Put on a happy face
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全身が痛くなるほどの高熱はなくなったが、まだ時折寒気がする。
パーカーを1枚羽織ってみるも身体の震えは止まらない。
「寒いのか?」
「うん…。ちょっとだけ寒気が。」
数秒考え込んで昴さんがベッドに潜り込んだ。
「おいで。」マットレスをペシペシ叩きながら昴さんが見つめてくる。
少々恥ずかしいが黙ってベッドに入ることにした。
布団をかけられて抱きしめられると想像以上に温かい。すぐに身体の震えはおさまった。
「あったかい。」
「そうか。」
「……そういえば、銀行強盗の犯人を狙撃したの、昴さんでしょう?」
「あぁ。よく分かったな。」
「何処から狙撃したの?」
「東ビルだ。廃ビルのな。」
「えっ!?あんな遠くから撃ったの!?」
「700ヤードから小さいものを撃ち抜く程度には腕に自信があるんでな。」
「すご………。」開いた口が塞がらない。
700ヤードとは約640m。それも動く対象を正確に撃ち抜くなんて。
「昴さん、ありがとう。昴さんが狙撃してくれてなかったら人質の中で死人が出てたと思う。
…私、もっと遠くからでも撃てるようになりたい。
上手くなりたい。悔しい。」
「…元気になったら撃ち方を教えてやる。
今は休む事を考えろ。
ナマエ、もうそろそろ"さん"付けはやめてくれないか?なんだかよそよそしい。」
「じゃあ…昴?」
「ついでに"秀一"と呼び捨てにしてくれないか?」
「し………しゅう……い、ち。
…や、やっぱりシュウって呼ぶね!ジョディさんも呼んでたし、良いでしょ?」
「何故昴は言えて秀一は言えないんだ?」
「…だって、ずっと君付けだったから…。
いざ呼ぶとなるとなんだか気恥ずかしくて。」
「…シュウでも構わないから…もっと、もっと俺の名前を呼んでくれ。」
首の変声機を外すと枕元の棚に置いた。
「しゅう…ンッ!」
クチャクチャと口内を犯される。
なんとか肩をグイッと押しのけて口を離させた。
「だめだよ…かぜ、うつしちゃう。」
「俺はそんなに弱くない。」
彼の綺麗なグリーンの眼に見惚れていると再び口を塞がれた。
「フッ…ンッ…しゅう…」
「ン……。」
お互い離れた時には息も絶え絶えだった。
寒気なんてどこかへいってしまった。
むしろ身体が熱い。
「あぁ…駄目だ。」
急に彼が両手で顔を覆って俯いた。
「ん…?どうしたの?」
「このままだと、これ以上の事をしたくなってしまう。…すまない。病人に無理をさせた。
…少しベランダで頭を冷やしてくる。」
ベランダでしばらく頭を抑えていたようだったが、しばらくすると煙草を吸い始めた。
あのままベランダにいたら冷えてしまうだろうから、熱いコーヒーでもいれてあげよう。
上着を羽織ってコーヒーの入ったマグカップを手にベランダに出ると彼は若干驚いた目をして慌てて煙草の火を消した。
「冷えるだろう。中に居ろ。」
「熱いコーヒー持ってきたの。シュウも飲むでしょ?」
私が名前を呼ぶとほんの少しだけ悲しそうな顔をした。
「なんでそんな顔をするの?」
「……今はナマエは、世間から見て沖矢昴の恋人であるという事が悔しくてな。
俺は一度は死んだ身。存在しないも同然だ。
だから本来はこうやって会う事もなかったはずだ。
それなのに今はこうしていつでも会えるし、名前も呼んでもらえている。
それだけでも幸運だが…本当なら俺のものだと言いたくなってしまう。
ほんの少し…ほんの少しだけ、15のただ楽しかった頃に戻りたくなる。
…すまない、そんな事出来ないのは分かっている。
俺もまだまだ弱いな。愚痴っぽくなってしまった。」
ギュッと彼に抱きつくと、びっくりするくらい冷たくなっていた。
「冷たい。ここに居たらもっと冷えちゃうよ、秀一。」
照れつつ名前を呼ぶと、驚きつつも少し嬉しそうな顔をした。
「そうだな。中に入ろう。そのコーヒー貰おう。」
私が彼に会ってしまった事で、彼にとってのウィークポイントになってしまっていないか不安になった。
けれど、それでももうこの手を離したくない。
