Put on a happy face
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それから2週間位経っただろうか。
ぼんやりとだが、犯罪組織の規模が分かってきた。
やはり世界中に日本の女の子達が売られているようで、日本だけではどうにも調査し切れない部分はある。
日本国内でもその犯罪組織が関わった事件は、証拠となりそうなものは片っ端燃やされているようだった。
今の所、末端しか捕まっていないし組織の上役は全く分からない。
何も、逮捕の決定打はない。
「1名様来店です。」
ぼんやりと考えこんでいたが、メイクルームにまでボーイの声がはっきり聞こえた。
「ご指名だって。行ける?」
イヤモニから指示が聞こえたんだろう。
店長に声をかけられた。
「勿論です。」
真っ赤なピンヒールを履き、少し伸びをした。
ネイビーのワンピースの裾を直し店内へと向かった。
ソファーの後ろからでも誰か分かってしまった。
ま・た・か!!!
内心悪態をつきつつニッコリ笑って声をかけた。
「こんばんは。またいらしてくれたんですね!沖矢さん!」
「えぇ、レイさんが気になってまた来てしまいました。」
また私をからかいに来たのか?
でも、そこら辺の変態を相手するよりはずっと良い。諦めて呑むことにした。
グラスに氷を入れてウィスキーの水割りを作った。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。
…その服や化粧、大変お似合いですよ。」
「ありがとうございます。」
引き攣りそうな頬をなんとか動かして笑顔を作った。
「本当に美しい方ですね。
貴女をどのように口説いたら、自分のものになって下さるのか…
大変興味があります。」
薄ら開けた目で私の目を見つめながら囁いた。
「またまた。恋人が悲しみますよ?
昴さん程魅力的な男性ならいるでしょう?」
「えぇ、実はいるんですよ。恋人。
でも最近は全く音沙汰がなくて…寂しい限りです。
電話すらくれなくて。」
切ない昴の顔が美しいと思ってしまった。
それに、上辺の会話だとしても赤井秀一に寂しいって言って貰えるのは内心嬉しい。
「し…仕事とか、忙しいのでは?」
「恐らくそうでしょうね。
…分かってはいるんですよ。
彼女は仕事をとても大事にしていますから。
それでも、我儘を言ってしまいたくなる位に恋人を愛しているんでね。」
「ヒエェ」喉から変な声が出た。
慌てて咳払いをしてなんとか取り繕う。
「じ、じゃあそんなに恋人を愛しているなら尚更ここに来ない方が。」
「…そうですね。残念ですが、今日でここに来るのは最後にします。
僕の恋人がさっさと戻ってくる事を祈ってます。
じゃあ、願掛けに。
アルマンドのロゼ、下さい。」
昴が急にボーイに声をかけた。
しかもそのボーイは風見だった。
「か、かしこまりました。」
待って!!風見さぁん!!注文やめてぇぇ!
なんて叫べるはずもなく、ニコニコソファーに座っているしかなくなった。
「すばるさぁ〜ん??」
前に言ったけど?犯罪組織に金を渡す事になるからダメだって。
「ロゼの瓶はピンクだ。ピンク色、好きでしょう?」
そういう問題じゃないですー!!
「最後ですから、多めに見て下さい。ね。」
「ね、じゃないのよ。」
思わずツッコミを入れた時風見さんがシャンパンを持ってきた。
ピンクの光沢のあるボトルに、スペードのマーク。
マークの中にはAの文字。
飾っておきたいくらい確かに見た目は可愛いし、女子ウケしそう。
風見さんがいとも容易く瓶を開け、ポンと良い音がする。
「いくらするかご存知で?」
「この店では6万だったかな。
一応下から2番目を選んだんですよ。
それともアルマンドのブラックか、ドンペリのP3が良かったですか?」
「6万…。6万もあったら何ヶ月分の食費か…。
旅行も行けるよ……。」高すぎる。
「旅行に行きたいんですか?お互い落ち着いたら行きましょうね。」
「そういう事を言ってるんじゃないです。」
「温くなる。せっかくですから呑みましょう。」
「はい。」
昴は数口シャンパンを呑むとタバコを出した。
条件反射のように火を灯す。
昴の口から煙が漏れ、出来るようになったんですねと呟いた。
「当然です。」
「会計お願いします。」
「もう呑まないんですか?」
「後は好きに呑んで構わない。
シャンパンよりもウィスキーの方が好みだ。」
会計を済ませると急に手首を掴まれた。
「僕の右肩を掴んでいて貰えますか?」
言われた通りに昴の肩を左手で掴む。
彼の右手が胸の方伸びると、谷間に1万円札を挟んだ。
その瞬間私の空いている手にメモリースティックを滑り込ませた。
なるほど、皆に胸に視線をいかせてこれを手渡したかったのか。
メモリースティックをしっかりと握りしめ、席から離れようとする昴に手を振った。
昴も少し振り向きドアの方へ向かおうとしたが店から出る事は叶わなかった。
ぼんやりとだが、犯罪組織の規模が分かってきた。
やはり世界中に日本の女の子達が売られているようで、日本だけではどうにも調査し切れない部分はある。
日本国内でもその犯罪組織が関わった事件は、証拠となりそうなものは片っ端燃やされているようだった。
今の所、末端しか捕まっていないし組織の上役は全く分からない。
何も、逮捕の決定打はない。
「1名様来店です。」
ぼんやりと考えこんでいたが、メイクルームにまでボーイの声がはっきり聞こえた。
「ご指名だって。行ける?」
イヤモニから指示が聞こえたんだろう。
店長に声をかけられた。
「勿論です。」
真っ赤なピンヒールを履き、少し伸びをした。
ネイビーのワンピースの裾を直し店内へと向かった。
ソファーの後ろからでも誰か分かってしまった。
ま・た・か!!!
