Put on a happy face
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今日は久しぶりのお休み。
昴さんと会う約束をしているのだが、珍しくいつもより早い時間を指定された。
しかもマンション前まで車でお迎えに来てくれるらしい。
「何着ようかな…。」
最近買った片側だけ肩があいているショルダーカットトップスを手に取った。
肩があいてるけど、色がボルドーだし落ち着いた雰囲気だから若作りなんて思われないよね…。
それにグレーのツイードのロングスカートを合わせてみた。
「うん、多分大丈夫。」
まだ時間に余裕があったので髪も久しぶりに巻いてみる事にした。
「なんか…私浮かれすぎてるかも。」
急に恥ずかしくなったが巻いた髪をストレートにする時間はないし髪が痛む。
マンションのベランダから下を見ると昴さんが車に寄りかかっているのが見えた。
カバンを手に慌てて下に降りて昴さんの元に駆けた。
「こんにちは!昴さんお待たせしました!」
「いえ……。」
私を見るなり動きが止まった。
若作りBBAなんて思われただろうか…。
「あー…変ですよね。ごめんなさい着替えてきま」
「違うんです…。いつもと雰囲気が違くて、綺麗で…見とれていました。」
手首を掴まれて真剣な顔で言われた。
「…そんな褒めて貰えるなんて。ありがとうございます。」恥ずかしくて少しおどけるように言った。
「ただ、肩があいているのを他の男に見せたくなくなりますね。僕のジャケット着ておきませんか?」
「あははは!昴さんの服、大きすぎて私が着たらロングコートみたいになっちゃいますよ。」
そういえば秀一君にも昔パーカー無理矢理着せられたなぁ。なんてつい感傷に浸ってしまう。
「今日は何処に行くんですか?」
「これをどうぞ。」
渡されたのは映画のチケットだった。
「これ…!!緋色の捜査官の!!私ずっと見たかったんですけど、休みがなくてなかなか見れなくて!」
「そうだろうと思ってチケット取って置いたんです。」
「ありがとうございますッ!!昴さん神〜!!」
なんと言っても工藤優作さんが初めて手がけた脚本。
絶対面白いに決まってる。
映画館に着いて飲み物を買う。
「チケット買わせちゃったので飲み物買わせてください。何にしますか?」
「今日は僕が出します。」
「でも…。」
「僕を立てると思って、ここは。」
「…ありがとうございます。私、オレンジジュースで…。」
「オレンジジュースですか…。分かりました。」
「あっ、今子供っぽいとか思いましたね?!」
「お…思いました。」
「やっぱり!」
「今買ってきますからそんな拗ねないで下さい。」
そう言うと昴さんは笑うのを隠そうともせず飲み物を買いに行ってしまった。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「…昴さんはブラックコーヒーですか?」
「えぇ。」
「コーヒーとか紅茶って、利尿作用でトイレ行きたくなりません?」
「あー…まぁ。でも観る直前に行っておけば大丈夫じゃないですか?」
「映画の中って冷えるし行きたくなりやすいんですよね。」
「女性は冷えやすいですからね。筋肉量が違うので。」
「そうですよね。これでも多少鍛えてるんだけどなぁ。」
「僕のジャケット、貸しますよ。」
「昴さん冷えません?」
「ハイネック来てますし寒くはないですよ。ひざ掛けにでもして下さい。」
「ありがとうございます。寒かったら返すので言って下さいね。」
昴さんの体温は私より高いのか温かい。
しかも大きいので身体が結構隠れる。
昴さんのシャンプーなのか香水なのか分からないけどミントみたいな石鹸の香りがする。
「ん…?昴さんって喫煙者ですか?」
「えぇ、実はそうなんです。タバコ臭かったですか?かなり気をつけていたつもりだったんですが…。」
「臭くないです、寧ろなんだか良い匂いがします。ほんの微かにタバコみたいな匂いがするなって思っただけです。
…ごめんなさい、なんか変態みたいな言い方してしまいました。」
昴さん相手だと時々失言してしまうな…。
「それなら良かったです。」
「もしかして、私と居る時タバコ、我慢してます…?」
「あー…少しは。」
「そうだったんですね!喫煙所とか行く時言って下さい!私放っておいてもらっても構わないので!」
「いえ、タバコを吸っている時間より貴女と一緒に居た方がよっぽど有意義ですから。」
言われた瞬間シアターが暗くなり、スクリーンに映画の宣伝が映し出された。
良かった…。
思わずオレンジジュースを飲む。
甘酸っぱい味が口の中に広がった。
暗くなかったら顔が赤いのがバレる所だった。
昴さん、わざとなのか天然なのか女たらしなんだよな…。女の子が喜ぶ言葉が分かっているというか。
ズルいなー…。
まぁ告白を断ってこうやって一緒に居る私もズルいのかもしれないけど。
ーーーーーーー
「よ…良かったああぁぁ…。」
「泣くほど良かったんですか?」
「だ、だってぇ…。主役が味方を庇って、あれ絶対死んだと思うじゃないですか!?
