第11話 姉妹
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「今日は文句なしのうまさなんだな」
「?・・・前はそうじゃなかったんですか?」
ゲアモンの言葉に首を傾げるリリーティア。
ここは騎士団本部にある食堂で、リリーティアとキャナリ小隊のいつもの顔ぶれが揃って昼食を摂っているところだった。
「前にこの料理が出たときはあんまりうまくなかったんだってさ」
「ん?そうだったか?」
ダミュロンは前にも出たこの料理の味のことはよく覚えていないようだ。
「オレはそこまで不味いなんて思わなかったけどな。周りを見ると誰も騒いでないようだから、今日は大丈夫だったんだなって思っただけ」
「ああ、確かそれでちょっとした騒動が起きたのだったな。貴族の出の者だけが勝手に騒いでいただけだが」
ヒスームがそのことを思い出すように、食堂の天井を見上げながら言った。
以前、今日と同じ料理が出たときには、その味に文句を言っていた騎士たちがいたのだという。
それも貴族の中でも有力な家系の騎士たちの大半が何かと喚いていたという話だった。
彼らからすれば、そもそも騒ぐほどのことではなかったらしい。
「そういえばそんなことありましたね。確かに騒動を起こすほどの不味さっていうわけではなかったと思うけど」
「食べ物の恨みは恐ろしいってことかしらね」
「・・・そんなことがあったんですか」
リリーティアはよくこうやって、普段の生活の中でもキャナリたちと共に過ごすことが多くなった。
彼らと出会う前までの彼女は昼食も自室で摂っていることが多かった。
それ以前に摂らないこともよくあったようだが。
それは主に研究などに没頭しすぎて、気付けば昼の時間が過ぎ、そのままということが多かったらしい。
今では、時間が合う限りキャナリたちと共に食堂で昼食を楽しむようになった。
彼女にとってはそんな些細なことがとても幸せで、彼らのおかげで毎日が楽しく、毎日が輝いていた。
「ああ!なに勝手に食べてるんですか!?」
ソムラスが突然声を上げた。
彼の視線の先には、口を動かして何かを食べているダミュロンがいる。
「いや、これだけ残してたから。嫌いなんじゃないの?」
「違いますよ!好きだから最後に食べようと思って取っておいていたんです!」
「そうだったのか?いや、悪い悪い」
そう謝りながらもダミュロンは面白そうに笑っていて、浮かべる表情とその言葉はまったくといって一致していない。
どう見ても確信犯の顔をしていた。
「まったく謝る気がないでしょう!」
「好きなんなら先に食べたらよかったのにな」
「そうだよな~」
怒るソムラスをよそに、ゲアモンが面白げに笑って言うと、ダミュロンが大げさに同調して頷いた。
ダミュロンだけでなく、ゲアモンも一緒になってからかうことを楽しんでいるようだ。
そんな二人を恨めしい表情でソムラスは横目で睨んでいた。