Put on a happy face
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言われた通りにその夜、電話をかけた。
2〜3コールくらいで電話が繋がった。
「もしもし?」
「やぁ。電話かけてくれたのか。君の事だから連絡来ないかと思っていた。連絡待っていたよ。」
電話口の声は嬉しそうだった。
「で、何処に行けばいいの?」
「そうだな…」
当日、言われた通りの所で待ち合わせをする。
ここは繁華街だから人通りが多い。
果たして見つける事は出来るだろうか。
キョロキョロしていると背中に衝撃が走った。
「おっと!ごめんね!」
大学生くらいの男が勢いよくぶつかったらしい。
「ごめんね。大丈夫?お詫びにお茶しない?」
なんだ、ただのナンパか。当たり屋かよ。
私の見た目は大学生位に見えるんだろう。
「私、高校生です。」
「まじ?JKなの?可愛い!俺、歳離れてても気にしないよ!」
「彼女から離れろ。」突然その声と共に腕を引っ張られた。目の前には大きな黒い背中。
「なんだ?テメェ。」
「悪いがこの子は俺の連れでね。
話があるのなら俺を通してからにしてくれ。
…まぁ両目を抉られたあとでいいならいくらでも話を聞くぞ。」
そう言ってファイティングポーズをしていた。
彼の顔は見えないが、ナンパ男は血相を変えて走り去っていった。
「…貴方って何か格闘技やってるの?」
「截拳道。」
「へぇ…。」
「そんな事よりお前はいつもそんな露出の多い格好をしているのか?」
「露出多い?そうかな。肩が出たトップスにミニスカートなんて今時普通だよ。」
「これ着てろ。」
そう言って着ていた黒いパーカーを渡された。
「えー!可愛くない。せっかく可愛い格好をしてきたのに!」
こんなに大きいパーカーでは服のほとんどが隠れて見えなくなってしまう。
「お前はまたナンパされたいのか?」
「だって、いつもみたいに常に隣に居てくれるんでしょ?格闘技が出来るボディーガードがいれば安心じゃない。」
一瞬驚いた顔をしてため息をつかれてしまった。
「君は俺をなんだと思っているんだ?」
「監視役及びボディーガード。」
「…男としては見てくれていないのか?」
「…え?」
「もういい。さっさと行くぞ。早くそれ着とけよ。」
そう言って連れられたのは何処ぞのトイレでも公園でもなかった。
「ここは?」
「水族館。」
「なんで?」
「どこに行くと思っていたんだ?」
「え、相手してくれるって…。」
「デートのな。ほら、入るぞ。」
さりげなく手を繋がれて引っ張られた。
「えっ、ちょっ!」
初めは戸惑ったが、正直物凄く楽しかった。
学校外でのデートなんて初めてだった。
水族館へ行って、ゲーセン行って、特に何を買うわけでもなく店を見て。
気付いたらあっという間に夕方だった。
「楽しかったー!帰りたくなくなっちゃうな。」
心からの素直な感想だった。
久しぶりに楽しいと思った。
彼も困ったような嬉しそうな顔をした。
「あんまり遅くなると親が心配するだろ。帰るぞ。」
「…親は私の事、全然気にかけてないよ。」
「仲悪いのか?」
「いっつも帰り遅いの。両親とも仕事が忙しくてね。帰ってこない日もざら。」
「そうか。…寂しいな。」
「寂しくなんかない!小さい頃からずっとそうだから。」
「…ずっと寂しかったんだろ?
親は忙しい、日本にも馴染めない。
その上虐められ、初めて付き合った男は身体目的。
なぁ、君は笑顔でいる事が多いが…"愛想笑い"というやつなんだろう?
常にその嘘くさい気味の悪い笑顔を顔に貼り付けて、心の隙間を埋めてくれる物を探している。
…そうだろ?」
全て言われた通りだった。知られたくない弱みを握られたようで悔しくて外なのに大声で怒鳴った。
「貴方に何が分かるの?!知ったかぶりしないでよ!」
「俺だって去年末に日本に来たばかりだから、気持ちはよく分かる。俺も日本に馴染めていないし、友人と呼べる人物も居ない。
顔だけで寄ってくる女達には飽き飽きだ。
…君と一緒だよ。」
「……。」
「男は皆が悪いやつばかりじゃない。
男という枠組みだけで、俺を見くびらないで頂きたい。
…俺と、付き合う気はないか?」
「嫌。」
「何故だ?」
「だって…だってまた…裏切られたら…私、もう生きていけない。」
「裏切られたらショックな程には俺の事を好意的に見てくれているのかな?」
「…だって…この2ヶ月…隣に居てくれるのが当たり前になっちゃったんだもん…。」
裏切られた事を想像しただけで思わず涙ぐむ。
泣かれるとは思っていなかったんだろう。
慌てたように俯く私の涙を拭うと、そっと抱きしめられた。
「約束する。俺は絶対に君を裏切らない。
だからもう嘘くさい笑みを浮かべるのも、自暴自棄になるのもやめろ。
楽しそうな顔をしたからと言って、本当に楽しくなる訳でも幸せになる訳でもない。
君自身を大切にして、もっと…視野を広げろ。
この世界には君が知らない楽しい事が沢山あるはずだ。」
「…ふふ…なんか壮大な話になってない?」
「思った事を言ったまでだよ。」
「…。じゃあ、彼氏(仮)にしてあげる。」
「仮だとしても他に男を作らないと約束しろ。」
「分かった。…約束する。」
「いい子だ。」
頭を撫でられると再び手を繋がれた。
「…さて、いい子は帰る時間だ。」
「ふーん…。本当に帰るの?」
