やがて訪れるいつかの日のために
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ぼんやりとした意識の中、最期に見たのは私を囲む仲間たちだった。泣かないで、そんな言葉をかけたいのに喉でせき止められたかのように声が出ない。自分の不甲斐なさに嫌気がさす。最期だけでも、正直に伝えたいんだ。
ふと視線をずらすと、愛しい彼の姿があった。私の手を優しく握って、思い詰めたような表情でこちらをじっと見つめている。その瞳は慈愛と悲哀に満ちていて、自分がしでかしてしまったことの責任を感じた。
「また探し出すから、その時はまた一緒に他愛もない話をしよう」
そう言って彼は顔を歪ませて笑っていた。
ごめんなさい。あなたと生涯一緒にいると約束したのに、約束を破ってしまって。
ああ、彼らに祝福がありますように。その祈りが届いているかはわからないけれど、また会えたらいいな。大好きな人たちに。
残り僅かな体力を使って笑顔を作る。それに呼応するかのように、彼らの目からは涙が流れ出していた。そんな顔をさせたくはなかったな。最期くらい笑ってよ、なんていうのはわがままだろうか。
だんだんと息がしづらくなって、目の前がぐんにゃり歪んで、あたりは真っ暗になった。手に残る温かい手の感触もしまいにはなくなって、それから、仲間のことも、彼のことも、ぐちゃぐちゃでわからなくなった。それからぷつりと意識が途切れて、先のことは何もわからない。
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