Put on a happy face
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あれから風邪はすっかり良くなって、もう一日休んだ所で仕事に戻った。
休みの間、ずっと昴が居てくれた事はとても嬉しかったし有難かった。
休み明けはそこまでは忙しくは無くて、しばらくは定時で帰れているのが有難い。
その分仕事後は練習場で射撃の練習をしたり風見さんや他の人達と手合わせをしたりと少しでも努力をしている。
本当は降谷さんと手合わせをしたいなぁ。
でも忙しいだろうし。
そういえば風邪の時に来てもらって以来、降谷さんとは顔を合わせていない。
居るか分からないけど、お礼がてらポアロに寄ってみようかな。
夕日でオレンジ色に染まった空を眺めながら歩いていると、近くにいた女子高生達が恋愛トークに花を咲かせていた。楽しそうだなぁ。青春だねぇ。
「ハイハイ。そう言ってるけど、それも含めて新一君のこと好きなんでしょ?」
カチューシャをつけたショートヘアの女の子がニヤニヤしている。
「そ、そんなんじゃないから!」
「まったく、新一君はいったい何処で何してるのかしら。妻が泣いてるわよ。」
「妻って…!」ロングヘアの女の子が苦笑いしている。
微笑ましく女子高生達の横を通り過ぎた時、目の前から不審な男がゆっくり近づいてきた。
目深に被ったニット帽、夕暮れだというのに真っ黒なサングラスにマスク。ロングコートの前を腕で掴んでいる。もしや…。
「2人とも、後ろ向いててくれる?」
女子高生2人に後ろを向かせた瞬間男がコートの前を開けた。
案の定全裸だ。
イラッとしながら一瞬で男の背後に周り後ろで腕を組ませて地面に引き倒した。
コンクリートに素肌を擦ったのか、男は痛みで悶絶していた。マジでキモイわ。
「2人とも、こっちを振り向かず帰りなさい。」
「「は、はい!!」」
すぐさま警察を呼んで男を引き渡した。
「犯人の確保、ありがとうございました。でも危ないのでこれからはすぐに逃げてから通報して下さいね。もしも武器を持っていたりしたら危険ですから。」
警察官の方が優しく気遣いをしてくれた。
一応公安警察だが、ゼロ所属の為よっぽどの事件でなければ大っぴらには警察官だと言えない。
ただの通りすがりの公務員だと誤魔化して、さっさとその場を離れた。
これでようやくポアロへ行けるわ…。
もうすぐポアロが見えてくる。そう思った時、先程の女の子2人に再会した。
「あ、あの!先程はありがとうございました!」
ロングヘアーの女の子が心配そうに話しかけてきた。
「大丈夫でしたか?怪我とか…。」
ショートヘアの子も心配そうに見つめてきた。
「大丈夫!護身術習ってるから。」
「そうですか!」
「良かった!心配だったので。」
「蘭の出番は無かったわね。」
「出番?」
「あっ、私空手やってるんです。」
「関東大会優勝経験があるくらい強いのよ!」
「へぇー!凄いねぇ。私は截拳道をちょっとね。」
「截拳道といえば、世良ちゃんよね。」
「世良ちゃん?」
「そう。截拳道で蘭と互角のパワーの持ち主の友達なの!」
「へぇー。」
「ボクの事、呼んだ?」
「「世良ちゃん!」」
後ろから来たのは世良ちゃんと呼ばれている人物らしい。その人の顔を見て驚いた。
「シュウ……。」
秀一そっくりの特徴のある目の隈。
「ん?……ねぇ、もしかして君…名前、ナマエだったりする?」
「そうですけど…。」
そこで思い出した。
そういえば、メアリーさんは私が15の時に妊婦さんだった。もしかしてあの時お腹にいた子では?
