思いの丈を語って、気持ち的には随分軽くなった気がする。
私は弱い。だからこそこれからも沢山の人に助けられるだろう。
それでも、なるべく助けられる頻度を下げられるようにこれからも頑張ろう。
でも、今だけは、今は思いっきり甘えてみようかな。

そっとシュウとの距離を縮めて服を掴んだ。
「シュウ…。もう一度、私の事…抱いて欲しいって言ったらどうする？」
恥ずかしくて遠回しな言い方になってしまった。
その言葉にシュウの手が少し震えた。
「…嫌、なの？」
「……嫌なワケない。俺が何年望んだと思っている。」
「じゃあ…。」
「本当に、いいのか？2度目も俺で。」
「他の人なんて、やだよ。」
「最後の警告だ。今度は本当は、二度と手放したくなくなる。もう君の前で格好がつかなくなる。
今まで以上に束縛をしてしまうかもしれない。」
「何を躊躇ってるの？」
シュウの声からは、どこか怖がっているような気もした。
「すまない、嬉しいんだ。凄く嬉しい。

だけど、あの頃と違って俺の手は汚れてしまった。
何人もの人を殺したし、組織内で這い上がるためにはなんでもした。
そんな俺の手で、ナマエを汚してしまうかもしれないと思うと…ずっと手を出すべきか迷っていた。」
「前にシュウは、私が昔の赤井秀一に囚われているんじゃないかって。逆でしょう。
あの頃と同じでいようとシュウこそ囚われ過ぎてる。
私だって下衆な事は色々した。
シュウと同じで狙撃手だから、何人も殺した。
私だって一緒だよ。

…私ね、死ぬかもって思ったらシュウの顔が浮かんだ。昔のじゃなくて、今のシュウの顔。
それと、最期に願ったのは"今の"シュウに抱いて欲しいって思った。」
彼がどんな顔をしているか分からない。けど、私の頬をそっと撫でると優しくキスをされた。
それが深いものに変わるのにはそれほど時間はかからなかった。
興奮もあるけど、相変わらず息継ぎが下手なせいで呼吸が酷く乱れる。
それを案じたのか、キスをやめて服の上から撫でるように胸を触った。
服を脱がす事も無く、胸の形を確かめるように撫でたり軽く揉むだけ。
肝心の気持ち良い部分は下着のせいで刺激は与えられていない。
もどかしい。
起き上がってTシャツと肌着を脱ぎ捨てた。
そこで思いの外自分が汗ばんでたと分かる。
汗臭くないかな…なんて心配になる。
ベッドに改めて横になるとシュウも上着を脱いだようで素肌に触れた。
彼の胸板も思ったより汗ばんでいた。
ぺたぺたと触ってベタつく感覚を楽しんでいるとギュッと強く抱きしめられた。
「ヤバイな。」
珍しく上擦った声が頭上から聞こえた。
「興奮しすぎてどうにかなりそうだ。助けてくれ。」
冗談かとおもったが、身体は酷く熱いし胸を響く心音が異常に早い。
何より彼のモノが私の太ももに当たるたびにビクビクしているのが分かる。
あぁ、彼の興奮している顔が見えないのが残念だ。
見たい。どんな顔をしているの？
私に対してどんな目をしているの？

彼をもっと乱して見たくなって、ズボンの上からモノを上下に撫でた。
「ｯ…。」
無意識なのか、腰が動いて私の手に擦り付けているようだった。
「…待ってくれ、一旦触るのはやめてくれ。
果てるのは君の中にしたい。」
ちょっと触っただけで…。
なんだか可愛く思ってしまって笑みが零れた。
「笑うなよ。ずっと想像していた事が現実になっているんだ。17年、こうしたいとどれ程願ったか。」
「ごめん、こんなに余裕なくしちゃうんだなって…意外で。」
「当然だ。俺の愛を嫌という程分からせてやる。
いいか、もう痛いと言っても止めてやらないぞ。」
「何があっても、止めないで。」

その言葉に急にスイッチが入ったようだ。
優しく丁寧に胸を愛撫してから
胸の突起を舌で転がされ、気持ちよさに震えた。
どれくらい舐められたか。
唾液で濡れてスースーする。
その空気すら感じる位に刺激された。
ただ、胸以上に下着のクロッチはまるで漏らしたかのように濡れていた。
そこを触って欲しいのに、次に触れたのは大腿の内側。
ゆっくり撫でられてくすぐったいのか気持ち良いのか変な感覚に陥った。
「待って、シュウ…そんなに、じらさﾝｯ…ない…で？」
「もっと気持ちよくなってからな。」
下着越しにさらっと敏感な部分を撫でられた。
それだけで腰が浮いて身体は反応してしまう。
首や胸、あちこちに唇を這わされた。
リップ音と私の歓喜の声が部屋に響いて恥ずかしくなる。空調の音は小さくてかき消してはくれない。
「一緒に、一緒に気持ちよく、なろ？」
「はー……」
胸元で深いため息が聞こえた。
「2度目はもっと大事に抱いてやろうと思っていたのに。」
充分焦らされたし、焦らされすぎて秘部がジンジンするくらい興奮して濡れていた。
これ以上大事に、というか焦らされたらおかしくなりそうだった。

