Put on a happy face
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軽く揺するとナマエはすぐに目を覚ました。
「着いたの?」
欠伸をして少し伸びをしようとしたのだろう。
身体を動かした瞬間、足に痛みが走ったようで顔を歪ませた。
やはりこのまま歩かせる訳にはいかないな。
再度自分の肩に手を回させようとしたが、やはり恥ずかしいと抵抗した。
「暴れるな、傷に響く。」
抵抗出来ないよう腕を抑え込んで持ち上げ車から引きずり下ろす。
身動きが取れないのを分かったらしく、すぐに大人しくなった。
風見君が事前に手配をしたのだろう、
院内に入ると即座に検査が行われ手術室へと運ばれた
。
彼女が手術室から戻ってくるまでの間、風見と共に医師の説明を聞く。
「鼓膜は破れていません。目も瞳孔を開いて見ましたが、問題はなさそうです。
あと2〜3日で治るかと思います。」
その言葉に心底安堵した。
「足は幸い骨折はなく銃創だけですね。
開放創も深さはそこまでではありませんでした。
先程洗浄して縫合しました。
今、念の為抗生剤を点滴しています。
弾は取り除かれた後のようでした。
綺麗に取り除いてあったので、鉛中毒の心配はないかと。
とりあえず、このまま入院した方が良いでしょうね。」
「そうですか。よろしくお願いします。」
風見が深々と頭を下げた。
彼女の部屋から着替えでも取ってこようか…。
そう思っていると隣の部屋からナマエのごねる声が聞こえた。
「入院は、したくないんです!家で大丈夫です!
自宅なら手探りでなんとかなりますから!」
処置室を覗くと看護師が手のひらに文字を書いて必死に宥めている。
風見が先程と同じく、肩をトントンとつついて会話をする。
「私、病院苦手なんです。だって…だって…病院って…
幽霊、出るって言うでしょ。」
「ンン」思いがけない理由に思わず笑ってしまいそうになった。
なんだ子供みたいなその理由は。
そもそも聞こえも見えもしないのだから大丈夫では?
「そうだなぁ…。まぁそこまで傷が深いものではないし、そんなに嫌なら…誰かに付き添って貰えるならこちらはそれでも構わないですよ。
2日後にまた見せに来てもらえれば。」
医師の言葉に仕方がない、といったように風見が額をおさえ再度彼女に説明を始めた。
「付き添って貰わなくて良いです!
風見さんに迷惑かけられないし、降谷さんなんてもってのほか!特に忙しいんですから。
私は薬飲んで寝てれば治ります!」
風見や降谷の家に彼女が…?
想像しただけで不愉快だ。
有り得ないとは思うが、それがきっかけで男女の仲になったら?
考えただけで吐きそうだ。
傷が治るまで、ではなく一生自分の手元に閉じ込めてしまいたい。
今回のように事件に巻き込まれて、大怪我を負ったり死んでしまうかもしれない。
彼女を失うなんて考えたくもない。
拳を握りしめて膨れ上がる独占欲を抑え込む。
とにかく、せっかく自分の腕に戻ってきた彼女をおいそれと渡す気はない。
「彼女の身は僕が預かります。」
ナマエを後ろから抱きしめるようにしっかりと腕をまわした。
「貴方はダメです!彼女はこちら側の人間だ。
そもそも貴方がこうして関わっている事自体異端だ。」
「風見さん、貴方には彼女を渡したくない。
勿論"彼"にも。
絶対に。」
「コミュニケーションがそもそも取れないでしょう。どうするんですか。」
「問題ありません。見ていれば、彼女の行動は手に取るように分かる。」
「……。」
「それに…」
彼女の手のひらに文字を書く。
『My house』
「…昴の家に?」
「遠慮することはない。」
彼女の耳元で囁くと、伏し目がちに頷いた。
「決まりだな。」
「…今、聞こえないのにどうやって会話したんですか?」