現時点でこの人が高校生なら年齢的にも合っている。
世良ちゃんと呼ばれている子の耳元に近づいてこっそり尋ねた。
「そうだよ。やっぱり君は秀兄の恋人だった人?」
何故この子がそれを知っているんだろうか。
「秀兄って…世良ちゃんの亡くなったお兄さんだよね?」ショートヘアの子が困惑したように言った。
「うん…。仕事中にね。そうだ…。それじゃあこの写真、貰ってくれる?」
渡された1枚の写真に驚いた。
夏休みに私の家で勉強会をした時に撮った写真。
お互い笑顔で写真におさまっている。
懐かしさと、亡くなった事になっている現実・今とは違う無邪気な彼の笑顔を見ていたら思わず涙が込み上げた。
「ッ……。ご、ごめんなさい。懐かしくなっちゃって。この写真…本当に貰ってもいいの?」
「元々秀兄に会ったら返すつもりだったんだ。…でも、もう返せないから。それにボクは他にも秀兄の写真持ってるから気にしないでくれ。会えてよかったよ。
秀兄の部屋に飾ってあったらしくて、良い写真だからずっと肌身離さずボクが持ってたんだよ!」
「…ありがとう。」
「へぇー、これが世良ちゃんのお兄さんなのね。目の隈がそっくり。物凄いイケメンね!」
「だろ〜?自慢の兄貴だよ。」ニコニコと世良ちゃんが得意げに言った。
「せっかくだからこの先にあるポアロに入りましょ!さっきのお礼させて!」ショートヘアの子が私の腕を引いた。
「そんな、お礼なんて良いよ!でもせっかくだからお茶はしたいな。」
「行きましょ!ポアロって行ったことある?金髪の物凄いイケメン店員が居るのよ!」
「それって安室さんの事?」
「なんだ、知ってたのね。」
ポアロに入ると思ったより店内は空いていた。
「いらっしゃいませ。」
安室はニコニコと接客をしてくれた。
「蘭さんに園子さんに世良さん。あちらのお席にどうぞ。」
「今日はこの美人さんを連れてきたのよ!」
「珍しい組み合わせですね、ナマエさん。」
「えっ!?常連だった?あ…もしかして安室さんの彼女とか?」
「違いますよ。実は友人でね。」安室が苦笑いしながら否定した。私も慌てて否定する。
「安室さんって女性のお友達居たんですね!意外!」
「そうですか?」
「女の子なら大抵恋人になろうとしそうだから、友人にはならなそうだなって。」
「…なるほど。」
「本当にただの友達。料理友達でね。」
「ナマエさんも料理得意ですから。ね?」
「えぇ。」
安室からは笑顔の裏に余計な事を言うなよというオーラを放っている。怖…。
席に着いてお互い自己紹介をした。
ショートヘアにカチューシャの子は鈴木園子、
ロングヘアの子が毛利蘭。ポアロの上の毛利探偵事務所は彼女のお父さんがやっているらしい。
そしてボーイッシュな、赤井秀一の妹は世良真純ちゃん。世良の苗字はメアリーさんの旧姓なんだろうか。
「私の事はナマエって呼んで。苗字は外国名だからちょっと複雑でね。」
「ナマエさんってハーフとかですか?」
「うん。イギリスと日本のね。」
「お待たせしました。アイスティー3つです。」
割って入るように安室がテーブルにグラスを置いた。
あまり自分の事は開示するなという牽制の意味もあるだろう。分かってますよ。
黙ってアイスティーにミルクを二つ入れ、グラスに口をつけた。
「ナマエさんって恋人いるの?」
「うん。最近できたの。」
「良かった。秀兄が好きだった人が幸せなら、きっと喜んでると思う。」真純ちゃんが無邪気に笑った。
「私、ずっと…ずっと待ってたんだけどね。…人づてに亡くなったって聞いて。随分ショックを受けたけど、前を向かなきゃって思ったの。お兄さんには、なんだか申し訳ないけど。」
「…ううん。秀兄の分まで、幸せになって。
