第13話 笑顔
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◇第13話 笑顔 【スキット】◇
* 等身大のアレクセイ *
ヒスーム
「騎士団長のあのような姿、はじめて見ましたな」
ゲアモン
「というより、まったくの別人に見えたけどな」
ソムラス
「ヘリオースさんといる騎士団長はいつもあんな感じなんですか?」
リリーティア
「ん~、まぁ、そうですね。父がああやっていつも閣下を困らせていますから。・・・でも、あれはアレクセイ閣下を思っての振る舞いでもあるんですよ」
ダミュロン
「ただからかってるんじゃなくて?」
リリーティア
「閣下はいつも<帝国>のためにと気が休まる時間がほとんどないですから。評議会からの弾圧、<帝国>を率いる責任、部下への気配り・・・」
キャナリ
「騎士団長として背負うものは、計り知れないほどの重荷なんでしょうね」
リリーティア
「はい、それは・・・。父は<帝国>を良くしていくために身を削って奔走する閣下を気にかけています。いつかその重荷に押しつぶされてしまうのではないか、と。だからこそ、どんな場所でも、どんな人が周りにいようとも、魔導器(ブラスティア)研究員としてではなく親友として接しているんです。
父はありのままの自分で接することで、その時だけでも騎士団長という肩書きに縛らせずにいてほしいと思っているんですよ。・・・・・・まぁ、私から見れば、本当にからかって遊んでいるときの方が多いような気がしますけど」
ダミュロン
「でも、それ分かるな。騎士団長、リリーティアの親父さんと話しているときはどこか楽しそうだったもんな」
リリーティア
「はい!・・・だから私も父と一緒にいる閣下を見ているとほっとするんです。ああだこうだと言い合いながらもお互いとても楽しそうにしているので、見ているこっちが嬉しくります」
* 反抗期? *
ダミュロン
「なぁ、お前の親父さん、あの時騎士団長に『勝とうなんて百年早い』って言ってたけども、・・・あれ本気だったのか?」
ソムラス
「あ、僕もそれ気になってました!」
ゲアモン
「確かにあれは気になった。だってな、あの騎士団長にだぞ」
リリーティア
「私も聞いた話でしかないんですが。これまで何度か手合わせをして、父は一度も閣下に負けたことがないそうです」
一同
「!!」
ゲアモン
「それ、まじなのか!」
ソムラス
「正直、信じられないんですが。あ、べ、別にヘリオースさんの技量が劣っていると思ってではなくて・・・!」
リリーティア
「ふふ、分かってます。実は私も信じられなくて、母や閣下に何度も聞いたんですが、どうやら事実のようで」
キャナリ
「それはすごいわね」
ヒスーム
「一度、お二人の手合わせを拝見してみたいものですな」
ダミュロン
「何だか一生忘れられない手合わせになりそうだな」
リリーティア
「私も二人が手合わせするところを見てみたいですね。そして、本当に父が閣下より強いのか見極めたいです」
キャナリ
「ふふふ。リリーティアはどうしても納得がいかないみたいね」
リリーティア
「当然です」
ダミュロン
「いや、そんなきっぱり・・・。そこは娘として信じてあげてもいいんでないの」
リリーティア
「ですが、あの父がですよ。それは、父が魔物と戦っている姿を今まで何度も見てきましたが。まさか武術でアレクセイ閣下に勝っただなんて・・・。しかも、これまで何度も手合せして一度も負けたことがないなんてこと信じられません」
ヒスーム
「だが、聞いた話では、 ヘリオース殿は魔術の腕も一流なのと同時に、実践もかなりのものだと聞きいたことがあるが・・・」
ソムラス
「だったら、やっぱり本当なんですよ!騎士団長本人もそう認めているんですから」
リリーティア
「なにか卑怯な手を使って閣下を陥れたに決まってます。あの父ならやりかねません」
ダミュロン
「ははは。親父さん、泣いちゃうよ」
キャナリ
「でも、もしも今二人が手合わせしたとなったら、リリーティアはどっちを応援するのかしら?」
