第4話 家族
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「それってなんかブルータルの時と似てないか」
「確かに、似てるな」
ダミュロンがと呟くと、隣にいたゲアモンが頷いた。
昔から無茶をするのが好きなのだとリュネールに言われていたのはどうやら本当のことらしい。
キャナリたちは昔も今も変わらない彼女の突拍子な行動に、皆が苦笑を浮かべリリーティアを見た。
「だ、だって、あれはお母さんのことが心配で・・・・・。それに、みなさんの事だって・・・・・」
皆の視線から逃げるようにリリーティアは目を逸らした。
「だからって無茶しすぎなの。心配してくれたのは嬉しいけれどね」
リュネールはリリーティアの頭に手を置いて困ったように笑いかける。
彼女は少し不満げな顔で肩をすぼめると、ただ押し黙った。
「あ!そうそう、あと-----」
「って、まだ話すの?!」
リュネールは話をひとつ終えると、すぐに新たな過去の記憶がよみがえるのか家族の話は尽きることを知らなかった。
キャナリ小隊たちは彼女の話に飽きることなく楽しげに聞いていた。
ただ一人、ほとんど話の種となっているリリーティアだけは顔を赤くさせて慌てふためき、なんとも忙しそうだったが。
話を聞いている中でキャナリたちは気付いたことがあった。
それは、時折愛おしそうに娘を見ているリュネールの姿があるということだ。
また、リリーティアも話を必死で止めながらもどこか楽しそうで、母の顔を嬉しげに見ている時があった。
そんな二人を微笑ましく思いながら、彼らはリュネールの話を飽きなく聞いていたのだった。
風に舞う花びらが夜を彩るハルルの街。
その中に、楽しげな声が響き渡る一軒の宿があった。
そこにはリュネールとリリーティア、<帝国>騎士団の隊長と皇帝直属の魔道士としての彼女たちの姿ではなく、
母と娘、どこにでもある温かな家族の姿があった。
第4話 家族 -終-