第17話 灯陽
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《近づいてはいけない!》
さっきから耳に鳴り響く"声"が、そう知らせていた。
しかし、無意識に体は前へと進む。
一歩踏み出すたびに"声"がどんどん大きくなっていく。
《だめだ!》
"声"は叫びにも似た音に変わった。
それは警告音のように。
それでも体は前に進んだ。
無数の槍の中にある影へと。
"声"はさらに大きくなる。
一歩、さらに"声"は大きくなる。
二歩、さらに"声"は大きくなる
黒い影。
人の形。
その時、さらに"声"が激しく鳴り響いた。
それは、体中を打ち付けるように鳴り響く。
《だめだ!》
頭の中で誰かが言った。
激しさの中に温かみのある、そんな矛盾した"声"。
一瞬、歩む足が僅かに戸惑ったのを感じた。
でも、それでも----------止められなかった。
また一歩、歩みを進めた。
激しく鳴り響く"声"の中に足を踏み入れた。
《だめだ!》
黒く染まる砂。
《だめだ!》
碧(あお)と紺青。
《だめだ!》
碧から生えた焦げ茶色の槍。
《だめだ!》
ほう髪な髪。
《だめだ!》
汚れた褐色の肌。
《だめだ!》
光がない青淡の瞳。
《だめだ!》
「ダ・・ァ・・・」
《・・・・・・》
警告音が、止んだ。