィもね。・・・それにしてもあの箱を奪っていくなんて」
エステル
「澄明の刻晶(クリアシエル)って一体何だったんでしょう?」
リタ
「わかってるのはあたしの魔術が、あの箱のせいで暴走したってことくらいかしら。あんなふうに武醒魔導器(ボーディブラスティア)が制御できなかったのなんて初めて・・・どうしてかしら」
リリーティア
「・・・・・・気になることはたくさんあるけど、今は先へ急ぎましょう」
レイヴン
「そうね、喋ってる暇があったらワンコ追いかけた方がいいわよ」
* 往くも復すも *
リリーティア
「カロル、大丈夫?」
カロル
「う、うん。まあ・・・・・・」
ジュディス
「なにびくびくしてるの?さっきから」
ユーリ
「ぐずぐずしてるとラーギィに逃げられんぞ!」
カロル
「でも、この奥に危険な魔物がぁ・・・」
リタ
「何言ってんのよ!なめられて黙ってらんないでしょ!?」
エステル
「あの箱は勝手に誰かにあげていいものじゃないんですよ」
レイヴン
「おっさんはなんで奴さんが箱を盗んでったかちとだけ、本当ちっとだけだけど興味あるわ」
ラピード
「ワオン!」
ユーリ
「命知らずな連中だな、まったく」
カロル
「ねえ、これって多数決なの・・・?」
リリーティア
「まあ・・・・・・でも、みんな一緒だから大丈夫。心配いらないよカロル」
カロル
「だとしてもさぁ・・・」
リタ
「あ~、面倒くさいわね!あたしが魔物もラーギィもぶっとばす!行くわよ!」
* 記憶喪失!? *
エステル
「記憶喪失ってお話の中だけだと思ってました」
リタ
「案外簡単になるわよ。魔導器(ブラスティア)の実験に失敗、 爆発に巻き込まれて記憶が吹っ飛んだってよく聞くし。でも、記憶が一切ないっていうのは珍しいわね」
エステル
「寂しいですね」
パティ
「そうじゃなあ・・・」
ジュディス
「でも、昔の記憶がなくても今より先の記憶はこれからできていくものよ。そう悲観したものでもないと思うわ」
パティ
「なるほど~、そういう考え方もあるのじゃな。うちの思い出のアルバムは、ユーリとユーリとユーリで埋めていくんじゃ♪」
リタ
「ぞっとするアルバムだわ」
エステル
「で、できれば、わたしやみんなのことも入れてほしいです・・・」
パティ
「んじゃ。隅っこにちまっと入れておいてやるのじゃ」
エステル
「ちまっと、だけですか・・・・・・」
リリーティア
「ふふ。でも、ちゃんと入れてくれるみたいだからそんなに落ちこまないで、エステル」
パティ
「もちろん、ティア姐もちゃんとちまっと入れておくからの」
リリーティア
「ええ、ありがとうパティ」
* 魔物がエアルを食べた! *
リタ
「エアルを食べる魔物なんて・・・」
エステル
「いったいなんだったんでしょう」
カロル
「少し他の魔物とは雰囲気が違ってたよね」
ユーリ
「・・・ああ、それは感じた。オレらのこと、じっと見てたようにも思うし」
レイヴン
「誰を食べようか悩んでたんじゃなあい?」
エステル
「わ、わたし・・・長い時間、目が合っていたような気がしたんですけど」
ジュディス
「よかったわね。きっと一番美味しそうに見えたのよ」
エステル
「それ、全然よくないです。・・・でも、思ったんですけど、リリーティアの方にもじっと見ていませんでした?」
リリーティア
「え、・・・そう?」
ジュディス
「・・・それじゃあ、リリーティアも美味しそうに見えていたのね」
リリーティア
「はは、まさか・・・。(あの視線は気のせいじゃなかったんだろうか?)」
* エアルクレーネについて *
リタ
「まさか、カドスの喉笛でエアルクレーネが見つかるなんて」
パティ
「うむうむ」
カロル
「少しは人も行き来してるのに誰も気付かなかったのかな」
リリーティア
「おそらく今まではあの時のように異常を感じるほどのエアルが出てなかったからだと思うよ」
パティ
「じゃの」
ユーリ
「最悪のタイミングで噴出してくれたおかげでこっちはいい迷惑だけどな」
リタ
「おかげで発見できたから、よしとしときましょ」