リリーティア
「え・・・・・・そ、それは・・・」
キャナリ
「ふふ、やっぱりお父様に勝ってもらいたいって思うでしょ?」
リリーティア
「う゛・・・・・・ま、まぁ・・・父、ですし。娘としては・・・その・・・」
ダミュロン
「顔赤くしちゃって、そんなに照れなくてもいいじゃないの」
リリーティア
「・・・そ、それはもういいじゃないですか。実際、どっちが強いかが問題なんですから!」
一同
「ははは」
* ピンチはチャンス *
ダミュロン
「一つ質問」
一同
「?」
ダミュロン
「今日は俺に何か恨みでもあるのか?」
ゲアモン
「何だよ、急に」
ダミュロン
「リリーティアをいじめてるって、親父さんにホラ言ったやつがよく言う」
リリーティア
「ああ、あのことですね」
ヒスーム
「あんな素晴らしい御方と二人で語ることができるチャンスだったというのにな」
ダミュロン
「どこかチャンスだ!あれはどう見てもピンチだろ!」
キャナリ
「本当、光栄なことなのにね」
ダミュロン
「どこか光栄!?語るってことはつまり説教ってことだろ、あれは」
リリーティア
「父のことですから説教だけで済めばいいんですが」
ダミュロン
「ちょ、ちょっとリリーティア、笑顔でそういう冗談は・・・」
ゲアモン
「残念だったな~、ダミュロン惜しいことしたぜ」
ソムラス
「人生一度の大チャンスでしたよね」
一同
「あ~あ」
ダミュロン
「・・・・・・俺、お前らに何かしたか?」
* お花見をしよう *
リリーティア
「ということなんです。ですから、アレクセイ閣下も私たちとお花見に行きませんか?」
アレクセイ
「・・・・・・せっかくで悪いが、そう簡単に本部をあけることはできなくてな。すまないが、わたしは行けそうにない」
リリーティア
「そう、ですか。・・・それは残念です」
アレクセイ
「すまないな。誘ってくれたことは感謝している、ありがとう」
リリーティア
「いえ」
ヘリオース
「騎士団のことは他に任せておけばいいだろう?優秀な騎士はいるんだ。一日、二日ぐらいどうってことないだろ」
アレクセイ
「まったく、簡単に言ってくれるな。それにな、わたしがいるとキャナリ小隊の彼らも気が休まらんだろう。そういうものはわたしのような上の者がいないほうがいい」
ヘリオース
「心配ご無用。もう彼らからは承諾済みだからな」
リリーティア
「はい。みなさんもぜひ騎士団長閣下も一緒にと言っています」
アレクセイ
「それは嬉しいことだが、それも彼らが気遣ってそう言ってくれているのだろう。わたしのことはいいから君たちだけで楽しんできなさい」
ヘリオース
「あー、もう!お前は人の優しさを踏みにじるつもりか」
アレクセイ
「人聞きの悪いことを言うな。わたしだって申し訳なく思っている。しかしだな-------」
ヘリオース
「そう思うなら、花見に付き合え」
アレクセイ
「お前な・・・。本部をあけることはできんのだから仕方がないだろう」
ヘリオース
「そこまで言うなら、こっちにも考えがある!」
アレクセイ
「・・・また何か企んでるな」
ヘリオース
「ふふん、すでにひとつは手を打ったからな。とにかく、絶対にお前も花見に行くんだからな。その時まで首を洗って待ってろよ~!」
リリーティア
「ちょ、ちょっと、お父さん!」
アレクセイ
「はぁ、・・・強引な奴だな」
リリーティア
「す、すみません。父にはちゃんと言っておきますので」
アレクセイ
「頼む。まったく、これではどちらが保護者なのやら」
リリーティア
「あ、ははは・・・・・・」
アレクセイ
「しかし、本当にすまないな。せっかく誘ってくれたというのに」
リリーティア
「いえ。私たちのほうこそ無理を言ってすみませんでした」
アレクセイ
「いや、謝らんでくれ。それに・・・、あれもわたしのことを考えてのことだということはわかっているつもりだ」
リリーティア
「・・・閣下」
アレクセイ
「まあ、ただ自分が楽しんでいるだけの時もあるがな」
