第6話 変化
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シュヴァーンは眉を寄せ、部屋の扉をじっと見詰めていた。
それも、長い間。
つい先ほどリリーティアが出て行ったこの部屋には、もちろん彼しかいない。
この時、シュヴァーンは彼女に対して戸惑いを感じていた。
それは、自分が知っている彼女と比べると、少しばかりの違和感があったからだ。
さらに言えば、今は忘れた過去が知っている彼女と比べると、何かが大きく変わっている。
そんな気がした。
その違和感が確かなものだと感じたのは、城の廊下で話した時に浮かべたあの笑みを見てからだった。
彼女を見たときからどこか引っ掛かるものがあったが、あの時の表情で、その違和感は間違いではないとシュヴァーンは思った。
とはいえ、その違和感の理由はよくわからなかった。
彼女のあの笑みに偽りはない。
だが、やはり以前とは何かが違う、そんな気がしてならなかった。
それが何を意味しているのかは分からないが、彼は漠然と不安に似たものを感じた。
シュヴァーンは、アレクセイに報告をしていた時は、自身の違和感にも戸惑ってはいたが、この時だけは、彼女の変化に対しての戸惑いの方が大きく、自身の変化に対する戸惑いを忘れていた。
外が闇に深まっても尚、シュヴァーンは彼女が出て行った扉をじっと見詰め続けていた。