第6話 約束
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その頃。
南方面のハルルの街付近では、リュネール隊第二小隊が魔物の群れと交戦を続けていた。
「一体どうなってるんだ」
「一度にこれだけの数の魔物が現われるなんて、どうかしてる」
第二小隊の隊員たちは大群の魔物出現に戸惑いながらも、怯みなく魔物たちを一体一体確実に倒していく。
しかし、倒しても倒しても、どこから沸いて出てくるのか、魔物の数が減る兆しは見えなかった。
到底、一小隊だけの力では手に負えない状況である。
「くそ、完全に囲まれているな」
「もう少しの辛抱だ。隊長たちがすぐに来てくれるさ」
けれど、危機的状況に陥っても尚、彼らのその目には諦めの色はなかった。
自分たちの隊長がこの状況を変えてくれると、揺らぐことなく信じているからだ。
リュネール隊の皆が、隊長であるリュネールのことを、そして、同じ隊の仲間たちのことを深く信頼していた。
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「みんな、急いで!」
リュネールが先導して第一小隊が平原を駆け、その後ろをキャナリ小隊たちがついて走った。
リリーティアはキャナリ小隊の中に混じり、リュネール隊の第二小隊たちの救援へと向かっていた。
「いたぞ、あそこだ!」
リュネール隊の騎士の一人が叫んだ。
その声と同時にリュネールは武器を手に持った。
彼女の愛用する武器はいたって見慣れた剣だった。
だが、その剣の刃は細く、他の騎士たちのように<帝国>から支給されているものとは少し違っていた。
そして、その左手には右手に持つ剣よりも刃は短く、短剣というには少し長さがある両刃剣を持っている。
「これは魔物を倒す事が目的ではない!!常に仲間を守ることを優先に行動しなさい!!」
リュネールはまっすぐに前を見据えたまま、走る足を止めずにあらん限りの声で叫んだ。
その声は不思議と騒がしい甲冑の音にもかき消されることなく、最後尾にいたキャナリ小隊のところまで響いて聞こえた。
そうして、リリーティアたちは第二小隊の人たちを助けるために、魔物の群れの中へとその身を投じた。