ユーリ
「そりゃ、おまえは満足だろうけどな」
パティ
「で、その発見した『えあるくれーね』というお宝は誰が持ってるのじゃ?」
ユーリ
「リタ、説明してやれ」
リタ
「いいけど・・・だったらなんでさっきから相槌打ってんのよ」
* イエガーについて *
カロル
「あのラーギィさんがイエガーの変装だったなんて」
ユーリ
「これで『遺構の門(ルーインズゲート』と『海凶の爪(リヴァイアサンのツメ)』の関係がはっきりとわかったな。どっちもイエガーが首領(ボス)だったってわけだ」
レイヴン
「そう決めつけるのは早いんじゃなあい?俺たちの会ったラーギィがイエガーの変装した偽者だって可能性もあるでしょ。本物は今もどこかの遺跡でせっせと発掘の作業してるかもよ?」
リリーティア
「(確かにそういう考え方もあるか・・・でも・・・)」
ユーリ
「・・・そこまで事情が入り組んでたら面倒でしょうがねえな」
レイヴン
「へっ、さすがにこれは考えすぎかな」
ユーリ
「その辺まで含めてはっきりさせときたいな」
** 『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』の手下の二人 *
エステル
「あの二人、怪我は大丈夫なんでしょうか?」
リリーティア
「出来るだけのことはしたんだけど、私の力ではあれが限界だったから」
リタ
「なに言ってんのよ、あんたたちは。子どもだからって相手は悪党の手下なのよ」
カロル
「子どもって・・・あの二人ってリタと同じぐらいじゃ・・・」
リタ
「なにか言った?」
カロル
「な、なんでもない・・・!」
リタ
「とにかく、助ける義理なんてこれっぽっちもないんだからね」
パティ
「あの時ティア姐が飛び出していったのにはビックリ驚いたのじゃ」
リリーティア
「・・・群れが集まって巨大な魔物になった時、危険な空気を感じて思わず。 相手が攻撃をしかけてくる前に先手を打とう思ったんだけど・・・」
リタ
「それであんな行動に出たってわけ?・・・まったく、無茶するわね」
* 強い魔物を倒したよ! *
カロル
「あんな強い魔物を倒せるなんて、ボクまだ信じられないよ」
リタ
「なにが信じられない、よ。あんた、ほとんど逃げ回ってなかった?」
カロル
「そ、そんなことないよ!ボクだってちゃんと戦ってたんだから!」
ユーリ
「まあ、今までの戦いの中でも苦戦したのは確かだな」
ジュディス
「そうね。でも、リリーティアがいち早くあの群れの弱点に気付いてくれたから助かったわね」
リリーティア
「・・・・・・実はあれ、私が気付いたんじゃないんだよ。あの二人が教えてくれたんだ」
カロル
「え、そうなの?!」
リリーティア
「ええ。戦いながらも魔物たちの動きをよく見てたんだね」
ユーリ
「あの短時間でそれを見極めるってことは、『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』にいるだけのことはあるってことか」
カロル
「でも、ボクたち敵同士なのにどうして・・・?」
エステル
「あ、もしかして、それが助けてくれたお礼の代わりだったんじゃないんです?あの時は言わずに行っちゃいましたけど、本当はリリーティアに感謝してたんですよ」
リタ
「単にあれでしょ。あたしたちがあの時やられたら、次は自分たちが狙われて危ないからってことじゃないの。 結局は自分たちを守るために、あたしたちにあの魔物の弱点を教えたに過ぎないのよ」
パティ
「リタ姐は素直じゃないの~」
レイヴン
「そんなに卑屈な考え方しなくていいのにねぇ」
リタ
「そこ、うっさい!」
ユーリ
「・・・ま、今は無事にあの強い魔物を倒せて良かったってことでいいじゃねえか」
リリーティア
「ええ、そうだね」
第17話 闘技場 【スキット】 -終-
* ベリウスについて *
リリーティア
「あの、『戦士の殿堂(パレストラーレ)』の統領(ドゥーチェ)はいったいどんな方なんですか?」
レイヴン