リリーティア
「ふふふ、そうですね」
第13話 笑顔【スキット】 -終-
* 等身大のアレクセイ *
ヒスーム
「騎士団長のあのような姿、はじめて見ましたな」
ゲアモン
「というより、まったくの別人に見えたけどな」
ソムラス
「ヘリオースさんといる騎士団長はいつもあんな感じなんですか?」
リリーティア
「ん~、まぁ、そうですね。父がああやっていつも閣下を困らせていますから。・・・でも、あれはアレクセイ閣下を思っての振る舞いでもあるんですよ」
ダミュロン
「ただからかってるんじゃなくて?」
リリーティア
「閣下はいつも<帝国>のためにと気が休まる時間がほとんどないですから。評議会からの弾圧、<帝国>を率いる責任、部下への気配り・・・」
キャナリ
「騎士団長として背負うものは、計り知れないほどの重荷なんでしょうね」
リリーティア
「はい、それは・・・。父は<帝国>を良くしていくために身を削って奔走する閣下を気にかけています。いつかその重荷に押しつぶされてしまうのではないか、と。だからこそ、どんな場所でも、どんな人が周りにいようとも、魔導器(ブラスティア)研究員としてではなく親友として接しているんです。
父はありのままの自分で接することで、その時だけでも騎士団長という肩書きに縛らせずにいてほしいと思っているんですよ。・・・・・・まぁ、私から見れば、本当にからかって遊んでいるときの方が多いような気がしますけど」
ダミュロン
「でも、それ分かるな。騎士団長、リリーティアの親父さんと話しているときはどこか楽しそうだったもんな」
リリーティア
「はい!・・・だから私も父と一緒にいる閣下を見ているとほっとするんです。ああだこうだと言い合いながらもお互いとても楽しそうにしているので、見ているこっちが嬉しくります」
* 反抗期? *
ダミュロン
「なぁ、お前の親父さん、あの時騎士団長に『勝とうなんて百年早い』って言ってたけども、・・・あれ本気だったのか?」
ソムラス
「あ、僕もそれ気になってました!」
ゲアモン
「確かにあれは気になった。だってな、あの騎士団長にだぞ」
リリーティア
「私も聞いた話でしかないんですが。これまで何度か手合わせをして、父は一度も閣下に負けたことがないそうです」
一同
「!!」
ゲアモン
「それ、まじなのか!」
ソムラス
「正直、信じられないんですが。あ、べ、別にヘリオースさんの技量が劣っていると思ってではなくて・・・!」
リリーティア
「ふふ、分かってます。実は私も信じられなくて、母や閣下に何度も聞いたんですが、どうやら事実のようで」
キャナリ
「それはすごいわね」
ヒスーム
「一度、お二人の手合わせを拝見してみたいものですな」
ダミュロン
「何だか一生忘れられない手合わせになりそうだな」
リリーティア
「私も二人が手合わせするところを見てみたいですね。そして、本当に父が閣下より強いのか見極めたいです」
キャナリ
「ふふふ。リリーティアはどうしても納得がいかないみたいね」
リリーティア
「当然です」
ダミュロン
「いや、そんなきっぱり・・・。そこは娘として信じてあげてもいいんでないの」
リリーティア
「ですが、あの父がですよ。それは、父が魔物と戦っている姿を今まで何度も見てきましたが。まさか武術でアレクセイ閣下に勝っただなんて・・・。しかも、これまで何度も手合せして一度も負けたことがないなんてこと信じられません」
ヒスーム
「だが、聞いた話では、 ヘリオース殿は魔術の腕も一流なのと同時に、実践もかなりのものだと聞きいたことがあるが・・・」
ソムラス
「だったら、やっぱり本当なんですよ!騎士団長本人もそう認めているんですから」
リリーティア
「なにか卑怯な手を使って閣下を陥れたに決まってます。あの父ならやりかねません」
ダミュロン
「ははは。親父さん、泣いちゃうよ」
キャナリ
「でも、もしも今二人が手合わせしたとなったら、リリーティアはどっちを応援するのかしら?」
リリーティア
「え・・・・・・そ、それは・・・」
