Put on a happy face
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ちょっと寄るだけだし、居なかったらいないで別にいいや。特に何の連絡もなしに工藤邸のインターホンを押してみた。
「ナマエか。」インターホン越しに昴の声が聞こえた。
「宅配便でーす。」
冗談めいてそう言うと若干笑い声が聞こえて玄関から彼が出てきた。
「公安は宅配業者を装うのがお好きなんですか?」
「えへへ。ちょっと中に入っても良い?」
「えぇ、勿論ですよ。どうぞ。」
中に入ってすぐに真純ちゃんから貰った写真を見せた。
「これは俺の部屋に飾っていた写真だ。懐かしいな。何故これを?」
「たまたま妹さんに会ったよ。」
「真純か。」
「お腹にいた子があんなに大きくなって…。
……歳を感じた。」
「…そうだな。」お互い苦笑した。
「本当は秀兄に返したかった、って言ってた。
だからこの写真を渡しておこうかと。」
「…これはナマエが持っていてくれ。」
「なんで?」
「俺は死んでいる身。今は沖矢昴だから受け取れんよ。」
「そっか。…そうだよね……。」
じっと高校生の頃の写真を見ていたらまた涙が溢れてきた。
「どうした?何故泣く。」
「だって、だってぇ。もう……"秀一君"がこんな無邪気に笑う事、ないかもって思ったら。」
「…悪かったな。背負うものが多すぎて、今はこんな無邪気な笑顔は出せんよ。それは君もだろう。」
何にも縛られず、屈託のない笑顔を浮かべたのはこの時が最後だったかもしれない。
「お互い組織を潰すか、定年で仕事を辞めたらこうして笑える時がくるかもな。」
そう言って優しく頭を撫でてくれた。
「夕食は?」
「これからスーパーに行くつもり。本当はポアロでテイクアウトしようと思ってたのに買い損なった。」
「それならここで食っていけ。シチューだが。」
「え、悪いよ。」
「ほんといつも遠慮するよな。俺に気は使うな。」
テーブルに連れていかれてシチューを出してもらった。良い匂いに腹の虫は素直だ。
それを見て昴はニコニコしながら自分の分をよそっている。
あ。…なんとなく、沖矢昴の笑顔の方が赤井秀一よりはあの頃の無邪気な笑顔に近いかもしれない。
今はきっと、沖矢昴である事が"彼"にとって気晴らしになっているのだろう。
「昴…今の生活は、どう?」
「割とゆっくり出来るから良いですよ。勿論やる事はいくつもありますが、時折子供達と遊んだりして楽しいです。」
「そう、良かった。」
「明日も子供達が遊びに来る予定なんです。元太君が食べるだろうと思ってかなり多めにシチュー作っていたので気にせず沢山食べて下さいね。」
「うん。」
温かいシチューを口に運びながら、昴をぼんやりと見つめた。
「…どうしました?今日仕事、大変だったんですか?」
「ううん。なんでこんな米花町って犯罪多いのかなって思って。今日も変態不審者に出くわすし。」
「変態不審者?」
「裸見せようとするやつ。」
「あぁ…露出狂。それは災難でしたね。」
「あー…思い出しただけでもキモイわ。」
思わず鳥肌が立った。もう考えないようにしよう。
無心でシチューを平らげる事にした。
「ご馳走様でした。美味しかったです!皿洗いしたら私帰るね。」
「そうですか。家まで送ります。」
「ありがとう。」
片付けをして昴の車に乗り込んだ。
「うわ、寒い。」
「すぐにエアコンがきくとは思いますが…。
あ、少し待っていて下さい。」
少しして昴からパーカーを手渡された。
「へぇ、昴ってパーカー着るの?意外。」
「20代相応の格好をしようと思って周囲の大学院生の服装を真似たんですが…。
残念ながら似合わなかったです。
ほとんど部屋着にしていました。」
「そうなの?」
「なのでそのまま着て帰ってもらっても構いません。」
「じゃあ次に会った時に返すね。」
パーカーは大きいので私が上着を着ていても余裕で入る。暖かい。
寝る支度をして、部屋のベッドに思いっきりダイブした。いやー、今日は色々疲れたけど楽しかったなぁ。
「ん…?」
今気付いた。借りたパーカー、めちゃくちゃ昴の匂いがする。さっきは同じ車内という空間に居たから気付かなかったけど、え…なにこれ。
いい匂いすぎでは??凄く癒される香り。