…生きてて良かった…。」
昴さんを見ながら言うと困ったような顔をして
"そうですね…生きてて良かったです。"と呟いた。
「うぅ…。ちょっとトイレで化粧直してきます。」
「分かりました。」
トイレで鏡を見ると思いのほかメイクは崩れてなかった。流石はウォータープルーフ!
予告見た時点で絶対泣くだろうと思って対策しておいて良かった。
「この後どうしますか?夕食、食べて帰ります?」
「あー…良かったらうちに来ます?料理作りますよ。あ、でもうちだと呑めないですよね。
…泊まります?」
昴さんはいつも工藤邸で夕食を摂るときお酒を呑むことが多い。私はいつも車だから一緒に呑んだことはないけど、いつか一緒にお酒呑みたいと思っていた。
「良いんですか?」
「はい。」
「一旦荷物を取りに戻りますね。それから一緒に買い物行きましょう。」
昴さんと会う約束をしているのだが、珍しくいつもより早い時間を指定された。
しかもマンション前まで車でお迎えに来てくれるらしい。
「何着ようかな…。」
最近買った片側だけ肩があいているショルダーカットトップスを手に取った。
肩があいてるけど、色がボルドーだし落ち着いた雰囲気だから若作りなんて思われないよね…。
それにグレーのツイードのロングスカートを合わせてみた。
「うん、多分大丈夫。」
まだ時間に余裕があったので髪も久しぶりに巻いてみる事にした。
「なんか…私浮かれすぎてるかも。」
急に恥ずかしくなったが巻いた髪をストレートにする時間はないし髪が痛む。
マンションのベランダから下を見ると昴さんが車に寄りかかっているのが見えた。
カバンを手に慌てて下に降りて昴さんの元に駆けた。
「こんにちは!昴さんお待たせしました!」
「いえ……。」
私を見るなり動きが止まった。
若作りBBAなんて思われただろうか…。
「あー…変ですよね。ごめんなさい着替えてきま」
「違うんです…。いつもと雰囲気が違くて、綺麗で…見とれていました。」
手首を掴まれて真剣な顔で言われた。
「…そんな褒めて貰えるなんて。ありがとうございます。」恥ずかしくて少しおどけるように言った。
「ただ、肩があいているのを他の男に見せたくなくなりますね。僕のジャケット着ておきませんか?」
「あははは!昴さんの服、大きすぎて私が着たらロングコートみたいになっちゃいますよ。」
そういえば秀一君にも昔パーカー無理矢理着せられたなぁ。なんてつい感傷に浸ってしまう。
「今日は何処に行くんですか?」
「これをどうぞ。」
渡されたのは映画のチケットだった。
「これ…!!緋色の捜査官の!!私ずっと見たかったんですけど、休みがなくてなかなか見れなくて!」
「そうだろうと思ってチケット取って置いたんです。」
「ありがとうございますッ!!昴さん神〜!!」
なんと言っても工藤優作さんが初めて手がけた脚本。
絶対面白いに決まってる。
映画館に着いて飲み物を買う。
「チケット買わせちゃったので飲み物買わせてください。何にしますか?」
「今日は僕が出します。」
「でも…。」
「僕を立てると思って、ここは。」
「…ありがとうございます。私、オレンジジュースで…。」
「オレンジジュースですか…。分かりました。」
「あっ、今子供っぽいとか思いましたね?!」
「お…思いました。」
「やっぱり!」
