Put on a happy face
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「2日間お世話になりました…!」
「本当にもう仕事行くんですか?」
「だって…3日休みくれるって言ってたけど、流石にそういう訳にはいかないし。昨日1日休み貰っただけでも十分だよ。焼肉パワーで頑張ります!」
「そうですか。では今夜、またこちらに泊まりに来ませんか?」
「あっ、えっと…。多分また帰れない日が続くかもだし…。予定が分かったら連絡するね。」
「分かりました。送りますので車に乗って下さい。」
「また…いいの?」
「いくらでも甘えて下さい。遠慮はいりませんから。」
「うん…!ありがとう。」
警視庁前まで送ってもらい、再度お礼を言った。
「それじゃあ…いってきます。」
「いってらっしゃい。今度こそあまり無茶はしないで下さいね。」
「分かってます。」
手を振りながら警視庁内に入った。
恐る恐る職場に入ると案の定、状況はほとんど変わっていなかった。相変わらず部屋が男臭い。
「お休み、ありがとうございました…。」
「ナマエさんが来たあぁ!」
わあぁと歓声があがった。
「とりあえず、急ぎの物は全て私に。」
そう言ったが机に資料がどんどん積み上がる。
「こんなに…。」
助けを求めるべく、ちらりと風見さんを見たが机の上で死にかけていた。
「風見さん…大丈夫ですか?」
返事がない。屍のようだ。
いや、ふざけてる場合じゃない。余程お疲れなんだろう。白目を剥いて寝ているのか気絶しているのか分からないが、意識がないようだ。
仕方がない。仮眠室に連れて行くか。
誰かに運んで貰おうと思ったがフラフラな人達に頼むのもなんだか心配だ。
「よいしょっと…。」
なんとか風見さんを担いだものの、身長差がありすぎてバランス悪い。思いっきり足を引きずっている。
どうしたものか。
「なんだこの惨劇は。」
「こ、この声は…!ふ…降谷さん!!」
再び部屋に歓声があがった。
「おい、1人で運ぶなんて無茶だろ。風見を貸せ。」
風見さんを担いで一瞬で仮眠室に押し込んで戻ってきた。
「ナマエ、その急ぎの資料半分まわせ。」
「ありがとうございます!」
2人で速攻急ぎの仕事を終わらせた後、急ぎではない分の仕事内容を確認してからフラフラな人達を仮眠室に押し込んだ。動けそうな人達はタクシーに乗せて帰らせる事に。
数時間後
「やったー!終わった!」
2人でなんとかほとんどの仕事を終わらせる事が出来た。
「よくやった。」
「降谷さんも忙しいのにありがとうございました。」
時計を見ると22時を過ぎていた。
朝からほとんど飲まず食わずでよく頑張ったなぁ。
容赦なく腹の虫が鳴いてる。
「本当は3日休みなのを切り上げたんだろ?明日から2日間休め。」
「そういう訳には。」
「ただでさえ元々休みを取らないんだから、この機会に少しでも体調整えておかないと駄目だろ。」
「でも…。」
その時SATの人が突然入ってきた。
「も…諸伏さんという方は居ますか?」
「なんだ突然。…彼はいないが。」
「申し訳ありません。至急スナイパーの方が必要で!こちらにスナイパーの方が居ると聞いてきたんですが…。」
「SATにもスナイパーは居るだろ。」
「それが…2日前の事件で複数名大怪我を負ってまして…。今居るのは現場経験のない新人が1名いるだけなんです!」
「どういった事件だ?」
「銀行内で強盗が立てこもっています。犯人は拳銃を2丁所持。人質が20名…。」
「チッ…。」
「私行きます。ライフル取ってきます!」
「…それならこれを持っていけ。」
降谷さんから渡された少々重たいビニール袋を受け取った。中身は分からないが受け取っておこう。
「ありがとうございます!」
走ってライフルを手にして急いで現場へと向かった。
今日はやっぱりすぐには帰れないパターンだ。
離れたビルの屋上から身体を伏せて狙撃のチャンスを伺う。
降谷さんから渡された袋の中身はゼリー飲料とカロリーメイトだった。ありがたい。
片手で貪りながら様子を伺った。
しかしながらなかなか狙撃のチャンスがない。
犯人はずっと奥側に隠れているようだ。
そのまま特筆すべき事はなく1日が経過。
昼過ぎにはポツポツと雨が降ってきてしまった。
ジャケットを上から被せてスコープと上半身を覆う。雨で濡れてズボンが張り付くが、銃を構えていると不思議と色々な事が気にならなくなる。
神経を研ぎ澄ませているのはこのライフルにだけ。
人質を誰も傷つけずに家に帰してあげたい。
その一心だ。
あれから半日以上雨ざらしだと流石に冷えてきた気がする。上からかけているジャケットからも水滴が滴ってくるし水を吸って重くなってきた。いい加減犯人は痺れを切らしてこっちに来ないかな…。
あ、SATの人が犯人に食料を手渡そうとしている。
これが良い機会になるかも。
「よし…こっちへ来た。そうだ、このまま来い…。」
狙いを定めて撃とうとした瞬間、突然銃声が響いた。
弾は犯人の横を通過しガラス戸を割っただけ。
慌てて狙撃しようとするも犯人は警戒して中へ引っこもうとした。
「まずい…!」
私がいる角度だと犯人が撃てない!このままだと人質が!
