第4話 歪
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
***********************************
瓦礫と化した騎士団本部前。
辺りは仄かに月の光に照らされて、その中でリリーティアは一人佇んでいた。
彼女に表情はない。
彼女は、これからどうなるのか、漠然と考えていた。
ただはっきりしているのは、今後アレクセイの理想の障害となった者は、物言わぬ者となる運命を辿るのだろうということだけ。
「(私には、関係ない。それに、そのことに深く関わることになるのは----------)」
----------彼だろう。
いや、正確には
彼女は目を閉じた。
闇が広がる。
そこに、光が浮かぶ。
それは、---------------月。
数時間前に見た半月。
その月に照らされる影。
大きな館。
そこで一人の命を奪った彼。
それでも彼の表情は、仮面さながら、変化することはなかった。
常のごとく。
そう、常のごとく、彼はそれを担うのだろう。
それが、彼の任務。
ただの任務だ。
任務にしかすぎない。
人の命を奪ったとしても、
その手が朱に染まっても、
それでも、彼の表情は----------、
「っ!!??」
彼女は、はっと大きく目を見開いた。
「(わ、私は・・・・・・いま、・・・)」
そこにはさっきとは違い、表情があった。
何かに恐れ、何かに怯えた表情が。
「(な、なんて・・・・・・こ、とを・・・)」
彼女の額から僅かに汗がにじむ。
「(私は・・・・・・わ、たし・・は・・・)」
彼女は震える手で、震える自分自身の体を抱いた。
「(か、彼を ----------)」
そのまま力なく膝をついた。
体の震えは増していく。
--------------------利用したんだ。