◇第１４話　騎士　【スキット】◇

＊　下町の税金徴収　＊

リリーティア
「（前回よりも集まりが悪くなってる・・・）」

ルブラン
「も、申し訳ありません！リリーティア特別補佐！」

リリーティア
「あ、いえ。こればっかりは仕方がありません。下町の人たちも身を削る思いで払って下さっているのは知っています。ルブラン小隊長も隊員の方たちも精一杯やって下さっていることも」

ルブラン
「いや、ですが・・・こう毎度毎度集まりが悪いと。特別補佐には、その、・・・迷惑をかけてばかりでして」

リリーティア
「大丈夫ですよ、ルブラン小隊長。それに、隊の人たちや下町の人たちに対して、 私にはああいう事でしか応えることができなくて申し訳ないくらいです」

ルブラン
「何を言いますか！あなたのおかげで、我々や、そして下町の人たちがどれだけ助かっていると。寧ろ、きちんと必要限度を集められない我々に大きな責任があります。ですから、どうか我々には何も遠慮などせぬようにお願いしますぞ」

リリーティア
「ふふ、ありがとうございます。あ、それではお言葉に甘えて、ひとついいですか？」

ルブラン

「はい、なんなりと！」

リリーティア「もし、もしも、このことが上に知られた時には、共犯ということでいいですか？」

ルブラン
「はっ！我々一同、喜んでお供させていただきます！」

リリーティア
「えっ！？あ、いや・・・あ、ははは、さすがにそこは断ってもいいんですよ・・・。（冗談で言ったんだけど・・・）」





＊　下町の青年　＊

リリーティア
「また、ですか？」

ルブラン
「あやつのせいで部下が怪我を負ってしまって、騎士として面目ない事ですが」

リリーティア
「確か、ユーリ・ローウェルという名の青年でしたね？」

ルブラン
「はい。特にあやつは毎度毎度我々に何かと任務の邪魔立てをして困っております」

リリーティア
「（それだけ、下町の人たちを想っている、ということか。たぶん悪い人ではないのだろうけど。 まあ、でも、・・・さすがにこれだけ牢獄行きになる人は見たことないな）」





＊　シュヴァーン隊長と詠唱　＊

シュヴァーン
「風よ、切り刻め、ウインドカッター！」

リリーティア
「・・・・・・」

シュヴァーン
「受けよ、白銀の抱擁　インヴェルノ！」

リリーティア
「・・・・・・」

シュヴァーン
「リリーティア、どうした？」

リリーティア
「いえ、何も・・・・・・（シュヴァーン隊長の時は、また違うんだ。あはは、でも確かにシュヴァーン隊長であの詠唱は・・・）」

シュヴァーン
「・・・・・・？」





第１４話　騎士　【スキット】　-終-