ねぇ…嫌じゃなければ、ナマエ姉って呼んでもいい?ボク、兄貴しかいなかったからこんな素敵な人が姉だったら良いなっていつも写真見てたんだ。」
「嬉しい!是非!」
お互い連絡先を交換してその日は帰宅した。
「あ。ポアロで夕食をテイクアウトしようと思ってたのに…忘れた。」
買い物行かなきゃ…。
その時テーブルの写真が目に入った。
そうだ、この写真せっかくだから渡しに行こう。
休みの間、ずっと昴が居てくれた事はとても嬉しかったし有難かった。
休み明けはそこまでは忙しくは無くて、しばらくは定時で帰れているのが有難い。
その分仕事後は練習場で射撃の練習をしたり風見さんや他の人達と手合わせをしたりと少しでも努力をしている。
本当は降谷さんと手合わせをしたいなぁ。
でも忙しいだろうし。
そういえば風邪の時に来てもらって以来、降谷さんとは顔を合わせていない。
居るか分からないけど、お礼がてらポアロに寄ってみようかな。
夕日でオレンジ色に染まった空を眺めながら歩いていると、近くにいた女子高生達が恋愛トークに花を咲かせていた。楽しそうだなぁ。青春だねぇ。
「ハイハイ。そう言ってるけど、それも含めて新一君のこと好きなんでしょ?」
カチューシャをつけたショートヘアの女の子がニヤニヤしている。
「そ、そんなんじゃないから!」
「まったく、新一君はいったい何処で何してるのかしら。妻が泣いてるわよ。」
「妻って…!」ロングヘアの女の子が苦笑いしている。
微笑ましく女子高生達の横を通り過ぎた時、目の前から不審な男がゆっくり近づいてきた。
目深に被ったニット帽、夕暮れだというのに真っ黒なサングラスにマスク。ロングコートの前を腕で掴んでいる。もしや…。
「2人とも、後ろ向いててくれる?」
女子高生2人に後ろを向かせた瞬間男がコートの前を開けた。
案の定全裸だ。
イラッとしながら一瞬で男の背後に周り後ろで腕を組ませて地面に引き倒した。
コンクリートに素肌を擦ったのか、男は痛みで悶絶していた。マジでキモイわ。
「2人とも、こっちを振り向かず帰りなさい。」
「「は、はい!!」」
すぐさま警察を呼んで男を引き渡した。
「犯人の確保、ありがとうございました。でも危ないのでこれからはすぐに逃げてから通報して下さいね。もしも武器を持っていたりしたら危険ですから。」
警察官の方が優しく気遣いをしてくれた。
一応公安警察だが、ゼロ所属の為よっぽどの事件でなければ大っぴらには警察官だと言えない。
ただの通りすがりの公務員だと誤魔化して、さっさとその場を離れた。
これでようやくポアロへ行けるわ…。
もうすぐポアロが見えてくる。そう思った時、先程の女の子2人に再会した。
「あ、あの!先程はありがとうございました!」
ロングヘアーの女の子が心配そうに話しかけてきた。
「大丈夫でしたか?怪我とか…。」
ショートヘアの子も心配そうに見つめてきた。
「大丈夫!護身術習ってるから。」
「そうですか!」
「良かった!心配だったので。」
「蘭の出番は無かったわね。」
「出番?」
「あっ、私空手やってるんです。」
「関東大会優勝経験があるくらい強いのよ!」
「へぇー!凄いねぇ。私は截拳道をちょっとね。」
「截拳道といえば、世良ちゃんよね。」
「世良ちゃん?」
「そう。截拳道で蘭と互角のパワーの持ち主の友達なの!」
「へぇー。」
「ボクの事、呼んだ?」
「「世良ちゃん!」」
後ろから来たのは世良ちゃんと呼ばれている人物らしい。その人の顔を見て驚いた。
「シュウ……。」
秀一そっくりの特徴のある目の隈。
「ん?……ねぇ、もしかして君…名前、ナマエだったりする?」
「そうですけど…。」
そこで思い出した。
そういえば、メアリーさんは私が15の時に妊婦さんだった。もしかしてあの時お腹にいた子では?