その時再び銃声が響いた。
「今度のは…あの新人じゃない…!誰だ!?」
恐らく私よりずっと遠方の左後方から発砲音がした。
慌てて犯人をスコープ越しに見ると頭から血を流して倒れていた。
「終わった…。」
はぁっ、と一息ついて立ち上がった。
なんだか足の感覚が鈍い。
ズブ濡れのまま現場の方へと歩いていき、SATに声をかけた。
「お疲れ様でした。」
「申し訳ありませんでした!」
「うちの新人がほんっとーに!申し訳ありませんでした!!狙撃ありがとうございました!」
「いえ。人質全員無事で何よりです。」
最初の発砲はやはり新人のミスだったようだ。
焦りと人の命を奪う恐怖から、狙いを定める事に失敗したらしい。
「新人君。犯人を1発で撃てないと人質が犠牲になるんだよ。自分の行動1つで多くの人の人生を変える。これからしっかり経験を積みなさい。」
「はい…。」新人は今にも泣きそうな顔をしていた。
慰めてやりたいが、これは本人の乗り越えるべき壁だ。何も言わずに立ち去った。
あれからタクシーに乗って帰宅した。
ズブ濡れの私を乗せるは嫌だったろうに、タクシーの運転手さんは哀れんだ顔をして乗せてくれた。
家の玄関についた。
「やっと帰ってきた。」
思わず玄関の床に倒れ込んだ。
狙撃してくれたのは恐らく彼だ。
後できちんと事情を聞きつつお礼を言わないと。
冷えた床がなんだか気持ち良い。
ちょっとくらい…ここで寝ても…良いよね…。
「本当にもう仕事行くんですか?」
「だって…3日休みくれるって言ってたけど、流石にそういう訳にはいかないし。昨日1日休み貰っただけでも十分だよ。焼肉パワーで頑張ります!」
「そうですか。では今夜、またこちらに泊まりに来ませんか?」
「あっ、えっと…。多分また帰れない日が続くかもだし…。予定が分かったら連絡するね。」
「分かりました。送りますので車に乗って下さい。」
「また…いいの?」
「いくらでも甘えて下さい。遠慮はいりませんから。」
「うん…!ありがとう。」
警視庁前まで送ってもらい、再度お礼を言った。
「それじゃあ…いってきます。」
「いってらっしゃい。今度こそあまり無茶はしないで下さいね。」
「分かってます。」
手を振りながら警視庁内に入った。
恐る恐る職場に入ると案の定、状況はほとんど変わっていなかった。相変わらず部屋が男臭い。
「お休み、ありがとうございました…。」
「ナマエさんが来たあぁ!」
わあぁと歓声があがった。
「とりあえず、急ぎの物は全て私に。」
そう言ったが机に資料がどんどん積み上がる。
「こんなに…。」
助けを求めるべく、ちらりと風見さんを見たが机の上で死にかけていた。
「風見さん…大丈夫ですか?」
返事がない。屍のようだ。
いや、ふざけてる場合じゃない。余程お疲れなんだろう。白目を剥いて寝ているのか気絶しているのか分からないが、意識がないようだ。
仕方がない。仮眠室に連れて行くか。
誰かに運んで貰おうと思ったがフラフラな人達に頼むのもなんだか心配だ。
「よいしょっと…。」
なんとか風見さんを担いだものの、身長差がありすぎてバランス悪い。思いっきり足を引きずっている。
どうしたものか。
「なんだこの惨劇は。」
「こ、この声は…!ふ…降谷さん!!」
再び部屋に歓声があがった。
「おい、1人で運ぶなんて無茶だろ。風見を貸せ。」
風見さんを担いで一瞬で仮眠室に押し込んで戻ってきた。
「ナマエ、その急ぎの資料半分まわせ。」
「ありがとうございます!」
2人で速攻急ぎの仕事を終わらせた後、急ぎではない分の仕事内容を確認してからフラフラな人達を仮眠室に押し込んだ。動けそうな人達はタクシーに乗せて帰らせる事に。
数時間後
「やったー!終わった!」
2人でなんとかほとんどの仕事を終わらせる事が出来た。
「よくやった。」
「降谷さんも忙しいのにありがとうございました。」
時計を見ると22時を過ぎていた。
朝からほとんど飲まず食わずでよく頑張ったなぁ。
