Put on a happy face
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ずっとタイミングを見計らっていた。
彼女がコーヒーをよく買って仕事場へ行くことは分かっていた。
それを利用し、今朝なんとかわざとらしくなく
ナマエにぶつかり服にコーヒーをかけさせた。
彼女が気に病むようにあえて白いシャツで。
シャツが白から黒に徐々に染まる。
肌にペったりとシャツが張り付いて正直不快だ。
慌てる彼女に構うことなくわざと素早く立ち去った。
これで強く印象付ける事が出来たはず。
さっさと車に乗り込むと助手席に置いていたネイビーのシャツに袖を通した。
悪いがこの白いシャツはお役御免だ。
ビニール袋にぶち込んで助手席の足元に放り投げた。
後は夜、偶然を装って会うだけだ。
入口で赤いリンゴを手に持っていると案の定声をかけられた。
適当にカレーに入れるリンゴの話をしたのだが、思ったより彼女は大笑いした。
ああ…初めて会ってパンを手渡した時の笑顔そのままだ。俺の好きな笑顔。この笑顔が見たくてあの時近付いたと言っても過言ではない。
しばらくして笑いが落ち着いたらしい。
次に見せた顔はやはり顔に貼り付けたような笑み。
やはり俺と離れてからこの笑顔に戻ってしまっていたのか。残念だ。
なんとか料理を教えて貰えるようこじつけ、上手くいった。
買い物をして目に入ったのはアイスのコーナー。
懐かしい気持ちになり思わず提案する。
「買い物付き合って頂いたお礼に、アイスでもどうですか?」
「いえ、そもそも私がお詫びをする立場ですし…。」
「甘いもの、お嫌いですか?」
「好きですが…。」
「遠慮はいりません。バーゲンダッツでいいですか?」
「えっ、いやもっと安くていいです!このガリガリ君で!」
あの時と同じ、彼女は安いアイスを選ぶ。
今回ばかりはそうはさせない。
「ダメです。こっちから選んで下さい。」
「えっ…えぇー…。じゃあ、バニラ…。」
思ったより彼女は押しに弱い。覚えておこう。
その後車に案内する。
こうもホイホイ着いてきて…危機管理は大丈夫なんだろうか。仮にも公安だろう?
そう思ったが、俺の見た目からヤワな優男だと思っているのかもしれない。
これは男として見られるようにする必要があるな。
助手席のドアを開けてさりげなく細工をした。
「シートベルト、締めましたか?」
「ッ…固いですね。」
「…ちょっと失礼。」
そんなに近づく必要はないが、わざと覆いかぶさるようにしてシートベルトを締めた。
彼女の目にほんの少し動揺が見られた。
しばらく車を走らせると突然俺に彼女はいないのかと聞いてきた。
これは男として興味を持ってくれているのだろうか。
しかし自分が今の身分上27歳だと告げると明らかにショックを受けたようだった。
実年齢が言えないのが実に悔しい。
さりげなく年上は好きだとアプローチをする。
家に着いたのだが、問題が発生した。
家が燃えていた。
車から降りて警察に声をかけるとやはり燃えているのは木馬荘だった。
あぁ…せっかくのチャンスがこれではしばらくお預けだな。
警察に連絡先を伝えて再度車に乗り込んだ。
「申し訳ないですが料理を教えてもらうのはまた今度にします。食材は持って帰って頂いて構いません。家まで送りますよ。ご自宅を知られたくなければ近くまででも良いですし。」
「あの、沖矢さん…今夜寝るとこあります?」
「適当にホテル探しますよ。」
「良ければうち、来ます…?」
…は?聞き間違いだろうか。彼女の家に?
正直思ってもなかった提案に頭がついていかない。
見知らぬ男性を家にあげるほど彼女は本当に男遊びをするような人物になってしまったのか?
考えあぐねていると彼女が口を開いた。
「あっ、ごめんなさい。つい心配になって。」
俺をどうやら心配してくれていたらしい。
つい邪推してしまった。
連れて来られたマンションに驚いた。
15の時俺が住んでいたマンションだ。
実家から目の前だし何かと便利だったのかもしれない。
部屋に入りさっそく肉じゃがを作っていく。
なんとか形になっただろうか。
肉じゃがを完成させる事が出来た。
ナマエと共に食卓を囲めるのが本当に嬉しかった。
これからも教えて欲しいと打診してみたが受け入れてくれた。
その後一旦変装を解きお風呂に入った。
この姿を見られる訳にはいかない。
カラーコンタクトを外し、自分のグリーンアイが鏡に映る。まぁ目を開けなければ大丈夫だろう。
ウィッグを身につけ、隈を隠すと部屋に戻った。
さて、明日からやる事が山積みだ。
ソファーか床で寝かせて貰おう。
適当にジャケットを布団代わりにすれば良い。
「沖矢さん、今日はベッド使って下さい。」
そういう訳にはいかない。
「ダメです。ナマエさんがベッド使って下さい。僕はソファーか床で寝ます。」
「ダメです!沖矢さん、明日から引越し先を決めたり忙しいのに寝れてなかったらキツいですよ!
