Put on a happy face
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1時間半程眠っていたらしい。
隣の恋人はまだ気持ちよさそうに寝ている。
彼女の頬の赤みはすっかり消えていた。
俺がハンカチに包んだ氷は完全に溶けてビニールの中で液体に戻っていた。
ハンカチは彼女の体温で温かくなっていた。
ハンカチをポケットに戻し、ナマエの頭に擦り寄る。
頭からポカポカと熱いくらいの熱が伝わってきて、思わず子供のようだと笑ってしまった。
寄りかかる彼女の体温と重さが心地よくて、動きたくない…。だがそろそろ時間だ。
ジョディやキャメル達は痺れを切らしているはずだ。
何せ黙って休んでいたからな。
彼女を起こさないようにそっと持ち上げてみる。
随分軽くなったような気がするな。
ちゃんと食べているんだろうか。
このまま給湯室に置き去りにするのも心配で、
FBI専用の部屋に彼女を抱えたまま戻った。
「アンタいままでどこで何してたのよ!!」
「大きい声を出すな、ジョディ。」
「あら…。ナマエちゃん…。
ぐっすり寝てるじゃない。
どこで拾ってきたの?
ちゃんと仮眠室に返してきなさい!」
「誤解だ。仮眠室から連れてきたわけではないぞ。
色々あってな、保護がてら一緒に休んできた。」
「まったく…。せめて一言言ってから行きなさいよね!とにかく、椅子で寝かせてあげて!
それと私ブランケット持ってるから掛けてあげて。
もう一つ椅子があった方が良いわね。
足も乗せてあげたら。」
「すまんな、助かるよ。」
椅子に座らせると重さで背もたれが勢いよく後ろへ倒れる。
バランスを崩さないように慎重に寝かせ、ジョディのブランケットと自分のジャケットをかけた。
足も椅子に乗せたし、これで大丈夫だろう。
髪の毛が顔にかかってしまっているな。
髪を一束つかんでどかしてやり、頬から首筋をそっと触れる。
どうやら体が少し冷えてしまっているようだ。
体を温めるように優しく抱きしめると身じろいだ。
「ちょっとシュウ!起きちゃうわよ?」
「あぁ……」
「……ふーん。」
「なんだその目は。」
「別に~?」
ジョディは意味深にニヤリとした笑みを浮かべた。
「すまないが、まだやる事がある。
降谷君の所へ行ってくる。」
「戻ってきたらちゃーんと仕事しなさいよ!
あと喧嘩するんじゃないわよ!
ナマエちゃんに言いつけるからね!」
「ナマエを頼んだ。ジョディ。」
ーー
「……なによ。私にあんな顔、見せた事ないじゃない。………愛されてるのね。ちょっとだけ悔しいわ。」
なんて言ってみる。隣のキャメルが苦笑いした。
ナマエちゃんをしばらく眺める。
気持ちよさそうに寝てるわね。
…可愛い。
シュウが夢中になるのも分かるわ。
私もなんだかんだ世話を焼きたくなっちゃうわ。
彼女の黒髪をさらっと撫でて仕事に戻る事にした。
ーー
……それから2時間が経ち、彼女は目を覚ました。
ぼんやりした様子だったが、徐々に覚醒していくようだった。
「おはようございます……。あれ?ここは……」
「おはよう。ナマエちゃん。」
「ジョ、ジョ…ジョディさぁぁん!」
「久しぶりね。よく寝てたわ。」
「なんでここに!?私、給湯室に」
「俺が連れてきた。あのまま1人で居させる訳にはいかないと思ったんでな。」
「シュウ、今何時?!えっ!もうこんな時間!!
やばい、降谷さんに怒られる!」
「大丈夫だ。今日と明日、休みにさせた。」
「ええっ!」
「君の代役に少し頑張ってもらうそうだ。
だから気兼ねなく休んでこいと。」
スマホを確認すると降谷さんからのメールが来ていた。
確かにシュウが言うように、目が覚めたら帰宅して良い、明日は休めと書いてあった。
「えぇ……。でも……。どうしよう……。」
「良ければ、もう少しだけここでゆっくり休んでいったらどうかしら?
