第10話 光輝
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外が闇に深まった頃、薄暗い部屋の中にリリーティアとレイヴンはいた。
その部屋の窓の一つは開き放たれ、カーテンが微かに揺れている。
彼女は携帯用の光照魔導器(ルクスブラスティア)を手に、棚にある本を一冊一冊確認しており、
レイヴンはというと、腕を頭の後ろで組みながらその部屋を隅から隅まで見渡していた。
「それにしても、この屋敷無駄に広すぎだわね」
「そうですね。・・・目的の物を探し出すのは、そう簡単にはいかないようです」
携帯用の光照魔導器(ルクスブラスティア)の光を消し、彼女はその部屋を出ると、レイヴンもその後に続いた。
屋敷内の廊下は、二人が並んで歩いてもまだまだ余裕のある幅広い廊下だった。
ここは、ノールの執政官 ウォガル の屋敷内。
リリーティアとレイヴンは今まさに任務の遂行中だった。
無駄に広い屋敷内は静まり返っており、音一つなく、もうしわけ程度に光照魔導器(ルクスブラスティア)の光が廊下の床を照らしているだけだ。
「内部の警備は手薄のようですし、二手に分かれたほうが効率がいいですね」
「それはそうかもしんないけども・・・」
二人は声を潜めながら会話を交わす。
彼女の提案に彼は納得はしているようだが、渋い表情をしていた。
「俺様ひとりはいいとして、お嬢さんひとりっていうのはねぇ」
「大丈夫ですよ。私なら心配は要りません」
それでもレイヴンは少し渋っていたが、結局は彼女の案に賛同した。
警備が手薄とはいえ、ここに潜伏する時間が長引けば長引くほど、自分たちの身を危険に晒してしまうことになるだろう。
この広い屋敷の中で目的物を少しでも短時間で探し出すには、彼女の言うことは正しかった。
リリーティアは西側、レイヴンは東側へと別れ、屋敷内を探り、一時間後に落ち合うことを決めた。
そして、二人は互いに背を向けて、単独に行動を開始した。