Put on a happy face
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警視庁で山のような捜査資料をなんとか捌いて、只今昨日の報告書&連れ去られた始末書を書いている。
「あー…。めんどくさい。」
「これもあるぞー。」
「げ…。これ昨日のバイクの修理の請求書?」
「自前のバイクは経費で落とせないのは分かってるだろう?修理に出しただけでも感謝してくれ。」
「はい…。風見さん、ありがとうございます。」
「…そう言いたい所だが、降谷さんが払うそうだ。」
「え!?駄目です。その請求書私に下さい!」
奪い取られた請求書を取り返そうと試みるも、風見さんの頭上に持っていかれたせいで届かない。
なんでこんなにも周囲の男達はみんな背が高いんだよ…。
「元々来葉峠に行かせたのは自分だからいいと。」
「そんな…昨日あれだけ色々してもらったのに。」
「昨日?」
「…なんでもありません。」
まずい、昨日降谷さんが家に泊まったなんて言ったら一部の職員にまたあらぬ疑いを持たれる。
「…あんまり降谷さんに迷惑かけるなよ。昨日は怪我がなくてなによりだ。」
(結局請求書は降谷さんの手に渡って後日バイクは警視庁内に戻された。)
その夜、仕事を終えた足でそのまま工藤邸に向かった。
門の前で何度か深呼吸をして震える手を伸ばし、工藤邸のインターホンを押した。
少ししてバタバタと足音が聞こえて玄関のドアが開いた。
「昴さん…。」ちょっと困ったように笑うと向こうも似たような表情をしていた。
「まさか…今日ここに来てくれるとは。…中にどうぞ。」
「…お邪魔します。」
リビングに通されてソファーに座った。
ぼんやりテレビを眺めていると紅茶を持ってきてくれた。
「もう夜ですから、ノンカフェインにしました。」
「…ありがとうございます。」
温かくて美味しい。今なら思った事が言えそうだ。
「…あの…私…昨日の話、受けます。」
「本当か!?俺と付き合ってくれるという事か?」
彼が目を見開いて驚いた。
「そんなに驚きます?」
「…君は断ると思っていた。」
「…上司から公安を裏切らなければなんでも良いと言われてますし。でもきっちり情報は貰いますからね。」
「勿論だ。」
「……昔は何のしがらみもなく付き合ってたのに…。なんか取引みたいでちょっと嫌ですね。」
「仕方がないさ。俺もナマエもあの頃より随分と大人になった。」
「そうですよね。」
「そんな悲しそうな顔をしないでくれ。お互い努力して今があるんだ。君が公安でなければ、こうやって再び会う事はなかったと思う。
改めて、これからまたよろしく頼む。」
「うん。よろしくお願いします。」
「ずっと思っていたんだが、なんで俺に敬語なんだ?同い年だぞ。」
「えっ…なんか、昴さんだと思うとつい緊張しちゃって。」
「ホォー。」そう言うと目の前でウィッグを外し、首元の変声機を切った。
「えっ!?嘘!?そんな、いきなり変装解いちゃうの?しかも本当に変声機あった!!」
「…今後2人きりの時はなるべく元の姿でいようと思っている。別に遅かれ早かれ見られても構わんよ。」
思わず立ち上がり至近距離で彼の顔を眺めた。
ペタペタと顔を触り、目の下をそっと拭ってみた。
やはりあの時と変わらない特徴的な隈が顕になり、彼と目が合った。
「…本物だ…。赤井秀一だ…。」
「偽物がいてたまるか。」ニヤリと笑った。
「あの時よりもずっと大人になったし、背も声も違うけど…やっぱりそこまで顔は変わらないね。
でも、もう"秀一君"って雰囲気じゃない。」
「ナマエも随分綺麗になった。元々美人だったが更に垢抜けた。」
「えっ?」まさかそんな事を言われると思ってなくて思わず顔が赤くなった。
「なんだ?思った事を言っただけだ。そんなに赤くなるか?」
「…ズルいよ。そんなにかっこよくなって、良い声で言われたら照れない女性いないよ…。」
両手で顔を隠して座り込んだ。
「それは良かった。」凄く余裕そうに真顔で返事をされた。くそぅ…モテ慣れてるな…。
「おい、紅茶冷めるぞ。」
「…いただきます。」
紅茶を半分位飲み干してようやく落ち着いた。
「ねぇ…。」
「どうした?」
「昔…なんで黙っていなくなったの?」
「…本当に悪かった。なんと言っていいか分からなかったんだ。