シュウが仕事終わったら一緒に帰れば良いじゃない。」
「赤井君、ナマエ君と一緒に明日休みで良いよ。」
「ジェイムズさん!そ、そんな赤井さんを借りる訳には」
「構わないよ。赤井君もここしばらく休んでいなかった。
ナマエ君と一緒に休みを取りたいからと言って、ここしばらくは睡眠をかなり削って頑張ってくれていたんだよ。」
「たまには二人で楽しんできなさいな!
じゃあ私はお先に失礼するわね!
ナマエちゃん、またね!
シュウ、ちゃんとお姫様をエスコートしなさいよ!」
「……勿論。」
「じゃあお言葉に甘えて……。
あ!」
「どうした?」
「皆に食べ物を買ってくるって言ってたのに…!」
「それなら気にする事はない。
俺が公安に差し入れしておいた。
ナマエを借りていた礼にな。」
「え!そんな事まで…!」
「コンビニ行ったからな。ついでだ。」
「申し訳な…………いや、ありがとう。」
「気にするな。そうだ、面白い光景が見られるから公安に行ってみよう。」
「えっ??」
「赤井君、構わないけどこの書類にハンコだけ押してから行ってくれないかね。」
ーー
怒られないか不安な気持ちで部屋を覗く。
……降谷さんが誰かと付きっきりでパソコンを見て指示していた。
ここからだと誰か見えないな。
「中に入ろう。」
「う、うん。」
恐る恐る近づくと、降谷さんがこちらを見て少し申し訳なさそうな顔をした。
「ナマエ、大丈夫か?」
「あっ、はい、こちらこそ大幅に休憩を取らせて頂いてー」
そこでパソコンと睨めっこしている人物がようやく誰か分かった。
先輩だ。
「あっ…先輩…お疲れ様です…。」
そう言うと、あんたのせいよ!と言わんばかりの目でキッと睨まれた。
"ちょっといいか"と降谷さんに言われ、シュウと共に廊下に出た。
「闇口さんの事、赤井から聞いた。今まで気付いてやれなくて悪かった。ずっとあの人からパワハラを受けていたんだろう。」
ポケットからスマホを取り出して音声データを再生した。
その内容は先程の給湯室での会話が丸々録音されていた。
「様子がおかしいと思ったからな、俺が様子を伺いながら録音していた。それを安室君に送ったんだ。」
シュウがスマホを取り出して私に見せた。
「そんなにナマエに文句を言えるほど出来るなら、代わりに仕事をしろと言ってやらせてる。
あの人、パソコンとか電気製品はからっきしだから苦戦してるよ。」
「それは…降谷さんや皆さんが大変なんじゃ…。」
「まぁね。でもこれで懲りて次から何も言わなくなれば良いかなって。
だから次同じ目にあったら絶対僕に言うこと。
いいね?なんなら赤井みたいに音声データ送ってくれればきっちり対処するから。」
「わ、分かりました…。」
「それと赤井、これ請求書な。」
「あぁ。すまんな。」
「…もしかして…壁?」
「ん」
「それ私が払います!
元はと言えば私がビンタ避けなかったからだし…!
