Put on a happy face
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潜入捜査の心構えを聞こうと降谷さんに電話したものの、返答は素っ気なかった。
降谷さん曰く、仕事中は
"下世話な話は適当に誤魔化せ。しかし時折真実を言え"
"恋人を見つめるような目で相手を見ろ"
"何か強請りたい時は相手の耳元で言え"
"嫌な事があっても絶対に顔に出すな、耐えろ"
だそう。
とうとう潜入当日になってしまった。
「緊張するなぁ。」
「いらっしゃぁーい。」
店に入った途端、店長と見られる大柄な男が小走りで近づいてきた。
筋骨隆々、頭は坊主だが話し方がオネェっぽい。
仕草もどことなく女性らしさがある。
「私が店長よぉー。店長って呼んでくれれば良いから。今日からよろしくね。
源氏名はレイちゃんだっけ?」
「そうです、よろしくお願いします。」
「それじゃあ他の子紹介するわね。」
同じキャバ嬢の女の子を紹介された。
全部で10名程いるらしい。
皆さん華やかで綺麗な格好をしている。
「じゃあメイクルーム行きましょうね。」
廊下の奥に部屋がある。あそこか。
廊下を歩いて部屋に入る直前、ぱっと上を見た。
"マ ズ イ"
慌ててイヤリングを外して握りつぶした。
「あら、どうしたの?」
「イヤリングしてたんですけど、慣れないから耳痛くなっちゃって。外しました。」
「あら、そうなの?ほんとね、少し耳が赤いわ。
今日は耳にアクセサリーつけるのやめましょうね。」
…あっぶなー!!
メイクルームに入る前、天井に見つけたのは盗聴器の発見機。盗聴器つけているのをバレたら即日クビではすまないだろう。
盗聴している風見さん達はビックリしているだろう。
ちなみに風見さんはまた別日に潜入するらしい。
部屋の中にはドレスやメイク用品、靴が並んでいた。
「このお店ではね、何も持ってくる必要はないの。
ドレスや靴は店が全て貸してあげる。
私ね、ヘアメイクの資格持ってて、私が全て皆のメイクとヘアをやっているのよ。
着けたかったらアクセサリーは着けてきても良いわよ。まぁここのお店ではアクセサリーを客が買って渡す事が多いから、それを着けても良いし。
今に沢山プレゼントされるわよ。
楽しみにしてなさぁ〜い!」
「そうなんですか。」
「それとね、この部屋に入る前に盗聴器発見機があるの。客からのプレゼントに盗聴器が仕込まれている事があるから、皆を守るためにつけているの。」
「そ、そうなんですか。」
そう言っても、盗聴器の発見機はそこの1箇所だけではない。このメイクルームにも2つくらいある。
それと、監視カメラも。カメラは何台ついているんだ…?5か?いや6だな。
「キョロキョロしちゃって、緊張してるの?可愛い♡じゃあさっそくメイクするわねー。
貴女、お肌綺麗ねー!
メイクもあんまり濃くしなくてよさそう。
どこかのハーフ?それとも外国出身?」
「父が、アメリカ人だったらしいです。でも早くから捨てられたので、親の事は詳しく知りません。
写真が1枚あるくらいですから。」
「あら、親戚はいないの?」
「身内はいませんね、天涯孤独というやつでしょうか。ずっと施設で育ちました。」
どんなに調べてもバレないよう、適当な戸籍を作ったし施設にも話を通してある。
自分の子供の頃の写真を渡しておいたので、万が一店の奴らが訪ねてきても、それを見せるように言ってある。
「そう。」
「昼の仕事もしていたんですが、なんか全てが嫌になっちゃって。私、沢山お金を稼いでアメリカに行きたいんです!母は亡くなっていたので、父を探して会ってみたいんです。」
「夢は大事よ!こうしたいって想いは人を突き動かす。…アメリカ、行けるといいわね。」
「えぇ…ありがとうございます。」
髪は程よく華美にまとめあげてくれている。
少し濃いめのアイメイクに、真っ赤なリップ。
爪には綺麗なネイルチップ。
初めて足を通したハイヒールは違和感しかない。
「綺麗よー!そうねぇ、せっかくだから清純系で売りなさい。枕営業はしちゃダメよ。
ねぇ、貴女男性経験は?何人?」
「1人だけです。」
「あらぁ。じゃあ、処女みたいなものね。男性経験がない、ウブな子を演じなさい。」
店長が私に甘ったるい匂いの香水を少しかけた。
「これはね、少しだけ媚薬が入ってるの。
貴女にも少し効いてしまうけど、我慢してね?
