Put on a happy face
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泣きついた先は阿笠博士の所だった。
「酷くない!?酷いよね!!」
「そうじゃのう。
今はとにかく、昴君の誤解を解くのが優先かの。」
「…うん…。」
「指輪は知り合いに頼んでみるが、こうも潰れていては無理かもしれんが…。」
「やるだけ、やってみて欲しい…。無理を言ってごめんなさい。」
「…何か分かったら連絡するからの。」
「お願いします…。」
次の日出勤した際に風見さんに途中で居なくなった事を謝罪した。
「昨日はすみませんでした!」
「いや、本来はオレの仕事だったのに無理に付き合わせてしまってすまなかった。
昨日の事、"彼"に見られたんだろう?」
「…はい。それで…勘違いされて、指輪を壊されました…。」
「いつもネックレスにつけていたやつか。」
「…。」
「本当に悪かった。今回の件、付き合わせるべきではなかった。」
「いえ、引き受けたのは私ですから。風見さんのせいではありません。」
「…何か、出来ることがあったら言ってくれ。」
「はい。ありがとうございます。」
早く昴の元へ行って弁明したかったがまた仕事が忙しくなってしまい、全く時間が取れなかった。
早く、早く会いたい。
このまま終わってたまるか。
ーーーーーー
「はい。」
「夜分に失礼します。」
インターホンが鳴り出てみると、以前ショッピングモールで見かけた男性が立っていた。
「私、風見裕也と申します。」
「どういったご要件でしょうか?」
「ナマエさんの事でお話が。」
「話す事はありません。お引き取り下さい。」
「沖矢さんは誤解されています!きちんと説明させて下さい!」
「………仕方がない。話だけでも聞いてあげましょう。」
工藤邸の門を開けて家に招き入れた。
リビングのソファーに座らせ、向かいあって座る。
「それで、誤解というのは?」
「…これからの事は、貴方が赤井秀一さんだという前提で話します。例え貴方がそうでは無いと否定していても。
ですからただ聞き流してもらって構いません。
こちらが言いたいだけなので。」
「…分かりました。」
「貴方なら、降谷さんをご存知ですよね。
返事はしなくて結構です。
オレとナマエさんは、表立って行けない降谷さんの代わりに服を買いに行っていたんです。
沖矢さんが見たのはたまたまタイミングが悪くて、
ナマエさんが気を利かせて見かけた服がオレに似合うんじゃないかって言ってくれていた時だったんです。
ですから別に2人でデートをしていたという訳ではありません。あくまで仕事です。」
「…そうですか。
事情は分かりましたが、だからなんですか?」
「自分達は職場の同僚であり、ただの友人です。
沖矢さんが考えるような間柄ではありません。」
「…今はそうだとしても、貴方は彼女が好きなんでしょう?」
「ッ…。
それは否定出来ませんが…彼女が好きなのは沖矢さん、貴方しかいないんです。」
「…彼女は、僕に赤井秀一という影を無理に重ねて付き合っているに過ぎません。
僕のありもしない正体を探りたいだけでしょう。」
「貴方という人は…!
15の時に手放して、挙句死んだ事にしたのにまた接触して!彼女を振り回すのはやめてください!!
彼女をどうしたいんですか!?
付き合うなら責任持って下さい!!
…貴方がもしも本当に赤井秀一ではなかったら申し訳ないですが、現時点で彼女は赤井秀一も沖矢昴も愛しているという事は誰が見ても明白です。
ずっと近くにいたから、オレは嫌でも分かるんですよ!
彼女は今、膨大な量の仕事を無理やりにでも終わらせて早く貴方に会おうと努力しているんです。
勘違いされたまま終わりたくないと言いながら。
それなのに、貴方は何もしない!
…別れる気ならハッキリ伝えて下さい。
中途半端なマネはやめてください!!
半端な気持ちなら、オレが貰いますから!