少々迷ったが、試しに近くにいたテディベアのぬいぐるみに覆うように着せて一緒に寝てみた。
そのおかげか、秒で寝れたし次の日寝坊しかけた。
うん。安眠効果すごい…。
「ナマエか。」インターホン越しに昴の声が聞こえた。
「宅配便でーす。」
冗談めいてそう言うと若干笑い声が聞こえて玄関から彼が出てきた。
「公安は宅配業者を装うのがお好きなんですか?」
「えへへ。ちょっと中に入っても良い?」
「えぇ、勿論ですよ。どうぞ。」
中に入ってすぐに真純ちゃんから貰った写真を見せた。
「これは俺の部屋に飾っていた写真だ。懐かしいな。何故これを?」
「たまたま妹さんに会ったよ。」
「真純か。」
「お腹にいた子があんなに大きくなって…。
……歳を感じた。」
「…そうだな。」お互い苦笑した。
「本当は秀兄に返したかった、って言ってた。
だからこの写真を渡しておこうかと。」
「…これはナマエが持っていてくれ。」
「なんで?」
「俺は死んでいる身。今は沖矢昴だから受け取れんよ。」
「そっか。…そうだよね……。」
じっと高校生の頃の写真を見ていたらまた涙が溢れてきた。
「どうした?何故泣く。」
「だって、だってぇ。もう……"秀一君"がこんな無邪気に笑う事、ないかもって思ったら。」
「…悪かったな。背負うものが多すぎて、今はこんな無邪気な笑顔は出せんよ。それは君もだろう。」
何にも縛られず、屈託のない笑顔を浮かべたのはこの時が最後だったかもしれない。
「お互い組織を潰すか、定年で仕事を辞めたらこうして笑える時がくるかもな。」
そう言って優しく頭を撫でてくれた。
「夕食は?」
「これからスーパーに行くつもり。本当はポアロでテイクアウトしようと思ってたのに買い損なった。」
「それならここで食っていけ。シチューだが。」
「え、悪いよ。」
「ほんといつも遠慮するよな。俺に気は使うな。」
テーブルに連れていかれてシチューを出してもらった。良い匂いに腹の虫は素直だ。
それを見て昴はニコニコしながら自分の分をよそっている。
あ。…なんとなく、沖矢昴の笑顔の方が赤井秀一よりはあの頃の無邪気な笑顔に近いかもしれない。
今はきっと、沖矢昴である事が"彼"にとって気晴らしになっているのだろう。
「昴…今の生活は、どう?」
「割とゆっくり出来るから良いですよ。勿論やる事はいくつもありますが、時折子供達と遊んだりして楽しいです。」
「そう、良かった。」
「明日も子供達が遊びに来る予定なんです。元太君が食べるだろうと思ってかなり多めにシチュー作っていたので気にせず沢山食べて下さいね。」
「うん。」
温かいシチューを口に運びながら、昴をぼんやりと見つめた。
「…どうしました?今日仕事、大変だったんですか?」
「ううん。なんでこんな米花町って犯罪多いのかなって思って。今日も変態不審者に出くわすし。」
「変態不審者?」
「裸見せようとするやつ。」
「あぁ…露出狂。それは災難でしたね。」
「あー…思い出しただけでもキモイわ。」
思わず鳥肌が立った。もう考えないようにしよう。
無心でシチューを平らげる事にした。
「ご馳走様でした。美味しかったです!皿洗いしたら私帰るね。」
「そうですか。家まで送ります。」
「ありがとう。」
片付けをして昴の車に乗り込んだ。
「うわ、寒い。」
「すぐにエアコンがきくとは思いますが…。
あ、少し待っていて下さい。」
少しして昴からパーカーを手渡された。
「へぇ、昴ってパーカー着るの?意外。」
「20代相応の格好をしようと思って周囲の大学院生の服装を真似たんですが…。
残念ながら似合わなかったです。
ほとんど部屋着にしていました。」
「そうなの?」
「なのでそのまま着て帰ってもらっても構いません。」
「じゃあ次に会った時に返すね。」
パーカーは大きいので私が上着を着ていても余裕で入る。暖かい。
寝る支度をして、部屋のベッドに思いっきりダイブした。いやー、今日は色々疲れたけど楽しかったなぁ。
「ん…?」
今気付いた。借りたパーカー、めちゃくちゃ昴の匂いがする。さっきは同じ車内という空間に居たから気付かなかったけど、え…なにこれ。
いい匂いすぎでは??凄く癒される香り。
少々迷ったが、試しに近くにいたテディベアのぬいぐるみに覆うように着せて一緒に寝てみた。
そのおかげか、秒で寝れたし次の日寝坊しかけた。
うん。安眠効果すごい…。