揮発したら時折かけてあげるから。
2、3時間したら来なさい。」
「分かりました。」
まずい、ある程度媚薬に耐性があるのでこの香水をかけられて何も反応なしでは怪しまれるかもしれない。
ここは、効いているふりをするしかない。
「私にもかけてください!」
他の子が来たので横に避けると女の子が香水を2回ほどふりかけた。
「はー!やば!この香りほんっと癖になるのよね。あー、下半身ムズムズする。いいわー。
この香水、店以外でもつけられたら良いのに。」
「ごめんね、この香水は門外不出なのよ。」
「ざーんねん。はぁ…行ってきまーす♡」
少し蕩けた顔をして部屋を出ていった。
なるほど、効くとあんな感じになるのか。
「あら、貴女緊張してる?あんまり効いてなさそう?」
「あっ、えっと…あんまり感じた事ない感覚で…。」
「緊張もあるかもしれないわね。大丈夫、リラックスして。」
目を瞑って脳裏に昴やシュウの顔を浮かべる。
少し潤んだ瞳にして店長を見上げた。
「良い顔ね。いってらっしゃい。」
初めて履いたハイヒールはバランスをとるのが難しかった。
ほんの少しふらつくが一応鍛えているのでなんとかカバーする。
「ここ、入って!」
確かこの人はナンバーワンだったか。
「は、初めまして。今日入った、レイです。」
「レイちゃん?可愛いね〜。黒髪の子、俺好きよ。一緒に呑も!」
何人かの客を相手にしたが一晩だけでどっと疲れが押し寄せてきた。
「また明日もか…。」
降谷さん曰く、仕事中は
"下世話な話は適当に誤魔化せ。しかし時折真実を言え"
"恋人を見つめるような目で相手を見ろ"
"何か強請りたい時は相手の耳元で言え"
"嫌な事があっても絶対に顔に出すな、耐えろ"
だそう。
とうとう潜入当日になってしまった。
「緊張するなぁ。」
「いらっしゃぁーい。」
店に入った途端、店長と見られる大柄な男が小走りで近づいてきた。
筋骨隆々、頭は坊主だが話し方がオネェっぽい。
仕草もどことなく女性らしさがある。
「私が店長よぉー。店長って呼んでくれれば良いから。今日からよろしくね。
源氏名はレイちゃんだっけ?」
「そうです、よろしくお願いします。」
「それじゃあ他の子紹介するわね。」
同じキャバ嬢の女の子を紹介された。
全部で10名程いるらしい。
皆さん華やかで綺麗な格好をしている。
「じゃあメイクルーム行きましょうね。」
廊下の奥に部屋がある。あそこか。
廊下を歩いて部屋に入る直前、ぱっと上を見た。
"マ ズ イ"
慌ててイヤリングを外して握りつぶした。
「あら、どうしたの?」
「イヤリングしてたんですけど、慣れないから耳痛くなっちゃって。外しました。」
「あら、そうなの?ほんとね、少し耳が赤いわ。
今日は耳にアクセサリーつけるのやめましょうね。」
…あっぶなー!!
