第9話 月
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◇第9話 月 始まり【スキット】◇
* 海の魔物について *
ソムラス
「波は穏やかですね」
ダミュロン
「それにいい天気だし、最高の船出日和って感じだな」
キャナリ
「でも、油断は禁物よ。海に棲む魔物がいつ襲ってきてもおかしくないもの」
ゲアモン
「この海域に棲息している魔物ってどんなやつなんだ?」
リリーティア
「主には魚人が多いと思います。この海域だと、ウォントという魚人が多く棲息していますね。それから、ウォントより能力が高いプレデントにも注意が必要かと」
ダミュロン
「魚人か。今まで陸の上でしか戦ったことないから、海の魔物と戦うのは初めてだな」
ヒスーム
「その魔物についてもっと詳しく教えいただけませんか?」
リリーティア
「はい。ウォント、プレデントは水に生きる魔物なので、何より火には弱い生物です。あと風も弱点ですね。逆に水には強い防御力を発揮します。体長は中型で、私たちと同じぐらいの大きさです。個々にそれほど優れた能力はありませんが、魔物としては珍しく大きな釣り針の形をした武器を持っています」
キャナリ
「武器を扱う魔物がいるのね」
ゲアモン
「まるで、俺たち人間みたいな魔物だな」
リリーティア
「そうですね。魚人と戦うときはその武器に注意して戦わなければいけません」
ヒスーム
「さすがリリーティア殿、魔物についても博識だとは」
キャナリ
「それに分かりやすく説明してくれるからとても助かるわ」
リリーティア
「あ、いえ・・・その、ありがとうございます」
* 違った世界 *
ダミュロン
「ふあ・・・」
キャナリ
「しっかりしなさい、ダミュロン」
ダミュロン
「・・・頭痛い。さっぱり理解できないんだが」
ゲアモン
「右に同じ」
キャナリ
「だとしてもしゃんとしなさい」
ダミュロン
「リリーティアは凄いな。なんとか式とか変換率がどうとか、もう俺には何が何だか」
ヒスーム
「聞き慣れない言葉ばかりでわたしたちが理解するのは難しいですな」
ソムラス
「専門的な言葉が多いせいか、僕たちの知らない言葉を話しているようですよ」
キャナリ
「だからといってだらけないで。リリーティアが頑張っているんだから」
ダミュロン
「分かってますって」
* すさまじい光景 *
ダミュロン
「にしても、あれはすごかったな」
ゲアモン
「あそこまで質問攻めにする必要ないってのによ」
ヒスーム
「質問というよりも、非難に近いものだったが・・・」
ソムラス
「でも、リリーティアさんは気にしていない様子ですよね」
ダミュロン
「気にしていないように見せているだけかもな」
キャナリ
「彼女のことだから周りに心配かけまいと、何事もなく振舞っているのかもしれないわね。考えてみると、私たちが庇うことで余計あの子に無理をさせてしまっているのかしら」
ダミュロン
「・・・それは、どうだろうねぇ」
* 従者1 *
ダミュロン
「ふわぁ、あの店に立ち寄ってからだいぶ時間がたったけども・・・・・・。まだまだ終わりそうにないかね、あれは。・・・・・・まぁ、いいか。二人ともあんな楽しそうにしてることだし」
* 従者2 *
ゲアモン
「ダミュロン、こんなところでなにしてるんだよ?」
ダミュロン
「んあ?ああ、ゲアモンか」
ゲアモン
「すごい大荷物だな。こんなところでなに一人で突っ立てるんだ?」
ダミュロン
「まぁ、従者のようなもんかね」
ゲアモン
「従者?」
ダミュロン
「そうそう、あのお嬢様方のね」
ゲアモン
「ん?あそこにいる小隊長とリリーティアのことか。なんだ、荷物係してるだけかよ」