「今買ってきますからそんな拗ねないで下さい。」
そう言うと昴さんは笑うのを隠そうともせず飲み物を買いに行ってしまった。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「…昴さんはブラックコーヒーですか?」
「えぇ。」
「コーヒーとか紅茶って、利尿作用でトイレ行きたくなりません?」
「あー…まぁ。でも観る直前に行っておけば大丈夫じゃないですか?」
「映画の中って冷えるし行きたくなりやすいんですよね。」
「女性は冷えやすいですからね。筋肉量が違うので。」
「そうですよね。これでも多少鍛えてるんだけどなぁ。」
「僕のジャケット、貸しますよ。」
「昴さん冷えません?」
「ハイネック来てますし寒くはないですよ。ひざ掛けにでもして下さい。」
「ありがとうございます。寒かったら返すので言って下さいね。」
昴さんの体温は私より高いのか温かい。
しかも大きいので身体が結構隠れる。
昴さんのシャンプーなのか香水なのか分からないけどミントみたいな石鹸の香りがする。
「ん…?昴さんって喫煙者ですか?」
「えぇ、実はそうなんです。タバコ臭かったですか?かなり気をつけていたつもりだったんですが…。」
「臭くないです、寧ろなんだか良い匂いがします。ほんの微かにタバコみたいな匂いがするなって思っただけです。
…ごめんなさい、なんか変態みたいな言い方してしまいました。」
昴さん相手だと時々失言してしまうな…。
「それなら良かったです。」
「もしかして、私と居る時タバコ、我慢してます…?」
「あー…少しは。」
「そうだったんですね!喫煙所とか行く時言って下さい!私放っておいてもらっても構わないので!」
「いえ、タバコを吸っている時間より貴女と一緒に居た方がよっぽど有意義ですから。」
言われた瞬間シアターが暗くなり、スクリーンに映画の宣伝が映し出された。
良かった…。
思わずオレンジジュースを飲む。
甘酸っぱい味が口の中に広がった。
暗くなかったら顔が赤いのがバレる所だった。
昴さん、わざとなのか天然なのか女たらしなんだよな…。女の子が喜ぶ言葉が分かっているというか。
ズルいなー…。
まぁ告白を断ってこうやって一緒に居る私もズルいのかもしれないけど。
ーーーーーーー
「よ…良かったああぁぁ…。」
「泣くほど良かったんですか?」
「だ、だってぇ…。主役が味方を庇って、あれ絶対死んだと思うじゃないですか!?
…生きてて良かった…。」
昴さんを見ながら言うと困ったような顔をして
"そうですね…生きてて良かったです。"と呟いた。
「うぅ…。ちょっとトイレで化粧直してきます。」
「分かりました。」
トイレで鏡を見ると思いのほかメイクは崩れてなかった。流石はウォータープルーフ!
予告見た時点で絶対泣くだろうと思って対策しておいて良かった。
「この後どうしますか?夕食、食べて帰ります?」
「あー…良かったらうちに来ます?料理作りますよ。あ、でもうちだと呑めないですよね。
…泊まります?」
昴さんはいつも工藤邸で夕食を摂るときお酒を呑むことが多い。私はいつも車だから一緒に呑んだことはないけど、いつか一緒にお酒呑みたいと思っていた。
「良いんですか?」
「はい。」
「一旦荷物を取りに戻りますね。それから一緒に買い物行きましょう。」