◇第１０話　光輝　【スキット】◇


＊　本人？　＊

リリーティア

「あの、レイヴンさん？」

レイヴン
「ん？」

リリーティア
「その・・・ですね・・・」

レイヴン
「なになに？・・・は！？　ま、まさか、俺様に愛の告白っ？！」

リリーティア
「えっ！？な・・・ち、違いますっ！な、何言ってるんですか！そんな訳ありません！」

レイヴン
「・・・そんな全否定しなくても」

リリーティア
「あ・・・、いや。そ、そんなに落ち込まないで下さい」

レイヴン
「だって～、リリィちゃんが冷たいだもん」

リリーティア
「・・・そんなつもりでは、なくてですね（本当にあのシュヴァーン隊長・・・？）」

レイヴン
「しくしくしく」

リリーティア
「あ、あの・・・（これじゃあ、レイヴンさんがシュヴァーン隊長だって言っても誰も信じてくれないだろうなぁ・・・）」





＊　レイヴンの詠唱　＊

レイヴン
「風よ吹け、さっと吹いてさっと斬れ、ウィンドカッター！」

リリーティア
「・・・・・・」

レイヴン
「鋭き風はさすらいし男の友、エアスラスト！」

リリーティア
「・・・・・・」

レイヴン
「どーしたのよ、リリィちゃん？俺様の戦う姿に惚れ惚れしちゃったとか♪」

リリーティア
「ち、違います・・・けど、ある意味、そうですね」

レイヴン
「ある意味って・・・。それ、喜んでいいの？よくないの？」

リリーティア
「（あの詠唱文句であれだけの集中を高めることができるなんて・・・。前から思っていたけれど、やっぱり）」

レイヴン
「リリィちゃん？」

リリーティア
「あ、いえ・・・。レイヴンさんは、やっぱりエアルの流れを読みとる感覚（センス）が優れていますよね。いつも驚かされます」

レイヴン
「ははは、それは、あれでしょ？魔術の基本はリリィちゃんが教えてくれたからよ」

リリーティア
「いえ。エアルの流れを読みとることは、傍からどうこう言って教えられるものではありませんから。やはりそれは、レイヴンさん自身が努力をしてきた結果です」

レイヴン
「リリィちゃんに比べれれば、俺様の努力なんて大したことないけどさ。でも、そうはっきり言われると正直照れるわね」





＊　髪飾り　＊

リリーティア
「これでどうでしょう？おかしくないですか？」

レイヴン
「よく似合ってるわよ」

リリーティア
「ほ、本当ですか？ありがとうございます！」

レイヴン
「っ・・・・・・」

リリーティア
「あ・・・」

レイヴン
「ん？？」

リリーティア
「すみません。さっきから私ばっかりで、私からは何も-------」

レイヴン
「ははは、いいっていいって。ここに連れてきたのも、その髪飾りも、俺様が勝手にやったこどだから気にしないでちょーだいよ」

リリーティア
「・・・ですが」

レイヴン
「喜んでくれただけで十分よ」

リリーティア
「・・・・・・」

レイヴン
「それも、思っていた以上にリリィちゃん喜んでくれたしね」

リリーティア
「レイヴンさん・・・、ありがとうございます」

レイヴン
「いいってこと♪」





第1話　始まり【スキット】　-終-