「当然だ。そういう関係になるのはもっと後からでも遅くはない。
改めて、これからよろしく。」
2〜3コールくらいで電話が繋がった。
「もしもし?」
「やぁ。電話かけてくれたのか。君の事だから連絡来ないかと思っていた。連絡待っていたよ。」
電話口の声は嬉しそうだった。
「で、何処に行けばいいの?」
「そうだな…」
当日、言われた通りの所で待ち合わせをする。
ここは繁華街だから人通りが多い。
果たして見つける事は出来るだろうか。
キョロキョロしていると背中に衝撃が走った。
「おっと!ごめんね!」
大学生くらいの男が勢いよくぶつかったらしい。
「ごめんね。大丈夫?お詫びにお茶しない?」
なんだ、ただのナンパか。当たり屋かよ。
私の見た目は大学生位に見えるんだろう。
「私、高校生です。」
「まじ?JKなの?可愛い!俺、歳離れてても気にしないよ!」
「彼女から離れろ。」突然その声と共に腕を引っ張られた。目の前には大きな黒い背中。
「なんだ?テメェ。」
「悪いがこの子は俺の連れでね。
話があるのなら俺を通してからにしてくれ。
…まぁ両目を抉られたあとでいいならいくらでも話を聞くぞ。」
そう言ってファイティングポーズをしていた。
彼の顔は見えないが、ナンパ男は血相を変えて走り去っていった。
「…貴方って何か格闘技やってるの?」
「截拳道。」
「へぇ…。」
「そんな事よりお前はいつもそんな露出の多い格好をしているのか?」
「露出多い?そうかな。肩が出たトップスにミニスカートなんて今時普通だよ。」
「これ着てろ。」
そう言って着ていた黒いパーカーを渡された。
「えー!可愛くない。せっかく可愛い格好をしてきたのに!」
こんなに大きいパーカーでは服のほとんどが隠れて見えなくなってしまう。
「お前はまたナンパされたいのか?」
「だって、いつもみたいに常に隣に居てくれるんでしょ?格闘技が出来るボディーガードがいれば安心じゃない。」
一瞬驚いた顔をしてため息をつかれてしまった。
「君は俺をなんだと思っているんだ?」
「監視役及びボディーガード。」
「…男としては見てくれていないのか?」
「…え?」
「もういい。さっさと行くぞ。早くそれ着とけよ。」
そう言って連れられたのは何処ぞのトイレでも公園でもなかった。
「ここは?」
「水族館。」
「なんで?」
「どこに行くと思っていたんだ?」
「え、相手してくれるって…。」
「デートのな。ほら、入るぞ。」
さりげなく手を繋がれて引っ張られた。
「えっ、ちょっ!」
初めは戸惑ったが、正直物凄く楽しかった。
学校外でのデートなんて初めてだった。
水族館へ行って、ゲーセン行って、特に何を買うわけでもなく店を見て。
気付いたらあっという間に夕方だった。
「楽しかったー!帰りたくなくなっちゃうな。」
心からの素直な感想だった。
久しぶりに楽しいと思った。
彼も困ったような嬉しそうな顔をした。
「あんまり遅くなると親が心配するだろ。帰るぞ。」
「…親は私の事、全然気にかけてないよ。」
「仲悪いのか?」
「いっつも帰り遅いの。両親とも仕事が忙しくてね。帰ってこない日もざら。」
「そうか。…寂しいな。」
「寂しくなんかない!小さい頃からずっとそうだから。」
「…ずっと寂しかったんだろ?
親は忙しい、日本にも馴染めない。
その上虐められ、初めて付き合った男は身体目的。
なぁ、君は笑顔でいる事が多いが…"愛想笑い"というやつなんだろう?
常にその嘘くさい気味の悪い笑顔を顔に貼り付けて、心の隙間を埋めてくれる物を探している。
…そうだろ?」
全て言われた通りだった。知られたくない弱みを握られたようで悔しくて外なのに大声で怒鳴った。
「貴方に何が分かるの?!知ったかぶりしないでよ!」
「俺だって去年末に日本に来たばかりだから、気持ちはよく分かる。俺も日本に馴染めていないし、友人と呼べる人物も居ない。
顔だけで寄ってくる女達には飽き飽きだ。
…君と一緒だよ。」
「……。」
「男は皆が悪いやつばかりじゃない。
男という枠組みだけで、俺を見くびらないで頂きたい。
…俺と、付き合う気はないか?」
「嫌。」
「何故だ?」
「だって…だってまた…裏切られたら…私、もう生きていけない。」
「裏切られたらショックな程には俺の事を好意的に見てくれているのかな?」
「…だって…この2ヶ月…隣に居てくれるのが当たり前になっちゃったんだもん…。」
裏切られた事を想像しただけで思わず涙ぐむ。
泣かれるとは思っていなかったんだろう。
慌てたように俯く私の涙を拭うと、そっと抱きしめられた。
「約束する。俺は絶対に君を裏切らない。
だからもう嘘くさい笑みを浮かべるのも、自暴自棄になるのもやめろ。
楽しそうな顔をしたからと言って、本当に楽しくなる訳でも幸せになる訳でもない。
君自身を大切にして、もっと…視野を広げろ。
この世界には君が知らない楽しい事が沢山あるはずだ。」
「…ふふ…なんか壮大な話になってない?」
「思った事を言ったまでだよ。」
「…。じゃあ、彼氏(仮)にしてあげる。」
「仮だとしても他に男を作らないと約束しろ。」
「分かった。…約束する。」
「いい子だ。」
頭を撫でられると再び手を繋がれた。
「…さて、いい子は帰る時間だ。」
「ふーん…。本当に帰るの?」
「当然だ。そういう関係になるのはもっと後からでも遅くはない。
改めて、これからよろしく。」