この日本に彼がいる限り、私は死んでも彼を守りたい。弱いままでは駄目だ。
もっと強くなりたい。
パーカーを1枚羽織ってみるも身体の震えは止まらない。
「寒いのか?」
「うん…。ちょっとだけ寒気が。」
数秒考え込んで昴さんがベッドに潜り込んだ。
「おいで。」マットレスをペシペシ叩きながら昴さんが見つめてくる。
少々恥ずかしいが黙ってベッドに入ることにした。
布団をかけられて抱きしめられると想像以上に温かい。すぐに身体の震えはおさまった。
「あったかい。」
「そうか。」
「……そういえば、銀行強盗の犯人を狙撃したの、昴さんでしょう?」
「あぁ。よく分かったな。」
「何処から狙撃したの?」
「東ビルだ。廃ビルのな。」
「えっ!?あんな遠くから撃ったの!?」
「700ヤードから小さいものを撃ち抜く程度には腕に自信があるんでな。」
「すご………。」開いた口が塞がらない。
700ヤードとは約640m。それも動く対象を正確に撃ち抜くなんて。
「昴さん、ありがとう。昴さんが狙撃してくれてなかったら人質の中で死人が出てたと思う。
…私、もっと遠くからでも撃てるようになりたい。
上手くなりたい。悔しい。」
「…元気になったら撃ち方を教えてやる。
今は休む事を考えろ。
ナマエ、もうそろそろ"さん"付けはやめてくれないか?なんだかよそよそしい。」
「じゃあ…昴?」
「ついでに"秀一"と呼び捨てにしてくれないか?」
「し………しゅう……い、ち。
…や、やっぱりシュウって呼ぶね!ジョディさんも呼んでたし、良いでしょ?」
「何故昴は言えて秀一は言えないんだ?」
「…だって、ずっと君付けだったから…。
いざ呼ぶとなるとなんだか気恥ずかしくて。」
「…シュウでも構わないから…もっと、もっと俺の名前を呼んでくれ。」
首の変声機を外すと枕元の棚に置いた。
「しゅう…ンッ!」
クチャクチャと口内を犯される。
なんとか肩をグイッと押しのけて口を離させた。
「だめだよ…かぜ、うつしちゃう。」
「俺はそんなに弱くない。」
彼の綺麗なグリーンの眼に見惚れていると再び口を塞がれた。
「フッ…ンッ…しゅう…」
「ン……。」
お互い離れた時には息も絶え絶えだった。
寒気なんてどこかへいってしまった。
むしろ身体が熱い。
「あぁ…駄目だ。」
急に彼が両手で顔を覆って俯いた。
「ん…?どうしたの?」
「このままだと、これ以上の事をしたくなってしまう。…すまない。病人に無理をさせた。
…少しベランダで頭を冷やしてくる。」
ベランダでしばらく頭を抑えていたようだったが、しばらくすると煙草を吸い始めた。
あのままベランダにいたら冷えてしまうだろうから、熱いコーヒーでもいれてあげよう。
上着を羽織ってコーヒーの入ったマグカップを手にベランダに出ると彼は若干驚いた目をして慌てて煙草の火を消した。
「冷えるだろう。中に居ろ。」
「熱いコーヒー持ってきたの。シュウも飲むでしょ?」
私が名前を呼ぶとほんの少しだけ悲しそうな顔をした。
「なんでそんな顔をするの?」
「……今はナマエは、世間から見て沖矢昴の恋人であるという事が悔しくてな。
俺は一度は死んだ身。存在しないも同然だ。
だから本来はこうやって会う事もなかったはずだ。
それなのに今はこうしていつでも会えるし、名前も呼んでもらえている。
それだけでも幸運だが…本当なら俺のものだと言いたくなってしまう。
ほんの少し…ほんの少しだけ、15のただ楽しかった頃に戻りたくなる。
…すまない、そんな事出来ないのは分かっている。
俺もまだまだ弱いな。愚痴っぽくなってしまった。」
ギュッと彼に抱きつくと、びっくりするくらい冷たくなっていた。
「冷たい。ここに居たらもっと冷えちゃうよ、秀一。」
照れつつ名前を呼ぶと、驚きつつも少し嬉しそうな顔をした。
「そうだな。中に入ろう。そのコーヒー貰おう。」
私が彼に会ってしまった事で、彼にとってのウィークポイントになってしまっていないか不安になった。
けれど、それでももうこの手を離したくない。
この日本に彼がいる限り、私は死んでも彼を守りたい。弱いままでは駄目だ。
もっと強くなりたい。