Put on a happy face
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「どうしたんじゃ、昴君。頭を抱えて。頭痛薬ならあるぞ。」
「いえ…ちょっとした難事件を抱えてまして。」
「あぁ、以前指輪に盗聴器とGPSをつけた件かの?」
「…えぇ。阿笠博士、こちらの指輪にGPSだけつけて頂けますか?」
「なんじゃ、せっかく同じ指輪を頼んで作って貰って埋め込んだというのに…。」
「本人にGPSだけなら付けても良い、それと元の指輪を返せと言われたので。」
「そ、そうかの。」
「えぇ…。先程強引な手で元々の指輪を奪われまして。」
「…昴君の恋人が随分な難事件という訳じゃな。」
「そうなんです。…本当に。」
「…すぐに用意するからちょっと中で待っていてくれるかの?それとも出来たらそちらに届ける方が良いかの?」
「…お手数ですが届けて頂けますか?…ついでに彼女を紹介しておきたいので。」
「おぉ、会わせてくれるのか!それは楽しみじゃのう。じゃあまた後でのぅ!」
「よろしくお願いします。」
工藤邸に戻るとナマエがリビングでコーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
「昴さんおかえり。勝手にコーヒーいれちゃった。飲むでしょう?」
「あぁ。いただくよ。」
お互い何事も無かったようにコーヒーを啜る。
隣にいる彼女をチラリと見ても"ん?"とキョトンとした顔をされただけ。
お互い良い歳だし、彼女は今まで何人も男がいたのかもしれない。
俺がアプローチした時フリーだったのは幸運だったな。
俺は仕事上や組織の任務上女と関係を持った事は何度かあったが、本当にプライベートで付き合ったのは彼女だけだ。
今まで何人付き合った?だとかそんな無粋な事は聞けない。俺だけが恋人にキスをけしかけられて動揺しているみたいで嫌になる。
一気にコーヒーを煽って少し雑にマグカップをテーブルに置いた。
無言のままテレビを見ていると急に俺の右手にそっと指を絡ませてきた。
「あ…あのね…。言っておくけど、隙を見せるためにキスしただけだからね?…男の人に自分からキスしたの、初めてだから…。」怒ったように照れて言う彼女の顔は真っ赤だった。
「……答えたくなかったら答えなくて良い。今まで仕事を含めて男性経験は?」
「…言っておくけど!!あの夏休みに秀一君とシてからは一度もシた事ないし、そもそも今まで秀一君以外と付き合った事ないから!そっちはどうか分かりませんけどね!」
「…そうか。」思わず口角が上がる。
「ウブだなぁとか思ってバカにしてるでしょ?」
「いいや。お互い原点回帰だな。俺も今だから言えるが…あの時が初めてだった。」
「は?えっ?……ウソでしょ…??…あんなに手慣れている感じだったのに……あれが?」
「俺も男だし色々知識はあったからな。知識を実践に生かしただけだが。」
「…私、あの頃秀一君って慣れてる人かと思って結構動揺してたんだよ!?」
「俺はそんな軽い男じゃない。あの頃も言ったはずだが。」
「………。」口をパクパクしたまましばらく何か言いたそうにして口を噤んだ。
「どうした?言いたい事があれば言え。」
「あの…つまり…、私、秀一君の初めてを……?」
「そうだな。」
そう言うと赤かった顔が更に赤くなり、耳まで赤くなった。
「うそ…。私が…。」ごにょごにょと何かを言っていたが聞き取れなかった。
「僕の初めてを奪った責任、取ってくれます?
僕も勿論ナマエの初めてを奪った責任は取るつもりですが。」
わざとニコニコと沖矢昴の人懐っこい笑みを浮かべ、彼女の赤くなった耳を唇で甘噛みした。
「ヒイィ!!…もう!今までの女性にもそういう事してきたんでしょ!?こっちは免疫ないんだから!
ちょっとキスしただけで毎回もう心臓バクバクなんだからね!」
「俺もだ。…言っておくが、仕事の都合以外で付き合ったのはナマエだけだぞ。」
「……宮野明美さんも?」
「あぁ、明美の事を知っているのか。勿論彼女も潜入の為の付き合いだが。」
「それでも…少なからず好意はあったでしょ…?