「…愛の力、ですよ。」
にっこり笑って看護師から薬を受け取ると彼女が乗った車椅子を押した。
「着いたの?」
欠伸をして少し伸びをしようとしたのだろう。
身体を動かした瞬間、足に痛みが走ったようで顔を歪ませた。
やはりこのまま歩かせる訳にはいかないな。
再度自分の肩に手を回させようとしたが、やはり恥ずかしいと抵抗した。
「暴れるな、傷に響く。」
抵抗出来ないよう腕を抑え込んで持ち上げ車から引きずり下ろす。
身動きが取れないのを分かったらしく、すぐに大人しくなった。
風見君が事前に手配をしたのだろう、
院内に入ると即座に検査が行われ手術室へと運ばれた
。
彼女が手術室から戻ってくるまでの間、風見と共に医師の説明を聞く。
「鼓膜は破れていません。目も瞳孔を開いて見ましたが、問題はなさそうです。
あと2〜3日で治るかと思います。」
その言葉に心底安堵した。
「足は幸い骨折はなく銃創だけですね。
開放創も深さはそこまでではありませんでした。
先程洗浄して縫合しました。
今、念の為抗生剤を点滴しています。
弾は取り除かれた後のようでした。
綺麗に取り除いてあったので、鉛中毒の心配はないかと。
とりあえず、このまま入院した方が良いでしょうね。」
「そうですか。よろしくお願いします。」
風見が深々と頭を下げた。
彼女の部屋から着替えでも取ってこようか…。
そう思っていると隣の部屋からナマエのごねる声が聞こえた。
「入院は、したくないんです!家で大丈夫です!
自宅なら手探りでなんとかなりますから!」
処置室を覗くと看護師が手のひらに文字を書いて必死に宥めている。
風見が先程と同じく、肩をトントンとつついて会話をする。
「私、病院苦手なんです。だって…だって…病院って…
幽霊、出るって言うでしょ。」
「ンン」思いがけない理由に思わず笑ってしまいそうになった。
なんだ子供みたいなその理由は。
そもそも聞こえも見えもしないのだから大丈夫では?
「そうだなぁ…。まぁそこまで傷が深いものではないし、そんなに嫌なら…誰かに付き添って貰えるならこちらはそれでも構わないですよ。
2日後にまた見せに来てもらえれば。」
医師の言葉に仕方がない、といったように風見が額をおさえ再度彼女に説明を始めた。
「付き添って貰わなくて良いです!
風見さんに迷惑かけられないし、降谷さんなんてもってのほか!特に忙しいんですから。
私は薬飲んで寝てれば治ります!」
風見や降谷の家に彼女が…?
想像しただけで不愉快だ。
有り得ないとは思うが、それがきっかけで男女の仲になったら?
考えただけで吐きそうだ。
傷が治るまで、ではなく一生自分の手元に閉じ込めてしまいたい。
今回のように事件に巻き込まれて、大怪我を負ったり死んでしまうかもしれない。
彼女を失うなんて考えたくもない。
拳を握りしめて膨れ上がる独占欲を抑え込む。
とにかく、せっかく自分の腕に戻ってきた彼女をおいそれと渡す気はない。
「彼女の身は僕が預かります。」
ナマエを後ろから抱きしめるようにしっかりと腕をまわした。
「貴方はダメです!彼女はこちら側の人間だ。
そもそも貴方がこうして関わっている事自体異端だ。」
「風見さん、貴方には彼女を渡したくない。
勿論"彼"にも。
絶対に。」
「コミュニケーションがそもそも取れないでしょう。どうするんですか。」
「問題ありません。見ていれば、彼女の行動は手に取るように分かる。」
「……。」
「それに…」
彼女の手のひらに文字を書く。
『My house』
「…昴の家に?」
「遠慮することはない。」
彼女の耳元で囁くと、伏し目がちに頷いた。
「決まりだな。」
「…今、聞こえないのにどうやって会話したんですか?」
「…愛の力、ですよ。」
にっこり笑って看護師から薬を受け取ると彼女が乗った車椅子を押した。