容赦なく腹の虫が鳴いてる。
「本当は3日休みなのを切り上げたんだろ?明日から2日間休め。」
「そういう訳には。」
「ただでさえ元々休みを取らないんだから、この機会に少しでも体調整えておかないと駄目だろ。」
「でも…。」
その時SATの人が突然入ってきた。
「も…諸伏さんという方は居ますか?」
「なんだ突然。…彼はいないが。」
「申し訳ありません。至急スナイパーの方が必要で!こちらにスナイパーの方が居ると聞いてきたんですが…。」
「SATにもスナイパーは居るだろ。」
「それが…2日前の事件で複数名大怪我を負ってまして…。今居るのは現場経験のない新人が1名いるだけなんです!」
「どういった事件だ?」
「銀行内で強盗が立てこもっています。犯人は拳銃を2丁所持。人質が20名…。」
「チッ…。」
「私行きます。ライフル取ってきます!」
「…それならこれを持っていけ。」
降谷さんから渡された少々重たいビニール袋を受け取った。中身は分からないが受け取っておこう。
「ありがとうございます!」
走ってライフルを手にして急いで現場へと向かった。
今日はやっぱりすぐには帰れないパターンだ。
離れたビルの屋上から身体を伏せて狙撃のチャンスを伺う。
降谷さんから渡された袋の中身はゼリー飲料とカロリーメイトだった。ありがたい。
片手で貪りながら様子を伺った。
しかしながらなかなか狙撃のチャンスがない。
犯人はずっと奥側に隠れているようだ。
そのまま特筆すべき事はなく1日が経過。
昼過ぎにはポツポツと雨が降ってきてしまった。
ジャケットを上から被せてスコープと上半身を覆う。雨で濡れてズボンが張り付くが、銃を構えていると不思議と色々な事が気にならなくなる。
神経を研ぎ澄ませているのはこのライフルにだけ。
人質を誰も傷つけずに家に帰してあげたい。
その一心だ。
あれから半日以上雨ざらしだと流石に冷えてきた気がする。上からかけているジャケットからも水滴が滴ってくるし水を吸って重くなってきた。いい加減犯人は痺れを切らしてこっちに来ないかな…。
あ、SATの人が犯人に食料を手渡そうとしている。
これが良い機会になるかも。
「よし…こっちへ来た。そうだ、このまま来い…。」
狙いを定めて撃とうとした瞬間、突然銃声が響いた。
弾は犯人の横を通過しガラス戸を割っただけ。
慌てて狙撃しようとするも犯人は警戒して中へ引っこもうとした。
「まずい…!」
私がいる角度だと犯人が撃てない!このままだと人質が!
その時再び銃声が響いた。
「今度のは…あの新人じゃない…!誰だ!?」
恐らく私よりずっと遠方の左後方から発砲音がした。
慌てて犯人をスコープ越しに見ると頭から血を流して倒れていた。
「終わった…。」
はぁっ、と一息ついて立ち上がった。
なんだか足の感覚が鈍い。
ズブ濡れのまま現場の方へと歩いていき、SATに声をかけた。
「お疲れ様でした。」
「申し訳ありませんでした!」
「うちの新人がほんっとーに!申し訳ありませんでした!!狙撃ありがとうございました!」
「いえ。人質全員無事で何よりです。」
最初の発砲はやはり新人のミスだったようだ。
焦りと人の命を奪う恐怖から、狙いを定める事に失敗したらしい。
「新人君。犯人を1発で撃てないと人質が犠牲になるんだよ。自分の行動1つで多くの人の人生を変える。これからしっかり経験を積みなさい。」
「はい…。」新人は今にも泣きそうな顔をしていた。
慰めてやりたいが、これは本人の乗り越えるべき壁だ。何も言わずに立ち去った。
あれからタクシーに乗って帰宅した。
ズブ濡れの私を乗せるは嫌だったろうに、タクシーの運転手さんは哀れんだ顔をして乗せてくれた。
家の玄関についた。
「やっと帰ってきた。」
思わず玄関の床に倒れ込んだ。
狙撃してくれたのは恐らく彼だ。
後できちんと事情を聞きつつお礼を言わないと。
冷えた床がなんだか気持ち良い。
ちょっとくらい…ここで寝ても…良いよね…。