実は4月の時点でアメリカの高校へ行く事にはしていたんだ。
母にはあちらで勉強がしたいと言い訳したが、内緒でFBIに入り父を探して組織を潰したいと思ったからだ。
イギリスには帰れないし、日本では母親が監視しているから下手な事は出来ない。残った選択肢がアメリカだった。
日本にナマエを残して行くのは辛かったが、学生の身分ではどうしようもなかった。
それにFBIになって組織を追う事になれば死ぬ可能性は十分にある。それが分かっていたから、あの頃君に"待っていてくれ"なんて口が裂けても言えなかった。
結果、何も言えずに渡米してしまった。
それでも未練がましく指輪を渡すなんて子供じみていたと思っていたんだが…今となってこうしてまた巡り会えて良かった。」
「何度も何度も秀一君の事を諦めようとか、指輪を捨ててしまおうとか色々思ったけど…どうしても出来なかった。忘れられなかった。」
「君に足枷をつけてしまっていたか…。すまなかった。」
「公安内で、赤井秀一が敵だとか色々言われてどうしたら良いか分からなかったし、私も憎まないといけないのかと葛藤した。それでもやっぱり…私はこうして再会出来て嬉しい。どうしても上司のようには憎む事が出来ない。」
「…俺はいつかまた会えるんじゃないかと内心ずっと期待していたんだ。夏休みに親と同じ職業になりたいと言ってただろう?…実はあの頃、母親に頼んで君と両親の事、勝手に調べさせてもらった。
だから君の両親が元MI6で、公安勤務だという事は知っていた。君が公安になればいつか会えるかもしれない、とな。」
「嘘…。そんな簡単に調べられる事じゃ…。」
「俺の親も同じMI6だった。日本に来るよりも前の本名さえ分かれば、公安だと調べるのは造作もない。
それに母親同士は友人だったそうだ。
実は俺たち、子供の頃に会っていたらしい。
秀吉が産まれた頃に家に来たそうだから…お互い4歳だったのかな。だから今回、2回目の再会だ。」
「4歳で会って、15歳で会って、今…?そんなドラマみたいな事…ある?」
信じられない気持ちで秀一君を見た。
「あぁ、凄いな。こういう言い方は照れくさいが…出会うべくして出会った運命だと思っているよ。」
そんなことを言われてまた私の顔は茹でダコのように赤くなった。
「あー…。めんどくさい。」
「これもあるぞー。」
「げ…。これ昨日のバイクの修理の請求書?」
「自前のバイクは経費で落とせないのは分かってるだろう?修理に出しただけでも感謝してくれ。」
「はい…。風見さん、ありがとうございます。」
「…そう言いたい所だが、降谷さんが払うそうだ。」
「え!?駄目です。その請求書私に下さい!」
奪い取られた請求書を取り返そうと試みるも、風見さんの頭上に持っていかれたせいで届かない。
なんでこんなにも周囲の男達はみんな背が高いんだよ…。
「元々来葉峠に行かせたのは自分だからいいと。」
「そんな…昨日あれだけ色々してもらったのに。」
「昨日?」
「…なんでもありません。」
まずい、昨日降谷さんが家に泊まったなんて言ったら一部の職員にまたあらぬ疑いを持たれる。
「…あんまり降谷さんに迷惑かけるなよ。昨日は怪我がなくてなによりだ。」
(結局請求書は降谷さんの手に渡って後日バイクは警視庁内に戻された。)
その夜、仕事を終えた足でそのまま工藤邸に向かった。
門の前で何度か深呼吸をして震える手を伸ばし、工藤邸のインターホンを押した。
少ししてバタバタと足音が聞こえて玄関のドアが開いた。
「昴さん…。」ちょっと困ったように笑うと向こうも似たような表情をしていた。
「まさか…今日ここに来てくれるとは。…中にどうぞ。」
「…お邪魔します。」
リビングに通されてソファーに座った。
ぼんやりテレビを眺めていると紅茶を持ってきてくれた。
「もう夜ですから、ノンカフェインにしました。」
「…ありがとうございます。」
温かくて美味しい。今なら思った事が言えそうだ。
「…あの…私…昨日の話、受けます。」
「本当か!?俺と付き合ってくれるという事か?」
彼が目を見開いて驚いた。
「そんなに驚きます?」
「…君は断ると思っていた。」
「…上司から公安を裏切らなければなんでも良いと言われてますし。でもきっちり情報は貰いますからね。」
「勿論だ。」