キャナリ
「ふふ、やっぱりお父様に勝ってもらいたいって思うでしょ?」
リリーティア
「う゛・・・・・・ま、まぁ・・・父、ですし。娘としては・・・その・・・」
ダミュロン
「顔赤くしちゃって、そんなに照れなくてもいいじゃないの」
リリーティア
「・・・そ、それはもういいじゃないですか。実際、どっちが強いかが問題なんですから!」
一同
「ははは」
* ピンチはチャンス *
ダミュロン
「一つ質問」
一同
「?」
ダミュロン
「今日は俺に何か恨みでもあるのか?」
ゲアモン
「何だよ、急に」
ダミュロン
「リリーティアをいじめてるって、親父さんにホラ言ったやつがよく言う」
リリーティア
「ああ、あのことですね」
ヒスーム
「あんな素晴らしい御方と二人で語ることができるチャンスだったというのにな」
ダミュロン
「どこかチャンスだ!あれはどう見てもピンチだろ!」
キャナリ
「本当、光栄なことなのにね」
ダミュロン
「どこか光栄!?語るってことはつまり説教ってことだろ、あれは」
リリーティア
「父のことですから説教だけで済めばいいんですが」
ダミュロン
「ちょ、ちょっとリリーティア、笑顔でそういう冗談は・・・」
ゲアモン
「残念だったな~、ダミュロン惜しいことしたぜ」
ソムラス
「人生一度の大チャンスでしたよね」
一同
「あ~あ」
ダミュロン
「・・・・・・俺、お前らに何かしたか?」
* お花見をしよう *
リリーティア
「ということなんです。ですから、アレクセイ閣下も私たちとお花見に行きませんか?」
アレクセイ
「・・・・・・せっかくで悪いが、そう簡単に本部をあけることはできなくてな。すまないが、わたしは行けそうにない」
リリーティア
「そう、ですか。・・・それは残念です」
アレクセイ
「すまないな。誘ってくれたことは感謝している、ありがとう」
リリーティア
「いえ」
ヘリオース
「騎士団のことは他に任せておけばいいだろう?優秀な騎士はいるんだ。一日、二日ぐらいどうってことないだろ」
アレクセイ
「まったく、簡単に言ってくれるな。それにな、わたしがいるとキャナリ小隊の彼らも気が休まらんだろう。そういうものはわたしのような上の者がいないほうがいい」
ヘリオース
「心配ご無用。もう彼らからは承諾済みだからな」
リリーティア
「はい。みなさんもぜひ騎士団長閣下も一緒にと言っています」
アレクセイ
「それは嬉しいことだが、それも彼らが気遣ってそう言ってくれているのだろう。わたしのことはいいから君たちだけで楽しんできなさい」
ヘリオース
「あー、もう!お前は人の優しさを踏みにじるつもりか」
アレクセイ
「人聞きの悪いことを言うな。わたしだって申し訳なく思っている。しかしだな-------」
ヘリオース
「そう思うなら、花見に付き合え」
アレクセイ
「お前な・・・。本部をあけることはできんのだから仕方がないだろう」
ヘリオース
「そこまで言うなら、こっちにも考えがある!」
アレクセイ
「・・・また何か企んでるな」
ヘリオース
「ふふん、すでにひとつは手を打ったからな。とにかく、絶対にお前も花見に行くんだからな。その時まで首を洗って待ってろよ~!」
リリーティア
「ちょ、ちょっと、お父さん!」
アレクセイ
「はぁ、・・・強引な奴だな」
リリーティア
「す、すみません。父にはちゃんと言っておきますので」
アレクセイ
「頼む。まったく、これではどちらが保護者なのやら」
リリーティア
「あ、ははは・・・・・・」
アレクセイ
「しかし、本当にすまないな。せっかく誘ってくれたというのに」
リリーティア
「いえ。私たちのほうこそ無理を言ってすみませんでした」
アレクセイ
「いや、謝らんでくれ。それに・・・、あれもわたしのことを考えてのことだということはわかっているつもりだ」
リリーティア
「・・・閣下」
アレクセイ
「まあ、ただ自分が楽しんでいるだけの時もあるがな」
リリーティア
「ふふふ、そうですね」
第13話 笑顔【スキット】 -終-