「足を開け。」
薄い布団で身体を少し隠しつつ、そっと足を開いた。
シュウの両手がしっかりと私の太腿を掴んだ。
これはどう頑張っても足閉じれない。
「ﾋﾔｧｧ！」
突起やヒダを舐められて思わず声が上がった。
舌のザラザラが這い回る感覚はなんとも言いようがないほど気持ちよかった。
気持ちよさに震えているとナカに舌が入ってきた。
「そんな、とこ！だめぇぇ！舌ｯ！アァ」
舌を優しく出し入れされて気持ち良い。
すぐにでも足を閉じたいけど、シュウがホールドしているからそれは無理だった。
そのうち舌がナカの気持ち良い部分を刺激した。
私の反応からイイ所を察知したようだった。
「もう、舌は良いから、早くﾝｯ…欲しい！」
「ゴム…付ける…から、少し…待ってくれ。」
シュウも呼吸が乱れて上手く話せないようだった。

1度しか経験のない私の下半身できちんと満足させてあげられるんだろうか。

入口にシュウのモノがあてがわれた。
それだけで熱が私に伝わってくる。
「少しずつ、挿れる。無理だったら殴ってでも押しのけろ。俺はもう優しく出来ないかもしれない。」
頷いてシュウの太い腕を掴んだ。
「ｯ！」
先だけだというのにナカを押し広げられる圧迫感と痛みが襲った。
でも、この程度なら我慢出来る。
「痛いな？…息をゆっくり吐いてくれ。」
スーハー、スーハー…スー「ああぁ！」
息を吸った瞬間更にナカに入ってきた。
「ぜ、ぜんぶ…はいった？」
「いや、中盤だな。」
「うそ…！？」これ以上、入るの？
「大丈夫だ。ナマエは昔、奥が気持ち良いと言っていた。もう少し入れば感覚が違うかもしれない。」
どこが良かったとか、正直全く覚えてないけど、これ以上私の断末魔を聞かせる訳にはいかない。
両手で口を塞いだ。
「声は出しておけ。その方が痛みは和らぐ。」
「うるさく、しちゃうかも…。」
「そんな事はない。」
そう言うと同時に、奥にぐっと入ってきた。
今度は声も上がらなかった。
痛みはあったけど、気持ち良いような、ふわっとした感覚。
「…意識はあるか？」
「…あ…る…」
「俺の背中をしっかりと掴んでおけ。爪をたててもかまわない。」
覆い被さるシュウの背中に腕を回した。
シュウの背中は硬くて、大きくて、温かくて安心感がある。それと同時に男らしさを感じて胸がキュンとした。
「動くぞ。」
出し入れというより、ナカをかき混ぜられているようだった。
「ﾝ…そこ、気持ち良い…かも…。」
痛みもあったけど、奥を突かれる快感にクラクラする。
「そうか。やはり変わらないな。」
ナカを上下に刺激され、"きもちいい"としか言葉が出なくなった。
そのうちに快感の波が押し寄せて、ナカがキュッと締まったのが分かった。
「そん…な…締めるな…！ｯ！」
「ああっ！」
達している最中にシュウのモノの拍動を感じてしまい、2度イク事になった。
「俺も同時にイってしまった。」
想定外だったのか、少し腑抜けたような声が聞こえた。
見たい！シュウがイった後の顔、見たい！

「あ。」

シュウと、目が合った。
いや、今まで目が合ってたのかもしれないけど、今、見えた。
「シュウ…秀一…ｯ！」
涙が溢れて視界がまたぼやけたけど、確実に見えた。
それを察したのだろう。髪が乱れて目にかかっていたけど、目に薄ら涙が見えた気がした。
「良かったな。」
矛盾しているかもしれないが、目は興奮でぎらついているのに、ふわりと柔らかい笑顔を浮かべていた。


「ふふ。シュウのイった後の顔、見ちゃった。」
思わず手で顔を隠してニヤけた。
「…良かった、本当に。」
「シュウのおかげ。ありがとう。」
「…後は足の傷だけだな。足の傷に響かないようには気をつけるよ。」
「えっ。」
「これで終わりだと思ったか？悪いがこの箱使い切るまで付き合ってくれ。」
「えっ、一箱って、それ…何個…。」
「さて、2回戦だ。」
今度は柔らかい笑顔が消え、残ったのは"興奮と、ほんの少し狂気に満ちたような顔"だった。