「名前だけはよく耳にするけど、会ったこともなければ見たこともないんで俺様も知らないのよ」
エステル
「カロルは知らないんです?」
カロル
「ボクも活動はずっとダングレストだったから、ノードポリカのギルドのことはちょっと」
ユーリ
「ドンみたいなじいさんがもうひとり出てきたらたまんねえな」
レイヴン
「ははっ、そら言えてるわ。あんなじいさんはひとりで十分よね」
カロル
「ベリウスに会うの楽しみだね」
* どんな風に見える? *
ユーリ
「闘技場の街というだけあってここにいるやつらの顔ぶれはさまざまだな」
ジュディス
「そうね、目的はばらばらだもの。戦う人もいれば、見物客もいる」
リタ
「あたしらみたいなものね」
エステル
「わたしたちは周囲の人たちにどんな風に見られているんでしょう?」
ジュディス
「う~ん?戦いの目的じゃないかしら?」
リタ
「あんたとユーリはそうでしょうけど、エステルはどう見たって見物客でしょ」
カロル
「なら、ボクは?」
リタ
「迷子の子どもじゃない?」
カロル
「そんな、ひどい!」
レイヴン
「じゃあ、俺・・・あ、やっぱりいいわ。なんか予想できたんで」
エステル
「じゃあ、リリーティアはどう見られてると思います?」
リタ
「ぱっと見た感じは見物客に見えるけど」
ジュディス
「戦いの目的っていうのも納得できるわね」
エステル
「どっちにも見えるってことですね」
カロル
「ん~、でもボクから見るとなんか違うような気がするなぁ」
エステル
「どういうことです?」
カロル
「リリーティアはなんていうかさ・・・ん~、どう言えばいいのかなぁ・・・・」
レイヴン
「あれじゃない、こうみえても闘技場のチャンピオンですって感じ」
カロル
「あ、それだ!ボクからすると闘技場にいるリリーティアってそんな感じ」
ユーリ
「はは、確かにリリィっぽい気がするな」
ジュディス
「そうね、リリーティアらしいわね」
リリーティア
「?・・・・・・私ってみんなからどんな風に見られてるの?」
エステル
「ふふ、リリーティアは意外性があるってことですね」
リリーティア
「??」
* 五大ギルドの後ひとつ *
エステル
「『天を射る矢(アルトスク)』、『幸福の市場(ギルド・ド・マルシ
ェ)』、 それに『遺構の門(ルーインズゲート』と『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』、・・・・・・やっぱり、ひとつ足りませんね」
ユーリ
「そりゃいったい何の話だ?」
エステル
「ユニオンの五大ギルドですよ。これまで四つとは関わりましたけど、あとひとつが・・・」
ユーリ
「・・・あ、そういや名前も聞いたことねえ気がするな」
リリーティア
「そのひとつなら、鍛冶ギルドである『魂の鉄槌(スミス・ザ・ソウル)』のことだね」
ユーリ
「鍛冶ギルドか。へえ、そんなギルドもあったんだな」
カロル
「たぶん、ユーリも『魂の鉄槌(スミス・ザ・ソウル)』が作った剣とか知らずに使ってるはずだよ。 鉄槌のギルドマークが入った武器とか、道具とか、見たことない?」
ユーリ
「ああ、下宿先の女将さんが使ってた包丁にもそういや刻まれてたな」
* アイフリード *
エステル
「パティ、大丈夫でしょうか・・・」
ジュディス
「強い子ですもの。そのうちまたひょっこり顔を出すわ」
カロル
「パティがアイフリードの孫って、本当に本当なのかな」
エステル
「本当だとしてもあんな仕打ちひどいです!パティは何も悪いことしてないのに・・・」
ジュディス
「ギルドの信用はともかく、事件の怒りや悲しみの矛先がパティに向くのは無理もないのかもしれない。憎むべきアイフリードがいなんですもの」
カロル
「・・・だけど、パティを責めていいわけでも、ないよね」
ジュディス
「当然よ」
エステル
「パティ・・・あんなことに慣れちゃ駄目です」
リリーティア
「(・・・憎むべき、相手か・・・)」
* 紅の小箱を盗まれて *
ユーリ