「……昔は何のしがらみもなく付き合ってたのに…。なんか取引みたいでちょっと嫌ですね。」
「仕方がないさ。俺もナマエもあの頃より随分と大人になった。」
「そうですよね。」
「そんな悲しそうな顔をしないでくれ。お互い努力して今があるんだ。君が公安でなければ、こうやって再び会う事はなかったと思う。
改めて、これからまたよろしく頼む。」
「うん。よろしくお願いします。」
「ずっと思っていたんだが、なんで俺に敬語なんだ?同い年だぞ。」
「えっ…なんか、昴さんだと思うとつい緊張しちゃって。」
「ホォー。」そう言うと目の前でウィッグを外し、首元の変声機を切った。
「えっ!?嘘!?そんな、いきなり変装解いちゃうの?しかも本当に変声機あった!!」
「…今後2人きりの時はなるべく元の姿でいようと思っている。別に遅かれ早かれ見られても構わんよ。」
思わず立ち上がり至近距離で彼の顔を眺めた。
ペタペタと顔を触り、目の下をそっと拭ってみた。
やはりあの時と変わらない特徴的な隈が顕になり、彼と目が合った。
「…本物だ…。赤井秀一だ…。」
「偽物がいてたまるか。」ニヤリと笑った。
「あの時よりもずっと大人になったし、背も声も違うけど…やっぱりそこまで顔は変わらないね。
でも、もう"秀一君"って雰囲気じゃない。」
「ナマエも随分綺麗になった。元々美人だったが更に垢抜けた。」
「えっ?」まさかそんな事を言われると思ってなくて思わず顔が赤くなった。
「なんだ?思った事を言っただけだ。そんなに赤くなるか?」
「…ズルいよ。そんなにかっこよくなって、良い声で言われたら照れない女性いないよ…。」
両手で顔を隠して座り込んだ。
「それは良かった。」凄く余裕そうに真顔で返事をされた。くそぅ…モテ慣れてるな…。
「おい、紅茶冷めるぞ。」
「…いただきます。」
紅茶を半分位飲み干してようやく落ち着いた。
「ねぇ…。」
「どうした?」
「昔…なんで黙っていなくなったの?」
「…本当に悪かった。なんと言っていいか分からなかったんだ。
実は4月の時点でアメリカの高校へ行く事にはしていたんだ。
母にはあちらで勉強がしたいと言い訳したが、内緒でFBIに入り父を探して組織を潰したいと思ったからだ。
イギリスには帰れないし、日本では母親が監視しているから下手な事は出来ない。残った選択肢がアメリカだった。
日本にナマエを残して行くのは辛かったが、学生の身分ではどうしようもなかった。
それにFBIになって組織を追う事になれば死ぬ可能性は十分にある。それが分かっていたから、あの頃君に"待っていてくれ"なんて口が裂けても言えなかった。
結果、何も言えずに渡米してしまった。
それでも未練がましく指輪を渡すなんて子供じみていたと思っていたんだが…今となってこうしてまた巡り会えて良かった。」
「何度も何度も秀一君の事を諦めようとか、指輪を捨ててしまおうとか色々思ったけど…どうしても出来なかった。忘れられなかった。」
「君に足枷をつけてしまっていたか…。すまなかった。」
「公安内で、赤井秀一が敵だとか色々言われてどうしたら良いか分からなかったし、私も憎まないといけないのかと葛藤した。それでもやっぱり…私はこうして再会出来て嬉しい。どうしても上司のようには憎む事が出来ない。」
「…俺はいつかまた会えるんじゃないかと内心ずっと期待していたんだ。夏休みに親と同じ職業になりたいと言ってただろう?…実はあの頃、母親に頼んで君と両親の事、勝手に調べさせてもらった。
だから君の両親が元MI6で、公安勤務だという事は知っていた。君が公安になればいつか会えるかもしれない、とな。」
「嘘…。そんな簡単に調べられる事じゃ…。」
「俺の親も同じMI6だった。日本に来るよりも前の本名さえ分かれば、公安だと調べるのは造作もない。
それに母親同士は友人だったそうだ。
実は俺たち、子供の頃に会っていたらしい。
秀吉が産まれた頃に家に来たそうだから…お互い4歳だったのかな。だから今回、2回目の再会だ。」
「4歳で会って、15歳で会って、今…?そんなドラマみたいな事…ある?」
信じられない気持ちで秀一君を見た。
「あぁ、凄いな。こういう言い方は照れくさいが…出会うべくして出会った運命だと思っているよ。」
そんなことを言われてまた私の顔は茹でダコのように赤くなった。