第4話 歪
夢小説設定
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-----なぜ、離してくれないの!
-----離して!
-----助けないと!
-----必死に助けを求める彼らを。
-----悲痛に叫ぶ彼らを。
その時、中にいるクオマレたちの姿が輪郭だけの影絵と化す。
-----離して!!
-----助けるんだから!
-----私に優しく笑ってくれた。
-----私に心強い言葉をかけてくれた。
-----仲間たちを。
影法師と化した中の騎士たちは半狂乱になってもがくが、見えない壁に遮られてどうしても前に進むことができない。
------離して!!!
-----助けてみせる!
-----悩でいた私を助けてくれた。
-----不安でいた私を支えてくれた。
-----大切な人たちを。
クオマレたちの叫びは放電の音にかき消されて、聞こえない。
リリーティアの四肢に力がこもる。
だが、魔導士たちが負けじとしがみつくため、前に進めなかった。
-----嫌だ・・・、
光が強まった。
-----もう・・・、
窓ガラスが内圧に耐えかねて、内側から砕け散っていく。
その時、人とは思えない雄叫びが聞こえた。
それは、アレクセイだった。
彼は、全身にしがみついていた騎士たちを振り飛ばし、制止の声も振り切って、そのまま猛然と本部目掛けて走り出す。
正門を抜け、彼が光の中へ入っていくのを彼女は見た。
-----失うのは・・・っ!!
瞬間、一気に光が膨れ上がった。
「っ!!------ぅ、ぅぁぁぁぁああああああああああああああっっ!!!」
彼女は喉が引き千切れんばかりに叫んだ。
その叫びは、光にのみ込まれた。