……仕事とはいえ、仮に恋人だった人が亡くなったらショックで引きずるだろうしそれが余計に秀一君の心を占めると思うんだけど…。」
「…もしかして、ずっと気にしていたのか?俺が明美の事をずっと引きずっているんじゃないかと。」
彼女は若干涙目を浮かべて頷いた。
「……明美は生きている。アメリカで証人保護プログラムを受けてFBIの監視下に置いている。本当は妹も保護しようとしたんだが、その前に逃げられてしまった。」
「えっ……生きてるの?」
「あぁ。公安的には死んだ事になってるだろ。
こちらで全て処理をしてしまったからな。」
「そうだったの…。」
「彼女には仕事上の付き合いだったときちんと謝罪した。分かってくれたよ。それに薄々俺が本当には明美を好きではないと気付いていたようだしな。
ナマエ…昔も今も俺の心を支配しているのは君しかいない。」
「そっか…そうだったんだ…。」
「…いつまで顔を隠しているんだ。」
「だって絶対に顔赤いもん。」
その時インターホンが鳴った。
「阿笠博士かもしれない。紹介したいから一緒に来てくれないか?」
「えっ?今?…ちょっと、5秒待って。」
「先に行っているぞ。」
「阿笠博士、すみません。来て頂いて。」
「これ、指輪に付けたから確認してみてくれんかの。」
「ありがとうございます。」
「こんにちは…阿笠博士?」
「おぉ、君がナマエ君か!…想像以上のべっぴんさんじゃ。」
「あはは…ありがとうございます。」
流石、彼女の顔は全く赤くはなかった。
いつもの貼り付けたような笑みを浮かべている。
「博士の発明には本当にお世話になっているんです。」
「いつも彼が…ありがとうございます。」
「いやいや、いいんじゃよ。そのうち2人で隣に遊びに来て下さい。」
「はい!今度良かったら発明品見せてください!」
「興味あるのか!勿論大歓迎じゃ!」
博士が家に戻って行った後、彼女は戻ってきた指輪をネックレスチェーンに通して身につけた。
すり替えられた指輪も一応彼女に渡しておいた。
「こういうすり替えるのはもう辞めてよね!何かしたいなら事前に相談して。」
「分かりました。…そろそろ行きましょうか。今から出れば予約の時間に丁度良さそうです。」
「あっ、もうこんな時間!行こ!」
焼肉!焼肉!と楽しそうにカバンを取りに行ったのを横目で見ながらポケットにタバコとサイフを突っ込み鍵の束を掴んだ。
ナマエと外食は初めてだな。
内心俺も楽しみだ。
「いえ…ちょっとした難事件を抱えてまして。」
「あぁ、以前指輪に盗聴器とGPSをつけた件かの?」
「…えぇ。阿笠博士、こちらの指輪にGPSだけつけて頂けますか?」
「なんじゃ、せっかく同じ指輪を頼んで作って貰って埋め込んだというのに…。」
「本人にGPSだけなら付けても良い、それと元の指輪を返せと言われたので。」
「そ、そうかの。」
「えぇ…。先程強引な手で元々の指輪を奪われまして。」
「…昴君の恋人が随分な難事件という訳じゃな。」
「そうなんです。…本当に。」
「…すぐに用意するからちょっと中で待っていてくれるかの?それとも出来たらそちらに届ける方が良いかの?」
「…お手数ですが届けて頂けますか?…ついでに彼女を紹介しておきたいので。」
「おぉ、会わせてくれるのか!それは楽しみじゃのう。じゃあまた後でのぅ!」
「よろしくお願いします。」
工藤邸に戻るとナマエがリビングでコーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
「昴さんおかえり。勝手にコーヒーいれちゃった。飲むでしょう?」
「あぁ。いただくよ。」
お互い何事も無かったようにコーヒーを啜る。
隣にいる彼女をチラリと見ても"ん?"とキョトンとした顔をされただけ。
お互い良い歳だし、彼女は今まで何人も男がいたのかもしれない。
俺がアプローチした時フリーだったのは幸運だったな。
俺は仕事上や組織の任務上女と関係を持った事は何度かあったが、本当にプライベートで付き合ったのは彼女だけだ。
今まで何人付き合った?だとかそんな無粋な事は聞けない。俺だけが恋人にキスをけしかけられて動揺しているみたいで嫌になる。
一気にコーヒーを煽って少し雑にマグカップをテーブルに置いた。
無言のままテレビを見ていると急に俺の右手にそっと指を絡ませてきた。
「あ…あのね…。言っておくけど、隙を見せるためにキスしただけだからね?…男の人に自分からキスしたの、初めてだから…。」怒ったように照れて言う彼女の顔は真っ赤だった。
「……答えたくなかったら答えなくて良い。今まで仕事を含めて男性経験は?」
「…言っておくけど!!あの夏休みに秀一君とシてからは一度もシた事ないし、そもそも今まで秀一君以外と付き合った事ないから!そっちはどうか分かりませんけどね!」
「…そうか。」思わず口角が上がる。
「ウブだなぁとか思ってバカにしてるでしょ?」
「いいや。お互い原点回帰だな。俺も今だから言えるが…あの時が初めてだった。」
「は?えっ?……ウソでしょ…??…あんなに手慣れている感じだったのに……あれが?」
「俺も男だし色々知識はあったからな。知識を実践に生かしただけだが。」
「…私、あの頃秀一君って慣れてる人かと思って結構動揺してたんだよ!?」
「俺はそんな軽い男じゃない。あの頃も言ったはずだが。」
「………。」口をパクパクしたまましばらく何か言いたそうにして口を噤んだ。
「どうした?言いたい事があれば言え。」
「あの…つまり…、私、秀一君の初めてを……?」
「そうだな。」
そう言うと赤かった顔が更に赤くなり、耳まで赤くなった。
「うそ…。私が…。」ごにょごにょと何かを言っていたが聞き取れなかった。
「僕の初めてを奪った責任、取ってくれます?