私、職業柄ソファーで寝たりするの慣れますから。
なんなら座ったまま寝れますので。」
「女性なんですからそんな無茶はしないで下さい。」
なかなか彼女は強情だ。
押し問答が続いた時またしても驚く事を言われた。
「じゃあ一緒にベッドで寝ましょう。幸い私のベッドはダブルベッドです。広いベッドで寝るのが好きなもので。はい、これでいいですね。」
そう捲したてられて思わずフリーズした。
おい…俺が男だと分かっているのか?
けれどこの押し問答を続ける訳にはいかない。
「……。そちらが良いのであれば。」
「……。すみません、勢い余ってまた変な事を。
…私は構いません。」
お互い困ったようななんとも言えない顔をして一緒にベッドに横になった。
「…沖矢さん、そんな端に寝ていたら落ちますよ?」
「…大丈夫です。ナマエさんこそそんな壁際にいたら冷えますよ。」
「…お互い真ん中に寝ましょう。」
「…はい。…あの…。僕の腕、ガムテープか何かでグルグル巻にしてください。」
このままでは理性が飛びそうだ。
「え?」
「寝ている間無意識にそちらに触れてしまうかもしれませんし。」
「いやいや、そんな腕を縛ったまま寝るなんて苦行ですよ!別にちょっとやそっと触られても何も思いません。…じゃあ背中くっつけておきましょう。お互いそれなら身動き取れなくて安心です。」
「…分かりました。」
お互いそっと背中合わせになる。
彼女の体温が背中越しに伝わって思わず下半身に熱が籠る。それにシャンプーの良い香りが鼻腔を蕩かす。
俺は今でもナマエの事を愛している。
一旦離れたものの気持ちは変わらない。
想い人とこんなに密着して身体が反応しない男が居るだろうか。
「沖矢さん…暑くないですか?」
やはり身体の熱が彼女に伝わっているようだ。
全然関係ない事を考えてやり過ごすしかない。
「大丈夫です。」
「そうですか。…おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
彼女はあっという間に眠りに落ちた。
「いつか俺に襲われても…知らんぞ。」
寝ている彼女の髪にそっと触るも無反応。
…公安として大丈夫か?思わず問い詰めたくなった。
彼女がコーヒーをよく買って仕事場へ行くことは分かっていた。
それを利用し、今朝なんとかわざとらしくなく
ナマエにぶつかり服にコーヒーをかけさせた。
彼女が気に病むようにあえて白いシャツで。
シャツが白から黒に徐々に染まる。
肌にペったりとシャツが張り付いて正直不快だ。
慌てる彼女に構うことなくわざと素早く立ち去った。
これで強く印象付ける事が出来たはず。
さっさと車に乗り込むと助手席に置いていたネイビーのシャツに袖を通した。
悪いがこの白いシャツはお役御免だ。
ビニール袋にぶち込んで助手席の足元に放り投げた。
後は夜、偶然を装って会うだけだ。
入口で赤いリンゴを手に持っていると案の定声をかけられた。
適当にカレーに入れるリンゴの話をしたのだが、思ったより彼女は大笑いした。
ああ…初めて会ってパンを手渡した時の笑顔そのままだ。俺の好きな笑顔。この笑顔が見たくてあの時近付いたと言っても過言ではない。
しばらくして笑いが落ち着いたらしい。
次に見せた顔はやはり顔に貼り付けたような笑み。
やはり俺と離れてからこの笑顔に戻ってしまっていたのか。残念だ。
なんとか料理を教えて貰えるようこじつけ、上手くいった。
買い物をして目に入ったのはアイスのコーナー。
懐かしい気持ちになり思わず提案する。
「買い物付き合って頂いたお礼に、アイスでもどうですか?」
「いえ、そもそも私がお詫びをする立場ですし…。」
「甘いもの、お嫌いですか?」
「好きですが…。」
「遠慮はいりません。バーゲンダッツでいいですか?」
「えっ、いやもっと安くていいです!このガリガリ君で!」
あの時と同じ、彼女は安いアイスを選ぶ。
今回ばかりはそうはさせない。
「ダメです。こっちから選んで下さい。」
「えっ…えぇー…。じゃあ、バニラ…。」
思ったより彼女は押しに弱い。覚えておこう。
その後車に案内する。
こうもホイホイ着いてきて…危機管理は大丈夫なんだろうか。仮にも公安だろう?