「闘技場で悪党ぶっ飛ばすだけだったはずなんだがな。いろいろごちゃごちゃ出てきやがって」
エステル
「フレンまでいるとは思いませんでした」
カロル
「それに、あのザギっていうのも」
リタ
「逃げたラーギィもね。・・・それにしてもあの箱を奪っていくなんて」
エステル
「澄明の刻晶(クリアシエル)って一体何だったんでしょう?」
リタ
「わかってるのはあたしの魔術が、あの箱のせいで暴走したってことくらいかしら。あんなふうに武醒魔導器(ボーディブラスティア)が制御できなかったのなんて初めて・・・どうしてかしら」
リリーティア
「・・・・・・気になることはたくさんあるけど、今は先へ急ぎましょう」
レイヴン
「そうね、喋ってる暇があったらワンコ追いかけた方がいいわよ」
* 往くも復すも *
リリーティア
「カロル、大丈夫?」
カロル
「う、うん。まあ・・・・・・」
ジュディス
「なにびくびくしてるの?さっきから」
ユーリ
「ぐずぐずしてるとラーギィに逃げられんぞ!」
カロル
「でも、この奥に危険な魔物がぁ・・・」
リタ
「何言ってんのよ!なめられて黙ってらんないでしょ!?」
エステル
「あの箱は勝手に誰かにあげていいものじゃないんですよ」
レイヴン
「おっさんはなんで奴さんが箱を盗んでったかちとだけ、本当ちっとだけだけど興味あるわ」
ラピード
「ワオン!」
ユーリ
「命知らずな連中だな、まったく」
カロル
「ねえ、これって多数決なの・・・?」
リリーティア
「まあ・・・・・・でも、みんな一緒だから大丈夫。心配いらないよカロル」
カロル
「だとしてもさぁ・・・」
リタ
「あ~、面倒くさいわね!あたしが魔物もラーギィもぶっとばす!行くわよ!」
* 記憶喪失!? *
エステル
「記憶喪失ってお話の中だけだと思ってました」
リタ
「案外簡単になるわよ。魔導器(ブラスティア)の実験に失敗、 爆発に巻き込まれて記憶が吹っ飛んだってよく聞くし。でも、記憶が一切ないっていうのは珍しいわね」
エステル
「寂しいですね」
パティ
「そうじゃなあ・・・」
ジュディス
「でも、昔の記憶がなくても今より先の記憶はこれからできていくものよ。そう悲観したものでもないと思うわ」
パティ
「なるほど~、そういう考え方もあるのじゃな。うちの思い出のアルバムは、ユーリとユーリとユーリで埋めていくんじゃ♪」
リタ
「ぞっとするアルバムだわ」
エステル
「で、できれば、わたしやみんなのことも入れてほしいです・・・」
パティ
「んじゃ。隅っこにちまっと入れておいてやるのじゃ」
エステル
「ちまっと、だけですか・・・・・・」
リリーティア
「ふふ。でも、ちゃんと入れてくれるみたいだからそんなに落ちこまないで、エステル」
パティ
「もちろん、ティア姐もちゃんとちまっと入れておくからの」
リリーティア
「ええ、ありがとうパティ」
* 魔物がエアルを食べた! *
リタ
「エアルを食べる魔物なんて・・・」
エステル
「いったいなんだったんでしょう」
カロル
「少し他の魔物とは雰囲気が違ってたよね」
ユーリ
「・・・ああ、それは感じた。オレらのこと、じっと見てたようにも思うし」
レイヴン
「誰を食べようか悩んでたんじゃなあい?」
エステル
「わ、わたし・・・長い時間、目が合っていたような気がしたんですけど」
ジュディス
「よかったわね。きっと一番美味しそうに見えたのよ」
エステル
「それ、全然よくないです。・・・でも、思ったんですけど、リリーティアの方にもじっと見ていませんでした?」
リリーティア
「え、・・・そう?」
ジュディス
「・・・それじゃあ、リリーティアも美味しそうに見えていたのね」
リリーティア
「はは、まさか・・・。(あの視線は気のせいじゃなかったんだろうか?)」
* エアルクレーネについて *
リタ
「まさか、カドスの喉笛でエアルクレーネが見つかるなんて」
パティ
「うむうむ」
カロル
「少しは人も行き来してるのに誰も気付かなかったのかな」
リリーティア
「おそらく今まではあの時のように異常を感じるほどのエアルが出てなかったからだと思うよ」
