Put on a happy face
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高校生になっても中学の時の噂が広まって関係を持とうとしてくる男は数名居た。
本当に面倒臭い。適当に上手くあしらった。
高校生活が始まって1ヶ月程経ったある日。
その日は朝から少し調子が悪かった。
生理痛で腰もお腹も痛くて最悪な気分だった。
全てのやる気を失って、人生で初めて黙って授業をサボった。
サボって逃げる場所の定番といえば屋上だろう。
ただ、鍵がかかっているから屋上には出られないであろう事は分かっていた。
まぁ、屋上のドアの前に居てもいいか。
何処でも良いから、とにかく今は逃げる場所が欲しい。
なんとか階段を上って、試しに屋上のドアノブを回すと勢いよくドアが開いた。
開くと思っていなかったので肩透かしを食らったように前方に倒れかけたが、なんとか踏みとどまって屋上へと出た。
「あ…いい気持ち。」
風が頬を撫でる。暑くもなく湿気も程よい。
思わず口元が緩む。
「ここはくつろぐには最高だ。」
「ヒッ」
突然後ろから声がして息を飲み、慌てて振り返った。
「すまない、驚かせてしまったかな?
俺も一瞬先生が来たかと思って焦ったぜ。
…もしかして君もサボりに来たのか?」
少し癖のある黒髪にグリーンの眼のスラッとした長身の男。少々日本人離れした目鼻立ち。
綺麗な顔をした男だと思った。
ただ、今の気分は最悪なのでどんなにかっこよかろうが誰であろうが話したくもない。
一刻も早く立ち去ろうと決めた。
つかつかとドアの方へ歩いて戻ろうとするとぐっと腕を掴まれる。
「顔色が悪いな。大丈夫か?
ちゃんと飯食っているのか?
痩せすぎだ。そうだ、これ食っていいぞ。」
随分甘そうなスティックパンを渡された。
練乳イチゴパン??
パンの切れ込みにピンク色と白色のクリームがたっぷり挟まっている。
「今朝間違えて買ってしまった。俺は甘いものは苦手なんだ。」
甘いものが苦手にしては逆によくこんな甘そうなパンを買ったなと、なんだかおかしくなってしまった。
「あははは!甘そう!でも私、甘い物好き。
ありがとう…今食べていい?」
「あぁ。」
一瞬呆けた顔をしたがすぐに返事が返ってきた。
今朝は調子悪くて朝ごはんを食べてなかったので素直に嬉しい。
彼は突然制服のジャケットを脱ぐと床に敷いた。私に目配せをしてここに座れとジェスチャーをされる。
「え、いいよ。ジャケット汚れるよ?」
「構わんよ。君のスカートが汚れるよりは良いさ。」
戸惑ったが、私は男を手玉に取るくらいの女になると決めたのだ。
遠慮していたらこの先やっていけない。
「ありがとう。」ジャケットの上に座りパンを食べた。
「見た目よりは甘くないよ。美味しい。」
「…そうか。1口貰っていいか?」
「そもそも貴方のだけど。はい。」
1口ちぎって渡す。
「Uh… Sickly-sweet(クソ甘い).」と言って盛大に咳き込んだ。
「えっ、そうだった?…あ、じゃあお礼にこれあげる。お茶。」
「いいのか?」
「私、水筒持ってるの。このお茶は貰っただけ。」
私の事を気に入っている男に強引に押し付けられたものだ。時々だが他にも色々とものを押し付けられるので貰うだけ貰っていた。
「…誰かに貰ったものなら、いらない。」
そう言って返された。
それが妙に私をイラつかせた反面、興味を持った。
私の周りの男は何を言っても拒絶しない。
別に自惚れている訳では無いが、私の好意を何故拒否するのか気になった。
「…それじゃあ、後日私にお礼させて。」
「別に礼は不要だが、そう言うなら。」
「ねぇ、何年何組?」
「1年4組。君は?」
「私3組。隣ね。パン、本当にありがとう。そろそろ戻るわ。またね。ジャケットもありがとう。」
そう言ってジャケットを返して自分の中で自信のある、渾身の笑顔を貼り付けて教室へ戻った。
そろそろ次の授業が始まるだろう。
甘いものを食べたおかげでだいぶ体調が良くなっていた。
本当に面倒臭い。適当に上手くあしらった。
高校生活が始まって1ヶ月程経ったある日。
その日は朝から少し調子が悪かった。
生理痛で腰もお腹も痛くて最悪な気分だった。
全てのやる気を失って、人生で初めて黙って授業をサボった。
サボって逃げる場所の定番といえば屋上だろう。
ただ、鍵がかかっているから屋上には出られないであろう事は分かっていた。
まぁ、屋上のドアの前に居てもいいか。
何処でも良いから、とにかく今は逃げる場所が欲しい。
なんとか階段を上って、試しに屋上のドアノブを回すと勢いよくドアが開いた。
開くと思っていなかったので肩透かしを食らったように前方に倒れかけたが、なんとか踏みとどまって屋上へと出た。
「あ…いい気持ち。」
風が頬を撫でる。暑くもなく湿気も程よい。
思わず口元が緩む。
「ここはくつろぐには最高だ。」
「ヒッ」
突然後ろから声がして息を飲み、慌てて振り返った。
「すまない、驚かせてしまったかな?