そう思ったが、俺の見た目からヤワな優男だと思っているのかもしれない。
これは男として見られるようにする必要があるな。
助手席のドアを開けてさりげなく細工をした。
「シートベルト、締めましたか?」
「ッ…固いですね。」
「…ちょっと失礼。」
そんなに近づく必要はないが、わざと覆いかぶさるようにしてシートベルトを締めた。
彼女の目にほんの少し動揺が見られた。
しばらく車を走らせると突然俺に彼女はいないのかと聞いてきた。
これは男として興味を持ってくれているのだろうか。
しかし自分が今の身分上27歳だと告げると明らかにショックを受けたようだった。
実年齢が言えないのが実に悔しい。
さりげなく年上は好きだとアプローチをする。
家に着いたのだが、問題が発生した。
家が燃えていた。
車から降りて警察に声をかけるとやはり燃えているのは木馬荘だった。
あぁ…せっかくのチャンスがこれではしばらくお預けだな。
警察に連絡先を伝えて再度車に乗り込んだ。
「申し訳ないですが料理を教えてもらうのはまた今度にします。食材は持って帰って頂いて構いません。家まで送りますよ。ご自宅を知られたくなければ近くまででも良いですし。」
「あの、沖矢さん…今夜寝るとこあります?」
「適当にホテル探しますよ。」
「良ければうち、来ます…?」
…は?聞き間違いだろうか。彼女の家に?
正直思ってもなかった提案に頭がついていかない。
見知らぬ男性を家にあげるほど彼女は本当に男遊びをするような人物になってしまったのか?
考えあぐねていると彼女が口を開いた。
「あっ、ごめんなさい。つい心配になって。」
俺をどうやら心配してくれていたらしい。
つい邪推してしまった。
連れて来られたマンションに驚いた。
15の時俺が住んでいたマンションだ。
実家から目の前だし何かと便利だったのかもしれない。
部屋に入りさっそく肉じゃがを作っていく。
なんとか形になっただろうか。
肉じゃがを完成させる事が出来た。
ナマエと共に食卓を囲めるのが本当に嬉しかった。
これからも教えて欲しいと打診してみたが受け入れてくれた。
その後一旦変装を解きお風呂に入った。
この姿を見られる訳にはいかない。
カラーコンタクトを外し、自分のグリーンアイが鏡に映る。まぁ目を開けなければ大丈夫だろう。
ウィッグを身につけ、隈を隠すと部屋に戻った。
さて、明日からやる事が山積みだ。
ソファーか床で寝かせて貰おう。
適当にジャケットを布団代わりにすれば良い。
「沖矢さん、今日はベッド使って下さい。」
そういう訳にはいかない。
「ダメです。ナマエさんがベッド使って下さい。僕はソファーか床で寝ます。」
「ダメです!沖矢さん、明日から引越し先を決めたり忙しいのに寝れてなかったらキツいですよ!
私、職業柄ソファーで寝たりするの慣れますから。
なんなら座ったまま寝れますので。」
「女性なんですからそんな無茶はしないで下さい。」
なかなか彼女は強情だ。
押し問答が続いた時またしても驚く事を言われた。
「じゃあ一緒にベッドで寝ましょう。幸い私のベッドはダブルベッドです。広いベッドで寝るのが好きなもので。はい、これでいいですね。」
そう捲したてられて思わずフリーズした。
おい…俺が男だと分かっているのか?
けれどこの押し問答を続ける訳にはいかない。
「……。そちらが良いのであれば。」
「……。すみません、勢い余ってまた変な事を。
…私は構いません。」
お互い困ったようななんとも言えない顔をして一緒にベッドに横になった。
「…沖矢さん、そんな端に寝ていたら落ちますよ?」
「…大丈夫です。ナマエさんこそそんな壁際にいたら冷えますよ。」
「…お互い真ん中に寝ましょう。」
「…はい。…あの…。僕の腕、ガムテープか何かでグルグル巻にしてください。」
このままでは理性が飛びそうだ。
「え?」
「寝ている間無意識にそちらに触れてしまうかもしれませんし。」
「いやいや、そんな腕を縛ったまま寝るなんて苦行ですよ!別にちょっとやそっと触られても何も思いません。…じゃあ背中くっつけておきましょう。お互いそれなら身動き取れなくて安心です。」
「…分かりました。」
お互いそっと背中合わせになる。
彼女の体温が背中越しに伝わって思わず下半身に熱が籠る。それにシャンプーの良い香りが鼻腔を蕩かす。
俺は今でもナマエの事を愛している。
一旦離れたものの気持ちは変わらない。
想い人とこんなに密着して身体が反応しない男が居るだろうか。
「沖矢さん…暑くないですか?」
やはり身体の熱が彼女に伝わっているようだ。
全然関係ない事を考えてやり過ごすしかない。
「大丈夫です。」
「そうですか。…おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
彼女はあっという間に眠りに落ちた。
「いつか俺に襲われても…知らんぞ。」
寝ている彼女の髪にそっと触るも無反応。
…公安として大丈夫か?思わず問い詰めたくなった。