僕も勿論ナマエの初めてを奪った責任は取るつもりですが。」
わざとニコニコと沖矢昴の人懐っこい笑みを浮かべ、彼女の赤くなった耳を唇で甘噛みした。
「ヒイィ!!…もう!今までの女性にもそういう事してきたんでしょ!?こっちは免疫ないんだから!
ちょっとキスしただけで毎回もう心臓バクバクなんだからね!」
「俺もだ。…言っておくが、仕事の都合以外で付き合ったのはナマエだけだぞ。」
「……宮野明美さんも?」
「あぁ、明美の事を知っているのか。勿論彼女も潜入の為の付き合いだが。」
「それでも…少なからず好意はあったでしょ…?
……仕事とはいえ、仮に恋人だった人が亡くなったらショックで引きずるだろうしそれが余計に秀一君の心を占めると思うんだけど…。」
「…もしかして、ずっと気にしていたのか?俺が明美の事をずっと引きずっているんじゃないかと。」
彼女は若干涙目を浮かべて頷いた。
「……明美は生きている。アメリカで証人保護プログラムを受けてFBIの監視下に置いている。本当は妹も保護しようとしたんだが、その前に逃げられてしまった。」
「えっ……生きてるの?」
「あぁ。公安的には死んだ事になってるだろ。
こちらで全て処理をしてしまったからな。」
「そうだったの…。」
「彼女には仕事上の付き合いだったときちんと謝罪した。分かってくれたよ。それに薄々俺が本当には明美を好きではないと気付いていたようだしな。
ナマエ…昔も今も俺の心を支配しているのは君しかいない。」
「そっか…そうだったんだ…。」
「…いつまで顔を隠しているんだ。」
「だって絶対に顔赤いもん。」
その時インターホンが鳴った。
「阿笠博士かもしれない。紹介したいから一緒に来てくれないか?」
「えっ?今?…ちょっと、5秒待って。」
「先に行っているぞ。」
「阿笠博士、すみません。来て頂いて。」
「これ、指輪に付けたから確認してみてくれんかの。」
「ありがとうございます。」
「こんにちは…阿笠博士?」
「おぉ、君がナマエ君か!…想像以上のべっぴんさんじゃ。」
「あはは…ありがとうございます。」
流石、彼女の顔は全く赤くはなかった。
いつもの貼り付けたような笑みを浮かべている。
「博士の発明には本当にお世話になっているんです。」
「いつも彼が…ありがとうございます。」
「いやいや、いいんじゃよ。そのうち2人で隣に遊びに来て下さい。」
「はい!今度良かったら発明品見せてください!」
「興味あるのか!勿論大歓迎じゃ!」
博士が家に戻って行った後、彼女は戻ってきた指輪をネックレスチェーンに通して身につけた。
すり替えられた指輪も一応彼女に渡しておいた。
「こういうすり替えるのはもう辞めてよね!何かしたいなら事前に相談して。」
「分かりました。…そろそろ行きましょうか。今から出れば予約の時間に丁度良さそうです。」
「あっ、もうこんな時間!行こ!」
焼肉!焼肉!と楽しそうにカバンを取りに行ったのを横目で見ながらポケットにタバコとサイフを突っ込み鍵の束を掴んだ。
ナマエと外食は初めてだな。
内心俺も楽しみだ。