内心悪態をつきつつニッコリ笑って声をかけた。
「こんばんは。またいらしてくれたんですね!沖矢さん!」
「えぇ、レイさんが気になってまた来てしまいました。」
また私をからかいに来たのか?
でも、そこら辺の変態を相手するよりはずっと良い。諦めて呑むことにした。
グラスに氷を入れてウィスキーの水割りを作った。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。
…その服や化粧、大変お似合いですよ。」
「ありがとうございます。」
引き攣りそうな頬をなんとか動かして笑顔を作った。
「本当に美しい方ですね。
貴女をどのように口説いたら、自分のものになって下さるのか…
大変興味があります。」
薄ら開けた目で私の目を見つめながら囁いた。
「またまた。恋人が悲しみますよ?
昴さん程魅力的な男性ならいるでしょう?」
「えぇ、実はいるんですよ。恋人。
でも最近は全く音沙汰がなくて…寂しい限りです。
電話すらくれなくて。」
切ない昴の顔が美しいと思ってしまった。
それに、上辺の会話だとしても赤井秀一に寂しいって言って貰えるのは内心嬉しい。
「し…仕事とか、忙しいのでは?」
「恐らくそうでしょうね。
…分かってはいるんですよ。
彼女は仕事をとても大事にしていますから。
それでも、我儘を言ってしまいたくなる位に恋人を愛しているんでね。」
「ヒエェ」喉から変な声が出た。
慌てて咳払いをしてなんとか取り繕う。
「じ、じゃあそんなに恋人を愛しているなら尚更ここに来ない方が。」
「…そうですね。残念ですが、今日でここに来るのは最後にします。
僕の恋人がさっさと戻ってくる事を祈ってます。
じゃあ、願掛けに。
アルマンドのロゼ、下さい。」
昴が急にボーイに声をかけた。
しかもそのボーイは風見だった。
「か、かしこまりました。」
待って!!風見さぁん!!注文やめてぇぇ!
なんて叫べるはずもなく、ニコニコソファーに座っているしかなくなった。
「すばるさぁ〜ん??」
前に言ったけど?犯罪組織に金を渡す事になるからダメだって。
「ロゼの瓶はピンクだ。ピンク色、好きでしょう?」
そういう問題じゃないですー!!
「最後ですから、多めに見て下さい。ね。」
「ね、じゃないのよ。」
思わずツッコミを入れた時風見さんがシャンパンを持ってきた。
ピンクの光沢のあるボトルに、スペードのマーク。
マークの中にはAの文字。
飾っておきたいくらい確かに見た目は可愛いし、女子ウケしそう。
風見さんがいとも容易く瓶を開け、ポンと良い音がする。
「いくらするかご存知で?」
「この店では6万だったかな。
一応下から2番目を選んだんですよ。
それともアルマンドのブラックか、ドンペリのP3が良かったですか?」
「6万…。6万もあったら何ヶ月分の食費か…。
旅行も行けるよ……。」高すぎる。
「旅行に行きたいんですか?お互い落ち着いたら行きましょうね。」
「そういう事を言ってるんじゃないです。」
「温くなる。せっかくですから呑みましょう。」
「はい。」
昴は数口シャンパンを呑むとタバコを出した。
条件反射のように火を灯す。
昴の口から煙が漏れ、出来るようになったんですねと呟いた。
「当然です。」
「会計お願いします。」
「もう呑まないんですか?」
「後は好きに呑んで構わない。
シャンパンよりもウィスキーの方が好みだ。」
会計を済ませると急に手首を掴まれた。
「僕の右肩を掴んでいて貰えますか?」
言われた通りに昴の肩を左手で掴む。
彼の右手が胸の方伸びると、谷間に1万円札を挟んだ。
その瞬間私の空いている手にメモリースティックを滑り込ませた。
なるほど、皆に胸に視線をいかせてこれを手渡したかったのか。
メモリースティックをしっかりと握りしめ、席から離れようとする昴に手を振った。
昴も少し振り向きドアの方へ向かおうとしたが店から出る事は叶わなかった。