俺も一瞬先生が来たかと思って焦ったぜ。
…もしかして君もサボりに来たのか?」
少し癖のある黒髪にグリーンの眼のスラッとした長身の男。少々日本人離れした目鼻立ち。
綺麗な顔をした男だと思った。
ただ、今の気分は最悪なのでどんなにかっこよかろうが誰であろうが話したくもない。
一刻も早く立ち去ろうと決めた。
つかつかとドアの方へ歩いて戻ろうとするとぐっと腕を掴まれる。
「顔色が悪いな。大丈夫か?
ちゃんと飯食っているのか?
痩せすぎだ。そうだ、これ食っていいぞ。」
随分甘そうなスティックパンを渡された。
練乳イチゴパン??
パンの切れ込みにピンク色と白色のクリームがたっぷり挟まっている。
「今朝間違えて買ってしまった。俺は甘いものは苦手なんだ。」
甘いものが苦手にしては逆によくこんな甘そうなパンを買ったなと、なんだかおかしくなってしまった。
「あははは!甘そう!でも私、甘い物好き。
ありがとう…今食べていい?」
「あぁ。」
一瞬呆けた顔をしたがすぐに返事が返ってきた。
今朝は調子悪くて朝ごはんを食べてなかったので素直に嬉しい。
彼は突然制服のジャケットを脱ぐと床に敷いた。私に目配せをしてここに座れとジェスチャーをされる。
「え、いいよ。ジャケット汚れるよ?」
「構わんよ。君のスカートが汚れるよりは良いさ。」
戸惑ったが、私は男を手玉に取るくらいの女になると決めたのだ。
遠慮していたらこの先やっていけない。
「ありがとう。」ジャケットの上に座りパンを食べた。
「見た目よりは甘くないよ。美味しい。」
「…そうか。1口貰っていいか?」
「そもそも貴方のだけど。はい。」
1口ちぎって渡す。
「Uh… Sickly-sweet(クソ甘い).」と言って盛大に咳き込んだ。
「えっ、そうだった?…あ、じゃあお礼にこれあげる。お茶。」
「いいのか?」
「私、水筒持ってるの。このお茶は貰っただけ。」
私の事を気に入っている男に強引に押し付けられたものだ。時々だが他にも色々とものを押し付けられるので貰うだけ貰っていた。
「…誰かに貰ったものなら、いらない。」
そう言って返された。
それが妙に私をイラつかせた反面、興味を持った。
私の周りの男は何を言っても拒絶しない。
別に自惚れている訳では無いが、私の好意を何故拒否するのか気になった。
「…それじゃあ、後日私にお礼させて。」
「別に礼は不要だが、そう言うなら。」
「ねぇ、何年何組?」
「1年4組。君は?」
「私3組。隣ね。パン、本当にありがとう。そろそろ戻るわ。またね。ジャケットもありがとう。」
そう言ってジャケットを返して自分の中で自信のある、渾身の笑顔を貼り付けて教室へ戻った。
そろそろ次の授業が始まるだろう。
甘いものを食べたおかげでだいぶ体調が良くなっていた。