パティ
「じゃの」
ユーリ
「最悪のタイミングで噴出してくれたおかげでこっちはいい迷惑だけどな」
リタ
「おかげで発見できたから、よしとしときましょ」
ユーリ
「そりゃ、おまえは満足だろうけどな」
パティ
「で、その発見した『えあるくれーね』というお宝は誰が持ってるのじゃ?」
ユーリ
「リタ、説明してやれ」
リタ
「いいけど・・・だったらなんでさっきから相槌打ってんのよ」
* イエガーについて *
カロル
「あのラーギィさんがイエガーの変装だったなんて」
ユーリ
「これで『遺構の門(ルーインズゲート』と『海凶の爪(リヴァイアサンのツメ)』の関係がはっきりとわかったな。どっちもイエガーが首領(ボス)だったってわけだ」
レイヴン
「そう決めつけるのは早いんじゃなあい?俺たちの会ったラーギィがイエガーの変装した偽者だって可能性もあるでしょ。本物は今もどこかの遺跡でせっせと発掘の作業してるかもよ?」
リリーティア
「(確かにそういう考え方もあるか・・・でも・・・)」
ユーリ
「・・・そこまで事情が入り組んでたら面倒でしょうがねえな」
レイヴン
「へっ、さすがにこれは考えすぎかな」
ユーリ
「その辺まで含めてはっきりさせときたいな」
** 『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』の手下の二人 *
エステル
「あの二人、怪我は大丈夫なんでしょうか?」
リリーティア
「出来るだけのことはしたんだけど、私の力ではあれが限界だったから」
リタ
「なに言ってんのよ、あんたたちは。子どもだからって相手は悪党の手下なのよ」
カロル
「子どもって・・・あの二人ってリタと同じぐらいじゃ・・・」
リタ
「なにか言った?」
カロル
「な、なんでもない・・・!」
リタ
「とにかく、助ける義理なんてこれっぽっちもないんだからね」
パティ
「あの時ティア姐が飛び出していったのにはビックリ驚いたのじゃ」
リリーティア
「・・・群れが集まって巨大な魔物になった時、危険な空気を感じて思わず。 相手が攻撃をしかけてくる前に先手を打とう思ったんだけど・・・」
リタ
「それであんな行動に出たってわけ?・・・まったく、無茶するわね」
* 強い魔物を倒したよ! *
カロル
「あんな強い魔物を倒せるなんて、ボクまだ信じられないよ」
リタ
「なにが信じられない、よ。あんた、ほとんど逃げ回ってなかった?」
カロル
「そ、そんなことないよ!ボクだってちゃんと戦ってたんだから!」
ユーリ
「まあ、今までの戦いの中でも苦戦したのは確かだな」
ジュディス
「そうね。でも、リリーティアがいち早くあの群れの弱点に気付いてくれたから助かったわね」
リリーティア
「・・・・・・実はあれ、私が気付いたんじゃないんだよ。あの二人が教えてくれたんだ」
カロル
「え、そうなの?!」
リリーティア
「ええ。戦いながらも魔物たちの動きをよく見てたんだね」
ユーリ
「あの短時間でそれを見極めるってことは、『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』にいるだけのことはあるってことか」
カロル
「でも、ボクたち敵同士なのにどうして・・・?」
エステル
「あ、もしかして、それが助けてくれたお礼の代わりだったんじゃないんです?あの時は言わずに行っちゃいましたけど、本当はリリーティアに感謝してたんですよ」
リタ
「単にあれでしょ。あたしたちがあの時やられたら、次は自分たちが狙われて危ないからってことじゃないの。 結局は自分たちを守るために、あたしたちにあの魔物の弱点を教えたに過ぎないのよ」
パティ
「リタ姐は素直じゃないの~」
レイヴン
「そんなに卑屈な考え方しなくていいのにねぇ」
リタ
「そこ、うっさい!」
ユーリ
「・・・ま、今は無事にあの強い魔物を倒せて良かったってことでいいじゃねえか」
リリーティア
「ええ、そうだね」
第17話 闘技場 【スキット】 -終-