…それでは、失礼しました。」
そう言って風見という男はカバンを掴むとさっさと出ていった。
「…最低だな、俺は。」両手で顔を覆い項垂れた。
嫉妬心から思ったより子供っぽい対応をしてしまった。
あの風見という男とショッピングモールで楽しそうに服を選ぶ様子を見て、正直お似合いなのではと思ってしまった。
俺は影のような存在。沖矢という仮面を被ってでないとデートもろくに出来ない。
彼となら、窮屈な思いをしないで済むのではないかと思った。
少なくとも、死んだふりをしなくても素のまま共に生活は出来るだろう。
あぁ、ダメだ。
どんどん思考がマイナスな方にいってしまう。
本当はあの時もっと冷静に対応すべきだった。
いつまでも15の時の俺を引きずらないで欲しい、今の俺を見て欲しいという気持ちと風見という男に取られるかもしれないと色々な感情がごちゃ混ぜになった結果、ヤケになってしまった。
ずっと大事にしてくれていた指輪を壊すことはなかった。
俺に会うために一生懸命になってくれていると言っていたが、特に何も連絡はないしとうに愛想を尽かされているのではないだろうか。
自虐的に笑い、手にしていたバーボンのグラスを壁に投げつけてしまいたくなる。
あぁ…。いつから馬鹿みたいな男になってしまったんだろう。
こんなに意気地無しではなかったはずなのに。
「酷くない!?酷いよね!!」
「そうじゃのう。
今はとにかく、昴君の誤解を解くのが優先かの。」
「…うん…。」
「指輪は知り合いに頼んでみるが、こうも潰れていては無理かもしれんが…。」
「やるだけ、やってみて欲しい…。無理を言ってごめんなさい。」
「…何か分かったら連絡するからの。」
「お願いします…。」
次の日出勤した際に風見さんに途中で居なくなった事を謝罪した。
「昨日はすみませんでした!」
「いや、本来はオレの仕事だったのに無理に付き合わせてしまってすまなかった。
昨日の事、"彼"に見られたんだろう?」
「…はい。それで…勘違いされて、指輪を壊されました…。」
「いつもネックレスにつけていたやつか。」
「…。」
「本当に悪かった。今回の件、付き合わせるべきではなかった。」
「いえ、引き受けたのは私ですから。風見さんのせいではありません。」
「…何か、出来ることがあったら言ってくれ。」
「はい。ありがとうございます。」
早く昴の元へ行って弁明したかったがまた仕事が忙しくなってしまい、全く時間が取れなかった。
早く、早く会いたい。
このまま終わってたまるか。
ーーーーーー
「はい。」
「夜分に失礼します。」
インターホンが鳴り出てみると、以前ショッピングモールで見かけた男性が立っていた。
「私、風見裕也と申します。」
「どういったご要件でしょうか?」
「ナマエさんの事でお話が。」
「話す事はありません。お引き取り下さい。」
「沖矢さんは誤解されています!きちんと説明させて下さい!」
「………仕方がない。話だけでも聞いてあげましょう。」
工藤邸の門を開けて家に招き入れた。
リビングのソファーに座らせ、向かいあって座る。
「それで、誤解というのは?」
「…これからの事は、貴方が赤井秀一さんだという前提で話します。例え貴方がそうでは無いと否定していても。
ですからただ聞き流してもらって構いません。
こちらが言いたいだけなので。」
「…分かりました。」
「貴方なら、降谷さんをご存知ですよね。
返事はしなくて結構です。
オレとナマエさんは、表立って行けない降谷さんの代わりに服を買いに行っていたんです。
沖矢さんが見たのはたまたまタイミングが悪くて、
ナマエさんが気を利かせて見かけた服がオレに似合うんじゃないかって言ってくれていた時だったんです。
ですから別に2人でデートをしていたという訳ではありません。あくまで仕事です。」
「…そうですか。
事情は分かりましたが、だからなんですか?」
「自分達は職場の同僚であり、ただの友人です。
沖矢さんが考えるような間柄ではありません。」
「…今はそうだとしても、貴方は彼女が好きなんでしょう?」
「ッ…。
それは否定出来ませんが…彼女が好きなのは沖矢さん、貴方しかいないんです。」
「…彼女は、僕に赤井秀一という影を無理に重ねて付き合っているに過ぎません。
僕のありもしない正体を探りたいだけでしょう。」
「貴方という人は…!
15の時に手放して、挙句死んだ事にしたのにまた接触して!彼女を振り回すのはやめてください!!
彼女をどうしたいんですか!?
付き合うなら責任持って下さい!!
…貴方がもしも本当に赤井秀一ではなかったら申し訳ないですが、現時点で彼女は赤井秀一も沖矢昴も愛しているという事は誰が見ても明白です。
ずっと近くにいたから、オレは嫌でも分かるんですよ!
彼女は今、膨大な量の仕事を無理やりにでも終わらせて早く貴方に会おうと努力しているんです。
勘違いされたまま終わりたくないと言いながら。
それなのに、貴方は何もしない!
…別れる気ならハッキリ伝えて下さい。
中途半端なマネはやめてください!!
半端な気持ちなら、オレが貰いますから!
…それでは、失礼しました。」
そう言って風見という男はカバンを掴むとさっさと出ていった。
「…最低だな、俺は。」両手で顔を覆い項垂れた。
嫉妬心から思ったより子供っぽい対応をしてしまった。
あの風見という男とショッピングモールで楽しそうに服を選ぶ様子を見て、正直お似合いなのではと思ってしまった。
俺は影のような存在。沖矢という仮面を被ってでないとデートもろくに出来ない。
彼となら、窮屈な思いをしないで済むのではないかと思った。
少なくとも、死んだふりをしなくても素のまま共に生活は出来るだろう。
あぁ、ダメだ。
どんどん思考がマイナスな方にいってしまう。
本当はあの時もっと冷静に対応すべきだった。
いつまでも15の時の俺を引きずらないで欲しい、今の俺を見て欲しいという気持ちと風見という男に取られるかもしれないと色々な感情がごちゃ混ぜになった結果、ヤケになってしまった。
ずっと大事にしてくれていた指輪を壊すことはなかった。
俺に会うために一生懸命になってくれていると言っていたが、特に何も連絡はないしとうに愛想を尽かされているのではないだろうか。
自虐的に笑い、手にしていたバーボンのグラスを壁に投げつけてしまいたくなる。
あぁ…。いつから馬鹿みたいな男になってしまったんだろう。
こんなに意気地無しではなかったはずなのに。