現時点でこの人が高校生なら年齢的にも合っている。
世良ちゃんと呼ばれている子の耳元に近づいてこっそり尋ねた。
「そうだよ。やっぱり君は秀兄の恋人だった人?」
何故この子がそれを知っているんだろうか。
「秀兄って…世良ちゃんの亡くなったお兄さんだよね?」ショートヘアの子が困惑したように言った。
「うん…。仕事中にね。そうだ…。それじゃあこの写真、貰ってくれる?」
渡された1枚の写真に驚いた。
夏休みに私の家で勉強会をした時に撮った写真。
お互い笑顔で写真におさまっている。
懐かしさと、亡くなった事になっている現実・今とは違う無邪気な彼の笑顔を見ていたら思わず涙が込み上げた。
「ッ……。ご、ごめんなさい。懐かしくなっちゃって。この写真…本当に貰ってもいいの?」
「元々秀兄に会ったら返すつもりだったんだ。…でも、もう返せないから。それにボクは他にも秀兄の写真持ってるから気にしないでくれ。会えてよかったよ。
秀兄の部屋に飾ってあったらしくて、良い写真だからずっと肌身離さずボクが持ってたんだよ!」
「…ありがとう。」
「へぇー、これが世良ちゃんのお兄さんなのね。目の隈がそっくり。物凄いイケメンね!」
「だろ〜?自慢の兄貴だよ。」ニコニコと世良ちゃんが得意げに言った。
「せっかくだからこの先にあるポアロに入りましょ!さっきのお礼させて!」ショートヘアの子が私の腕を引いた。
「そんな、お礼なんて良いよ!でもせっかくだからお茶はしたいな。」
「行きましょ!ポアロって行ったことある?金髪の物凄いイケメン店員が居るのよ!」
「それって安室さんの事?」
「なんだ、知ってたのね。」
ポアロに入ると思ったより店内は空いていた。
「いらっしゃいませ。」
安室はニコニコと接客をしてくれた。
「蘭さんに園子さんに世良さん。あちらのお席にどうぞ。」
「今日はこの美人さんを連れてきたのよ!」
「珍しい組み合わせですね、ナマエさん。」
「えっ!?常連だった?あ…もしかして安室さんの彼女とか?」
「違いますよ。実は友人でね。」安室が苦笑いしながら否定した。私も慌てて否定する。
「安室さんって女性のお友達居たんですね!意外!」
「そうですか?」
「女の子なら大抵恋人になろうとしそうだから、友人にはならなそうだなって。」
「…なるほど。」
「本当にただの友達。料理友達でね。」
「ナマエさんも料理得意ですから。ね?」
「えぇ。」
安室からは笑顔の裏に余計な事を言うなよというオーラを放っている。怖…。
席に着いてお互い自己紹介をした。
ショートヘアにカチューシャの子は鈴木園子、
ロングヘアの子が毛利蘭。ポアロの上の毛利探偵事務所は彼女のお父さんがやっているらしい。
そしてボーイッシュな、赤井秀一の妹は世良真純ちゃん。世良の苗字はメアリーさんの旧姓なんだろうか。
「私の事はナマエって呼んで。苗字は外国名だからちょっと複雑でね。」
「ナマエさんってハーフとかですか?」
「うん。イギリスと日本のね。」
「お待たせしました。アイスティー3つです。」
割って入るように安室がテーブルにグラスを置いた。
あまり自分の事は開示するなという牽制の意味もあるだろう。分かってますよ。
黙ってアイスティーにミルクを二つ入れ、グラスに口をつけた。
「ナマエさんって恋人いるの?」
「うん。最近できたの。」
「良かった。秀兄が好きだった人が幸せなら、きっと喜んでると思う。」真純ちゃんが無邪気に笑った。
「私、ずっと…ずっと待ってたんだけどね。…人づてに亡くなったって聞いて。随分ショックを受けたけど、前を向かなきゃって思ったの。お兄さんには、なんだか申し訳ないけど。」
「…ううん。秀兄の分まで、幸せになって。
ねぇ…嫌じゃなければ、ナマエ姉って呼んでもいい?ボク、兄貴しかいなかったからこんな素敵な人が姉だったら良いなっていつも写真見てたんだ。」
「嬉しい!是非!」
お互い連絡先を交換してその日は帰宅した。
「あ。ポアロで夕食をテイクアウトしようと思ってたのに…忘れた。」
買い物行かなきゃ…。
その時テーブルの写真が目に入った。
そうだ、この写真せっかくだから渡しに行こう。