シュウは助けれてくれただけだから!」
「赤井に払わせとけ。恋人を守るのは当然だ。
僕がその場にいたらきっと同じ事をする。」
降谷さんは可笑しそうに笑った。
てっきり物凄い怒ると思ったのに…。
「安室君………きみ……もしかして……」
「なんだ?」
「いや、なんでもない…。」
シュウが酷く複雑そうな顔をしていた。
「まぁそういう事だから、不本意だけど赤井と明日ゆっくり休め。」
「皆大変な時に…すみません。」
「ある程度目処は経ってるし、そろそろ全員休みを取らせようと思ってたんだ。気に病むな。
頬はもう大丈夫なのか?」
「大丈夫です、ちゃんと冷やしたから。」
そう言ってちらりとシュウを見上げた。
「ならいいけど。」
「安室君、今回の礼に今度酒を飲みに行こう。」
「全部お前の奢りな!」
「勿論」
「クッソ高い店予約してやる。」
「構わんよ。」
「馬鹿、冗談だよ。…早く帰れ。」
「またな、降谷くん。」
「ありがとうございます。」
隣の恋人はまだ気持ちよさそうに寝ている。
彼女の頬の赤みはすっかり消えていた。
俺がハンカチに包んだ氷は完全に溶けてビニールの中で液体に戻っていた。
ハンカチは彼女の体温で温かくなっていた。
ハンカチをポケットに戻し、ナマエの頭に擦り寄る。
頭からポカポカと熱いくらいの熱が伝わってきて、思わず子供のようだと笑ってしまった。
寄りかかる彼女の体温と重さが心地よくて、動きたくない…。だがそろそろ時間だ。
ジョディやキャメル達は痺れを切らしているはずだ。
何せ黙って休んでいたからな。
彼女を起こさないようにそっと持ち上げてみる。
随分軽くなったような気がするな。
ちゃんと食べているんだろうか。
このまま給湯室に置き去りにするのも心配で、
FBI専用の部屋に彼女を抱えたまま戻った。
「アンタいままでどこで何してたのよ!!」
「大きい声を出すな、ジョディ。」
「あら…。ナマエちゃん…。
ぐっすり寝てるじゃない。
どこで拾ってきたの?
ちゃんと仮眠室に返してきなさい!」
「誤解だ。仮眠室から連れてきたわけではないぞ。
色々あってな、保護がてら一緒に休んできた。」
「まったく…。せめて一言言ってから行きなさいよね!とにかく、椅子で寝かせてあげて!
それと私ブランケット持ってるから掛けてあげて。
もう一つ椅子があった方が良いわね。
足も乗せてあげたら。」
「すまんな、助かるよ。」
椅子に座らせると重さで背もたれが勢いよく後ろへ倒れる。
バランスを崩さないように慎重に寝かせ、ジョディのブランケットと自分のジャケットをかけた。
足も椅子に乗せたし、これで大丈夫だろう。
髪の毛が顔にかかってしまっているな。
髪を一束つかんでどかしてやり、頬から首筋をそっと触れる。
どうやら体が少し冷えてしまっているようだ。
体を温めるように優しく抱きしめると身じろいだ。
「ちょっとシュウ!起きちゃうわよ?」
「あぁ……」
「……ふーん。」
「なんだその目は。」
「別に~?」
ジョディは意味深にニヤリとした笑みを浮かべた。
「すまないが、まだやる事がある。
降谷君の所へ行ってくる。」
「戻ってきたらちゃーんと仕事しなさいよ!
あと喧嘩するんじゃないわよ!
ナマエちゃんに言いつけるからね!」
「ナマエを頼んだ。ジョディ。」
ーー
「……なによ。私にあんな顔、見せた事ないじゃない。………愛されてるのね。ちょっとだけ悔しいわ。」
なんて言ってみる。隣のキャメルが苦笑いした。
ナマエちゃんをしばらく眺める。
気持ちよさそうに寝てるわね。
…可愛い。
シュウが夢中になるのも分かるわ。
私もなんだかんだ世話を焼きたくなっちゃうわ。
彼女の黒髪をさらっと撫でて仕事に戻る事にした。
ーー
……それから2時間が経ち、彼女は目を覚ました。
ぼんやりした様子だったが、徐々に覚醒していくようだった。
「おはようございます……。あれ?ここは……」
「おはよう。ナマエちゃん。」
「ジョ、ジョ…ジョディさぁぁん!」
「久しぶりね。よく寝てたわ。」
「なんでここに!?私、給湯室に」
「俺が連れてきた。あのまま1人で居させる訳にはいかないと思ったんでな。」
「シュウ、今何時?!えっ!もうこんな時間!!
やばい、降谷さんに怒られる!」
「大丈夫だ。今日と明日、休みにさせた。」
「ええっ!」
「君の代役に少し頑張ってもらうそうだ。
だから気兼ねなく休んでこいと。」
スマホを確認すると降谷さんからのメールが来ていた。
確かにシュウが言うように、目が覚めたら帰宅して良い、明日は休めと書いてあった。
「えぇ……。でも……。どうしよう……。」
「良ければ、もう少しだけここでゆっくり休んでいったらどうかしら?
