昨日はベルツリー急行の件で色々と事件があり大変だった。
とにかくあの少女が無事で何よりだ。
今日は時折隣の家の様子を伺いながらゆっくり過ごすか。

昼食を食べてブラックコーヒーを飲んでいると電話が鳴った。ボウヤかな…。
「もしもし。」
電話の声の主が分かり思わず笑顔になる。
名古屋へ行ったからお土産を渡したいとの事。

名古屋という事は彼女はベルツリー急行の終着駅で待機していたのか。結局何もする事がなくなって暇を持て余し、お土産を買ったのかもしれない。
自分の事を思って買ってきてくれたのだと思うと嬉しい。
…約束の時間までまだ余裕がある。
何か用意しておくか。公安だからなるべく配慮して食べ物を口にするだろう。

最近喫茶ポアロにかつて組織で行動を共にした
"バーボン"が働いている。
ナマエの事を探っていると時折"降谷"という人物と電話していた。
試しに公安の中で降谷という人物を調べたらバーボンと同一人物だと分かった。
バーボンは本名降谷零、ポアロでは安室透というらしい。
とにかく、ポアロで買ったものなら彼女は安心して食べられるだろう。


その後彼女は予定の時間より少し遅れて到着した。
お土産を渡してさっさと帰ろうとするのでケーキで釣り、沖矢昴という容姿とキャラクターを上手く使ってアプローチをした。
やはり押しに弱いのか家に入ってきてくれた。

他愛もない話をしつつ、彼女にマッサージをする事にした。
ただ触れたいからではない。
身体というのは日々の生活が現れる。
腕や肩の筋肉や関節一つ一つでわかる事は多い。

なるほど…この辺り随分鍛えているな。
それとここが凝っている。
この関節、少々曲がっている…。

色々触れて分かったがおそらく彼女は俺と同じで、
ライフルを使うのかもしれない。
という事はスナイパーか？
スコッチがスナイパーだったが彼が居ない今、彼女が降谷君の傍で同じ役割を果たしているのかもしれない。
それともう1つ、なんらかの格闘技をやっているんだろう。
彼女と手合わせする事が無いことを祈りたい。
バーボンと同じく、彼女は敵に回したくはない。