ダミュロン
「だけってことはないでしょうよ。俺って健気だろ?有無も言わずこんな大量の荷物持って、じーっとここで待ってんだから」
ゲアモン
「はは、それはごくろーさん。んじゃあ、頑張れよ」
ダミュロン
「っておい!ちょっとは持ってやろうとか思わないわけ!」
* 従者3 *
ソムラス
「二人ともこんな所で何をしているのですか?」
ダミュロン
「お!よぉ、従者3」
ソムラス
「え?な、何?その従者3って」
ダミュロン
「いいから持て持て」
ソムラス
「わ!な、何です、この荷物?!」
ゲアモン
「あの二人の従者であることをありがたく思うこったぜ」
ソムラス
「ええ!?一体なんなんですか!」
* 従者4 *
ヒスーム
「みんなそろって何をしておるんだ?」
ゲアモン
「お、従者4がやっと来たみたいだぜ」
ヒスーム
「従者とはなんのことだ?」
ダミュロン
「まぁまぁ、これよろしく頼むわ」
ヒスーム
「!?な、何だ、いきなり」
ダミュロン
「いやー、これで楽になったな」
ソムラス
「うまい具合にいつもの顔ぶれが捕まりましたね」
ヒスーム
「一体何をしておるんだ?」
ダミュロン
「あのお嬢様方の従者だ。いわば荷物係」
ヒスーム
「ん?・・・ああ、小隊長とリリーティア殿のことか。あの二人の荷物なのか?」
ダミュロン
「正確に言えば、リリーティアがこの街の人たちから貰ったものだけどな。キャナリに有無も言わさず持たされた」
ゲアモン
「俺たちはダミュロンの強引な流れに乗せられて、こんなことになってるんだけどな」
ダミュロン
「苦労はみんなで分かち合わないとな」
ヒスーム
「単に自分が楽になりたいだけであろう」
ダミュロン
「そうつれないこと言うなよ」
ヒスーム
「まぁ、別段用事もないから構わんが」
ダミュロン
「お、さすが心持ちが広いお方は違うねぇ」
ソムラス
「なんだかんだ言って、みんな楽しんでますよね」
* 彼らの怒り *
ゲアモン
「ああ、くそ。何なんだよあいつら、今すぐにでも海に放り投げてやりたい気分だ」
ダミュロン
「そんじゃあ、いっちょ頭でも冷やしてもらうか」
ソムラス
「ふ、二人とも落ち着いてください」
ヒスーム
「しかし、さすがにあれは許せまじき言動だな」
キャナリ
「それでも言葉には気をつけて。私たちが彼女を庇うことによって、余計あの子は非難されているように思うわ」
一同
「・・・・・・」
ゲアモン
「・・・でもよ」
ソムラス
「なんか納得いきませんよね」
* 守りたいもの *
リリーティア
「思ってもみなかった、こんなにも大切なものがたくさんあったなんて。やっとその存在に気づいた。ずっと、ずっとここにあったんだ。それは何が何でも守りたいもの。・・・お母さん、私は今、とても幸せだよ。これから先、どんなことがあってもみんながいれば乗り越えられる、きっと。だから、安心して私のこと見守っててよ」
* 幸せ感じる夜に *
ダミュロン
「こんな遅く、なにやってんの?」
リリーティア
「ダミュロンさん。まだ起きていたんですか?」
ダミュロン
「まあ俺、そろそろ見張りの番だから。というより、それ、俺の台詞なんだけど」
リリーティア
「なかなか眠れないんです。今日のことが本当に嬉しくて・・・・」
ダミュロン
「はは、なら俺たちも嬉しいってもんだ。でも、寝不足で倒れたりでもしたら、またキャナリが心配するからさ。そろそろ部屋に戻ったほうがいい」
リリーティア
「そう、ですね。わかりました。見張り番、お疲れ様です。それではおやすみなさい」
ダミュロン
「ああ、おやすみさん」
第9話 月【スキット】 -終-