シュウが仕事終わったら一緒に帰れば良いじゃない。」
「赤井君、ナマエ君と一緒に明日休みで良いよ。」
「ジェイムズさん!そ、そんな赤井さんを借りる訳には」
「構わないよ。赤井君もここしばらく休んでいなかった。
ナマエ君と一緒に休みを取りたいからと言って、ここしばらくは睡眠をかなり削って頑張ってくれていたんだよ。」
「たまには二人で楽しんできなさいな!
じゃあ私はお先に失礼するわね!
ナマエちゃん、またね!
シュウ、ちゃんとお姫様をエスコートしなさいよ!」
「……勿論。」
「じゃあお言葉に甘えて……。
あ!」
「どうした?」
「皆に食べ物を買ってくるって言ってたのに…!」
「それなら気にする事はない。
俺が公安に差し入れしておいた。
ナマエを借りていた礼にな。」
「え!そんな事まで…!」
「コンビニ行ったからな。ついでだ。」
「申し訳な…………いや、ありがとう。」
「気にするな。そうだ、面白い光景が見られるから公安に行ってみよう。」
「えっ??」
「赤井君、構わないけどこの書類にハンコだけ押してから行ってくれないかね。」
ーー
怒られないか不安な気持ちで部屋を覗く。
……降谷さんが誰かと付きっきりでパソコンを見て指示していた。
ここからだと誰か見えないな。
「中に入ろう。」
「う、うん。」
恐る恐る近づくと、降谷さんがこちらを見て少し申し訳なさそうな顔をした。
「ナマエ、大丈夫か?」
「あっ、はい、こちらこそ大幅に休憩を取らせて頂いてー」
そこでパソコンと睨めっこしている人物がようやく誰か分かった。
先輩だ。
「あっ…先輩…お疲れ様です…。」
そう言うと、あんたのせいよ!と言わんばかりの目でキッと睨まれた。
"ちょっといいか"と降谷さんに言われ、シュウと共に廊下に出た。
「闇口さんの事、赤井から聞いた。今まで気付いてやれなくて悪かった。ずっとあの人からパワハラを受けていたんだろう。」
ポケットからスマホを取り出して音声データを再生した。
その内容は先程の給湯室での会話が丸々録音されていた。
「様子がおかしいと思ったからな、俺が様子を伺いながら録音していた。それを安室君に送ったんだ。」
シュウがスマホを取り出して私に見せた。
「そんなにナマエに文句を言えるほど出来るなら、代わりに仕事をしろと言ってやらせてる。
あの人、パソコンとか電気製品はからっきしだから苦戦してるよ。」
「それは…降谷さんや皆さんが大変なんじゃ…。」
「まぁね。でもこれで懲りて次から何も言わなくなれば良いかなって。
だから次同じ目にあったら絶対僕に言うこと。
いいね?なんなら赤井みたいに音声データ送ってくれればきっちり対処するから。」
「わ、分かりました…。」
「それと赤井、これ請求書な。」
「あぁ。すまんな。」
「…もしかして…壁?」
「ん」
「それ私が払います!
元はと言えば私がビンタ避けなかったからだし…!
シュウは助けれてくれただけだから!」
「赤井に払わせとけ。恋人を守るのは当然だ。
僕がその場にいたらきっと同じ事をする。」
降谷さんは可笑しそうに笑った。
てっきり物凄い怒ると思ったのに…。
「安室君………きみ……もしかして……」
「なんだ?」
「いや、なんでもない…。」
シュウが酷く複雑そうな顔をしていた。
「まぁそういう事だから、不本意だけど赤井と明日ゆっくり休め。」
「皆大変な時に…すみません。」
「ある程度目処は経ってるし、そろそろ全員休みを取らせようと思ってたんだ。気に病むな。
頬はもう大丈夫なのか?」
「大丈夫です、ちゃんと冷やしたから。」
そう言ってちらりとシュウを見上げた。
「ならいいけど。」
「安室君、今回の礼に今度酒を飲みに行こう。」
「全部お前の奢りな!」
「勿論」
「クッソ高い店予約してやる。」
「構わんよ。」
「馬鹿、冗談だよ。…早く帰れ。」
「またな、降谷くん。」
「ありがとうございます。」