メイクルームに入る前、天井に見つけたのは盗聴器の発見機。盗聴器つけているのをバレたら即日クビではすまないだろう。
盗聴している風見さん達はビックリしているだろう。
ちなみに風見さんはまた別日に潜入するらしい。
部屋の中にはドレスやメイク用品、靴が並んでいた。
「このお店ではね、何も持ってくる必要はないの。
ドレスや靴は店が全て貸してあげる。
私ね、ヘアメイクの資格持ってて、私が全て皆のメイクとヘアをやっているのよ。
着けたかったらアクセサリーは着けてきても良いわよ。まぁここのお店ではアクセサリーを客が買って渡す事が多いから、それを着けても良いし。
今に沢山プレゼントされるわよ。
楽しみにしてなさぁ〜い!」
「そうなんですか。」
「それとね、この部屋に入る前に盗聴器発見機があるの。客からのプレゼントに盗聴器が仕込まれている事があるから、皆を守るためにつけているの。」
「そ、そうなんですか。」
そう言っても、盗聴器の発見機はそこの1箇所だけではない。このメイクルームにも2つくらいある。
それと、監視カメラも。カメラは何台ついているんだ…?5か?いや6だな。
「キョロキョロしちゃって、緊張してるの?可愛い♡じゃあさっそくメイクするわねー。
貴女、お肌綺麗ねー!
メイクもあんまり濃くしなくてよさそう。
どこかのハーフ?それとも外国出身?」
「父が、アメリカ人だったらしいです。でも早くから捨てられたので、親の事は詳しく知りません。
写真が1枚あるくらいですから。」
「あら、親戚はいないの?」
「身内はいませんね、天涯孤独というやつでしょうか。ずっと施設で育ちました。」
どんなに調べてもバレないよう、適当な戸籍を作ったし施設にも話を通してある。
自分の子供の頃の写真を渡しておいたので、万が一店の奴らが訪ねてきても、それを見せるように言ってある。
「そう。」
「昼の仕事もしていたんですが、なんか全てが嫌になっちゃって。私、沢山お金を稼いでアメリカに行きたいんです!母は亡くなっていたので、父を探して会ってみたいんです。」
「夢は大事よ!こうしたいって想いは人を突き動かす。…アメリカ、行けるといいわね。」
「えぇ…ありがとうございます。」
髪は程よく華美にまとめあげてくれている。
少し濃いめのアイメイクに、真っ赤なリップ。
爪には綺麗なネイルチップ。
初めて足を通したハイヒールは違和感しかない。
「綺麗よー!そうねぇ、せっかくだから清純系で売りなさい。枕営業はしちゃダメよ。
ねぇ、貴女男性経験は?何人?」
「1人だけです。」
「あらぁ。じゃあ、処女みたいなものね。男性経験がない、ウブな子を演じなさい。」
店長が私に甘ったるい匂いの香水を少しかけた。
「これはね、少しだけ媚薬が入ってるの。
貴女にも少し効いてしまうけど、我慢してね?
揮発したら時折かけてあげるから。
2、3時間したら来なさい。」
「分かりました。」
まずい、ある程度媚薬に耐性があるのでこの香水をかけられて何も反応なしでは怪しまれるかもしれない。
ここは、効いているふりをするしかない。
「私にもかけてください!」
他の子が来たので横に避けると女の子が香水を2回ほどふりかけた。
「はー!やば!この香りほんっと癖になるのよね。あー、下半身ムズムズする。いいわー。
この香水、店以外でもつけられたら良いのに。」
「ごめんね、この香水は門外不出なのよ。」
「ざーんねん。はぁ…行ってきまーす♡」
少し蕩けた顔をして部屋を出ていった。
なるほど、効くとあんな感じになるのか。
「あら、貴女緊張してる?あんまり効いてなさそう?」
「あっ、えっと…あんまり感じた事ない感覚で…。」
「緊張もあるかもしれないわね。大丈夫、リラックスして。」
目を瞑って脳裏に昴やシュウの顔を浮かべる。
少し潤んだ瞳にして店長を見上げた。
「良い顔ね。いってらっしゃい。」
初めて履いたハイヒールはバランスをとるのが難しかった。
ほんの少しふらつくが一応鍛えているのでなんとかカバーする。
「ここ、入って!」
確かこの人はナンバーワンだったか。
「は、初めまして。今日入った、レイです。」
「レイちゃん?可愛いね〜。黒髪の子、俺好きよ。一緒に呑も!」
何人かの客を相手にしたが一晩だけでどっと疲れが押し寄せてきた。
「また明日もか…。」