第7話 人形
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晴れ渡る空。
穏やかな海。
優雅に漂う一隻の船。
さぁ、被験者(やくしゃ)も揃い、実験(ぶたい)は整った。
いよいよ幕は切って落とされる。
人形(わたし)は踊る。
鳴り響く様々な音楽(おと)。
雷(いかずち)のような激音。
荒れ狂う波の怒号。
人々の狂声。
流れくる音楽(おと)たちを耳に、人形(わたし)は踊る。
観客はただ一人。
脚本(理想)を手がけた演出家(騎士団長閣下)のみ。
フィナーレ(最後)に流れるは、魔物の咆哮。
人形(わたし)は狂ったように踊る、踊る、踊る。
衣装(やみ)をなびかせ。
踊る、踊る、踊る。
突然、音楽(おと)は止み、静寂が舞台を包む。
人形(わたし)は踊るのを止めた。
そして、理解する。
実験(ぶたい)は失敗に終わったと。
それでも、演出家(騎士団長閣下)は悲しむことも、嘆くこともなかった。
人形(わたし)はただその場に立ち尽くしたままで。