第17話 灯陽
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「・・・・・・・・・」
砂の上。
ボロボロの背嚢(はいのう)。
その周りには、たくさんの武器。
そのほとんどが騎士が護身用によく持っている短剣だった。
それも、見憶えがあるものばかり。
その中に一つだけ。
珍しい武器があった。
それは----------《レウィスアルマ》。
リリーティアが愛用している武器と同じもの。
しかし、彼女のものと比べると少し装飾が異なっている。
この武器を扱っているのは、この世界にはたった二人しかいない。
リリーティアと、あともう一人。
それは----------、
「----------お父さん」
《レウィスアルマ》を造った張本人。
天才魔導士と謳われた、彼女の父、ヘリオース。
彼女が思い出すのは、子どものように笑っていた笑顔。
いつも、どんな時でも、笑顔を絶やさなかった父。
数か月前、帝都を発つあの時も子どものような笑顔がそこにあった。
いつものように、そこにあった----------はずなのに。
リリーティアは、汚れて傷だらけの《レウィスアルマ》を、震えるその手で強く握りしめた。
胸に抱え込むようにして、強く、強く。
また、いつものようにあの笑顔を見せてくれるよね?
私に会いにきてくれるよね?
だって、そうでしょう?
それが、お父さんの任務、なんだから。
そうでしょ、・・・・・・お父さん。
任務・・・・・・なんだから・・・・・・。
また、 奇跡の灯陽《ひかり》が小さくなっていくのを感じた。
ああ、お願い、消さないで。
この灯陽《ひかり》を。