Put on a happy face
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
せめて武器になるものを探したい。
とりあえず、ベッドの上には何も無い。
その場で手を伸ばした所で何も触れなかった。
近くに誰かいるかもしれないが、一か八か。
ベッドからそっと降りてゆっくりしゃがんだ時、床か大きな振動を感じた。
何か重たいものでも倒れたか?
なんだ?何が起きた?
とりあえず目の前のものを触ろうとした瞬間、凄い勢いで誰かに抱きしめられた。
反射的に突き飛ばしかけたが一瞬で誰か分かった。
"彼"だ と。
暗い暗いひとりぼっちの部屋の中で、唯一の扉からようやく光が漏れ出てきたような感覚だった。
固くて分厚い胸板。
背中を支える太く逞しい腕。
無骨だけど繊細な手。
私の頬を撫でるウィッグのヘア。
そして鼻腔をくすぐるのはいつもの煙草の匂いとアンバー系統のラストノート。
その奥に微かに汗の匂いを感じる。
震えているのかと思うくらい肩から息をしていて、汗が服に張り付いていた。
恐らく汗であろう水滴が1滴、私の肩に落ちた。
私の首筋にかかる息が少しだけくすぐったい。
よっぽど急いで来てくれたんだろう。
来てくれた事がとても嬉しかった。
でもそれと同時に自分の弱さを嫌でも実感した。
彼に守って貰わないといけないくらい自分は弱かったのかと。
この17年間ずっと一人で上手くやれていたと思っていたのに。
前に狙撃を手伝ってもらった事も、
熱を出して助けてもらった事もある。
そして今回もまた助けられた。
「ごめ…ごめんなさい…。ごめんなさい…。弱くて…ごめんなさ…ぃ…。」
泣いているし自分の声が聞こえていないので、正確に発音できているのか分からなかったが昴の抱きしめる力は強くなった。
涙が溢れて止まらない。何が公安だ。
何が"ゼロ"だ。これでは降谷さんの足元にも及ばない。公安失格だ。
昴の胸に置いた手の振動から、何か言われていると気付いた。
「ごめん、今閃光弾のせいで耳も聞こえないし、何も見えてないの…。目の前も真っ白で…。」
そう言うと私を安心させる為なのか軽く背中をポンポンと叩いた。腕を肩に回すよう促されたのでしっかりと掴まった。
「うわ!」
いきなり身体が浮く感覚に少し怖くなったが、私を落とす事は絶対に無いだろう。
肩にしがみついて身体を預けた。
思ったよりすぐに急に冷たい風を感じた。
思わず寒くて身震いする。
すると背後からバスタオルのようなものをかけられた。
「ん?」
誰かが私の背中を軽くつついた。
公安オリジナルのモールス信号だった。
『か・ざ・み』
「あ…風見さん…ご迷惑おかけしました。
犯人は、どうなりましたか?」
『だ・い・じょ・う・ぶ』
「良かった。」
私の手のひらに昴が何かを書いた。
✕マーク?いや、十字架か?
あ、もしかして…
「病院?」正解だったらしい。
私の手のひらに丸が書かれた。
「OK、じゃあ車に。…昴、そろそろ降ろして?恥ずかしいし。」
そう言ったが一向に降ろす気配はなく、そのまま車に乗せられた。
席に座らされ、シートベルトを止めると左手に昴の手が絡んできた。
「恥ずかしいし、ダメ。」
そう言ったが手の力は緩まなかった。
でも、正直落ち着く。
風見さんにこの様子を見られているかもしれないけど、耳も目も使えない今は安心感でしかない。
車の振動に揺られてそっと目を閉じた。
とりあえず、ベッドの上には何も無い。
その場で手を伸ばした所で何も触れなかった。
近くに誰かいるかもしれないが、一か八か。
ベッドからそっと降りてゆっくりしゃがんだ時、床か大きな振動を感じた。
何か重たいものでも倒れたか?
なんだ?何が起きた?
とりあえず目の前のものを触ろうとした瞬間、凄い勢いで誰かに抱きしめられた。
反射的に突き飛ばしかけたが一瞬で誰か分かった。
"彼"だ と。
暗い暗いひとりぼっちの部屋の中で、唯一の扉からようやく光が漏れ出てきたような感覚だった。
固くて分厚い胸板。
背中を支える太く逞しい腕。
無骨だけど繊細な手。
私の頬を撫でるウィッグのヘア。
そして鼻腔をくすぐるのはいつもの煙草の匂いとアンバー系統のラストノート。
その奥に微かに汗の匂いを感じる。
震えているのかと思うくらい肩から息をしていて、汗が服に張り付いていた。
恐らく汗であろう水滴が1滴、私の肩に落ちた。
私の首筋にかかる息が少しだけくすぐったい。
よっぽど急いで来てくれたんだろう。
来てくれた事がとても嬉しかった。
でもそれと同時に自分の弱さを嫌でも実感した。
彼に守って貰わないといけないくらい自分は弱かったのかと。
この17年間ずっと一人で上手くやれていたと思っていたのに。
前に狙撃を手伝ってもらった事も、
熱を出して助けてもらった事もある。
そして今回もまた助けられた。
「ごめ…ごめんなさい…。ごめんなさい…。弱くて…ごめんなさ…ぃ…。」
泣いているし自分の声が聞こえていないので、正確に発音できているのか分からなかったが昴の抱きしめる力は強くなった。
涙が溢れて止まらない。何が公安だ。
何が"ゼロ"だ。これでは降谷さんの足元にも及ばない。公安失格だ。
昴の胸に置いた手の振動から、何か言われていると気付いた。
「ごめん、今閃光弾のせいで耳も聞こえないし、何も見えてないの…。目の前も真っ白で…。」
そう言うと私を安心させる為なのか軽く背中をポンポンと叩いた。腕を肩に回すよう促されたのでしっかりと掴まった。
「うわ!」
いきなり身体が浮く感覚に少し怖くなったが、私を落とす事は絶対に無いだろう。
肩にしがみついて身体を預けた。
思ったよりすぐに急に冷たい風を感じた。
思わず寒くて身震いする。
すると背後からバスタオルのようなものをかけられた。
「ん?」
誰かが私の背中を軽くつついた。
公安オリジナルのモールス信号だった。
『か・ざ・み』
「あ…風見さん…ご迷惑おかけしました。
犯人は、どうなりましたか?」
『だ・い・じょ・う・ぶ』
「良かった。」
私の手のひらに昴が何かを書いた。
✕マーク?いや、十字架か?
あ、もしかして…
「病院?」正解だったらしい。
私の手のひらに丸が書かれた。
「OK、じゃあ車に。…昴、そろそろ降ろして?恥ずかしいし。」
そう言ったが一向に降ろす気配はなく、そのまま車に乗せられた。
席に座らされ、シートベルトを止めると左手に昴の手が絡んできた。
「恥ずかしいし、ダメ。」
そう言ったが手の力は緩まなかった。
でも、正直落ち着く。
風見さんにこの様子を見られているかもしれないけど、耳も目も使えない今は安心感でしかない。
車の振動に揺られてそっと目を閉じた。